Specialコース・ダラス初日のウォルマート・HEB・クローガー
ダラス・フォートワース国際空港へ向けて、
降下が始まる。
アメリカ合衆国南部のハブ空港。
小型バスが待ち受けてくれていた。
これが快適。
バスに乗るとすぐに、
車中講義を始める。
空港の入国審査が思いのほか、
スムーズだった。
予定よりも1時間ほど早い出発。
そこで、少しだけ寄り道。
アーリントンのAT&Tスタジアム。
多目的スタジアムだ。
NFLのダラス・カウボーイズの本拠地。
次いで隣のグローブライフ・フィールド。
屋根付き野球場。
MLBのテキサス・レンジャーズの本拠地。
さらにスタジアムの近隣のウォルマートを急きょ視察。
スーパーセンターだ。
そして午前10時半、
今日一番で訪問する予定だった
インアンドアウト。
カリフォルニア出身ハンバーガーチェーン。
この店ではオペレーションを見学しつつ、
ブランチ。
お勧めは、
ハンバーガーとフレンチフライと、
ドリンクバーのセット。
セットの基本メニューは、
ダブルバーガー、
チーズバーガー、
ハンバーガーの3種類。
チーズバーガーであれば、
「ナンバー2プリーズ」で通じる。
向かったのがバールソン地区。
そのウォルマートスーパーセンター。
ウォルマートの中核フォーマットだ。
1店当たり約1億ドルを稼ぐ。
店内レイアウトは左サイドが主動線に沿って、
青果、インストアベーカリー、ミート、デアリー、
そしてセンターに飲料や加工食品の食品ゾーン。
右翼は非食品で、衣料、住関連、最後に ドラッグ。
さらに園芸やアウトドア。
この店は左回りだ。
来店客以上に目立ったのが
青のベストを着用したピックアップスタッフ。
この時間帯で店内に20人ぐらいはいた。
冷凍食品売場。
リーチイン3枚にスナック3アイテムが並ぶ。
価格は1ドル7セントと3ドル74セントの2つ。
続いて、
H.E.Bプラス。
HEBの2022年10月期は、
346店舗で売上高368億ドル。
テキサス州と一部メキシコに出店する
ローカルスーパーマーケット。
テキサス州には4つの大都市圏がある。
ダラス、サンアントニオ、オースティン、
そしてヒューストン。
それぞれの大都市圏に商勢圏を築く。
だからリージョナルチェーンと考えてもいい。
店舗の左サイドにカーブサイドピックアップ。
オンライン対応でも競合は激しい。
それはウォルマートであり、
クローガーである。
HEBの圧倒的な青果売場。
地方チェーンのモデルである。
「MEAL SIMPLE」のコーナー。
オードブルメニュー、メインのミールメニュー、
イタリアンメニューなど
オーブン調理のミールキットが並ぶ。
H.E.Bプラスはウォルマート対策のために、
非食品売場をプラスしたフォーマットだ。
ドラッグ、ペットなどの部門がゾーニングされている。
店全体に活気があって、
ウォルマートを凌ぐ競争力をもつ。
次いでターゲット。
ウォルマートと同じビジネスモデルの企業。
ディスカウントストアの二番手チェーン。
H.E.Bプラスと道路を隔てたショッピングセンターに出店。
アパレルのプレゼンテーションは秀逸。
変化をつけたマネキンディスプレー。
ターゲットのコーポレートカラーは赤。
青を基調とするウォルマートとの違いを出す。
さらに車で3分のところに、
クローガーマーケットプレイス。
全米最大のスーパーマーケット、
クローガーの大型店。
ダラスでは約17%のシェアをもつ。
デリカテッセンは本来、加工肉とチーズのことだ。
「ボアーズヘッド」はデリカテッセンのトップブランド。
クローガーでは対面売場とリーチインケースで展開する。
非食品コーナーでは
ハロウィンのプロモーションがひときわ目立つ。
ハロウィンはアメリカでは最大規模の催事だ。
この激戦区のアルディ。
ドイツ発のボックスストア。
アメリカで約2800店に達した。
売場面積250坪に1500SKUを展開する。
4年ぶりに訪れたが、
大規模な改装がなされている。
アルディの特徴は、
シェルフレディ・マーチャンダイズ。
品目ごとにケース単位で納品、陳列される。
トラベル店長に急きょ、インタビュー。
アマゾンで6カ月勤務後、
アルディに就職。
まだ入社2カ月の24歳。
それでも店舗は粛々と運営される。
アルディの運営レベルの高さが出ている。
しかも彼は6~7店舗を統括する。
視察の締めくくりはクイックトリップ。
米国のセブン-イレブンがベンチマークする、
優秀なコンビニチェーン。
働きがいのあるランキング100社に入ったこともある。
名物はホットドッググリル。
顧客は店内の中央に配置されたグリルから、
ソーセージをとってその具材をパンで挟む。
これがうまい。
これを目当てにする来店客が多い。
視察を終えて、ホテルにチェックイン。
そして夕食会場のアウトバックステーキハウスへ。
アンガス牛のテンダーロインとリブの部位。
そのステーキと野菜やポテトの付け合わせ。
ビールを楽しむ。
締めのデザートを堪能。
腹も落ち着いたところで皆さん満足。
テレビではスポーツ中継。
その一つがメジャーリーグ。
テキサス・レンジャーズが、
ボルチモア・オリオールズを7対1で破って、
地区シリーズ優勝。
シャンパンかけが行われた。
最後にレンゴー㈱の木村友美さんとツーショット。
日本の羽田からアメリカのダラスまで、
長いながい一日が無事に終わった。
そして藤井聡太が永瀬拓也を、
大逆転で破って王座位を獲得。
八冠を達成した。
弱冠21歳。
史上初の偉業だけれど、
藤井は満足していないようだった。
それはこの将棋が、
藤井にとって不出来だったからだ。
大逆転ということは、
終盤までが悪かったことを意味する。
まだまだ精進しますというコメントに、
それが現われていた。
私たちもまだまだ精進しなければならない。
(つづきます)
〈結城義晴〉
4 件のコメント
おはようございます。
先日、家内とコストコ(日本の)に行ったら、
ハロウインから、
クリスマス一色の売場に変わっておりました。
カボチャは、見当たりませんでした。
本家のアメリカより、
日本の方が、展開が早いのでしょうか。
そういえば
鈴木敏文さんは過去に、
おでんの販売ピークは10月で、
冷やし中華の販売ピークは4月だと話しておりました。
常識のズレや、歪みは大きなチャンスですね。
いつも勉強させて頂き、
ありがとうございます。
やはり本場のスーパーは見応えがあります。美しいカラーコントロール、クリーンリネスなど。また小売業ごとに戦略が違うのも、写真でよくわかります。コロナ前とコロナ後との売り場の違いや、お客様の嗜好の変化に興味あります。
小売りラブ♪さま
いつもご投稿、ありがとうございます。
コストコは代表的な早仕掛けのチェーンストアです。
本番の1カ月前にプロモーションを終了して、
次のイベントを提案します。
だから11月が終わると、
クリスマス商戦も終了します。
コストコは卸売業でもあって、
小売業やフードサービス業の顧客もあります。
クリスマスプロモーションを11月で終わらせると、
12月にはその小売業やフードサービス業が、
コストコで購入した販促資材を使って、
クリスマス商戦を盛り上げるのです。
私が提唱しているのが、
「早仕掛け、早仕舞い、際の勝負」です。
コストコはその代表です。
渡邉健次さま
ありがとうございます。
その違いを出す政策のことを、
ポジショニング戦略と言います。
基本は同じですが、
自分らしさを表現するのが、
サバイバルの方策です。
それが21世紀のチェーンストアです。