結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年03月23日(土曜日)

鼎占コンビニ業態の中のイオン「ミニストップ」最終赤字の意味

商人舎流通SuperNews。

2月コンビニ統計|
売上高8574億円で全店(5.4%)・既存店(5.7%)ともに増加

毎月の日本フランチャイズチェーン協会の調査。
2月のコンビニエンスストア統計。

調査対象企業は7社になってしまった。

あいうえお順で、
(株)セイコーマート、
(株)セブン‐イレブン・ジャパン、
(株)ファミリーマート、
(株)ポプラ、
ミニストップ(株)、
山崎製パン(株)デイリーヤマザキ事業統括本部、
(株)ローソン。

既存店売上高の7社総計は8574億円で、
前年同月比5.7%増。
3カ月連続のプラス。

客数は11億7350万人で4.3%増、
客単価は730.7円で1.4%増。

また全店ベースでは、
売上高8937億8600万円の5.4%増、
27カ月連続プラス。

一方、店舗数は5万5657店で、
前年からは0.3%減。
195店舗減少。

店舗数は減っているのに、
客数も客単価も売上高も増えている。

2月はパン、デザート、ソフトドリンク、
それに玩具などが好調に売れた。

閏年の影響もあり、
全店・既存店ともに売上高が前年を上回った。

閏日の1日分増加の影響を除いても、
売上高は前年を上回った。

私は商業界で『コンビニ』を創刊した。

はじめは1980年代に商業界食品商業誌から、
年に1回、別冊号として発行していた、
「コンビニエンスストアのすべて」。

1998年8月に、
食品商業臨時増刊号「季刊コンビニ」を創刊、
その2年後の2000年に「隔月刊コンビニ」、
さらに2002年8月、月刊化した。

私は専務取締役に就任して、
発行人となった。

しかし私は2007年8月に商業界を辞し、
月刊『コンビニ』は2015年、
㈱アール・アイ・シーに売却された。

その後、『コンビニ』は廃刊された。
前年なことだが、今はない。

コンビニエンスストアの業態も、
1980年代はチェーン店と単独店が、
半々くらいだった。

店数も売上高も拮抗していた。

故人となってしまったが阿部幸男先生が、
独自の調査をして、
単独コンビニの実態を追究していた。

それが今は毎月7社で統計される。

この7社に㈱JR東日本クロスステーションの、
「ニューデイズ」を加えて、
8社の寡占状態である。

その中でセブン-イレブンと、
ファミリーマート、ローソンが、
鼎占を構成している。

マーケットリーダーと、
マーケットチャレンジャーが残り、
マーケットフォロワーは、
ずるずると落ちていく。

4番手のミニストップ。
「2024 年2月期通期連結業績予想の修正」を発表した。
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連結の営業収益は790億円、
連結の営業収益は790億円、
営業損失が6億900万円、
経常利益は1100万円、
純損失が4億6700万円。

つまり赤字。

前期純利益は128億円の黒字だったし、
今期予算は9300万円の黒字だった。

商品売上高の伸びが見られなかった。

国内1855店(昨2023年11月末)。
前年から52店の減少。
新店は7店、閉鎖が59店。

いよいよイオンも、
ミニストップに関して、
判断のときが来たような気がする。

現場は頑張っているに違いない。

それでも鼎占の中に食い込むことができない。
完全なフォロワーである。

かといってニッチャーにはなり切れない。

イオンではまいばすけっとが好調だ。
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小型スーパーマーケット。
これは他の追随を許さない。

東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県に、
1025店舗(2023年2月末時点)の規模。

来週の3月29日には、
PBのトップバリュ特化型のまいばすが、
実験的に開業される。

今後は1都3県のミニストップを、
まいばすに変えていくことも可能だろう。
もちろんフランチャイズチェーンだから、
オーナーたちの了解が必要だろう。

しかしそれそろ時期が来たように思う。
結城義晴が勝手に思ったことだ。

あまり重く考えてほしくはないが、
コンビニを長らく見てきて、
ふっとそんな気がした。

トップバリュ主体のまいばすに、
大いに期待がかかる。

〈結城義晴〉


2 件のコメント

  • 同じイオングループさんの小型店で、まいばすは成功、ミニストップは苦戦、というのはなぜなのでしょう?不思議です。

    • 吉本さん、業態に関する鼎占論で言えば、
      コンビニのミニストップはスタートが出遅れて、
      そのうえまだ4番手で上位3社には食い込めません。

      まいばすけっとはスーパーレット、
      あるいは小型スーパーマーケットとして、
      一番手のマーケットリーダーです。

      それぞれ難しい業態開発ですが、
      まいばすけっとは優れた効率を構築しました。

      その業態や業界における順位によって、
      顧客への認知度をはじめ、
      取引先や金融機関から受ける待遇が大きく変わってきます。

      これはコンビニやスーパーレットに限りません。

      私はマーケットリーダーかマーケットチャレンジャーでなければ、
      苦しい戦いを強いられてしまうと考えています。

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