パリ五輪最終日、世界のアスリートたちに感動。
最終日の種目。
ここでも日本のアスリートが輝いた。
感動した。
陸上女子やり投げの北口榛花。
決勝の一投目に65.8mの記録を出して、
あっさりと金メダルを手にした。
投てきの合間には、
フィールドに寝そべって、
カステラを頬張った。
日本初の陸上女子フィールド種目のメダル。
アジア初の女子投てきの金メダル。
陸上の金メダルは、
1928年アムステルダムの織田幹雄(三段跳)、
1932年ロサンゼルスの南部忠平(三段跳)、
1936年ベルリンの田島直人(三段跳)、
同、マラソン孫基禎、
そして2000年シドニーの高橋尚子(マラソン)、
2004年アテネの室伏広治(ハンマー投)、
同、野口みずき(マラソン)。
これまで7人しかいない。
女性はマラソンの二人。
それからレスリングの二つの金メダル。
男子フリースタイル65キロ級の清岡幸大郎。
〈日本レスリング協会公式ホームページより〉
どちらも危なげない勝利。
レスリングの指導者層のレベルは、
今、日本が最高だ。
それを最終日に示してくれた。
日本のレスリングは今回、
金メダル8、全部で11のメダルを獲った。
この鏡の金メダルで、
日本選手団は20個の金メダルとなって、
アメリカと中国の40個ずつに次いで、
世界3位となった。
主催国のフランスをはるかに上回った。
メダル総数も45個(銀12個、銅13個)。
メダルには届かなかったが、
オリンピックの象徴のマラソン女子では、
鈴木優花が6位に入賞した。
〈日本陸上競技連盟公式ホームページより〉
金メダルのシファン・ハッサン(オランダ)は、
五輪新記録の2時間22分55秒。
今大会では8月2日の5000m予選を、
14分57秒65の2着で通過、
中2日の決勝では14分30秒61で銅メダル。
さらに中3日の1万メートル決勝で、
30分44秒12の銅メダル。
最後に中1日の最終日のマラソン。
レース序盤は先頭集団から離れて、
単独走で自分のペースを守った。
「今回のメダルは金メダル10個のように感じる」
2位に入ったチグスト・アセファ(エチオピア)も、
2時間22分58秒、ハッサンとは3秒差だった。
哲学者のような表情で、
終始レースを牽引した。
アセファは現在、
2時間11分53秒の世界記録保持者。
世界記録の2位は優勝したハッサン。
日本の鈴木はそんなすごいランナーたちと、
急こう配の後半のコースでも互角の走りを見せた。
感動した。
ハッサンは2023年ブダペスト世界陸上で、
1万メートル決勝に出場した。
先頭を走っていたがラスト20mで転倒。
11位に終わった。
レース後の発言。
「人生は山あり谷あり。
だから、人生は美しいのよ」
忘れてならない種目が、
近代五種(modern pentathlon)。
地味な種目のように見えるが、
「キング・オブ・スポーツ」と呼ばれる。
異なる5つの種目を1人の選手が、
1日でこなす競技。
その競技は、
⑴フェンシング(エペ)
⑵水泳(200m自由形)
⑶馬術(障害飛越)
⑷射撃5的
⑸クロスカントリー(600メートルを5周)
⑷と⑸を合わせてレーザーランと呼ぶ。
考案者はクーベルタン男爵。
近代オリンピックの提唱者。
古代のギリシャオリンピックでも、
五種競技が行われていた。
レスリング、円盤投、やり投、走幅跳、短距離走。
これは現代では陸上十種競技となっている。
1日目に100m走、走幅跳、砲丸投、走高跳、400m走。
2日目に110mハードル、円盤投、棒高跳、やり投、1500m走。
これも大変な種目だがクーベルタンは、
近代オリンピックにふさわしい五種競技を考えた。
その基本になったのが、
ナポレオン時代のフランス騎兵将校の行動。
伝統の種目だ。
その近代五種で、
日本の佐藤大宗(30歳)が銀メダルを獲得。
まさにキング・オブ・スポーツ。
会場はベルサイユ宮殿が使われた。
「歴史をつくりました」
佐藤は言った。
準決勝をB組1位で通過。
決勝の朝は緊張で、
「吐き気が止まらなかった」
馬術は与えられた馬で行う。
馬を選ぶことはできない。
しかしこの馬術を300点満点。
フェンシングのエペは、
日本代表チームと合同練習した。
水泳は青森山田高時代の専門種目。
ここまでで3位。
膝に手をついて2度吐いた。
それから最終種目のレーザーラン。
射撃の命中率を上げ、
3位との6秒差を逆転した。
素晴らしい。
ありがとう。
〈結城義晴〉
1 件のコメント
スポーツ競技は元々、獲物をつかまえたり敵を倒したりするためのものだった技術を、そのスキル自体を目的化して純化させたものが多いように思います。さらにそれをエンタメ化して人の心をうつものにしたのが近代スポーツだと思います。
そして、その最高峰であるオリンピックは、人間の素晴らしさを思い出させてくれる、これ以上のものはなかなかない文化的創造物だと感じます。