商人舎1月号特集「みんなで学べ。」の「個人の学習と組織の学習」
月刊商人舎2024年1月号、
本日発刊。
新年号の特集は、
組織で学べ。
1年間、学ぶ組織であり続ける。
これに尽きる。
商人舎独特の表紙の一文。
[Cover Message]
2024年は完全にCOVID-19から脱した年として、歴史に刻まれることだろう。その新しい年に日本の小売業には6つの課題が横たわっている。①商品値上げ、②電気代高騰、③消費者物価上昇、④賃金上昇、⑤「2024年の物流費上昇」、そして⑥深刻な人手不足。昨年から指摘してきたが、このときに必須となるのが「トレードオフ」の考え方を退けて、「トレードオン」の両利き経営を志向することである。そしてその実現のために全社を挙げて取り組まねばならないのが、「組織で学ぶ」ことだ。学習する組織に風土と体質を変えることである。場合によっては「学習棄却」と訳される「アンラーニング」が求められる。井出武美イオンリテール社長、横山清アークス社長のロングインタビューと実例研究を通して、学習する組織の本質に迫る。
今号のコンセプトを表した巻頭言。
[Message of January]
みんなで学べ。
「まなぶ」は「まねぶ」から生まれた。
学ぶことは真似ることから始まる。
創意を尊びつつ良いことは真似よ。
商人は商売と仕事から学ぶ。
会社と上司と仲間から学ぶ。
顧客と取引先と地域から学ぶ。
話を聞いて学ぶ。
本を読んで学ぶ。
体験して学ぶ。
みんなが学ぶ。
しかし優先されるべきは、
個人が学ぶことだ。
個人が人生をかけて学ぶ。
それが組織学習の基礎となる。
個人の学習なしに組織の学習はない。
「みんなで学ぶ」とは、
「チーム学習」とは、
学んだ者同士が対話することだ。
対話を通じて、
ビジョンを共有し、
成果を最大化させることだ。
ポストコロナの2024年。
学習する組織をつくろう。
みんなで学ぼう。
個人が人生をかけて学ぶ。
それが組織学習の力となる。
個人の学習なしに組織の学習はない。
〈結城義晴〉
個人の学習なしに、
組織の学習はない。
今年1年、貫徹すべきテーマは、
学ぶことだ。
その方法は簡潔に書いておいた。
2024年の提言が二つ。
そしてロングインタビュー。
[イオンリテール㈱社長]
井出武美「2024年の挑戦」
「総合の強みの最大化」と「全員経営」を貫く!
[㈱アークス社長]
横山清の「競合は成長の粮(かて)」
「似て非なるもの」を追求し続ける!
横山さんが語る「似て非なるもの」こそ、
スーパーマーケット業態のなかの、
フォーマットの独自性である。
ポジショニングである。
業態は「似ているもの」であり、
フォーマットは「非なるもの」である。
一目で違いがわかる店づくり、売場づくり、
独自の商品づくり、サービス。
それが「非なるもの」でなければならない。
トレーダー・ジョーのように、
ウェグマンズのように、
ホールフーズのように、
HEBのように。
それぞれのケーススタディ。
イオン船橋店「改革の全容」
衣料・住余・キッズの再構築で、
「総合の強み」を最大化する
イトーヨーカ堂が捨てた総合を、
イオンリテールはこうして改革した。
[店舗研究]
スーパーアークス白石店
954坪のビッグハウスを高効率店に大改装!
特別企画は、
西の万代/東のベルク
東西実力派スーパーマーケットの画期的新店スタディ
㈱万代は年商3622億円 (2023年3月決算)で162店、㈱ベルクは3108億円(同)で134店舗。関西圏と首都圏の有力リージョナルチェーンは、どちらも「良い品」を「どんどん安く」売る。派手さはない。けれど顧客から絶大な信頼を得ている。その東西実力派の最新店は画期的だ。
西の万代紀伊川辺店
イズミヤスーパーセンター跡への和歌山初出店で斬新な挑戦
東のベルク古河諸川店
カスミ撤退跡にスクラップ&ビルドした高生産性店舗の秘密
必読の記事であり、必見の店舗だ。
いずれも万代とベルクの、
組織学習の成果であると思う。
私の提言の最後に書いた。
「ヤオコーに限らない。
私の知る限り、
イオンにもアークスにも、
万代にもベルクにも、
組織で学習する態度は必須である」
どこよりも学ぶ組織でありたい。
商売と仕事から学ぶ。
会社と上司と仲間から学ぶ。
顧客と取引先と地域から学ぶ。
今年は学ぶ競争の1年になる。
そしてこのとき、
個人の学習なしに、
組織の学習はない。
〈結城義晴〉