ボランタリーチェーンとフランチャイズチェーンのこと
一つのセミナーが終わると、
肩の荷が下りる。
第22回商人舎ミドルマネジメント研修会。
お陰様で無事、終了しました。
受講生の皆さん、
課題レポートに全力を尽くしてください。
商人舎オフィスに出ると、
「セルコレポート」が届いていた。
私は毎月、連載を書いている。
「艱難は商人を鍛える」
その第26回。
第1回はクラレンス・サンダース。
そう、セルフサービスの発明者。
第2回は中内功。
ダイエー創業者。
第3回はサム・ウォルトン。
ウォルマート創業者。
それぞれに艱難に遭い、
そこから希望を掴みとった。
2年間、さまざまな偉大な商人に関して、
その艱難の物語を書いてきて、
「お前にはそれはないのか」と問われそう。
そこで自分のことを書き始めた。
2回のつもりが3回目となった。
それが今回。
「結城義晴、首を言い渡される。」
ご愛読のほど、お願いします。
さて、昨日の6月6日(木)。
日本ボランタリーチェーン協会第58回総会。
上野・東天紅3階の鳳凰の間。
山本恭広編集長が参加した。
賛助会員とメディアは、
総会に続く全国大会から参加。
200名弱が集まった。
第一部は記念講演。
講師は坂本崇博さん。
コクヨ㈱働き方改革P.Jアドバイザー。
コクヨ社内の働き方を改革した。
そのうえで大手企業や自治体で、
業務生産性向上を手伝う。
コンサルティング事業を立ち上げる。
働き方改革に必要な、
組織と個人の在り方を語った。
続いて第二部の懇親会。
同じ鳳凰の間。
会の冒頭、井原實会長のあいさつ。
協同組合セルコチェーン理事長。
昨年、新会長として就任した。
以来、会員獲得を始めとした、
協会事業の改革を進めている。
隔月刊「ボランタリーチェーン」を刷新した。
さらに会員同士の交流を活発に行った。
コミュニケーションの改革に力を入れている。
続いて来賓祝辞。
自由民主党の甘利明衆議院議員は、
第一部であいさつを終えていたので、
小泉進次郎衆議院議員が登壇。
小泉さんもいまや2人の子どもの父親だ。
だからスーパーマーケットが、
より身近な存在になった。
今の菓子売場が魅力的で、
子どもの目をそらすのが大変だとか。
乾杯の音頭は、
中小企業基盤整備機構の宮川正理事長。
昭和37年、1962年。
林周二著『流通革命』が世に出た。
あまり知られていないが、
この年に倉本長治は、
『チェーンストアへの道』を上梓した。
そして倉本は、
はじめのころのチェーンストアを、
ボランタリーチェーンととらえていた。
実際にこの協会設立に当たって、
倉本は側面から支援した。
私が指摘したチェーンストア1.0は、
業種チェーンストアだった。
資生堂チェーン、日立チェーンストール、
松下電工のナショナルチェーン。
これらはメーカー主導のボランタリーチェーンだった。
チェーンストアの種類は3つに分けられる。
資本形態による分類だ。
第1はレギュラーチェーン。
単独資本で展開される経営形態。
第2はボランタリーチェーン。
「異なる経営主体同士が結合して、
販売機能を多数の店舗において展開すると同時に、
情報等を本部に集中することによって
組織の統合を図り、強力な管理のもとで、
仕入れ・販売等に関する戦略が
集中的にプログラム化される仕組みとその運営」
日本ボランタリーチェーン協会の定義だ。
第3がフランチャイズチェーン。
これも日本フランチャイズチェーン協会が定義している。
「事業者(フランチャイザー)が
他の事業者(フランチャイジー)との間に契約を結び、
自己の商標、サービスマーク、トレードネームその他
営業の対象となる商標および経営のノウハウを用いて、
同一のイメージの下に
商品の販売その他の事業を行う権利を与え、
一方フランチャージーは一定の対価を支払い、
事業に必要な賃金を投下して
フランチャイザーの指導及び援助の下に
事業を行う両者の継続的関係をいう」
スタート時点は、
ボランタリーチェーンが発達し、
その後、レギュラーチェーンが飛躍し、
最後にフランチャイズチェーンが発展した。
セブン-イレブンがその代表。
スーパーマーケットでも、
絶好調の神戸物産はこの形態を採用する。
ロピアも沖縄では、
フランチャイズシステムで出店した。
一方、ヤマダホールディングスは、
コスモスベリーズを傘下に置く。
巨大なレギュラーチェーンと、
ボランタリーチェーンの協業である。
三つのチェーンストア形態の、
融合が図られるのが、
商業の現代化の側面である。
〈結城義晴〉
3 件のコメント
ボランタリーチェーンは
もっとうまくいってほしかったです。、
理念は最高なのですから。
ボランタリーチェーンが元気になるには、
人間、
ひとりひとりが
成長する必要がありますね。
しかし、
国が裕福になると、
人はハングリーさを失い
成長が鈍化するので
世の中、本当によくできてます。
一党独裁は、
トップが優秀だと、
一気に伸びますが、
信長さん同様、続かない。
小売りラブ♬さん、ありがとうございます。
マネジメントの世界ではチームで仕事する仕組みが増えています。
持株会社制度になかで協業することも、
ボランタリーチェーンの一つの形でしょう。
これは今後、増えていきます。
そのときにも参加する、一人ひとりが成長しなければなりません。
小売ラブさん、同感です。
ボランタリーチェーンこそ、本来は多様性の時代を象徴するチェーンのはずです。自立した個性的な商売人の方々が切磋琢磨するボランタリーチェーンは魅力的です。