ああ、2001年9月販売革新「全篇ウォルマート問題特集号」
月刊商人舎9月号、
責了しました。
拍手、パチパチ。
9月号は毎年、
アメリカ特集。
基本は一冊まるまるUS Retail。
9年連続で企画し編集している。
最初は2016年9月号。
ウォルマートは年商4821億ドル。
1ドル100円換算で48兆円。
2位がCVSヘルス、
3位がコストコ、
4位がクローガー。
そして5位にアマゾン、1070億ドル。
10兆円だった。
私は書いている。
「ウォルマートに何が起こっているのか?」
しかしその後、ウォルマートは、
体質を変えつつ、
オムニチャネルリテーラーへと、
蛻変を遂げた。
[特別対談]もある。
石原靖曠×結城義晴
日米チェーンストアの「賢者は歴史に学ぶ」
このロング対談の中で石原先生。
「最近はチェーンストアの人たちも、
オーソドックスな勉強をしなくなりました」
納得。
「みんなただ成果を上げることだけ考えて
動いているでしょう」
「以前は一生懸命、理論武装したものです」
「理論武装をしたいと願った時代と、
理論武装しなくなった時代」
それからさらに8年が経過した。
「もう今の若手は理論の勉強をしたって、
何になるという感じがあります」
「若手の上司たちがまずそう思っていますから。
そんなことしている暇があったら、
“もうちょっと働け”みたいな話になる」
今、チェーンストアの若手は、
どこでどんな理論の勉強をしているのだろう。
少なくとも商人舎は、
理論武装の手伝いをしたいと考えている。
この連続特集を9誌全部集めて、
一冊の単行本にすれば、
とてもいいアメリカ小売業テキストになる。
今月号も、力の入った特集になった。
ご期待を乞いたい。
一冊まるまると言えば、
2001年9月の販売革新を思い出す。
21世紀に入った年の秋の特集号。
「全篇まるまる]
ウォルマート問題特集号。
編集長はもちろん結城義晴。
編集時点で48歳だった。
40代後半の脂の乗り切った時代。
この号で初めて私がつくったのが、
「逆ウォルマート史」
現在もアップデートして、
米国テキストとして使っている。
アメリカ小売業を見るときに、
3つの目が必要となる。
すなわち、虫の目・鳥の目・魚の目である。
「虫の目」とは、現場を見る力。
細部まで丁寧に「見極める能力」。
「鳥の目」は、大局を見る力。
全体像を俯瞰しながら「見渡す能力」。
「魚の目」は、流れを見る力。
時間の経過の中で現在と未来を「見通す能力」。
「逆ウォルマート史」は、
「魚の目」を詳細に教えるものだ。
この号の翌年2002年3月。
ウォルマートは西友との包括的提携を発表し、
筆頭株主になった。
この号はそれを予見した特集だった。
ちなみに月刊商人舎の、
2016年アメリカ特集の1年前、
2015年9月号特集は、
YAOKO-Innovations
[1998狭山店⇒2015ららぽーと富士見店]徹底解剖
懐かしい。
これも凄い特集号だった。
一冊まるまるヤオコー特集だ。
雑誌のことを思い出すと、
どれも感慨深いものばかりだ。
さて現時点に戻って、
ヤオコーnews|
8月既存店7.3%増/全店PI値は100.0%
8月の月次業績。
既存店伸び率は前年同月比107.3%。
23カ月連続で前年をクリアした。
前月の7月の既存店伸び率は103.4%で、
5%未満の伸び率は2023年3月以来の水準だった。
秋に向かって、円安不況が響いて、
ダウントレンドが見え始めたのか。
そんな心配をしたが、
杞憂に終わったか。
既存店客数は103.2%、客単価は103.9%。
1品単価が103.6%。
ヤオコーに死角はない。
ヤオコーの若手は今、
どんな理論の勉強をしているのだろう。
〈結城義晴〉
2 件のコメント
理論構築と成果創出は人繋がりというのが、当然の認識です。理論が実践に先行することはない、ということの意味が誤解されているのでしょうか。
その誤解は大いにありますね。
困ったことに。