大阪万博の入場料の「考察」とFSSFの地方創生の「意義」
2025年国際博覧会。
会期は2025年4月13日~10月13日。
開幕まで500日となった明日。
11月30日。
前売り券が販売される。
開幕後2週間使える「開幕券」は4000円。
開幕後3カ月使える「前期券」は5000円。
ちゃんと開催できるか否かの論議は、
くすぶっている。
しかしそれはさておいて、
商売を考える立場から見ると、
売れる値段かどうかは気になる。
開幕後の1日券は7500円だ。
これ自体がリーズナブルか、
はたまた高いか。
あなたはどう思いますか?
東京ディズニーランドは、
1dayチケット・パポートが今、7500円。
これに合わせた節がある。
それだけの価値があるか。
1970年の大阪万博は、
大人の入場料金が800円だった。
私は高校3年生で、
青年(15歳~22歳)の600円で入った。
入場者数が6422万人だった。
当時のサラリーマンの平均年収は、
87万1900円だった。
万博入場料は年収の0.09%という計算になる。
一方、2021年の平均年収は約457万円だから、
7500円は年収の0.16%。
ん~、入場料そのものも、
55年が経過して約10倍になったが、
平均年収から見ると、
今の入場料はちょっと割高感がある。
あの頃は高度成長期で、
賃金も所得倍増計画で年々上がっていた。
だからちょっと高めの設定は克服された。
消費者物価を比較すると、
2022年は1970年の約3.2倍である。
物価は驚くほど上がっていない。
だから当時の入場料をスライドさせると、
800円×3.2=2560円の計算が成り立つ。
これを考えると、
今回はさらに割高の印象を受ける。
前売りの「前期券」の5000円当たりが妥当か。
チェーンストア並みに4980円なんて、
いかが?
さて500日前の前売り券は売れるか。
その前売りの目標は、
約1400万枚。
2005年の愛知万博は、
800万枚が前売りではけた。
それを7割超上回る計画だ。
来場者数全体の目標は、
約2820万人。
愛知博の来場者数は2200万人だったから、
関西と中京のマーケットサイズを比べると、
控え目な設定か。
その半分近くを前売りでさばきたい。
獲らぬ狸の皮算用だ。
しかし関西の経済界が、
1400万枚のうちの約700万枚分をさばく予定だ。
関西経済連合会の松本正義会長。
住友電気工業会長。
「関西の主要企業における購入の内諾は、
約300万枚に達した」
関西財界挙げての購入となる。
残りの前売り券の約700万枚は、
自治体や一般人に購入してもらわねばならない。
会場建設費は最大で2350億円。
まだ増えるかもしれない。
当初計画から8割以上の膨張。
これとは別に政府の「日本館」には、
800億円を超える国費が充てられる。
国民は厳しく見ている。
今日は午後から、
日本食糧新聞社。
東京・新富町に本社が移転した。
フードストアソリューションズフェア2023は、
9月6日・7日に開催された。
略称FSSF。
その結果報告会。
東京本社には、
杉田尚日本食糧新聞社社長と、
千野和利離島振興地方創生協会理事長。
そしてアドバイザーの結城義晴。
運営委員の皆さんは、
オンラインでご参集。
副主催企業のトップの皆さん。
杉田社長のご挨拶のあと、
共催の千野さんが力強く、
運営ビジョンを語った。
もちろん元阪急オアシス社長・会長。
千野さんがFSSFの推進役を果たしている。
私はそう思っている。
千野さんの関西や西日本の、
離島振興と地方創生にかける意気込みは、
舌を巻くばかりだ。
大阪で開催されるFSSFにも、
その熱意が込められている。
私は担当するセミナー企画の報告をした。
それからFSSFに対する私の期待を語った。
大きな展示会のセミナーは、
聴講してくれる人たちに役立つだけではない。
セミナーの講師の顔ぶれやテーマ設定が、
展示会のビジョンや先進性を表現することになる。
事務局からの説明のあとで、
運営委員の皆さんが、
意見を言ってくれた。
みんな的確で、いい発言だった。
万代の阿部秀行社長は、
手厳しい指摘をしてくれた。
それは阿部さんらしくて、
とてもよかった。
こういった率直で的を射た意見が、
共同作業で大きな仕事をするときには必須だ。
ライフコーポレーションの並木利昭さんは、
最後にFSSFの評価を、
全体をまとめる形で発言してくれた。
これは暖かい意見だった。
感謝したい。
ありがとうございました。
後半は千野さんが、
ふたたび熱い思いを語り、
私もフランスのシアルのことなどを交えて、
これから伸びていくだろう、
FSSFの在り方を述べた。
2025年の大阪万博の年に、
大阪開催のFSSFも、
大きく飛躍しなければならないと思う。
西日本の経済振興や地方創生に、
必ず貢献できる食品展示会である。
すべてが終わってから、
三人で写真。
東京一極集中の日本が、
地方の時代へと転換する、
その架け橋の一翼を、
このFSSFが担うのだと思う。
〈結城義晴〉