イチコ協力会総会の講演と「藩単位」の地方スーパーマーケット論
㈱True Dataの取締役会。
いつもオンラインで参加するが、
今回はリアル参加。
会議の内容は充実している。
毎月のように新しいアイデアによる、
サービス商品が生まれてくる。
中小食品メーカーのための、
マーケティングツールが開発される。
「イーグル・アイ・ダッシュボード」
私も楽しみにしている。
12時過ぎに終わって、
玉生弘昌さんと二人でランチ。
玉生さんは㈱プラネット会長で、
True Dataの取締役。
今度、面白い単行本を出すそうだ。
楽しみだ。
そのあと東京駅で、
宮本洋一さんと待ち合わせ。
ブルーチップ㈱社長。
北陸新幹線に乗って、
上越妙高駅まで。
ほぼ2時間。
ここでブルーチップのお二人に迎えていただいて、
そのあとはずっとお世話になった。
常務取締役の中野茂さんと、
関東営業部部長の平野博宣さん。
車で上越市西城町のデュオ・セレッソへ。
第43回イチコ協力会総会。
㈱イチコは上越市に本部を置く、
ユニークなスーパーマーケット企業だ。
私はマーケットニッチャーと位置付けて、
その経営の在り方を評価している。
コロナ前の2015年と2016年に、
同じようにこのイチコ協力会総会で講演した。
コロナで5年間開催されていなかったが、
今年再開した。
そしてみたび、講師として呼ばれた。
タイトルは、
「両利きトレードオンのススメ」
この2年ほどの私の持論。
1時間15分の講演。
内容を絞り込んで、
エッセンスをわかりやすく、
丁寧に語った。
イチコとその取引先の皆さんに、
ふさわしい事例を選んで、
「膨張と成長」の違いや、
「トレードオフ」からの脱却を説明した。
会場が一体となって、
実に熱心に聴いてくれた。
だから講師の私も力が入る。
ご清聴、感謝したい。
料理も堪能したし、
「岩の原ワイン 深雪花(みゆきばな)」の赤もよかった。
上越市の特産ワインだ。
会もお開きになる前に、
竹内寿会長と懇談。
隣は宮本さん。
竹内会長は86歳。
米づくりや農業、畜産業を指導し、応援している。
その結果、イチコにしかない商品が開発される。
農畜産業の再生と地方創生が、
竹内会長のライフワークになっている。
竹内一夫社長は、
懇親会の席も私と隣で、
ずっと話していた。
この会の会長は、
国分関信越㈱社長の前原康宏さん。
鳥山畜産食品㈱社長の鳥山真さんは、
竹内会長の愛弟子で高い問題意識を持っていた。
プロダクトアウトの畜産業ではなく、
マーケットインのミート産業をつくる。
そんな理想に燃えていた。
懇親会の二次会では、
㈱平八代表取締役の横山亘さんと、
膝詰めで話した。
私の横にはずっと宮本さんがいてくれて、
サポートしてくれた。
いい夜だった。
上越市は新潟県で、
新潟市、長岡市に次いで第3位の人口を有する。
内陸の城下町・高田市と沿岸の港町・直江津市が、
1971年に対等合併して発足した。
私はどちらも好きだ。
タレントが都道府県の出身別に出演して、
その土地特有の行事や習慣、食べ物、
そして県民性を紹介する。
しかしよく見ていると、
県民性でひとくくりにできない場合が多い。
基本は江戸時代の藩の単位である。
もちろん鹿児島県の薩摩藩や、
高知県の土佐藩など、
大きな藩は県と一致している。
しかしたいていの県は、
いくつもの藩で構成されていた。
新潟県の越後には13の藩があった。
そのなかで上越市の高田藩は最大で15万石、
新発田藩が10万石、長岡藩が7万4000石。
この大きな藩ごとに、
食生活には違いがある。
食は全体的に見れば保守的である。
だからスーパーマーケットの場合、
藩ごとにローカルチェーンが成立する。
イチコはそれを体現している。
範囲の経済理論で、
旧高田藩の上越市をとらえると、
イチコはマーケットチャレンジャーとなる。
原信ナルスのアクシアルがマーケットリーダーだ。
新潟県の範囲の経済ならば、
イチコはマーケットニッチャーである。
それが竹内寿会長、竹内一夫社長の経営に、
よく表現されている。
M&Aが頻発しているけれど、
こういう地方スーパーマーケットは、
日本の消費社会に必要であると思う。
リージョナルチェーンは、
ローカルチェーンを集めたチェーンストアだ。
ローカルチェーンが基礎単位である。
それを忘れてはならない。
〈結城義晴〉
4 件のコメント
弊社の杉田がご挨拶させて頂いたとのことで、ありがとうございます。オンライン上のご縁が人を介してリアルのご縁につながるという、まさに現代的なご縁を感じさせて頂きました。深く厚く感謝申し上げます。
吉本さん、ありがとうございます。
杉田さんがやってきて、
吉本さんの話題が出ました。
面白いつながりで、楽しかったです。
なるほど藩の単位とは、まったくその通りだと思います。「食」は保守的とは、当を得ていますね。だからこそ、その「食」を守るスーパーが、地方を元気にする牽引役となる可能性を持っていますね。
渡邉さん、私の持論です。
そこがアメリカやイギリスのローカルチェーンと、
日本のローカルチェーンの成り立ちの違いです。