イオン中間決算「最高営業収益/減益」とセブン&アイの社名変更
日本国国会。
党首討論をしたあと、
衆議院解散。
総選挙に突入する。
10月15日公示、27日投開票。
イオンの第2四半期決算説明会。
東京の大手町サンケイプラザ。
リアル決算説明会には、
ジャーナリスト、アナリストが集まった。
山本恭広編集長が現地に行った。
私は横浜商人舎オフィスでオンライン参加した。
壇上に三人の幹部が並ぶ。
江川敬明執行役財務・経営管理担当(左)、
吉田昭夫代表執行役社長(中)、
四方基之執行役戦略担当(右)。
江川さんが四半期決算の結果を説明した。
吉田さんが今後の戦略を語った。
商人舎流通Supernews。
イオンnews|
第2Q営業収益4兆9994億円6.1%増/売上高過去最高も減益
営業収益4兆9994億円、前年同期比6.1%増。
これが4期連続の過去最高。
全事業で増収を記録。
営業利益986億円(16.2%減)。
過去最高を記録した前期に次ぐ水準。
売上総利益率の低下と販管費増により減益。
経常利益898億円(19.7%減)。
四半期純利益54億8800万円(76.5%減)。
つまり増収減益。
吉田昭夫社長。
「前年同時期に業績をけん引した小売事業が、
価格強化戦略をとったため、
売上高と客数を伸ばすことができたが、
人件費など販管費増加分を吸収できなかった」
江川さんも吉田さんも、
実に丁寧に正直に実情を語った。
その後、質疑応答となった。
吉田さんと江川さんがすでに話したことを、
「また聞くのか?」といった質問が多かった。
それにも丁寧に言葉を変えつつ話してくれた。
気になること。
質問者がいろいろ聞いた後で最後に、
「教えてください」と言う。
へりくだった印象を出したいのだろうが、
ジャーナリストは教えを乞うものではない。
対等な関係で質問をするのがいい。
逆にある証券会社の人間の質問は、
一貫して高みに立っている印象で、
コンサル指導するような物言いだった。
しかも知ったかぶりの自説を披歴して、
全員の時間を奪った。
それも専門家ならば当たり前のような、
どうでもいい持論展開。
勝手に書いてろ!
勝手に喋ってろ!
そんな気になった。
酷かった。
それでも吉田さんは、
辛抱強く答えていた。
お疲れ様。
最後に噂の真相のような合併話の質問が出た。
それも固有名詞を出して。
そんなことは決算説明会で聞くもんではない。
答えるはずはないし、答えられることではない。
イオンの中間決算に対しては、
次の商人舎11月号で書かねばならない。
イオン全社員がもう少しだけ、
利益にストイックになるといい。
一方、
セブン&アイ・ホールディングス。
例によって日経新聞に、
上期決算の事前リーク記事が載った。
それは実際に決算説明会で聞こう。
明日の夕方、オンラインで行われる。
それとは別に日経新聞電子版に載ったのが、
「セブン&アイ、社名変更を検討」の記事。
日経系テレビ東京の夜の報道番組でも、
トップの話題になった。
イトーヨーカ堂を売却する検討をしている。
このこと自体もまだ明快ではない。
難題が残っている。
しかし売却が決まったら、
主力のコンビニ事業に経営資源は集中される。
そこで社名を変えるらしい。
社名変更の前にやることが山ほどある。
手順前後だ。
セブン&アイの社名は、
鈴木敏文前会長が決めた。
2005年9月、持ち株会社を設立したときに、
「新・総合生活産業」を目指して、
7つの主要な事業領域をもつ会社となる。
そのうえでイノベーションを進めるとか、
「愛」を表すだとか言われた。
「セブン」は鈴木敏文創業のセブン-イレブン、
「アイ」は伊藤雅俊創業のイトーヨーカ堂の頭文字。
大方の見方はそんなものだった。
そのセブン&アイの「i」をとって、
セブン-イレブン・ホールディングスにするか、
あるいはセブン・ホールディングスにするか。
いずれにしても「アイ」を削るらしい。
私の印象を先に言っておこう。
まず予測であろうとなかろうと、
日経新聞から出たのはよろしくない。
いつも言うけれど、
とくにイトーヨーカ堂の社員・従業員は、
いい気持ちはしない。
会社から事前に説明があって、
それが新聞や報道機関に載るのが順序だ。
もちろん社内に知らせたら、漏れる。
それが新聞に載る。
それはいい。
だが会社の名称変更は、
幹部や社員に一番最初に知らせるべきだ。
役員の誰かがマスコミにリークして、
そのあとで社員が新聞やネットで知るのはいけない。
それから余計なことだが、
「セブン-イレブン」という名称は、
アメリカのサウスランド社がつくったものだ。
とてもいいネーミングだとは思うけれど、
日本の企業の社名にするには、
何というかオリジナリティが不足している。
そこはよく考えなければならない。
時間をかければいい。
今のままでも悪いことはない。
思いついたら、
すぐ言いたがる。
黙っていられない。
子供じみている。
そんな印象だ。
また小言幸兵衛になってしまったが、
許せ。
〈結城義晴〉
2 件のコメント
小売企業に対しては愛ゆえの小言、ジャーナリストに対しては同業者ゆえの厳しさを感じます。
吉本さん、ありがとうございます。
頑固爺になってはいけないと自覚はしていますが。