ソローの「脳腐れ」とロピア・アークランズのフランチャイズ展開
新聞を読む。
中道の日経新聞、
そしてリベラルの朝日新聞。
それ以外にもネットで目を通す。
私の日課だ。
毎日新聞の巻頭コラム「余録」
「正直な人間なら十本の手の指より
たくさんのものを数える必要はめったにない」
ヘンリー・デイヴィド・ソローの言葉。
19世紀の米国の作家。
そういえば私の最初の上司・故緒方知行さんは、
算数が苦手で両手両足で数を数えていた。
だから20を超えると「エラー」となった。
(半分、ジョークです)
ソローは、
マサチューセッツ州の湖畔の丸太小屋に住み、
自給自足の生活実験を行った。
その2年余の暮らしを名著『森の生活』に表した。
この本で初めて使われた言葉が、
「ブレーンロット(脳の腐敗)」
この言葉がZ世代の間で蘇って、
ネットスラングになった。
デジタル世界にはまって、
知性が劣化した状態を指す。
それを英国オックスフォード大出版局が、
今年の言葉に選んだ。
日本の流行語大賞「ふてほど」とはずいぶん違う。
「ブレーンロット」
「脳腐れ」
19世紀のソローは言った。
「”自然”そのものとおなじように、
一日を思慮深くすごそうではないか」
ソローは時間に縛られる習慣や日課も嫌った。
コラムは提案する。
「たまには意識的にデジタル世界から離れたい。
自然に触れることで
脳や心の健康の回復につながるかもしれない」
以て自戒とすべし。
同感だ。
話は変わって、
商人舎流通SuperNews。
ロピアnews|
アークランズと業務提携/ビバホーム、ムサシ内に優先出店
㈱ロピアとアークランズ㈱の業務提携。
ロピアがフランチャイザー、
アークランズがフランチャイジー。
そのフランチャイズチェーン契約。
アークランズはロピアから、
スーパーマーケットの営業ノウハウの提供を受ける。
もちろん商品供給もされる。
2025年春に新潟県内に、
アークランズ運営のロピア1号店が開業。
3年間で10店舗の出店を計画。
新潟県、富山県、石川県の3県で、
10年後に1000億円の売上げを目指す。
ロピアは現在でもアークランズの店に、
5店舗を出店している。
上尾ビバモール店は、
月刊商人舎12月号に掲載した。
[特別技術研究]
関東ロピア最新店の
「主菜2品・副菜2品」作戦
ロピア上尾ビバホーム店とロピア黒川店のケーススタディ
農産の「八百物屋あづま」は、
ワンウェイ方式で大量の顧客を誘導した。
つまり「ロピア」フォーマットが、
競争力を備えている。
それがフランチャイズ展開の原動力となっている。
セブン-イレブンのパッケージは、
その店舗フォーマットが、
競争力をもっているからこそ、
2万店を超えるネットワークができた。
新潟県、富山県、石川県は、
まだロピアが進出していない地域。
SNSの効果で、
ロピアは顧客から歓迎される。
北海道や福岡でそれが示された。
それはアークランズのホームセンターに、
客を呼び込むことにも貢献する。
両者にとってウィンウィンの、
いいフランチャイズ提携だろう。
2025年春の出店は、
ビバホーム吹田千里丘店(大阪府吹田市)、
ムサシ姫路店(兵庫県姫路市)、
ビバホーム清田羊ケ丘通店(北海道札幌市)。
さらに2025年中に、
ビバホーム茨木目垣店(大阪府茨木市)。
北陸3県だけでなく、
大阪や北海道でも、
このフランチャイズ展開が進む。
余計なお世話だろうが、
ロピアにもアークランズにも、
ブレーンロットが起こらないことを祈りたい。
デジタル世界だけではなく、
古い理論や業界の慣習などに染まって、
知性が劣化した状態に陥るのは避けたい。
「脳腐れ」はデジタルの世界だけではない。
〈結城義晴〉