上場企業の7割増益と「禍福の転変に備えよ!」
月刊商人舎5月号、
書き終わった。
特別企画のPrologueとEpilogue。
特集のまえがきの提言。
それからMessage of May。
表紙のCover Message。
編集後記を書いて終わり。
風邪をひいてしまって、
体調は良くなかった。
けれど仕事となると、
手は抜かない。
商人舎5月号、
期待してください。
日経新聞一面。
「上場企業の7割増益 前期」
2024年3月期決算、
上場企業の業績が好調だ。
小売業の2月期決算も絶好調である。
3月期企業のうちの16%の企業、
時価総額で28%の企業が発表を終えた。
東証プライムに上場する173社。
その7割に当たる120社が増益。
増益社数の比率は、
過去10年で2番目の水準となった。純利益が増えた企業が69%ある。
前の期比14ポイント増。
22年3月期は73%で、
この10年の最高だったが、
それ以来の高水準となった。
鉄道や空運、食品、機械など、
幅広い業種で増益企業が増えた。
新型コロナウイルス禍に伴った制約がなくなったからだ。
純利益合計は前の期比27%増。
決算未発表企業の会社予想を加えて、
上場企業全体では16%増となる見込みだ。
3年連続で最高益となる。
小売業もチェーンストアも、
全体では「最高益」だろう。
産業全体を見れば、
「円安」は輸出企業を中心に利益を押し上げた。
輸出採算が改善したり、
外貨建て取引の差益が膨らんだりした。
日米金利差を背景に円安が進んだ。
そして対ドルの平均レートは、
145円だった。
前の期比9円の円安に過ぎなかったが、
約34年ぶりの円安水準となった。
しかし今年度の「円安」は、
さらに激しい。
しかもこれは、
人々の生活に直結する。
大企業を中心に賃上げは進んだ。
それでも日本全体でみれば、
どのくらい給与水準が上がり、
それが消費や購買に結びつくのか。
前期の好調な決算。
増収増益。
そして最高益。
チェーンストアでは、
イオンが増収増益の過去最高。
セブン&アイ・ホールディングスは、
減収ながら最高益。
ライフコーポレーションも、
過去最高の営業収益で、
利益はコロナ特需の特異年に次ぐ、
過去二番目の高さだ。
それ以外のチェーンストアも、
とくにスーパーマーケットは、
増収増益、最高益が続出。
そこで商人舎5月号の[Message of May]
今月の商人舎標語でもある。
禍福の転変に備えよ!
吉凶(きっきょう)禍福(かふく)。
禍福倚伏(いふく)。
幸いと災いは、
因果的に繰り返される。
人間万事塞翁が馬。
塞の老人の馬が逃げてしまった。
悲しんでいるとその馬は、
駿馬を連れて戻ってきた。
喜んでその馬に乗っていると、
翁の息子は落馬して足を折った。
今度は悲しんでいると戦争がはじまり、
息子は兵役を逃れることができた。
コロナ禍で世界中が萎縮した。
しかし想像を超えた特需が生まれた。
次の年にはその大きな反動に沈んだ。
4年が経過して今、最高益が生まれた。
けれど事実を見つめると、
次の災いの根は深くはびこっている。
円安は国民生活を冒し続ける。
チェーンストアに改革を求める。
吉凶禍福のない企業に目を向けよう。
禍福倚伏が起こらないチェーンに学べ。
そして「塞翁が馬」の故事を噛み締めよう。
禍福の転変に備えよう。
幸いと災いは、
因果的に繰り返される。
その因と果を考え続けよう。
今、頭脳と意志が試されるときだ。
〈結城義晴〉
2 件のコメント
馬が逃げた後にどうしたか、息子が落馬した後にどうしたか、を考えたいと思います。
この故事はジタバタせずに、
次に期待せよ、と読むこともできます。
しかし、いつも受容するだけではいけません。
それぞれの局面で考え、もがくことが必要です。
そこから出口が見えてくるものです。
私の経験でもあります。