西友札幌店舗のイオンへの売却と「日本のカリフォルニア論」
西友が北海道から撤退する。
日経新聞電子版が報じた。
札幌市内の総合スーパー全9店舗を、
イオン北海道に売却する。
170億円。
イオン北海道は取締役会を開いて、
西友と北海道事業の取得に関する契約を結んだ。
5月末に定時株主総会で承認を受け、
10月1日付で西友の店舗を取得する。
全9店舗で働く従業員は、
イオン北海道に移籍する予定。
イオン北海道は札幌市内に、
全店の過半の95店舗を持つ。
そのうち総合スーパー業態は13店舗だ。
これに西友の9店舗が加わる。
西友は大久保恒夫社長のもとで、
改革を進めている。
現在はスーパーマーケット業態のチェーンだ。
したがって遠隔の北海道の、
利益率の低い総合スーパー業態は必要ない。
25年12月期に売上高9000億円、
営業利益率5%以上を目標にする。
札幌市内の総合スーパーは26店。
イオン北海道が13店、西友が9店、
そしてイトーヨーカ堂が4店。
イオンは22店となる。
イトーヨーカ堂の3店はロピアが引き継ぐ。
かつて北海道は、
「日本のカリフォルニア」と呼ばれて、
大手総合スーパーがこぞって進出した。
ダイエー、イトーヨーカ堂、
ジャスコ、西友、マイカル。
長崎屋、東急ストア。
残るのはイオンということになる。
アメリカのカリフォルニア。
ロサンゼルス。
ローカルチェーンの2強は、
ラルフとボンズだった。
ナショナルチェーンは、
セーフウェイとアルバートソン。
リージョナルチェーンがラッキー。
ラルフがクローガー傘下となり、
ボンズはセーフウェイに買収され、
ラッキーはアルバートソンに統合された。
そのセーフウェイとアルバートソンが合併し、
今またクローガーに併合されている。
結局、クローガー一色となった。
こちらは食品スーパーマーケット業態が、
ほとんどクローガーとなる。
チェーンストア2.0企業は、
クローガーに吸収される。
ホールフーズとトレーダー・ジョー、
スプラウツ・ファーマーズマーケット。
ユニークなポジショニングをもつ企業、
チェーンストア3.0の企業が、
自分の道を歩いていく。
北海道の総合スーパーも、
どうやらイオンに収れんしそうだ。
チェーンストア3.0企業が残る。
北海道はやはり、
日本のカリフォルニアなのかもしれない。
もちろんスーパーマーケット業態は、
アークスとコープさっぽろ、
そしてイオン北海道のそれが、
鼎占現象を見せている。
こちらもポジショニング競争である。
そしてこちらもチェーンストア3.0の時代である。
今日は夕方、
當仲寛哲さん、来社。
USP研究所代表取締役所長。
データドリブン経営に関して、
さまざまな意見交換をした。
それから1日中、原稿を執筆し、
デザイナーに入稿した。
よく仕事した。
夜は山本恭広編集長と一献。
これから桜は本番。
仕事も最後の詰めだ。
頑張ります。
〈結城義晴〉
2 件のコメント
成熟業態における業態内競争は限りなく1社に収斂されていく本当に厳しい時代だと思います。一方で、大久保さんの戦略的な判断と決断もすごいと思います。
吉本さん、ありがとうございます。
あくまで範囲の経済圏での話ですが、
マーケットリーダーと、
あとはマーケットニッチャーばかりになる。
そんな印象です。
本来は、マーケットチャレンジャーが頑張って、
マーケットフォロワーが去っていくという構図が、
セオリーなのですが。