衆院選の公示と中間決算の「増収減益」とカフカの「断片集」
第50回衆議院議員選挙が「公示」された。
定数は465。
小選挙区が289、比例区が176。
27日(日曜日)に投開票される。
「公示」は、
衆議院議員総選挙と参議院議員通常選挙の場合。
期日を国民に広く知らせること。
ほかの選挙の場合は「告示」という。
公示は天皇の国事行為に当たる。
こんなことを書くと、
顰蹙(ひんしゅく)を買うかもしれないが、
今回の総選挙は突き放して岡目八目で見ると、
「面白い」
どんな結果となるか。
私は今や支持政党なし。
自分の選挙区に立候補した政治家の、
人柄や人間性、実績、主張を見て投票する。
さて商人舎流通Supernews。
第2四半期決算が次々に発表される。
アークスnews|
第2Q売上高3027億円3.6%増・経常9.5%減の増収減益
売上高3027億円(前年同期比3.6%増)、
営業利益71億6200万円(9.7%減)、
経常利益79億7300万円(9.5%減)。
増収減益。
今回の中間期のスーパーマーケット業態のトレンド。
営業利益率は2.4%、経常利益率は2.6%。
リテールパートナーズnews|
営業収益1328億円6.4%増・経常2.5%減
営業収益1328億円、6.4%増。
営業利益31億2200万円、7.5%減。
経常利益37億6400万円、2.5%減。
営業利益率2.4%、経常利益率2.9%。
営業収益は過去最高で減益。
今回のトレンド。
イズミnews|
第2Q営業収益2387億円2.3%増・経常利益21.9%減
営業収益2387億円。2.3%増。
営業利益120億2900万円、22.5%減。
経常利益123億4800万円、21.9%減。
営業利益率は5.0%、経常利益率は5.2%。
イズミも増収減益。
エコスnews|
第2Q営業収益670億円4.3%増・経常利益14.0%増の増収増益
営業収益670億円、4.3%増。
営業利益31億7100万円、12.8%増。
経常利益33億2000万円、14.0%増。
増収増益。
頑張った。
営業利益率4.7%、経常利益率5.0%。
こちらも水準を超えた。
頑張れ。
一方、百貨店。
高島屋news|
第2Q営業収益2434億円10.1%増・経常利益36.3%増
営業収益2434億円、10.1%増。
営業利益287億6000万円(38.2%増)、
経常利益302億3800万円(36.3%増)。
2桁の増収増益。
営業利益率11.8%、経常利益率12.4%。
インバウンド売上高が増大。
約8割を占める国内顧客売上高も堅調に推移。
ラグジュアリーブランドなどの高額品、
婦人服、紳士服、化粧品なども伸長。
日本の平均賃金は「低い低い」と言われる。
その通りだろう。
しかし富の二極化がますます進んでいる。
朝日新聞「折々のことば」
第3233回。
何もしないことは、
あらゆる悪徳の始まりであり、
あらゆる美徳の頂点である。
(フランツ・カフカ)
「怠惰や無為無策は減点ものだし、
傍観やサボタージュはときに
他の人たちに対する大きな罪ともなる」
「一方、他の人への無用な介入は
たいてい見苦しいもので、
お節介や押しつけになる」
「そしてすぐにも強制に転化する」
「何もしないことと、
しているふりをして
しないことと、
していないふりして
ちゃんとやることとの
差は紙一重だ」
1883年~1924年。
カフカはチェコ出身のユダヤ人作家で、
ドイツ語で書いた。
アイルランド人のジェイムズ・ジョイスは、
英語で小説をものした。
フランス人のマルセル・プルーストは、
もちろんフランス語。
この三人は、
20世紀文学の代表作家と言われる。
そのカフカには完成した作品が少ない。
けれど手紙や手記は多い。
ノートなどに多くの断片を書き残した。
それが実に面白い。
「断片こそがカフカだ」との評価もある。
宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」も断片だ。
ブレーズ・パスカルの『パンセ』も、
断章から成り立っている。
短い言葉は人々の心に響く。
「何もしないこと」は、
それなりの結果しかもたらさない。
「しているふりをしてしないこと」
こちらのほうが悪質でよろしくない。
「していないふりして
ちゃんとやること」
決算の結果も、これがいい。
けれどやろうと思ったら、
これらは紙一重だ。
つまり、やろうと思えば、
ちゃんとやることはできる。
私がもっとも好きなカフカの断片。
「祈るように書く」
(1920年の創作ノートから)
私も祈るように書き続けたい。
〈結城義晴〉
2 件のコメント
結城さん、いつも私の拙いコメントへのご返信をありがとうございます。
結城さんの言葉は、「これを伝えずにはいられない」といった、骨太なメッセージ性をいつも感じていましたが、それらは、祈るように書かれることで紡がれた言葉なのだと、改めて得心致しました。
吉本さん、ありがとうございます。