グループ商品調査結果発表&表彰と総括の「Loyal Customer論」
Everyone, Good Monday!
[2024vol⑳]
2024年第20週、
5月第3週。
第12回商人舎US研修会Basic。
ラスベガス5日目の朝。
みんな、慣れてきて、
アメリカンライフを楽しみつつ、
よく学び、よく遊ぶ。
いつものように、
ホテル26階のミーティングルームに、
午前8時に集合。
今日は商品調査結果の発表日。
アメリカのチェーンストアを学びつつ、
実務としてグループで調査と研究を行う。
グループは異なる企業のメンバーを組み合わせる。
だから他社の人たちとの共同作業となる。
意見を交換し、討論もする。
それが商人舎Basicコースの特徴だ。
私が45年前にペガサスクラブのツアーで、
アメリカにやって来たときには、
全員が一人ひとり、調査し、分析し、
作表をして提出した。
私は「グラウンド・ミート」を調べて、
結構、いいグラフをつくって提出した。
優秀賞をとった。
しかし一人で調査する方式でなければ、
もっともっと店や売場を見たり、
考えたり、質問したりできたのにと思った。
そこで商人舎研修では、
チームで共同作業をすることにした。
実地棚卸し作業もペアで行うのが基本だ。
作業や仕事はペアで、あるいはグループで行う。
分業である。
それが人類が考え出した知恵である。
アダム・スミスが最初に発見した。
ペアで調べ、そのペアが2組や3組となって、
グループをつくるならば、
調査時間は大幅に短縮できる。
さらにディスカッションすることで、
分析の中身は何倍にも深まる。
それぞれが他の意見を聞いて、
自分の見解を表明する。
そして、より良い解答を求める。
それが成長につながる。
商人社Basicの調査のやり方と目的だ。
今回は8班に分かれて、
2日目と3日目の視察店舗で、
アイテムごとの商品の価格と、
フェース数、あるいは陳列数を調べた。
ウォルマートスーパーセンター、
ウォルマートネイバーフッドマーケット、
ターゲット。
スミスマーケットプレイス、
ボンズ、
ホールフーズ、
トレーダー・ジョー、
スプラウツファーマーズマーケット、
ウィンコフーズ。
それをPF(プライス・フェーシング)グラフにして、
各社の商品戦略を分析・発表する。
スクリーンに映し出されたPFグラフを示しながら、
考察結果を発表する。
ほかの団員からの質問が飛ぶ。
私も質問したり、補足・訂正したりする。
こちらのチームは、
おそろいのT シャツ姿で登場。
プレゼンテーションも審査対象となる。
息の合った発表内容だった。
質疑応答のやり取りを聞いて、
自分たちの分析と比較する。
ミートカテゴリーで、
各社のひき肉の品揃えを調べた。
大作の発表だった。
45年前の私の調査と同じだった。
品揃えと価格の調査結果だけでは、
分析はできない。
同時にチェーンごとの政策を知ることで、
調査結果に肉付けすることができる。
そしてポジショニング競争の段階になると、
この分析結果は鮮明な違いを見せる。
それぞれのチームが工夫をして、
自分たちの成果を表明する。
8班はスーパーマーケットの部門で分けられる。
⑴青果
⑵精肉
⑶乳製品
⑷冷凍食品
⑸デリ・惣菜
⑹ベーカリー
⑺グロサリー
⑻日用品雑貨
段々慣れてくると、
質問や意見が多くなってきた。
パワポを使ったチームが3つあった。
来年あたりには全チームが挑戦してほしいものだ。
8チームがそれぞれに考察した内容は、
とてもよかった。
そして企業ごとのグラフの形が、
部門が違っていても似通っていた。
つまり商品ラインの統一が見られた。
さすがにアメリカの優良企業だ。
そしてポジショニング戦略の売場づくりが、
本当によく理解できる。
発表が終わると15分の休憩。
その間に私を含めた事務局が厳正な審査を行って、
いよいよ優秀チームを発表。
緊張感と期待の瞬間がやってくる。
亀谷しづえ商人舎ゼネラルマネジャー。
はじめに敢闘賞。
グロサリーを担当したA班は、
メープルシロップを調査した。
3位は乳製品担当のG班。
アーモンドミルクを調査して、
パワーポイントで的確にプレゼンした。
2位は精肉担当のD班。
牛肉ミンチを調べた。
賞品は結城義晴の著書。
『チェーンストア-商業ビジョン』と、
『コロナは時間を早める』
そして1位はノンフード担当。
バスティッシュ・メガサイズを調査して、
米国チェーンストアの商品政策を整理した。
商品は月刊商人舎1年分の購読権。
それから理解度判定テストの結果発表。
100点満点の優秀者が5人出た。
今回は全体にテストの結果が良かった。
90点以上の人が多かった。
私は嬉しかった。
チェーンストア理論に関して、
一番大切なエッセンス。
それから最後は、
ロイヤルカスタマー論。
私自身、感動しつつ、
最後の講義を終わらせた。
ロイヤルカスタマーを増やす。
それが日々の仕事であり、
最大の成果をもたらす戦略である。
ご清聴を感謝して、
総括講義を終わった。
では、みなさん、
もう少しです。
Good Monday!
(つづきます)
〈結城義晴〉
2 件のコメント
売場を定量/定性の両面で分析し、そこからその売場のSTP戦略を抽出する、その醍醐味と楽しさを思い出します。
吉本さん、ありがとうございます。
「その醍醐味と楽しさ」——みんなに教えたいですね。