白洲正子と結城信行とニーバーの「祈り」
10月です。
2023年もあと3カ月。
ビジネスで言えば、
残すところ四半期。
米国のプロモーションは、
ハロウィン真っ盛り。
そして10月31日のハロウィンが終わると、
全米のすべての小売業が、
ホリデーシーズンに向けて、
プロモーションを展開する。
11月第4週木曜日の感謝祭。
その翌日のブラックフライデー。
その1カ月後のクリスマスイブ。
あと3カ月となると、
アメリカでは商売のスイッチが入る。
その10月の私のメインイベントは、
10月10日出発の米国スペシャル研修会。
今回はダラスとニューヨークに行きます。
3年ぶりとなります。
どう変化したか、楽しみです。
朝日新聞「折々のことば」
第2867回。
神に祈る姿は、
世の中で最も
美しいものの一つです。
(白洲正子)
『かそけきもの』から。
白洲正子は明治生まれの随筆家。
1910年生まれ、1998年没。
読売文学賞を二度受賞している。
夫は白洲次郎。
吉田茂の側近。
白洲正子エッセイ集〈祈り〉は、
2015年に再刊された。
「天にまします我等の父よ、
願わくは御名の崇められんことを。
御国の来らんことを。」
これはクリスチャンの祈り。
「南無阿弥陀仏」は、
仏教徒の祈り。
「ナマンダブ」は、
私の伯父・結城信行98歳の、
万能の祈り。
白洲正子は書いている。
「祈りは、
ある慾や願いが元にあったにせよ
それさえ忘れ、
自分を遥(はる)かに超えるものに
身を委ねることだ」
とはいえこれほど難しいこともない。
「だから、自然の情景や絵を見て
思わず『ああ、いい』と
ため息を洩(も)らし
手を合わせたくなる、
その気持ちを大切にすればいい」
これが正子の言う祈りだ。
宗教との関係はなくとも、
「ああ、いい」とため息を漏らし、
手を合わせたくなる。
それが祈りの本質である。
「安心出来るという、
これ以上の強味は
人間としてない筈です」
日曜日には、
自分なりの祈りをささげたい。
それが週の終わりの習慣になればいい。
月のはじめの習慣でもいい。
私の祈りはいつも、
ラインホールド・ニーバー。
「変わるものを
変えられる勇気を、
変わらぬものを
受け入れる心の静けさを、
それらを見分ける英知を、
お与えください」
〈結城義晴〉