日経「22年度コンビニエンスストア調査」に思う
8月15日。
終戦の日。
木立みな影を短く敗戦忌
〈作田幸子〉
78年前の今日、
昭和天皇の玉音放送があった。
「朕(ちん)、深く世界の大勢と
帝国の現状とに鑑み、
非常の措置をもって
時局を収拾せんと欲し、
ここに忠良なるなんじ臣民に告ぐ」
聞き取りにくいラジオから、
天皇の声が流れた。
そして戦争は終わった。
タモリが徹子の部屋に出演して、
漏らした言葉が話題になっている。
黒柳。
「来年はどんな年になりますかね」
タモリ。
「誰も予測できないですよね、
これはねぇ」
「なんていうか……
新しい戦前になるんじゃないですかね」
「新しい戦前」
瞬間芸のタモリ。
言葉を放っておいて、
間をおいて考えさせる。
こちらがどう思うかが問題だ。
軍備によって平和を維持すると考えるか。
軍拡に反対するか。
タモリは現政権の流され方が、
「新しい戦前」につながるかもしれないと、
感じているのだろう。
空蝉や背割れ八月十五日
〈河野南畦〉
今日も商人舎オフィス。
単行本の最終段階だ。
亀谷しづえGM、
山本恭広編集長、
出社して単行本の仕事をしてくれる。
ありがたい。
私は第一章から、
通しで校正をする。
普通に本を読む読み方ではない。
全神経を集中して、
細かいところまで、
論旨が一貫しているかに注意して、
読んでいく。
自分の文章だけれど、
あら捜しをしながら、
読んでいく。
自分で書いた本だから、
流されてしまう危険がある。
それを避けて、
他人の物のように読む。
だから結構、疲れる。
敗戦日働く蟻の腰くびれ
〈松倉ゆずる〉
日経新聞の記事は、
2022年度コンビニエンスストア調査。
前年度比の出店数。
セブン-イレブンが6%減の625店舗、
ファミリーマートが10%増の187店舗、
ローソンが53%減の228店舗。
合計すると21%減の1040店舗。
店舗数増加のピークは2013年度で、
3732店舗だった。
3社がそれぞれ1000店くらい出店していた。
多分、コンビニ業態のピークは、
2013年ということになる。
そこから約7割減。
2007年度以降で最低の出店数だった。
「市場の伸びが鈍化する中、
賃料などの費用も膨らみ、
各社は1店舗あたりの収益向上を
優先する姿勢を強めている」
23年度の出店計画。
セブンが前年度比6%減の585店舗、
ローソンが23%増の280店舗、
ファミマは回答なし。
22年度の1店舗あたりの全店平均日販は、
セブンが前年度比3.7%増の67.0万円。
ファミマは53.4万円、
ローソンは52.2万円。
まだまだ13万~14万円の差がある。
大手3社の22年度の全店売上高は、
11兆433億円。
鼎占のセブン、ファミマ、ローソン。
そこにミニストップ、セイコーマート、
デイリーヤマザキ、ニューデイズ、ポプラ。
コンビニ主要8社の22年度末の店舗数、
前年度比微減の5万7770店舗。
3年ぶりに前年度実績を下回った。
しかしコンビニ調査。
楽になったなあ。
3社でほとんどの動静がわかるし、
8社でこれもほぼ全部わかる。
鹿児島の「アイショップみやもと」のような、
すごい独立系コンビニもあるけれど。
月刊コンビニ、隔月刊、季刊コンビニ、
その前身の「コンビニエンスストアのすべて」。
食品商業で発刊していたときには、
毎年、独立系コンビニを、
故阿部幸男先生が独自のネットワークで、
調査してくれた。
考えてみれば、
あの勃興期が一番面白かった。
それにしてもコンビニ業態。
2013年がピークとすると、
これから国内戦略は、
どこへ向かうのだろうか。
〈結城義晴〉