霜月のワールドシリーズ・ロスと「運」を掴むための項目
11月がやってきた。
霜月、しもつき。
文字通り霜が降りはじめる月。
霜月の朔(ついたち)何かありさうで
〈佐藤鬼房(おにふさ)〉
「朔」は「ついたち」と読む。
「朔日」と書くほうが多いが。
その月の最初の日のこと、
あるいは、ある一日のこと。
鬼房の句の意味は、
霜月の一日は何かありそうな予感がする。
しかし11月1日は何かが起こりそうだ、
と解釈してもいい。
どちらもいい。
佐藤鬼房は1919年、岩手県釜石市生まれ。
2002年、82歳で没した。
11月には多くの呼び方があるが、
私は「雪待月」が好きだ。
「ゆきまちづき」。
大学生のころ、
「雪虫」という題の歌をつくった。
同年の女流詩人が作詞を担当し、
私は旋律をつくった。
とくに2番が好きだ。
雪虫が
紫(むらさき)小山に
帰ってゆくと
里には雪が
降りてくる
しずかにしずかに
降りてくる♪
いい歌だと、今でも思う。
一方で日本シリーズも佳境を迎えている。
そちらにスイッチして、
この気分を紛らわそうか。
11月は結構、忙しい。
今年は国民の祝日が、
日曜日に重なることが多い。
秋分の日が9月22日の日曜だった。
翌23日の月曜が振替休日となった。
敬老の日が9月16日の月曜日だった。
ハッピーマンデー制度。
そこで9月は三連休が2回あった。
10月も16日の月曜日がスポーツの日で、
三連休だった。
11月は3日の文化の日が日曜で、
4日が振替休日となって三連休。
三連休の商売のやり方、組み立て方。
それぞれの企業、それぞれの店で、
特徴があるに違いないし、
それへの対応の仕方ができているのだろう。
シフトの組み方も確立されているだろう。
それは店長にとって、
重要な案件だ。
私たち商人舎編集部は、
11月5日が責了の日。
だから三連休も、
私は原稿を抱えて過ごす。
最後の原稿や表紙、メッセージが残っている。
11月7日の木曜日はもう立冬。
そして11月15日(金)が七五三。
その祝いは翌16日と17日の土日になるのか。
それとも前週の土日の9日・10日になるのか。
私は11月19日から21日まで大阪。
万代知識商人大学の講義がある。
今年の勤労感謝の日の23日は、
残念ながら土曜日になる。
連休が一つ消えた。
そしてスーパーマーケット業界の話題としては、
11月26日の火曜日に、
オーケーの関西進出1号店が開業。
ライフと万代が迎え撃つ。
ここでも競争のセオリーが働く。
それは月刊商人舎12月号で書こう。
カレンダーを見ながら、
1カ月の出来事を考えると、
11月もあっという間に終わってしまう。
そして師走の12月がやってくる。
私はずっと懸案の重い荷物を背負っている。
ああ。
それは年末年始まで持ち越されそうだ。
ああ。
さて毎日新聞巻頭コラム「余録」
「人間は目標を追い求める動物」
アリストテレスの名言。
「目標に向かって努力することによってのみ、
人生が意味あるものとなる」
ソクラテスの弟子がプラトンで、
そのプラトンの弟子がアリストテレス。
「努力は必ず報われる。
報われない努力があるなら
それはまだ努力と呼べない」
こちらは巨人軍の王貞治。
そして大谷翔平。
「64項目の目標がびっしり書かれた
マンダラのような表」
見たことのある人も多いだろう。
実際は81項目だ。
(Twitterからと記してネット上に載っている)
とても高校一年生とは思えない内容が、
びっしりと書き込まれている。
真ん中に「ドラ1 8球団」
大項目は、
「スピード160キロ」「変化球」、
「キレ」「コントロール」「体づくり」、
「メンタル」「人間性」、
そして「運」。
「運」の周りには、
「あいさつ」、「ゴミ拾い」、「部屋そうじ」から、
「本を読む」まで。
この高校時代の翔平の目標は英訳され、
米メディアも報じた。
この指導法を考案したのが、
原田隆史さん。
商業界時代、雑誌にインタビューを載せたことがある。
原田さんがカリスマ体育教師の時代。
仕掛け人は工藤澄人編集長だった。
その「ハラダ・メソッド」には注目が集まって、
選手指導に取り入れるスポーツ指導者も多い。
コラムニスト。
「『大谷の作り方』に
全米の関心が集まるのも無理はない」
しかしメソッド使って、
目標を書き込むだけでは、
それは実現しない。
メソッドを使いつつ、
成長していった大谷翔平にこそ、
関心が向けられるべきだろう。
「運」を掴むための、
「あいさつ」、「ゴミ拾い」、「部屋そうじ」から、
「本を読む」まで。
それを行動にした。
それを習慣にした。
性格にした。
そして運命にした。
目標を決めて、
それに向かって努力する。
そこに人生の意味が生じる。
アリストテレスは、
当たり前のようなことを言いながら、
真理を突いた。
真理に向かって進む者が、
感動を与えてくれるのだ。
〈結城義晴〉