結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
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2024年12月18日(水曜日)

「経営統合」のホンダ・日産と「年収の壁」に超然たるコストコ

ホンダと日産が経営統合する。

ホンダはご存知、故本田宗一郎氏が、
戦後の1948年に創業。
バイク販売台数は世界首位。
2024年3月期の売上高は20兆4288億円。
日本第2位の企業。
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日産自動車は伝説の鮎川義介が、
1928年に日本産業㈱を創業したのがルーツ。
1933年に「ダットサン」を製造して、
自動車産業を興した。
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1999年にフランスのルノー傘下に入り、
2000年にカルロス・ゴーンが社長就任、
強引に経営を再建した。
同売上高は12兆6857億円。

単純合計で両社の合計は32兆円となる。

ちなみにトヨタ自動車は営業収益45兆円。

日経新聞は一面トップ。

ホンダの三部敏宏社長。
日産以外にも三菱自動車を含めて、
協議をしているとしたうえで、
「あらゆる可能性の話をしている」

一方、東京株式市場では、
日産自動車株がストップ高。

それで前日比80円高の417円60銭。

日産のコメント。
「当社とホンダ、三菱自動車は、
各社の強みを持ち合い、
将来的に協業について
様々な検討を行っている」

M&Aの案件はどう転ぶかわからない。
けれどどうやらホンダと日産は合併するようだ。

三菱自動車は現在、日産が筆頭株主だから、
合流するに違いない。

これが実現すれば世界販売台数で3位となる。

読売新聞の記事では、
両社は近く覚書を結んで、
持ち株会社の設立時期や出資比率、
首脳人事などの協議を進める。

日産とフランスのルノーとの関係は、
今、対等になっている。

カルロス・ゴーンの時代は、
ルノーが日産の45%の株をもっていた。
しかし相互に15%の出資比率へ引き下げた。
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だからホンダと日産の合併には、
支障はない。

ルノーは日産株を30%売却する。
売却先は日産が指定できる。

ホンダがこの売却分を引き受ければ、
合併への足がかりとなる。

両社の合併によってコスト削減効果は、
約120億ドル(約1兆8000億円)と予測される。

2023年の世界のグループ自動車販売台数は、
1123万台のトヨタ自動車、
923万台の独フォルクスワーゲン。

ホンダ398万台、日産337万台、三菱自動車78万台。
合計の813万台は第3位となる。

現時点の3位は現代自動車の730万台。

4位はヨーロッパのステランティスの639万台。
同社は2021年に誕生した多国籍自動車会社で、
14ブランドが参加している。

アルファロメオ、クライスラー、シトロエン、
フィアット、マセラティ、オペル、プジョー、
ダッジ、ラム・トラックスなどなど。

5位がゼネラルモーターズ618万台、
6位がフォード441万台。

7位にホンダ、8位に日産が入る。

世界の自動車産業は合併の機運の中にある。

ホンダと日産は今年3月、協業を公表した。
8月にはEV開発の主要部品やOSの共通化を発表。
地ならしが進んでいた。

EV開発では基幹部品の蓄電池の調達が課題だが、
両社共通の電池を搭載して、量産効果を上げる。

それでも日産の24年9月中間連結決算は、
最終利益が前年同期比9割減。
9000人の人員削減を策定している。

ホンダは大荷物を抱えることになる。

いずれにしても、
これで日本自動車産業の「鼎占」は、
「複占」に近づいたことになる。

さて日経新聞の「年収の壁」の記事。
コストコがすごい。

コストコ川崎倉庫店の50代パート女性従業員。
「年収の壁を気にしたことはありません」と話す。
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2017年からレジ業務を担当。
今の時給は1850円。
週30時間前後の勤務で、
年収は350万円を超える。

いわゆる「壁」の3倍以上。
国民民主党の掲げる178万円の2倍以上。

もともと大手メーカーの社員食堂で、
パートタイマーとして働いていた。

コストコの時給は全国共通だ。
首都圏を基準にしているから、
地方では飛びぬけて高い。

現状の最低時給は1500円。
1000時間ごとに自動的に昇給する仕組みだ。

時給1500円で週30時間を勤務したら、
年収は230万円以上になる。

コストコの人事担当者は、
採用面接時に説明する。
「扶養の範囲内で勤務することは不可能で、
社会保険に加入する必要があります」

コストコは賃金においても、
アウトスタンディングなのだ。

賃金体系を含めたビジネスモデルそのものが、
超然たるポジショニングなのである。

〈結城義晴〉


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