2025年「初売り」の「損得と善悪」を考え、伝えよう
1月2日の往路を制した青山学院大学が、
3日の復路でも首位を譲らず総合優勝。
2年連続8度目の制覇。
10時間41分19秒の総合タイムは新記録。
第2位は2分48秒差で駒澤大学。
駒澤は往路の優勝を果たした。
第3位は國學院大学。
大学三大駅伝の出雲と全日本を制したが、
学生駅伝三冠はならなかった。
それでも最後には今年の三強が、
順当に上位を占めた。
4位は早稲田大学で大健闘。
5位に中央大学、6位に城西大学。
いずれも満足の走りだっただろう。
駅伝ランナーのレベルは、
毎年のように上がっている。
だからタイムも、
毎年のように良くなっている。
それは凄いことだ。
そして監督や指導者によって、
駅伝チームの走力は決定的に変わる。
それを痛感した。
大学駅伝の世界では、
いい指導者が増えている。
指導者たちの切磋琢磨がある。
実に好ましいことだ。
店長によって店は変わる。
社長によって会社は変わる。
私はそれを連想した。
さて、2025年の初売り。
日経新聞が報じた。
イオンは総合スーパー380店舗が、
元日の初売りをした。
全国のマックスバリュ各社も。
イオンリテールでは、
「福カート」の最大5割引き販売が売れた。
しかし1日正午時点の売上高は前年並み、
食品部門は前年比約5%増。
惣菜のピザ、ワイン、牛肉などが動いた。
百貨店はそごう横浜店が元旦営業。
開店前から約1万人が行列した。
それでも売上高、客数は前年比5%増。
東京都内の百貨店は、
1店も元日営業をしなかった。
伊勢丹や西武百貨店は2日が初売り。
その西武渋谷店の2日の売上高と客数は、
ともに前年比30%増の見込み。
大丸松坂屋と高島屋は3日から。
それぞれの初売り。
それはそれでいい。
倉本長治の「損得より善悪が先」
損得より善悪の方が大切である。
それは儲かるか、儲からないかと言うことよりも、
そのことが善いことか、悪いことかを
まず考えることが根本だと言うことなのである。
これまでの商人諸君は、
自分が消費生活者の隣人として、
その専門の知識と愛情とで
お客さまの生活を守ることが
務めであるという自覚が少なく、
自分自身の損得にばかり熱中してきた。
商人も人間である以上は、
自分の損得の問題よりも、
多くの人々のためになる「善」とか、
その反対の「悪」とかの問題を、
優先的に考えるのが正しいのである。
どんなに自分が儲かっても、
それが悪いことなら、
その儲けから遠ざかるような商人こそ
正しいのである。
だから商人は事を計画したり、実施する時、
「これは儲かるぞ」と思う前に、
人々のために「それは善いことか悪いことか」を
まずよく判断すべきである。
自分だけ儲かることが悪いこととは言えないが、
同時に少しでも他人に損をさせてはいけないし、
みんなが利益になるようなら、
なおよいことだと知るべきである。
「損得より先きに善悪を考えよう」
そういう商売を、
すべての商人にお勧めするのである。
(『商人讃歌』ほかより)
元旦からの初売り。
儲かるからやるのか、
人々のために善いことだからやるのか。
人々とは誰なのか。
顧客なのか従業員なのか、
取引先なのか。
他人に損をさせてはいないか。
みんなの利益になるのか。
それらをよくよく考えよう。
そしてその意味を伝えよう。
やることとともに、
考え、伝えることを、
私はお勧めしたい。
駅伝指導者たちが全体に良くなったのは、
伝統の指導法にこだわることをやめて、
思考力と発信力をもつに至ったからだと思う。
〈結城義晴〉
2 件のコメント
学生スポーツは、毎年、メンバーが入れ替わり勝ち負けもハッキリするので、マネジメントの値打ちがとてもわかりやすいです。民間企業は、変数が多くわかりづらい所もありますが、学生スポーツと同様、マネジメントの巧拙による違いが各現場で必ず発生しているはずです。
マネジメントにおける善悪の判断は難しい課題です。自分達だけが得をしてお客様が損をする判断も、自己犠牲でお客様に得させる判断も、永続性という観点でいずれも悪だと思っています。言葉にすると簡単ですが、実際の瞬間瞬間の判断の局面では迷うことが多かった気がします。でも、その迷いの中に、倫理があるのだと思います。
吉本さん、ありがとうございます。
実際の瞬間瞬間の判断の局面。
私も迷ってばかりでした。
あとから考えると、
損得と善悪はよくわかるのですが、
その瞬間に判断しかねることが多いものです。