岡田阪神「優勝」とUAゼンセン「6%賃上げ」の「中央集権の崩壊」
朝、家でパソコンがフリーズした。
画面に縦の縞が現れて、
そのあと二段の網がかかった。
仕方ないので再起動した。
そうしたら画面が真っ黒になって、
写らなくなった。
スマホで対処法を調べた。
いろいろ試した。
しかし一向に直る様子はない。
パソコンに詳しい綾子さんに相談した。
そしてとにかく会社に行った。
そして自分のデスクのモニターにつないだ。
そうしたらモニターには、
画面が出てきた。
私のパソコン自体の、
モニターとの接触部分が壊れているらしい。
夜、会社から帰るときに、
会社の予備のモニターを抱えて戻った。
しかしパソコンを持ち歩いて、
いろいろなところで原稿を書いたりはできない。
それが問題だ。
さて毎日新聞の巻頭コラム、
「余禄」
米国大リーグ、
シカゴ・カブスの「ヤギの呪い」。
ヤギを連れたファンを邪険にして、
優勝と無縁になった。
一方、
「カーネル・サンダースの呪い」は、
阪神タイガース。
1985年の阪神リーグ優勝のときに、
ケンタッキーフライドチキンの看板人形を、
道頓堀川に投げ込んだ。
それ以来、優勝から遠ざかった。
24年後に回収された。
阪神が59年ぶりの関西対決を制して、
38年ぶりの日本一に返り咲いた。
「前回の日本一は27歳だった」と、
岡田彰布監督。
「バース、掛布、岡田」
3連続バックスクリーン本塁打。
西武との日本シリーズを制した。
コラム。
「野球を取り巻く状況は変わった。
地域と各球団のつながりが深まり、
巨人中心の”中央集権”構造は崩れた」
この指摘がこのコラムの価値だ。
巨人中心ではなくなった。
中央集権構造は崩れている。
テレビの地上波中継は減った。
けれどBSやCSで放映され、
スタンドに足を運ぶファンは増えた。
「関西対決の盛り上がりはその証左だ」
3月のWBC優勝に始まり、
野球の面白さを改めて堪能した一年。
「アレのアレ」にたどり着いた岡田タイガース。
中央集権が崩壊したことを象徴する。
日経新聞一面の記事。
「UAゼンセン、賃上げ6%要求へ」
UAゼンセンは我が流通や外食、
それに繊維などの労働組合が加盟する。
国内最大、世界最大の労働組合連合。
約2200組合が加盟し、
約185万人の組合員。
短時間労働の組合員が6割。
全体の賃上げ目標を6%とする。
ナショナルセンターの連合は、
10月に「5%以上」の要求方針を決めた。
その水準を上回る。
「政策フォーラム」では、
統一要求を正式決定する。
ベースアップで4%、
定期昇給を含めて6%。
23年の全体の賃上げ率は、
正社員3.64%、パートタイマー5.08%だった。
今年の春、イオングループは、
パート40万人の時給を7%引き上げた。
この潮流が続く。
UAゼンセンの松浦昭彦会長。
「23年は30年ぶりに高い賃上げ水準だったが、
実質賃金は浮上していない状況にある」
「23年以上に賃上げしなければ
企業で優秀な人材を獲得できない」
これは正しい主張だ。
「年収の壁」対策も検討する。
年収106万円以上になると、
社会保険料の負担が生じて手取り額が減る現象。
企業に政府の補助制度の活用を促す。
さらに賃上げや労働時間の延長によって、
手取り収入の減収を補う。
すでにビックカメラは正社員7%超のベア、
月額2〜3万円引き上げる方針を決めた。
サントリーホールディングスも、
定昇を含めて7%程度の賃上げ方針。
まず企業が突き抜けて、
UAゼンセンが突き抜ける。
連合があとからついていく。
ここでも中央集権が崩れている。
そのほうが社会は面白くなる。
東京一極集中の固い社会から、
地方分権の柔らかい社会へ。
プロ野球だけではない。
プロサッカーもプロバスケットも、
地方チームが躍動する。
高校野球だって、
地方のチームの活躍が、
全体を面白くする。
チェーンストアは、
ローカルチェーンが、
基礎単位である。
それが社会の活力となり、
国民の力となる。
〈結城義晴〉