結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年11月09日(土曜日)

糸井重里さんの「旅とお風呂」と日経の「小売り新御三家」

11月の空。
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セイヨウトネリコの木。
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すぐに日が暮れる。
新田間川のイルミネーション。
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これが始まると、
クリスマスが近づいた気分になる。

「ほぼ日」の糸井重里さん。
能登に行ってきた。

そして「旅」を語る。

「どういう旅でも、
だいたい出発の直前までは億劫です」

「たのしみにしているところも、
もちろんあるのですが、
これはぼくの性格です、
必ずめんどくさいと思うのです」

「日帰りならそれほどでもないのです。
その日のうちに帰って来る旅については、
あんがいぼくは行動的なおやじです」

「しかし、一泊でもするとなるとぐずぐずします」

私は違う。

「その理由のひとつが、旅先でも夜のうちに
この『今日のダーリン』を
書くことがわかっているので、
そのための道具立てを
忘れてはいけないということです」

私も[毎日更新宣言ブログ]を書くから、
これは同じだが、道具立てなどいらない。

「あとは、夜に起きていると、
いわゆる小腹が空くのです。
そのときに、
飲みものやちょっと食べるものがないと、
ものすごくさみしい気持ちになっちゃうのです」

メンドクサイ奴だ。

着替えも、先の天気や温度によって
考えなきゃならない。
まさかの雨や暑さ寒さに
備えておこうとがんばります」

私は旅に出る直前に、
ササッとやる。

アメリカの旅でもヨーロッパ旅行でも。

「しかし、荷物はあんまり
大きく重くしたくない。
薬の飲み忘れをしたくないので、
小分けする作業もある。
旅先でどこへ行って、
どんな人に会ってなにをするのか、
予習をしておく必要だってあります」

つくづく面倒な奴。

しかし、日帰りの旅ということになると、
上記のめんどうなことのほとんどが省略できます」

私の場合、日帰りなど旅とは思わない。

「いつも喩えに出しますが、
旅もお風呂に似ています」

「入るまではぐずぐずするし、
やめておこうかとさえ思う。
なのに、入ってしまったら、
ああいいお湯だなぁ、と」

これも私は違う。

お風呂は大好きで、
いつでも、何の抵抗もなく、
思ったらすぐに入る。

旅も気軽にすっと出かける。
それほどの準備はいらない。

「実際、ぼくのする旅のほとんどの回は、
めんどくさいとか言ってたじぶんを忘れて、
『ああ来てよかったなぁ、行ってよかったなぁ」
ということになるのです」

たった一泊、たった二日の能登の旅でしたが、
じぶんにとっても、とても大切な旅になりました」

何が言いたいのかわからんが、
私とは違うということがわかった。

さて日経新聞の11月6日の記事。
「小売り『新御三家』」

「人口増の時代に成長してきた
セブン&アイ・ホールディングスや
イオンに成り代わり、
新たな消費のけん引役が台頭してきた」

「とりわけ総合型小売りチェーンの
『ドン・キホーテ』や『ロピア』、
大手ディスカウントストアのオーケーの
躍進が目を見張る」

いつも指摘するが、
文章がよくない。

ドン・キホーテとロピアが、
総合型小売りチェーンのように読める。
そしてディスカウントストアがオーケー。

業態の概念が、
あいまいでばらばらだ。

アメリカ型の業態概念を、
日本でも長らく使ってきた。
それによるとドン・キホーテは、
「ディスカウントハウス」である。

「ディスカウントストア」は、
かつてのKマート、ウォルマートとターゲットだ。
非食品総合ストアである。

ディスカウントハウスは、
バッタ屋のような安売り店である。
ニューヨークのコルベットが、
それにあたる店だった。

ドン・キホーテは現在は、
ディスカウントストアと呼んでもいいほどに、
業態からフォーマットに転換した。

「総合型小売りチェーン」という分類はない。

一方、オーケーとロピアは、
どちらも完全なスーパーマーケットだ。
食品の売上比率が7割を超える総合ストア。

そして編集委員は言う。
「さしずめ
小売りの『新御三家』とでも

命名しておこう」

エラそう。

「共通しているのが、
人口減が顕著になってきた2010年代から
出店ペースが加速し、
全国的な店舗網づくりに動いている点にある」

「成長の理由の一つがデフレだ」

「少子高齢化と人口減などが重なり、
需給ギャップがなかなか解消しない。
経済成長への期待も薄いなか、
価格競争力のある3社が
消費者の支持をしっかりとつかんだ」

「3社とも通常の低価格チェーンではなく、
独自の売り場・商品づくりを進め、
多様化する消費者志向に対応していることも大きい」

小言幸兵衛のようで申し訳ないが、
これも文章になっていない。
短いセンテンスでキリリと書いてほしい。

ここで記者は、
歴史的に小売りチェーンの盛衰を振り返る。

「チェーン経営は、
店舗の標準化や大量仕入れに伴う
低価格化が武器で、日本の経済成長とともに
ダイエー、イトーヨーカ堂、西友、ジャスコの”4強”を軸に
スーパー、コンビニエンスストアを
展開しながら勢力を拡大してきた」

これもヘンな文章だ。

「バブルがはじけ、人口の伸びが鈍ると
従来型の小売りモデルは行き詰まる」

これも説明が足りない。

「ダイエーやマイカルは経営破綻し、
西友も経営再建を余儀なくされた。
イトーヨーカ堂は店舗数が
ピークの半分程度にまで縮む見込みで、
事業売却に向けて調整が進んでいる」

「直接的な人件費が抑制できる
フランチャイズ経営のコンビニや
賃貸型のショッピングセンターを柱とする
セブンとイオンは生き残ったが、
少なくとも国内での小売り事業の
成長力には陰りが見える」

「4強から2強、そして『0強』の時代」

ここからロピアの説明があり、
ドンキの解説が書かれている。

それは省く。

そして4つの分類に企業名が入って表が提示される。
⑴大手チェーンは、
セブン&アイ、イオン、
さらにファミリーマートとローソン。

⑵地域密着型は、アークス、
アクシアルリテイリング、ヤオコー。

⑶ディスカウント型は、
オーケー、トライアル、コスモス薬品、ダイソー。

⑷独自モデル型は、
ドン・キホーテ、ロピア。

この分類がおかしい。
⑴の大手チェーンに、
ファミリーマートとローソンが入る。

⑵にヤオコーが入っている。

⑶は4社とも全部、業態が異なる。

⑷は私の言葉で言えば、
独自の「フォーマット」をつくった会社だが、
ここにヤオコーが入ってこなければおかしい。

そしてそして、「新御三家」は、
⑶のオーケーと⑷のドンキ、ロピア。

これもおかしい。

業態はめちゃくちゃ。

「今後、消費世界の秩序はどうなるのか。
セブンやイオンのような
与党系チェーンは勢いを失いつつも、
生活インフラの中心として残る」

ならば野党系チェーンはどこか。
これははっきりと書かねば原稿にならない。

「一方で、地域密着型、ディスカウントストア型、
独自モデル型などがさらに幅をきかす、
多極化した勢力図に塗り替わっていく」

「幅を利かす」は失礼だ。

結語。
「政治も経済も過去の成功パターンは、
通じないのだ」

ん~、終わりもありきたり。

ピーター・ドラッカー。
「力を集中するための第一の法則は、
もはや生産的でなくなった
過去のものを捨てることである」

生産的で必要な過去のものは、
捨ててはならない。

ものごとを二つに分けて考えることは、
やめにしよう。

〈結城義晴〉


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