大谷翔平ア・リーグMVPと「国力の差を詰める」
大谷翔平。
米国アメリカン・リーグのMVP。
2年ぶりだが再び満票。
満票の二度は史上初。
選ばれるだろうとは思っていたが、
凄いことだ。
Mr. Baseball。
世界一の野球選手。
想像もつかなかっただろうけれど、
一番喜んでいるのは多分、
正岡子規だ。
九つの人九つの場を占めて
ベースボールの始まらんとす
エンゼルス6年目。
44本塁打のホームラン王、
95打点、打率3割4厘。
そのうえ10勝5敗、
防御率3.14、167奪三振。
誰も為しえなかったこと。
わが同胞として誇らしい。
来年も再来年も、その次も、
肘、肩、膝、腰のケアを忘れず、
活躍してほしい。
中日ドラゴンズで
1961年に新人王と沢村賞。
なんと35勝19敗。
全130試合のうち69試合に登板。
投球回数429.1回、
奪三振310、防御率1.70。
昔のこととて、
連投に次ぐ連投。
「権藤、権藤、雨、権藤」
この後、まだ続く。
「雨、雨、権藤、雨、権藤」
酷使がたたって、
30歳で現役引退。
しかしその後、
1998年に横浜ベイスターズ監督で、
38年ぶりのリーグ優勝と日本一。
その権藤博のコラム。
「オリックス・山本由伸、
楽天・松井裕樹、
日本ハム・上沢直之……。
メジャーへの挑戦が相次いでいる」
そしてDeNAの今永昇太。
「相次ぐスター流出で、
プロ野球の空洞化が心配されていた」
しかし。
「空洞化どころか、
メジャーと力比べをして、
日本のレベルもどんどん上がってきた」
「山本らが抜けたら、
穴を埋める人材がまた出てくる」
心配ごと。
「一つは資金力だ。
メジャーと肩を並べるには、
日本も年俸を上げなくてはいけない。
特にトップクラスの選手には報いたい」
その通りだ。
「メジャーと日本の年俸格差は、
そのまま国力の差だと私は思う」
本当に同感したい。
今、「Japan as Number One」時代の国力があれば、
メジャーに並ぶ日本野球界があるに違いない。
そこで権藤博。
「まずは野球から、
差を詰めていきたい」
実にいい。
私も、思う。
「まずはチェーンストアから、
差を詰めていきたい」
〈結城義晴〉