82年の忠実屋赤羽店が今、イオンスタイル赤羽として蘇る
今週日曜日は土用の丑。
日本中、どこの店に行っても、
鰻、ウナギ。
土用は「雑節」のひとつ。
半夏生、二百十日、彼岸、
そして土用。
土用は、
二十四節気の立春・立夏・立秋・立冬の前の、
それぞれ約18日間の期間のこと。
1年にほぼ72日。
この土用は、
陰陽五行説から考え出された。
一方、丑の日は、十二支の日。
子・丑・寅・兎・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥と、
つながっている、その二番目。
この土用と丑が重なるのが、
土用の丑。
江戸時代の平賀源内のアイデア。
土用の丑の日に鰻を食べるのが体によいと、
プロモーションを展開した。
そのときの看板が、
「本日土用丑の日」
それが大ヒット。
いまも続く。
平賀源内に感謝しつつ、
大展開したい。
さて今日は朝早くから、
商人舎編集部が東京・赤羽へ。
この店は1982年に、
忠実屋赤羽店としてオープンした。
3層の中型総合スーパーだった。
1994年に忠実屋がダイエーに吸収され、
さらにダイエーが2015年にイオンの子会社になると、
この店は2016年、
イオン赤羽北本通り店と改称され、
2020年まで営業した。
38年が経って老朽化が進み、
今回、スクラップ&ビルドされた。
「イオンスタイル赤羽」は、
都市型ワンストップショッピングストアである。
2層の「コンビネーションスト」として蘇った。
1階は旧店比1.6倍に拡張された食品フロア、
2階がドラッグストアと日用品の売場、
ヤマダ電機とキャンドゥが入居した。
1階には外食の有力店が入った。
丸亀製麺とスターバックスコーヒー。
さらにドムドムバーガー。
ドムドムは旧店時代から人気だった。
8時45分からオープンセレモニー。
地元小学生によるダンスパフォーマンス。
この時点で気温は32度。
それを道路にまで並んだお客たちが、
一斉にスマホで撮影。
9時の開店までには、
1000人ほどが並んだ。
入店制限をしつつ、いよいよ開店。
青果売場に押し寄せるお客たち。
地元住民は、3年間、
再開店するのを待っていた。
だからとても嬉しそうだ。
奥主通路の精肉売場も混雑している。
オープン日は生鮮がよく売れる。
イオンの店舗は主通路が広い。
カートショッピングの高齢者にとっても、
車椅子で来店するお客にとっても、
便利な店だ。
日常使いの店揃えだ。
オープン日だから当然だが、
どの店にも満遍なくお客が入っていた。
顧客の期待の大きさが、よくわかる。
一方、報道陣は、
北区立元気プラザに移動して、
2階の会議室で記者会見。
店長の増原雄司さん。
「お客さまからの要望に、
できるだけ応えた売場となった」
増原さんは2019年7月、
イオンリテールの米国研修会に参加した。
コーディネーターは結城義晴。
テキサスとニューヨークを回った。
「帰国してからみんなで、
アメリカで見たあんな店をつくろうと
話しあいました」
と、言ってくれた。
私は今日、
その晴れ姿を見ることはできなかった。
けれど必ず見に行きます。
増原店長、頑張れ!!
編集部は生鮮市場スーパーバリューを訪問。
イオンスタイルから300m離れたところにある。
ロピアの傘下に入って、
こちらも生鮮売場がガラリと変わった。
さらに、赤羽駅前のダイエー赤羽店。
この店がみんながよく知っている、
あの赤羽戦争のダイエー。
建て替えのため9月10日に営業を終了する。
9月20日から別館に移設して、
リニューアルオープンの予定。
イオンスタイル赤羽は、
月刊商人舎8月号でスタディする。
都市部の総合スーパーは、
かつてはドル箱店ばかりだった。
しかし競争環境が変わり、
老朽化も進んでスクラップ&ビルドが進む。
再生された店はどのように変わるのか。
それにしても「店」とは凄いものだ。
41年も前にこの地に生まれた店。
経営する会社は、
忠実屋からダイエー、
そしてイオンへと変わった。
それでも店は生き続ける。
結構、たいしたもんだ。
それを生き返らせるのが知識商人だ。
増原雄司、頑張れ。
〈結城義晴〉