結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年06月11日(火曜日)

ウォルマート新本社キャンパスの「とんがり★こだわり」

月刊商人舎6月号。
表紙も大いに気にいっています。
IMG_4902 (002)

商人舎はデザインを大切にしています。
デザイナーはずっと七海真理さん、
アメリカで勉強して帰国した、
超一流のアーティスト。

最近はもうおひとり、
玉川昭子さんに加わっていただいた。

たとえばこのページ。
スクリーンショット 2024-06-12 003810
ヤオコー武蔵浦和店のページです。
いかがでしょう。

オレンジ色の床が映える。
ページデザインがそれを印象づける。

ポジショニングとは、
「とんがり★こだわり」である。

ドラッカーに言わせれば、
「何によって憶えられたいか?」
“What do you want to be remembered for?”
スクリーンショット 2024-06-12 003043

そう言うからには、
商人舎の表紙だって、誌面だって、
とんがり★こだわりでなければいけない。202406_coverpage
かつては『販売革新』や『食品商業』を、
自分で編集していた。

そのころから言っていた。
「チェーンストアマンが持って歩いて、
電車の中で誌面を開いて読んでいても、
カッコよくて、誇れる雑誌にしたい」

現在の商人舎も変わりません。

さて、
ウォルマートの新本社。
建設中。
1693432729313

COVID-19パンデミックによって、
施工が遅れていた。

しかし、
まるで「街」のような新本社。

日経新聞のニューヨーク特派員が報告した。

シリコンバレーのアップルの本社、
グーグルの本社。
シアトルのアマゾンの本社。

それらをスケールで圧倒している。

ウォルマートのオフィスはもちろん、
道路など都市インフラも整えられる。

何しろ田舎だ。

「アーカンソー州北西部ベントンビル」

記事。
「創業者のサム・ウォルトン氏が
1950年に開いた小さな食料品店
『ウォルトンズ』
これがウォルマートの始まりだ」

この表現は間違っている。

サムが始めたのは、
ベンフランクリンのフランチャイジー。
つまりバラエティストア。

ウォルトンズ・ファイブ&ダイムストア。
非食品雑貨のツーコインストアだ。

食料品店ならばグロサリーストアである。

業態が全然違う。

私はこういった点はうるさい。
一般記事に細かいことを言って、
御免なさい。

「それから70年あまり。
同社は売上高6480億ドル(約100兆円)、
従業員210万人の巨大企業に成長した」

新本社キャンパスは2025年末の完成予定。
総面積は130ヘクタール、東京ドーム28個分。
スクリーンショット 2024-06-12 012515

植栽が充実し、公園のような空間。
これはすでに報じられていた。

本社部門1万5000人の社員が、
全米から集められる。

3つの主要なオフィスビル、
もちろん十二分の駐車場、
納入業者との商談スペース。
スクリーンショット 2024-06-12 014520

それからホテルや、
ショッピングセンターも。
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アソシエーツ向けに、
レクリエーション施設は充実している。
プールは競泳用とファミリー用、
テニスコートは屋内だけで5面。
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アソシエーツならば無料のジム。
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そしてキャンパスの中心にあるのが、
サム・ウォルトン・ホール。
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新しいアメニティホール。

ここで大会議やイベントが展開される。
スクリーンショット 2024-06-12 014430

シンディ・マルシグリオ上級副社長。
「最高の人材をひき付けることが最大の目的」

創業家ウォルトン・ファミリーも寄付をした。
2億2500万ドル以上(3億3700万円)。

この新キャンパスは、
サム・ウォルトン一色といった印象だ。

ベントンビルの街は、
十数年前まで人口3万人程度だった。
それが22年には5万8000人まで増加。

特派員。
「西海岸のシリコンバレーのような雰囲気だ」

「25年末に人口100万人に達するとの予測もある」

アーカンソー州の州都はリトルロック市。
人口は20万2591人(2020年)で州内最大。
周辺を合わせた都市圏人口は約74万人。

それを超える州内第一の都市圏となる。

立派過ぎる本社は、
ウォルマートには似合わない。
ずっと、そう考えられてきた。

サムの根本哲学は質素倹約。
総資本の回転を上げる。

しかしこの新しいキャンパスは、
ウォルマートのポジショニングのためにある。

そしてサム・ウォルトンによって、
とんがり★こだわりを表現する限り、
ウォルマートの立ち位置は変わらない。

それを強く感じた。

イオンもイトーヨーカ堂も、
日本のチェーンストアも、
このとんがり★こだわりは、
見習うべきだと思う。

〈結城義晴〉


4 件のコメント

  • いいですね。とんがり★こだわり。なんにしても抜きん出る。こういう考えが、「最高の人材をひきつけることが最大の目的」ということに、結びついているんですね。さらにそれを継続する信念が、素晴らしいと思います。

    • 渡邉健次さん、ありがとうございます。
      ウォルマートには大企業病がない、と言われています。
      サムが一番恐れていたことです。

      そのサム・ウォルトンのDNAを継承することが、
      ウォルマートの存在意義なのです。

      それを幹部もアソシエーツも知っている。
      イトーヨーカ堂も同じように考えるべきだと、
      私は思います。

  • 記事を見ての第一印象は、私も「大きい本社はウォルマートらしくない」でした。ただ、豪華なタワービルではなく、街にしたというところが、ウォルマートらしい人間哲学なのかもと思い直しました。

    • 吉本さん、同感です。
      シアーズはタワーをつくって、
      その後、堕落しました。

      ウォルマートは街をつくる。
      これもどうなるかは、
      本当のところ、わかりませんが。

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