第一屋製パン株主総会とセブン-イレブン「おにぎりの長鮮度化」
朝、東京小平。
第一屋製パン㈱の本社と小平工場。
10時から株主総会。
パンの香りがするこの工場の一角に、
株主の皆さんに集まっていただいて、
1年間の報告をし、
新しい取締役、監査役を承認してもらう。
私はパン屋がパン工場で、
株主総会を開催することは、
とてもいいと思っている。
上々の成果が上がって、
株主の皆さんとともに、
こころから喜んだ。
そのあとは株主総会後の取締役会。
新しい取締役が二人加わって、
雰囲気もいい方向に変わった。
そしてささやかな懇親会。
草門去来荘。
和食と炭火地焼鰻の専門店。
経営は際コーポレーション(株)。
中島武代表取締役。
私と同郷の福岡出身。
レストラン界の天才。
75歳になった。
2023年10月末の年商263億円。
直営飲食店267店舗。
暖簾をかき分けて、
600坪の敷地に入る。
ここを歩いていると、
期待が高まる。
その中に古民家風の店がある
素晴らしい。
新しい年度も頑張ってほしい。
その後、武蔵野線と東横線に乗って、
横浜商人舎オフィスに戻る。
すぐに月刊商人舎4月号の入稿。
18ページほどを丁寧に編集して、
デザイナーに送った。
面白い1冊となりそうだ。
楽しみにしてください。
商人舎流通SuperNews。
セブン-イレブンnews|
「手巻おにぎり」消費期限を8時間延長
「手巻おにぎり」の改革。
販売時間を平均8時間延長。
従来は18時間だった。
それが24時間超となる。
つまりこれまで店頭では18時間を過ぎると、
廃棄処分したり、オーナーが自分で消費したりした。
それが丸1日の24時間以上となる。
現場にとっては大きな改革だ。
店舗での機会ロスと廃棄ロスが低減する。
セブン‐イレブンでは積極的に、
「長鮮度化」に取り組んできた。
だからオリジナルフレッシュフードは、
消費期限24時間以上の商品が多い。
2009年に最初に「チルド弁当」の長鮮度化を試みた。
2010年、「惣菜」の一部、
2011年、スパゲティ、
2018年、サンドイッチとサラダの一部。
2022年、ペストリーの一部。
そして今、手巻きおにぎり5アイテム。
こうして現在、
オリジナルフレッシュフードの約85%が、
長鮮度商品である。
最後に残った主力商品の観のある手巻きおにぎり。
おいしさ・品質と長鮮度化の両立が難しかった。
新たな設備などを導入し、
京都の米の老舗「八代目儀兵衛」監修で、
複数種類のコメのブレンド比率を調整した。
それによって現行よりも、
平均で約8時間の消費期限延長を実現させた。
首都圏の店舗から順次導入し、
今夏を目途に全国に拡大する予定。
まずは定番の鮭・梅・昆布・辛子明太子、
そしてツナマヨネーズ。
5アイテムから取り組みを始めて、
対象アイテムは広がっていく。
日経新聞では、
青山誠一取締役常務執行役員のコメント。
「鮮度延長のため、洗浄などの衛生管理や
コメの劣化防止に力を入れた」
日経には他社のことが書かれている。
ローソンではちょっと先行して、
消費期限24時間超のおにぎりがすでにある。
ファミリーマートは「現状は1日未満」という回答。
セブン-イレブンの取り組みの中で、
加盟店のためになる政策は、
例外なく成果を上げる。
そこから離れると、
セブン-イレブンは悪くなる。
物言う株主のほうを見ていたり、
正論を吐く取締役の言うことを聞いていると、
現場から離れていく。
その意味で、
この小さな改革と見えることは、
実は大きなイノベーションなのである。
朝日新聞「折々のことば」
第3040回。
記憶は身体なしに
成立しえない
(三浦雅士『考える身体』から)
三浦は青森県弘前出身の文芸評論家。
『ユリイカ』元編集長。
「記憶は、脳というよりは
口の記憶、耳や手の記憶としてある」
わかる。
「詩歌はまずは
一つの口調として記憶され、
読むことのみならず思考も
文体に同調することで起動する」
「そして文字を介した
さらに抽象的な思考への展開さえも、
聴覚から視覚への移行という、
身体回路の変換に負う」
「経典の暗記も身体的訓練」
門前の小僧習わぬ経を読む。
編著者の鷲田誠一さん。
「とすれば、おそらく道徳も」。
鋭い。
だからスポーツは、
精神の鍛錬になる。
セブン-イレブンも、
組織として体で覚えた記憶を、
大切にし続ける限り、
衰えることはない。
頭で考えると、
すぐに駄目になる。
私はそれを指摘し続ける。
〈結城義晴〉
2 件のコメント
行動から思考が生まれることは、よく実感します。頭が行動を支配すると思っているのは、大いなる誤解かと思います。
吉本さん、ありがとうございます。
同感です。
同じように実践は理論に先行します。