日本GDP「世界4位転落」とウォルマートの「対面での働き方改革」
時差ボケが治らない。
それからラスベガス研修中に、
風邪引きの名残で、
講義をすると時々咳き込んだ。
帰国してからはまだ、
長時間の講義をしていないから、
それも出ない。
ただし2時間以上も全力で語ると、
多分、咳が出る。
休養をとって、
少しずつ直すしかない。
さて、お知らせ。
商人舎ミドルマネジメント研修会。
第22回の6月4日・5日・6日の研修会。
このホームページ巻頭の告知欄で、
締め切りは5月2日となっているけれど、
若干の席が空いています。
ご派遣のご検討をお願いします。
6月には時差ボケも咳き込みも、
完治しています。
全力を挙げて講義します。
勉強しに来てください。
待ってます。
さて今朝の朝刊。
日本のGDPが世界4位に落ちた話題。
国内総生産、
Gross Domestic Product。
私たちが生徒のころは、
GNP(Gross National Product)で教わった。
国民総生産。
しかしGNPには、
海外での生産活動の報酬などが含まれている。
だから本来の国の生産量を正確に計ることはできない。
1980年くらいからGDPが使われるようになった。
2023年度の日本の名目GDPはドル換算で4.1兆ドル。
150円換算で615兆円。
ドイツは4.5兆ドルだったから、
結局、ドイツに抜かれて世界4位となった。
1位 アメリカ
2位 中国
3位 ドイツ
4位 日本。
物価高で前年度比5.3%増加した。
だが円安で1.3%減少した。
国際通貨基金(IMF)は、
2025年に今度はインドに抜かれると推計する。
しかし私はあまり気にする必要はないと思う。
第1は今、円安がひどすぎる。
円安によってドルベースのGDPは激減する。
1ドル120円あたりで考えるのが妥当だと思う。
第2は国全体の総生産よりも、
国民1人あたりの総生産が大事だ。
2023年段階で日本は3万3800ドルくらい。
世界1位はルクセンブルクの12万9800ドル。
アメリカは8万1600ドル。
ドイツは5万2700ドル。
中国は1万2500ドル。
インドは2500ドル。
亡くなった清水信次さんはよく言っていた。
「日本はまだまだ豊かな国だ。
誇りをもって頑張っていこう」
その通りだと思う。
政治は低級だが、
国民は優れている。
アメリカのウォルマートのニュース。
第1は働き方改革。
コロナ禍で進んでいたリモートワーク。
ウォルマートは遠隔勤務を縮小して、
オフィスでのリアル勤務を増やす。
従業員に働きかけている。
ウォルマートは考えている。
対面での勤務のほうが生産性が上がる。
日経新聞のニューヨーク特派員の報告。
リモートワークをするアソシエーツの大部分、
それからテキサス州とジョージア州などの、
サテライトオフィスで勤務するアソシエーツ。
彼らにアーカンソーの本社や、
ニューヨーク、サンフランシスコの近郊店への、
転勤や異動を求める通知を出した。
「対面で集まることで
協力やイノベーション、
迅速な意思決定がしやすくなる」
ウォルマートは2020年9月から、
「チームマネジメント」に180度の転換をした。
そしてコロナ禍中には、
リモートワークも取り入れた。
しかし収束に向かった2022年、
本社部門の従業員は原則として、
出社するよう社内ルールを変更した。
今回の措置は、
コロナ前の働き方への復帰を、
一段と進めることに貢献する。
店舗のアソシエーツは、
当然ながらリモートはできない、しない。
本部やオフィスで働く人たちも、
対面で仕事するほうが絶対にいい。
気分もいいし、生産性も上がる。
コロナの流行で定着した遠隔勤務が、
企業の生産性を下げているかどうか。
アメリカで議論になっている。
米国内アソシエーツ160万人の同社。
この議論に決着をつけることになるかもしれない。
ウォルマートの第2のニュースは第1四半期決算。
商人舎流通SuperNews。
ウォルマートnews|
第1Q営業収益1615億ドル6%増/EC販売2桁増
2月から4月の第1四半期。
営業収益は1615億ドルで、
前年同期比6.0%の増加。
営業利益は68億ドルで9.6%増、
純利益は51億で205.1%増。
ホーム・デポの第1四半期は減収減益。
外食のスターバックスなども減収。
原因はインフレ疲れだ。
物価は前年同期比3%台半ばの上昇率。
とくに低所得者層に響く。
日本でも同じだ。
そこでウォルマートは、
中高所得層へと客層の拡大を図る。
とくに年収10万ドル以上の高所得世帯を増やす。
そこで新しいプライベートブランドの投入を発表。
ズバリ「bettergoods」
レギュラーブランドは「Great Value」。
対して新PBは高品質・ヘルシーで、
なおかつ5ドル以下の価格設定。
ライフスタイルブランドだ。
トレーダー・ジョーやコストコを狙う。
ダグ・マクミロンCEO。
「食品PBとして過去20年間で最大規模になる。
最新トレンドと最高の品質に焦点を当てる」
もちろん低所得者層はがっちり捕まえている。
ウォルマートとして実に妥当な戦略だ。
オンライン購買の顧客に対しても、
大きく響くに違いない。
感心するばかりだ。
〈結城義晴〉
2 件のコメント
ウォルマートの貪欲な総取り戦略は、感心するばかりです。何がそのコアにあるのか、ものすごく興味があります。
吉本さん、ありがとうございます。
ウォルマートのコアにあるもの。
私の最大の関心の一つがそれです。
創業者のサム・ウォルトンの志が、
根本にあることは間違いありません。
三代目CEOのリー・スコットが言っています。
「ウォルマートが変わることが、社会を変える」
二代目CEOのマイク・デュークは、
「一店懸命」
ウォルマート史上、
最も有名なチーフ・インフォメーション・オフィサー(CIO)。
ケビン・ターナー。
サムズクラブのCEOでもありました。
そして、2005年から2016年までマイクロソフトのCOO。
そのターナーのウォルマート時代の言葉。
「私たちは世界最大の会社をつくろうとはしていない。
地域の1店1店を、最良の店にしようとしているだけである」
サムのDNAが受け継がれていることが、
ウォルマートの本質だと、私は好意的に解釈しています。