食品メーカー6社が北海道で進める「商品は競争・物流は協調」
今日も1日、商人舎オフィス。
月刊商人舎8月号の責了日。
執筆が残っているのは、
私の短い原稿ばかり。
表紙のCoverMessage、
Message of August、
結城義晴の述懐、
そして評論。
今月は校正をせず、
単行本の執筆。
それでも全部責了しました。
デザイナーの七海真理さん、
本当にありがとう。
今月号も、
いい雑誌になりました。
表紙はとても気に入りました。
さて今日は将棋の王座戦の、
挑戦者決定戦。
将棋界には八つのタイトルがある。
そのうちの七つは、
藤井聡太が保持している。
だから七冠と呼ばれる。
名人、竜王、王位、王将、
棋王、棋聖、叡王。
残るたった一つの王座を、
永瀬拓也が持っている。
その永瀬王座への挑戦者。
トーナメントを勝ち抜いて残った二人が、
藤井名人・竜王、21歳と、
豊島将之九段、33歳。
豊島は攻守のバランスが良くて、
「序盤・中盤・終盤すべてに隙がない」。
2014年からすでに、
将棋ソフトを使って研究を始めた。
将棋ソフト研究の先駆的存在だ。
竜王、名人を獲得し、
三冠だった。
それらを結局は藤井に奪取された。
愛知県一宮市出身で、
岐阜県瀬戸市生まれの藤井とは隣県人。
ともに中京圏の棋士。
共通点が実に多い。
藤井が先手。
いつものように「初手お茶」のあと、
いつものように2六歩。
最後は両者1分将棋。
逆転逆転の目まぐるしい闘い。
藤井が最後に、
9八角という妙手を放って勝ち切った。
そして挑戦者となって記者会見。
どんな問題にも、
謙虚に丁寧に答える。
いつも思うけれど、
日本の若者は素晴らしい。
さて、食品メーカー6社が、
北海道で共同配送の再構築を進める。
味の素㈱(藤江太郎社長)
カゴメ㈱(山口聡社長)
日清オイリオグループ㈱(久野貴久社長)
㈱日清製粉ウェルナ(岩橋恭彦社長)
ハウス食品グループ本社㈱(浦上博史社長)
㈱Mizkan(吉永智征社長)
共同出資の物流会社F-LINEが仲介をする。
現状と比べると配送件数は約21%減、
二酸化炭素排出量は約16%減。
とくに北海道では2024年問題が深刻だ。
配送の人手不足、
物流コストの上昇、
脱炭素への対応。
この課題を克服するために、
共同物流が広がっている。
さらに商品の保管拠点、配送車両を、
共同利用する。
狙いは3つ。
⑴6 社共同配送の推進
⑵中・長距離幹線輸送ルートの再構築
⑶物流の整流化・各種標準化の実現
(伝票電子化・外装サイズ標準化など)
2016年4月からすでに、
2拠点での共同配送は始まっていた。
商品は競争。
物流は協調。
それはメーカーも小売業も、
さらに卸売業も同じだ。
困っているところから、
イノベーションは起こる。
これは全国的な傾向となる。
F-LINE(エフライン)の旧商号は、
味の素物流。
2019年4月に、
カゴメ物流サービス、
ハウス物流サービスの運送・倉庫事業を統合。
共同配送だけでなく、
物流機能自体の会社統合も進むだろう。
それはやがて、
巨大なインフラとなる。
情報分野のプラネットのようになる。
それはもう明らかだ。
コロナは時間を早めたのだ。
〈結城義晴〉