結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年11月05日(火曜日)

月刊商人舎11月号の「責了」と米国大統領選の「亡霊の徘徊」

Everyone, Good Tuesday!
[2024vol㊺]

2024年第45週。
11月第2週。

月刊商人舎11月号の責了の日。

朝から原稿執筆。
特集の「まえがき」と「あとがき」。
これは結城義晴が書くから、
月刊商人舎らしさが出る。

特集がまとまる。

それから表紙のCover Message、
最後にMessage of November。

これらを一気に書き上げて、
責了した。

11月号も、いい雑誌です。
表紙のデザインも斬新です。
デザイナーの七海真理さんのセンス全開。

今の小売産業、チェーンストア産業に、
極めて重要なテーマを特集にした。

それから特別企画は中間決算の総括。
これは大胆な仕掛けをした。
ご批判を仰ぎたい。

それから特別研究。
これも実に面白い。
役に立つ。

必読の記事となった。

お疲れ様、
ありがとう。
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今月の広告は伊藤園です。

さて、
アメリカ合衆国大統領選挙。

私は自分の国では、
とくに支持する政党がない。

というよりも、
支持政党をもてない。

しかしアメリカに関しては、
選挙権もないのに、
ずっと民主党を支持している。

トーマス・ジェファーソンが創始したのが、
民主共和党(Democratic-Republican Party)。

アンドリュー・ジャクソンが大統領となって、
民主党(Democratic Party)と名前を変えた。

私も民主主義を信じる者のひとりだ。

民主党はどちらかと言えば、
「大きな政府」を志向する。
大都市圏の東海岸と西海岸が支持基盤。

戦前のフランクリン・ルーズベルト、

戦後はハリー・トルーマン。
そしてあのジョン・F・ケネディ。

それからジミー・カーター。
ビル・クリントン。

最近ではバラク・オバマ。

そして今の大統領候補は、
カマラ・ハリス。

日経新聞「Deep Insight」
「歌を忘れたアメリカ」
国際報道センター長の吉野直也さん。

大正時代につくられた童謡、
「歌を忘れたカナリア」。

「歌を忘れたカナリアは
後ろの山に捨てましょか
いえいえそれはなりませぬ♪」

「歌を歌う」本分を忘れてしまったカナリアに、
戒めを込めた童謡だ。

「民主主義」は米国にとって本分である。
つまりアメリカの歌はデモクラシーだ。

米国はその伝道師を自任してきたし、
大統領選はそのお手本と称されてきた。

「対立候補への悪口雑言や噓をいとわない、
3度目の共和党大統領候補、
トランプ前大統領は民主主義のお手本ではない」

「悪口は慎みなさい」
「噓をついてはいけません」

「大人が子供に教えてきた道徳的な価値と、
トランプ氏の発言は相反する」

道徳的な価値は、
民主主義を支える根幹だ。

「トランプの誹謗中傷や噓に鈍感になるのは、
信じてきた道徳的な価値の倒錯を
受け入れることになる」

「社会はやがて規律と秩序を失い、
混乱を深める」

米国での民主主義の揺らぎは、
大統領選の候補選びにも表れた。
共和党は終始「トランプ1強」、
民主党はハリス氏が予備選を経なかった。

米国際政治学者ケント・カルダー、
ジョンズ・ホプキンス大学教授の総括。
「両党とも民主主義の本質である競争に欠けていた。
民主主義の機能が衰えた」

元青山学院大教授の会田弘継氏の近著、
「それでもなぜ、
トランプは支持されるのか」
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日経新聞の書評。

ゴジラはなぜ、何度も何度も、
日本に戻ってくるのか――。
米大統領選のトランプ支持の背景を、
映画「ゴジラ」を用いて説明した。

ゴジラは核実験で放射能を浴び、
突然変異を起こした
古代恐竜の一種と特徴付けられ、
南方で無念の死を遂げた「亡霊」ととらえられた。

熱狂的なまでに支持される、
あるいは恐れられるトランプは、
何の亡霊なのか。

民主主義が壊れたからか、
米国主導の国際秩序が行き詰まったからか。

著者。
「幸福な国は、
トランプを大統領に選んだりしない。
絶望している国だから選んだのだ」

納得。

トランプ支持者として知られ、
主流メディアから袋だたきにされる、
元FOXニュースの政治コメンテーター。
タッカー・カールソン。
その著書『愚者の船』(Ship of Fools)
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「人々の絶望は民主、共和の二大政党が
『共犯』になってもたらした結果だろう」

「トランプが絶望の国、米国の亡霊だとしたら、
大統領選の勝敗に関係なく徘徊する」

「トランプは病因ではない、
病状なのだ」

納得。

私も長らく続けてきた民主党支持を、
改めねばならないかもしれない。

かといって「亡霊」を支持する気は、
毛頭ない。

私はそれでも民主主義を信じる。

そしてことチェーンストアに関して、
幸いにアメリカは「絶望の国」ではない。

2024年の大統領予備選には、
実質的な競争はなかった。
けれど米国小売業にはそれがある。

だから「絶望の小売業」とはならないのだ。

では、みなさん、今週も、
競争は健全な社会をつくる。

Good Tuesday!

〈結城義晴〉


2 件のコメント

  • トランプがアメリカで支持されるのは、情報弱者の方が増えているからだと思っています。その背景には、アメリカにおけるメディアの弱体化があるとも思っています。大衆に、わかりやすくきちんと正しく情報を伝えるメディアがなくなっているのではないでしょうか。
    日本も心配です。

    • 吉本さん、同感です。

      中には若くて、いい記者もいます。
      けれど会社としてのメディアが弱体化しています。
      それに躍らされる人たちが私の友人のなかにもいます。

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