マイクロソフト「大規模システム障害」とハラリの「謙虚さ」
マイクロソフトの、
大規模システム障害問題。
すでに「情報技術史上最大」と言われている。
基本ソフト「ウィンドウズ」を搭載したパソコンが、
世界各地で相次いで異常停止した。
クラッシュしたのはWindows10とWindows11。
Microsoftの推計では、
約850万台の端末が影響を受けた。
この障害は世界中の企業や政府を巻き込んだ。
航空会社、空港、銀行、ホテル、病院、
株式市場、放送などが影響を受けた。
緊急電話番号やウェブサイトなどの、
政府サービスも影響を受けた。
クラウドストライク社が日本時間の19日、
更新ソフトを世界に一斉に配信した。
それが不具合を含んでいた。
クラウドストライク社は、
サイバーセキュリティのIT企業である。
2011年にテキサス州オースティンで創業。
67万4000以上の顧客に直接影響があったが、
41%が米国だった。
間接的な影響も含めると、
業務が中断するリスクは、
顧客数で4900万以上に及んだ。
今回、クラウドストライクは、
十分な品質チェックを行わないままに、
全世界に向けてソフトの自動更新を行った。
テキサス大学マックス・キルガー教授。
「この種の深刻な障害は
今後も増えることが予想される」
日経新聞が報じた。
「ソフト会社が試験を厳格化するように
求める規制も必要になるかもしれない」
それは当然のことだ。
小売業では自動発注が進んでいるが、
「自動」には必ず、
人間がかかわれる要件を盛り込むことが必要だ。
トヨタはそこで「自働」と称する。
サイバーセキュリティに関しては、
まったくの素人ながら、
そんなことを思った。
最も強くアピールする点が損なわれると、
それは最も弱いものとなる。
顧客第一主義を唱えた店が、
顧客をないがしろにすることがある。
それは最も強くアピールする点を、
自ら最も弱いものにしている。
暑い暑い梅雨明けの日曜日。
自宅で静養しながら思った。
自らの「強み」を謙虚に見つめ直そう。
自らの「強み」はできるだけ控えめに示そう。
ユヴァル・ノア・ハラリ著。
『21Lessons』
「21世紀の人類のための21の思考」
ハラリは第11章で言う。
「人間の愚かさの
治療薬となりうるものの一つが、
謙虚さだろう」
「国家や宗教や文化の間の緊張は、
誇大な感情によって悪化する」
ハラリは戦争について論じているのだが、
それは仕事についても、
自分の生き方についても、
当てはまると思う。
自らの「強み」を謙虚に見つめなおそう。
自らの「強み」はできるだけ控えめに示そう。
〈結城義晴〉
2 件のコメント
自信と自惚れの違いは、仰る通り厳格な自己客観視の有無だと思います。
謙虚であることを忘れてはいけませんね。
いつも、いつまでも。