万代大学「Financial Management」の「数字は好きですか?」
昨日大阪入りして、
1週間ぶりにビールとワインを一口飲んで、
よく眠った。
今日は万代知識商人大学。
8期生の5回目の講義。
毎年約30名で、今年で240名となる。
東大阪市の万代本社敷地内の一角。
会議棟の大ホールがカレッジの教室になる。
5回目のテーマは、
「フィナンシャルマネジメント」
司会進行は石川慎也さん。
人事部マネジャー。
8期の運営を担当して、
献身的に動いてくれている。
朝一番の講義は結城義晴。
病み上がりということもあって、
今日は演台ではなく、
テーブルを用意してくれた。
座って講義させてもらう。
マイクを近づけて、
語り掛けるように語る。
ときどき、咳も出るが、
ずいぶん、声が出るようになった。
この講義の冒頭は決まっている。
数字は好きですか
あなたは数字が好きですか。
実は私は大好きなのです。
数字の向う側の世界を、
数字を通して垣間見る。
そして前向きに、肯定的に、
モノを考える。
数字に媒介してもらうことによって、
雑念やしがらみや怨念が消える。
ゲーム感覚で、むしろ純粋な気分で、
状況が見えてくる。
数字はそういった
浄化の機能を持っているのです。
想像力を刺激する要素を
そなえているのです。
ただし、数字で人を
縛ってはいけません。
せっかくの浄化作用や想像の力が、
いっぺんにかき消されてしまいます。
いちじく
にんじん
さんしょに
しいたけ
ごぼうに
むくろじゅ
ななくさ
はつたけ
きゅうりに
とうがん
数字と商品を素直に結びつけて、
商業ビジネスにかかわる私たちは、
毎日、毎日、夢を、
追いつづけています。
数字は清くて、正しくて、
美しくて、しかしも現実的です。
数字と商品を愛でることこそ、
私たちの仕事なのです。
さあ、あなたは数字が好きになりましたか。
私と同じように大好きになりましたか。
〈結城義晴『Message』より〉
商売をする人は、
数字が好きでなければやっていけない。
数字も算数も数学も、
好きな方がいい。
私が最近唱えているのが、
「トレード・オン」
これは楕円の方程式で説明することができる。
商売のセオリーと数字や数学、
切っても切れない関係にある。
そして故伊藤雅俊さんと岡田卓也さん。
伊藤さんの「才覚と算盤」
岡田さんの父上の「大福帳と見比べ勘定」
ダイエー、西友、マイカル、ユニー。
結局残ったのはイトーヨーカ堂とジャスコだった。
わたしの後の午前中の講義は、
頓宮博取締役。
広報IR・法務・管財・秘書担当。
ユニークな自己紹介をしてから、
三井住友銀行員時代に、
先輩たちから受け継いだ、
最も重要なフィナンシャルマネジメントを講義した。
B/S、P/L、 C/Fの財務3表の基本とその見方、
財務分析の考え方などを丁寧に解説。
B/Sはバランスシート、貸借対照表。
P/Lは損益計算書。
C/Fはキャッシュフロー計算書。
具体的な事例とシミュレーションが良かった。
2時間半の講義はあっという間に終わった。
その銀行時代の話なども面白かったし、
語り口もソフトで、よい講義だった。
PLとBSの最もシンプルな構造。
これが一番大事だ。
それから「実地棚卸し」に関して、
丁寧に講義した。
原価法と売価還元法。
最近、この講義をする人、
それを聞く人はいるのだろうか。
そして重要な経営指標。
総資本回転率、売上高経常利益率。
総資本経常利益率。
総資本回転率と経常利益率を掛け算すると、
総資本経常利益率が導き出される。
これが[BS×PL]の経営指標である。
ROA。
間に10分休憩を挟んで2時間。
後半は日米のチェーンストアの経営指標を、
横に並べながら比較する。
2つの指標を並べると「比較」となる。
3つ以上の指標を比べると「分析」となる。
1社の指標の場合は、時系列に比べる。
それによって「分析」ができる。
さらに3つ以上の比較を時系列に並べると、
相当深い分析になる。
その数字をじっと見ていると、
「行動」が浮かんでくる。
その「行動」を「計画」にして、
実行する。
実行しなければ数字は変わらない。
つまり顧客は喜ばないし、
売上や利益は生まれない。
午後の第2講義は、
中ノ忠敏さん。
万代知識商人大学「花の2期生」。
現在は西宮前浜店のフラッグショップ店長。
テーマは「管理職が管理すべき数値」
中ノ店長は、
「もっと数値に興味をもとう」と強く訴えた。
そのうえで「店長が管理すべき数値」を明らかにし、
「数値を動かす」ために考えたと手法を伝授してくれた。
店長を目指す8期生には、
とてもためになる内容だった。
フィナンシャルマネジメントの
総括講義はもちろん、結城義晴。
8期生は真剣にメモを取り、学んでくれた。
最後の最後はデータドリブン経営。
データを中心に動かすマネジメント。
しかし実行なくして、
数字の意味は出てこない。
この頃、東大阪市には雷雲が接近。
雨も降ったようだった。
まったく気づかなかった。
リアル店舗とネットスーパーの、
両者の商売の違いなどを交えて、
数字の意味の根本的なことを話してくれた。
阿部さんの講話で終わるのが、
万代知識商人大学だ。
それがこの企業内大学の特長となっている。
今日一日、講義を聞いて、
受講生を観察してくれたのが、
和久正樹取締役。
最後はツーショット。
コロナにかかって、
声はかすれていた。
それでも4時間の講義ができた。
もう、大丈夫。
完全復活です。
あなたは数字が好きですか?
〈結城義晴〉