結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年09月04日(水曜日)

CIとは逆にウォルマートは「赤」でターゲットは「青」

月刊商人舎9月号。
責了の日が近づく。

今回も編集部の自主マーチャンダイジング。
仕入れ原稿が1本だけある。

その道の大家にお願いした。

楽しみにしてください。

今日の原稿を書き終えて、
帰途につく。

新田間川。
IMG_6223 (002)

ダイエーのイオンスタイル横浜西口。 IMG_6224 (002)

帰りにダイエーを見るだけで、
心が温まってくる。

子どものころから、
この店にはお世話になった。

ありがとう。

さて朝日新聞の「天声人語」
「ウラ番組がつまらない」

テレビに対する失望感。
とくに地上波。

ある、ある。

コラムは言う。
「立憲民主党の代表選である」

「自民党の総裁選を横目に、
最大野党が何を見せてくれるかと
期待する人も多かろうに、
出馬を表明したのは前代表と元首相」

「昔の名前で出ています、は良くない、
との冗談が現実になったようだ」

「古き政治にしがみつく
自民党との違いをアピールするのに、
相も変わらぬ古い顔ぶれのままでいいのか」

あちらを斬ってこちらも斬る。
朝日らしいやり口。

名物キャスターだった久米宏さん。

視聴率が低迷していた際、
スタッフに二つを求めた。

「いわく内輪の事情ばかり考えず、
自分たちのウラ番組をちゃんと見ること、
そして、街を歩くこと」

これ、小売業のストアコンパリゾンと同じだ。

コラム。
「いまの野党にも同じように言いたい。
民主主義の最大の力は、
変わることができることだ。
政権交代の選択肢を、
国民に堂々と示してほしい。
ここはぜひ、新しい姿で」

この天下の天声人語に、
江川紹子さんが辛口コメント。
ジャーナリストで神奈川大学特任教授。

実に面白い。

世論調査で立憲民主党の支持率が伸びない。

それは前回の民主党政権時代の、
負の記憶があるからだ。

江川紹子。
「ただ、この”記憶”は、
同党の政権運営の拙さだけでなく、
後の安倍政権が”悪夢のような”と
揶揄罵倒を繰り返したことで作られ
固着した面もあり、
当時の記憶がない若い人までが、
悪いイメージを植え付けられている」

「そんな負の印象や不信感を抑えて、
内閣総理大臣を任せられる安心感を
人々に与えられるか」

「現実可能でよりましな国の方向性を提示して、
人々の心に希望や期待のタネをまけるか」

「具体的な政策論争を戦わせ、
その後は結束して前に進めるか」

「ここが立憲民主党の代表選の
最大のテーマだと思う」

いいこと言うなあ。

「それに比べれば、
今日の天声人語氏がこだわる
“昔の名前”とか顔の新しさとかは
微々たる事柄ではないか」

その通り。

「よりましな国の方向性」――。

前に書いたけれど、
自民党は正式には自由民主党だ。

立憲民主党も国民民主党も、
ついでに社会民主党も、
みんな「民主党」がつく。

日本の政治は「民主党」だらけで、
みんなDemocracyを標榜する。

それは「中道」を意味している。

だから五十歩百歩。

江川紹子が言うように、
「よりましな」ものを選ぶしかない。

アメリカ大統領選のように、
民主党か共和党かを、
チョイスするわけではない。

労働党と保守党の二大政党制の、
イギリスとも違う。

倉本長治先生も、渥美俊一先生も、
政治と宗教には口出ししなかった。

わかる。

だから私はどちらを支持するかなど書かない。
いや、どちらも支持してはいない。

それでも「中道」ばかりで、
いずれにもポジショニングが希薄なことくらい、
強調してもいいだろう。

ちなみに故安倍晋三氏は、
ノンポジショニングの日本政治にあって、
「保守」を鮮明にした。

安部時代の自民党は、
「保守党」だった。

だからポジショニングを得て、
長期政権を実現させた。

アメリカでは、
民主党の色は青で、
共和党の色は赤である。

だから民主党の強い州を青い州と言い、
共和党の強い州を赤い州と呼ぶ。

アメリカのチェーンストアは、
青い州と赤い州とに店舗展開している。

ウォルマートは赤い州に強い。
Photo by Iron Lotus Creative / Stephen Ironside

タ―ゲットは青い州で人気が高い。
cut1_1565 (1)

州に限らない。

アメリカには赤い市、赤い郡があり、
青い市、青い郡がある。

ウォルマートは赤い市や赤い郡でお役立ちし、
ターゲットは青い市や青い街で共感を得る。

コーポレートカラーは逆だけれど。

米国チェーンストアのポジショニングは、
政治に対しても鮮明である。

日本の小売業、サービス業は、
その意味でポジショニングが出しにくい。
「ノンポリ」が当たり前だからである。

それはそれでいいのかもしれないが、
ポジショニングは鮮明にしなければならない。

顧客に対する基本的な態度である。

〈結城義晴〉


2 件のコメント

  • 日本の政党のポジションニングが不鮮明なのは、日本国民の同質性を表しているのでしょうか。
    SNS社会になって、その理念とは逆に、同質化(とにかくはみ出さない)がむしろ進行している気がしています。

    • 国民性と政治は関連すると思います。
      難しい問題ですが。

      SNSが同質化を促す。これは同感です。
      考える時間が減ると、
      同質化していくのだと思います。

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