「貧者よくオゴリ富者出シしぶる」と知識の「富者よくオゴル」
今日も商人舎オフィスに出社して、
一日中、原稿執筆。
単行本です。
けれどオフィスの中は涼しい。
狭いながらも楽しい我が家♪
ここのところ、
土曜・日曜も「わが家」に出て、
原稿を書いている。
なかなか思い通りに進まないけれど、
それでも構想が膨らんでいく。
狭いながらも楽しい我が家♪
愛の火影のさすところ
恋しい家こそ私の青空♪
いま、一番関心を持っているのが原稿だ。
その一部をここで書きたいところだけれど、
それは本ができるまで公開しない。
出来上がったら読んでください。
朝日新聞「折々のことば」
昨日の第2804回。
諺にも言えり、
貧者よくオゴリ
富者出シしぶる。
持てる者は、
自分のこと以外に、
一銭も出さぬものです。
(花森安治『暮しの眼鏡』から)
「懐が寒い人ほど
人によく奢(おご)り、
懐の温(あたたか)い人ほど
よく驕(おご)る、
というのが世の習(ならい)」
さすが花森さん。
暮らしの手帳の創刊者。
うまいことを言う。
一昨日の「折々のことば」
第2803回。
信望を高める手段は、
贈与というか、
要するに、
自分が得たものをどんどん
配っていくことなんです。
(阿部謹也『対談 中世の再発見』から)
「近代以前の西洋社会では、
“出世”は地位が上がることでも
富裕になることでもなく、
人びとのあいだで信望が
高まることを意味した」
信望が高いから、
重要な地位に着く。
それがいい。
リーダーシップの5段階。
ギリシャ、ローマ時代から、
「ノブレス・オブリージュ」といわれた。
noblesse oblige。
「それも物に限らず、
行為や会話、知識において
相手に与えるものが多いことだった」
見返りを求めず、
行為や知識を与える。
阿部謹也さんは西洋中世史家。
元一橋大学学長。
編著者の鷲田清一さん。
「そういえば”リベラル”の第一義も
気前のよさ」
ジョン・マックスウェル。
ミドルマネジメント研修会でも講義に使う。
リーダーシップの5つのレベル。
第1レベルは地位によるリーダーシップ。
これが一番低いレベル。
第2は相互理解によりリーダーシップ。
コミュニケーションによるもの。
第3が成果によるリーダーシップ。
結果を出せばリーダーシップが生まれる。
第4が人材育成によるリーダーシップ。
人を育てることで信望が高まる。
そして第5は人間性によるリーダーシップ。
尊敬されることが人々を導く力になる。
自分が得たものを、
どんどん配っていく。
それによって尊敬される。
信望が高まる。
知識や情報は、
相互交流する。
与えれば与えるほどに、
跳ね返って来て、
得るものが大きくなる。
知識や知恵や情報に関しても、
「富者よくオゴル」がいい。
〈結城義晴〉