知識商人養成の商人舎ミドルマネジメント研修会の「目的と手段」
朝の新幹線こだまで熱海に来た。
昨夜の豪雨をもたらした雲は去って快晴。
商人舎ミドルマネジメント研修会、
第22回目がスタート。
目の前を千歳川が流れる。
この橋のホテル側が静岡県。
道路側が神奈川県。
入口に「商人舎ご一行様」の立て看板。
今日から2泊3日間の缶詰セミナー。
毎年、この時期と秋の2回、開催。
コロナ下に中断もあったが
今回で1600人を超える知識商人が生まれる。
すでにその多くが参加企業の幹部になっている。
会場はホテルの2階、
大観の間。
開講講義は、結城義晴。
プロローグは、
「コロナは時間を早めた」
自著『コロナは時間を早める』から、
コロナ下の現象を整理。
そのうえでポストコロナ時代の
取り組み姿勢を強調した。
そして第1部の講義テーマは、
「私たちの小売サービス産業」。
2008年4月11日に、
商人舎発足の会が開催された。
この時、私は3時間の記念講演をした。
第1部はこの記念講演の志を受け継ぐ内容である。
倉本長治と「商売十訓」、
マネジメントの父ドラッカーとの共通点、
さらに商業近代化の歴史。
福岡伸一さん、生物学者。
子どもたち、学生たちに言う。
「科学の代わりに、
科学史を勉強してほしい。
そうしたら科学の面白さがわかる」
私も同じだ。
歴史を振り返りながら、
小売業の核心の本質を解き明かす。
「関西スーパースタディ」を紹介しながら、
業種チェーンストアの1.0から、
業態チェーンストアの2.0への転換を説明。
さらに今、起こりつつある
チェーンストア4.0を整理する。
私の今日の持ち時間は2時間。
あっという間に終わってしまった。
テーマは52週MDの基礎と応用、
そしてトアコンパリゾンまで。
16時から20時までの講義。
鈴木先生は現場主義だ。
自身の目で見て、歩いて、
調べたデータをもとに、
実務に役立つ講義をしてくれる。
受講生たちにとっては、
目からウロコの内容だった。
初日の講義を終えて、
レストランで夕食。
講義が終わると笑顔がこぼれる。
派遣してくださった企業の皆さん、
初日は元気に無事終わりましたよ。
鈴木先生と夕食をともにしながら、
情報交換した。
鈴木先生を見送り、会場に戻ると、
受講たちが自習を始めている。
そのための自発的な復習。
もちろん部屋で自習している人たちもいる。
私はまだ気管支炎が完治していない。
長く話すと咳き込む。
しかしこの咳とも、
折り合いをつけることができるようになった。
何とか迷惑をかけずに講義ができる。
いつまでできるだろうか。
渥美俊一先生は83歳まで、
講義をしていた。
倉本長治先生も、
亡くなる直前まで、
舞台に出てきて力強く語った。
及ばずながら私も、
少しでもその域に達したい。
倉本長治は商業の近代化を推進した。
渥美俊一はそのためにチェーンストア産業をつくった。
私はささやかながら、
商業とチェーンストアの「現代化」を目指したい。
そのことにお役立ちをしたい。
この研修会はそのためのものだ。
商業現代化を果たすのは、
間違いなく知識商人だからである。
一人ずつ、少しずつ、
知識商人が生まれていく。
ナレッジマーチャントは、
大量生産では育てられない。
それは十分すぎるほどわかっている。
かといって手づくりの育成体制では、
間に合わない。
「マスカスタマイゼーション」ともいうべき、
人財の育成法が必要だ。
まず私はカスタマイズで養成する。
つぎに知識商人となった人たちが、
それぞれの企業で、
カスタマイズ教育をしていく。
それを繰り返す。
大量生産の画一的人財ではなく、
マスカスタマイゼーションによる、
知識商人養成である。
1600人の修了生たちには自ら、
知識商人の育成の役割を担ってほしいものだ。
(明日につづきます)
〈結城義晴〉
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私は、微力ながらリテールサポートのできる営業人材育成に携わっていました。当時、食品商業は貪るように読ませて頂いておりました。