結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年09月27日(金曜日)

ドジャースの西地区優勝と石破茂自民党総裁の誕生

メャーリーグでは、
ロサンゼルス・ドジャースが、
ナショナル・リーグ西地区で優勝を決めた。
これで3連覇となる。
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大谷翔平は1番・指名打者で出場して、
2対2の7回に試合を決める適時打を打った。

5打数3安打1打点で400塁打。

プレーオフは10月1日に始まって、
ドジャースは5日の地区シリーズから登場。

ワールドシリーズを目指す。
凄いことだ。

一方、
日本の自民党総裁選挙。
ドラマチックな結末だった。

私は商人舎オフィスで、
原稿執筆しながら、
最後のところだけABEMAテレビ観戦した。

9人の候補者の第一次投票では、
高市早苗候補がトップ、
次点は石破茂候補。これも意外だった。
小泉進次郎候補は3位で、
決戦投票に残れず。

高市は勝った気でいた。
そんな顔つきだった。

その決選投票前の5分間のスピーチ。
先にやるほうが有利であることは間違いない。

石破の演説はよかった。

伝統的な日本の政治家の演説のセオリーを、
きちんと継承していた。

「衆議院議員の石破茂であります」
この入り方はとても簡潔でいい。
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一方の高市は、
「みなさん、こんにちは」と切り出した。
これは駄目。

石破は冒頭で能登の豪雨を見舞った。

それから同志議員、党員党友、国民にお礼を言った。

さらに前総裁の岸田文雄に謝辞を述べて、
本論に入った。

「私は至らぬ者でありまして、
議員生活38年になります。
多くの足らざるところがあり、
多くの方々の気持ちを傷つけたり、
いろんな嫌な思いをされたりされた方が
多かったかと思います」

「自らの至らぬ点を
心からお詫びを申し上げます」

この率直な詫びは石破らしからぬ言説だった。

「立候補への決意を表明しましたときに、
私は育ちました地元の神社の前で
出馬表明をいたしました」

「暑い日でした」

「もう今から60年も前のことになります。
夏休みでした。そこで夏祭りがありました」

「今ほど豊かではなかったけれど、
そこには大勢の人の笑顔がありました。
今ほど豊かではなかったかもしれないけれど、
大勢の人が幸せそうでした」

「もう一度そういう日本を
取り戻したいと思っています」

「お互いが悪口を言い合ったり、
足を引っ張ったりするのではなく、
ともに助け合い、
悲しい思いでいる人、
苦しい思いでいる人、
そういう人たちを助け合うような、
そういう日本にしてまいりたいと思っております」

「日本を守りたい。
国民を守りたい。
地方を守りたい」

「そしてルールを守る自民党でありたい。
そのように思い、訴えてまいりました」

「この総裁選挙の間も
様々なことがございました。
今のままでいいと私は全く思っておりません」

「安全保障に長く携わってまいりました。
国を守ってまいります。
そして、国民を守ってまいります」

「一人ひとりが幸せを実感できる。
安心と安全を実感できる。
もう一度一人ひとりに笑顔が戻ってくる。
そういう日本を必ずつくってまいります」

「地方を守っていかなければなりません。
どんどんと人口が減っていく、
そういう地方であってはなりません。
地方を取り戻してまいります」

「そして、
ルールを守る自民党でなければなりません。
ルールを守る自由民主党、
そして国民を信じる
自由民主党でなければなりません」

「国民の皆様方は、
なお自民党を信じていないかもしれない。
しかしながら私は国民を信じて逃げることなく、
正面から語る自由民主党をつくってまいります」

「勇気と真心を持って真実を語る。
そういう自由民主党を、
私は同志の皆様とともに必ずつくり、
一人残らず、同志が来る国政選挙において
議席を得ることができますように、
日本国のために全身全霊を尽くしてまいります」

「どうぞよろしくお願い申し上げます。
ありがとうございました」

石破と高市の演説を聞いた麻生派の若手は言う。
「最後のスピーチで、
石破さんに決めた議員は多いと思う」

そうして石破茂は勝った。
自民党総裁となった。

石破茂は29歳で初当選した。
全国最年少の国会議員だった。

父は鳥取県知事と参院議員を務めた石破二朗氏。
その東京での葬儀は田中角栄が葬儀委員長だった。

三井銀行の行員だった石破茂に、
田中は言った。

「衆院に出ろ。
鳥取県民葬に来た人全員に
名刺持参でお礼に回れ。
それが選挙の基本だ」

田中派「木曜会」の事務職員となったあと、
石破は1986年の衆院選に立候補した。
地元鳥取で5万4000軒の家を回って、
5万6534票を得た。

「歩いた家の数しか票は出ない」
田中角栄の言葉を心に刻んだ。

それから38年、
五度目の総裁選出馬で、
やっと日本のトップに立つ位置に就いた。

その石破茂が、
農林水産大臣時代の2008年から2009年。
私は「農林水産省改革推進会議」に呼ばれた。

石破農水相の意志が、
しっかり込められた委員会だと感じた。

つまり行政を把握し、
そこに意思を通す政治家だと感じた。

毎月一回議論し、
私は日本農政にオーガニックの提案をした。

三角大福中の時代。
一番の弱小派閥の長だった三木武夫は、
田中金脈問題で大揺れしたあと、
椎名裁定によって総理総裁となった。

「クリーン三木」と言われた。
こんなことが幾度となく起こった。

そして今もまだ、自民党は、
パーティー券裏金問題を、
完全に解決したとはいいがたい。

石破の当選はその自民党に、
浄化作用が働いたことを意味している。

読書家、理論家、演説家、
誠実な政治家。

石破茂に日本を預けようか。

〈結城義晴〉


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