チェーンストア協会「8月の好調」とオーケーの「’24新店の傾向」
商人舎の編集部は毎日毎日、
「流通Supernews」を発信している。
私自身はときどきしか書かないけれど、
ほかの全員が外部ライター二人と協力して、
あらゆる小売業態の最新配信情報をまとめていく。
スーパーマーケットや総合スーパー、
ドラッグストアやホームセンター、
コンビニエンスストアや百貨店などなど。
外食産業やメーカーのニュースは原則、扱わない。
その商人舎流通Supernews。
8月チェーンストア統計|
既存店3.8%増/衣食住の全部門プラス
日本チェーンストア協会発表。
会員企業47社・9277店の調査。
総合スーパーのチェーンストア、
スーパーマーケットの主要チェーン、
そしてニトリやホームセンターなどなど。
企業数は47社だが、
この協会の月次統計が、
日本の小売産業の潮流を示している。
現在の会長は尾﨑英雄さん。
㈱フジ・リテイリング代表取締役会長。
そのチェーンストアの8月の既存店売上高。
前年比103.8%。
既存店の部門別売上げは、
食料品が105.7%。
円安の影響で節約志向が強く、
買上点数の減少が続いている。
農産品は相場高、
店頭価格が上昇して、
売上げは上がった。
食品部門の売上構成比は72.4%。
住関品は107.4%、衣料品は100.3%。
そしてサービス106.8%だった。
全体に増収基調が出た8月。
これが秋の商戦から年末商戦へと続く。
月刊商人舎10月号で、
そのあたりの見通しと、
秋から冬にかけての営業企画の在り方を考察する。
もう一本、商人舎流通Supernewsから。
オーケーnews|
関西1号「オーケー高井田店」11月下旬開店/770坪の大型店
いよいよです。
オーケーの関西進出。
オーケー高井田店。
東大阪市高井田本通七丁目、
地下1階・地上5階建ての建物。
売場は地下1階で、
売場面積770坪(2545.95㎡)。
駐車場も192台分用意する。
5階には関西本部を設ける。
開業日は「11月下旬」と発表されているが、
正確に日時はわからない。
関西進出は、
故飯田勧さんの悲願だった。
そのために関西スーパーにTOBをかけた。
2021年のことだ。
私は月刊商人舎 2021年9月号に、
「流通時評」を書いた。
「コロナは経営統合を早める!!」
イオンとフジ/H2Oと関西スーパーはどうなる?
すったもんだの末、
関西スーパーと株主たちは
10月29日の臨時株主総会で、
僅差でH20リテイリングを選んだ。
そしてイズミヤ・阪急オアシスとともに、
関西フードマーケットを新設して、
再出発した。
一方のオーケーは2024年2月2日に、
創業者の飯田勧さんが逝去し、
二宮涼太郎社長のもとで、
関西進出作戦を進めた。
その成果が11月下旬にお披露目される。
この1年のオーケーの新店開発も、
流通Supernewsが追いかけている。
2月20日に西東京市に「オーケー田無芝久保店」開業。
801坪の大型店だった。
3月13日には同じく西東京市に、
オーケー東伏見店(584坪)がオープン。
3月19日には東京都中央区日本橋に、
218坪の小型店でオーケー 日本橋久松町店。
3月27日はオーケー板橋本町店(249坪)。
200坪強の小型店を、
東京に開業した。
4月17日にはやはり東京に、
オーケー東雲店を472坪で新規出店。
4月23日には、
柏高島屋ステーションモール店を
千葉県の百貨店の食品売り場に進出。
257坪の小型店だった。
そして5月30日に、
千葉県松戸市にオーケー松戸常盤平店を開業、
こちらは393坪の中型店。
今年の前半に6店舗を立て続けに開いた。
飯田さんの弔い合戦のようだった。
800坪の大型店1店、
400坪から500坪の中型店3店、
300坪以下の小型店3店。
小型でも年商は20億円くらい稼ぐ。
商品や売り方は変わらない。
私は584坪の東伏見店クラスが、
オーケーにとって一番いいサイズだと、
勝手に考えている。
だから800坪級は、
旗艦店の役割は果たすものの、
投下資本に対して、
パフォーマンスは下がるのではないか。
もちろん大ブレイクすれば、
想像を超えた成果を生み出す。
オーケーはそれを企図している。
もうひとつオーケーが、
高井田店でやらねばならぬことがある、と思う。
それはここには書くまい。
従来通りの店づくり、
つまりは田無芝久保店と同じ展開で、
関西をスタートさせるかもしれない。
それならば、ちょっとガッカリ。
さてどうなるか。
お手並みを拝見しよう。
〈結城義晴〉