10月1日の漱石の「牛になりなさい」と大谷翔平に見えた「違い」
10月1日。
空狭き都に住むや神無月
〈夏目漱石〉
あと3カ月で2024年が終わる。
今日から郵便料金が、
約3割値上げされた。
編集スタッフの鈴木綾子さんが、
大声でみんなに注意を喚起した。
大幅な価格改定は30年ぶり。
これだけデジタル化が進めば、
利用も激減するだろう。
それに物流コストは激増している。
ただしこの値上げも応急処置に過ぎない。
現在の赤字は解消するが、
1年でまた赤字に転落する。
山陽新聞の巻頭コラム「滴一滴」
「自称手紙魔だった夏目漱石は、
確認されているだけで
2500通もの書簡を残している」
「候文、漢語調から砕けた文体まで
自在に使い分け、
時に英文や俳句を添えた」
「宛先は幅広く、
感想をくれた見知らぬ子どもにも
律義に返書をしたためた」
「大勢いた門下生もまめに励ました」
その門下生のなかに若き芥川龍之介がいた。
漱石は彼らに説いた。
「牛になりなさい」
「牛になる事はどうしても必要です。
我々はとかく馬になりたがるが、
牛には中々なり切れないです」
「あせつてはいけません。
頭を悪くしてはいけません。
根気づくでお出でなさい」
「うんうん死ぬまで押すのです。
それだけです」
「決して相手を拵(こし)らえて、
それを押しちやいけません。
相手はいくらでも後から後からと出てきます。
さうして吾々を悩ませます」
「牛は超然として押して行くのです」
「何を押すかと聞くなら申します。
人間を押すのです。
文士を押すのではありません」
コラムは言う。
「漱石先生が現代人なら交流サイト(SNS)を
うまく使いこなしたかもしれない」
「空狭き都」は漱石時代の比ではないし、
なおかつ手紙が減っていく都でもある。
仕方ないけれど。
それでも手紙や郵便の価値は、
使いようによっては非常に高まると思う。
値段が上がるほどに、
価値は高まる。
そう考えたほうがいい。
商人舎流通Supernews。
イオンモールnews|
「イオンモールのハロウィン」9/27から本格展開
イオンモール㈱が、
ハロウィンの開催期間を、
9月27日(金)~10月31日(木)と発表。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンと、
タイアップしたラリー企画も展開する。
各地のモールでも独自のイベントを実施する。
それだけのことだが、
ハロウィンはもう始まっている。
どんな会社もどんな店も、
10月の計画に入っているだろう。
目いっぱい楽しめばいい。
一昨日のブログで、
イトーヨーカドー津田沼店閉店の記事を書いた。
そして津田沼戦争当時の顔触れは、
「誰もいなくなった」
「イオンの勝利だろうか」と書いたが、
勝利の理由はイオンモールだと思う。
ショッピングセンター事業は、
優れた、息の長いビジネスモデルなのだ。
さて、大リーグは、
ポストシーズンに入った。
大谷翔平を見ることができないと、
ちょっと寂しいものがある。
今週末の10月6日までお預け。
そして最後の最後のワールドシリーズに、
ドジャースが残ったら、
それは日本時間10月26日に始まる。
それも第7戦までもつれたら、
日本時間11月3日の予定。
それまで楽しめるといいなあ。
朝日新聞「天声人語」
大谷翔平の今期の成績を顧みる。
レギュラーシーズンは、
54本塁打、59盗塁、130打点、
打率3割1分。
投手としてはリハビリ中。
その大谷が「50-50」を達成した時の言葉。
「これまでは
“やっている人が少ない”中での記録だったが、
これは”比較対象が多い”という意味で
違いはある」
つまり投手と打者の二刀流での記録は、
道なき道を行く過程で得たものだ。
今期の打者としての50-50は、
比べる記録、追い抜く先人らがいた。
それは大谷にとって「違う」らしい。
どちらも達成した者にだけ見える景色。
どちらも成し遂げた者の感慨。
ブルーオーシャンと、
レッドオーシャンか。
どちらも勝者になると、
違いがわかるのだろう。
天声人語はそんなことは書かないが、
私はそれを思った。
大谷翔平も牛になっているのだろう。
うんうん死ぬまで押すのだろう。
そのショーヘイの真剣勝負を、
ハロウィンのあとの11月3日まで、
見ることができますように。
神に祈ろう。
10月に入った途端、
11月が見えた。
〈結城義晴〉
2 件のコメント
「我々はとかく馬になりたがるが、牛には中々なり切れないです」
これは、小賢しくなるな、愚直であれ、というメッセージかと受け止めました。論文と異なり、こうした名文は多義的なので、色々考えさせられます。それが楽しいのですが。
「牛は超然として押して行くのです」
「何を押すかと聞くなら申します。
人間を押すのです」
ここが漱石らしくて、いいですね。