結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2025年02月08日(土曜日)

ロピアNYC研修/Trader Joe’s・Wegmans・Stew Leonard’s

トランプ・石破会談。

ワシントンDCのホワイトハウスで行われた。

その日米首脳共同声明。

「石破茂首相とドナルド・トランプ大統領は、
ワシントンDCで最初の公式会談を行い、
自由で開かれたインド太平洋を
堅持するとともに、
暴力の続く混乱した世界に
平和と繁栄をもたらす、
日米関係の新たな黄金時代を
追求する決意を確認した」

さまざまな言説が飛び交っているが、
共同声明は日米にとって確かな一歩だ。

トランプ大統領就任後、
正式に会談をした首脳は、
一人目がイスラエル首相、
ベンヤミン・ネタニヤフ。

二人目が日本の石破茂首相、
三人目がヨルダン国王のアブドゥッラー2世。
2月11日に予定されている、

イスラエルとヨルダンの首脳とは、
緊急の事態が待っている。
ガザ地区の戦闘終結に向けた和平工作だ。

石破首相とは差し迫ったアジェンダはない。
日本の総理大臣という「機関」との会談。
従来の方針が確認された。

さてニューヨークに来て2日目。
朝、7時から講義。

全員が集まると、
経営理念と7大用語の唱和。

ロピアとOICグループでは恒例。

班長の石川さんがリードする。
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全員が大きな声で繰り返す。
これで研修の一日が始まる。
IMG_9128

講義の前に団長の柴田昇さん。
柴田さんは中部営業本部長。IMG_0616

OICグループは急速に成長している。
九州から北海道まで出店エリアも広がっている。
だから多くの中途採用者がいる。

この研修にもそういった人たちが参加している。
柴田さんとも初対面の参加者が多い。
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柴田さん自身の自己紹介から始まって、
中部ロピアの出店戦略、店づくり戦略、
そしてOICグループのこれからの戦略などを、
改めて丁寧に説明した。

そして私の講義。
IMG_0630
はじめに商人の本籍地と現住所。
社会人として初めに入った会社が本籍地、
そして現住所はロピアやOICグループ。

本籍地で経験したことを大事にしつつ、
ロピアで生かしてほしい。
IMG_0631

それから到着初日に訪れた企業の解説をした。
ウォルマートとターゲット、
アルディとリドル。
それからホールフーズとストップ&ショップ。

とくにウォルマートとターゲットの、
対比的なポジショニングの話を丁寧にした。IMG_0633

それから米国スーパーマーケットを訪れて、
自分でその店を判断するとっておきの方法。
部門構成比で店の強み・弱みを推し量る。
その方法を伝授した。
これで全員がもうアメリカ通となることができる。IMG_0626
アメリカという国の理解の仕方、
米国流通業の潮流、
ニューヨークというエリアの特長。

実質3日間の学習効果を最大にするための、
前提となる知識を講義した。

そして2日目の視察はハドソン川を、
リンカーントンネルで渡って、
ニュージャージー州へ。

トレーダー・ジョー。
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郊外型のゆったりした店舗。
入り口は青果部門。
IMG_0641

1967年、ジョー・コロームが1号店を開設。
顧客ターゲットを絞り込んだ。
すなわち高学歴で低所得の人たち。
このターゲティングから、
客層が飛躍的に広がっていった。
IMG_0639

輸入ワインやグルメフードを提供し、
オーガニックフードとナチュラルフードを扱い、
いまや42州とワシントンDCに596店舗を展開する。IMG_9141

この店は2018年にオープンした。
その歴史が壁に描かれている。IMG_9145

最後にインタビュー。
通訳は浅野秀二先生。
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クルーメンバーのロビンさん。
トレーダー・ジョーの考え方を説明した後、
「これから急速出店を行う」と表明。IMG_0646

ジョー・コロームは、
コロナ下の2020年に世を去った。

それでも店舗現場は意気軒高。IMG_0649

ロビンさんを囲んで、
全員で記念撮影。
IMG_0658
トレーダー・ジョーのエッセンスを、
ほんとうによく学ぶことができた。

次はすぐそばにある、
アマゾンフレッシュ。IMG_0664

「アマゾン・ゴー」のスーパーマーケット版だ。
手に取ってそのまま出ていく仕組みを採用。
「ジャスト・ウォーク・アウト」システム。

しかし現在はそれをやめた。
代わりに「ダッシュボード」の仕組みを使う。IMG_0666

しかしこの仕組みを使っている顧客はわずか。
IMG_9172

今はこの店の目的や特徴がはっきりしなくなった。IMG_9175

店づくりはアマゾンらしい。
ホールフーズのPB「365」も品揃えされている。IMG_0673

しかし全体に品揃えは薄いし、
在庫も少ない。
魅力のない店だ。
IMG_0678

それでもくまなく店を回る。IMG_0680

ダッシュカートレーンの出口。
IMG_0684

セルフレジとレギュラーレジ。
IMG_9177
目的を失ったアマゾンフレッシュ。
全米に80店あるが、どうするのだろう。

スチュー・レオナード。
最新の8号店。
IMG_0798

店頭にはポリシーロック。
「アワー・ポリシー」が書かれている。IMG_0692

入り口を入ると、
ワンウェイコントロール。
IMG_0694

ディズニーランドのようなスーパーマーケット。
団員も楽しみながら商品を見ている。IMG_0695

この店はワイン売場が広げられている。
スチュー・レオナードに新趣向。
私は感心した。
IMG_0699
帰国してから月刊商人舎で紹介し、
その新趣向を分析しよう。

いい店だ。

ウェグマンズ。
非上場企業のため業績は未公開。

ただし全米小売業界の調査によれば、
2023年1月期は1億2170万ドル。
100円換算で1兆2170億円。
IMG_0815

青果の先頭の「HOT ZONE PRICES」。

和具マンズは2001年に、
「コンシスタント・ロープライス」を導入した。
一貫した低価格。

ウェグマンズ流のEDLPのことだ。
それを「ホットゾーン・プライス」と変えた。IMG_0818

売場の至る所にカラフルなサイン。
よく目立つ。
IMG_0800

シーフードの対面売場。
氷を敷いて鮮度の良い魚介を並べる。IMG_0806

デリの売場はフードサービスゾーンと呼ばれる。
スープバーやサラダバー、
ホットデリなど味の良いメニューが並ぶ。IMG_0803

チーズ売場は、
スペースも品揃えも他を圧する。
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ウェグマンズ自慢のデリで昼食。
みんな大満足。

ウェグマンズのロゴの前で、
全員で記念撮影。
IMG_0823-1

最後にショップライト。
ボランタリーチェーンの旗艦店。IMG_3001-448x335

この店はショップライトグループの中で、
飛び切り良い店舗だ。
IMG_0827ー1

青果やデリ、ベーカリーは
屋号を付けてショップ形式で展開する。
もちろん対面コーナーを設ける。

カラフルな花売場はバレンタインの仕掛け。
IMG_0828

デリの一角のホットバー。IMG_9240

「スモーキーハウス」と名付けられた
対面のバーベキューコーナー。IMG_9242

酒売場はラック陳列を基本にする。
このエリア最高の品揃えだ。IMG_9245

ショップライトのこの店は、
いつ行ってもよく管理された売場と、
フレンドリーなサービスが印象的。
ウェグマンズに学んで、
「創意を尊びつつ良いことは真似よ」

インディペンデントでも、
これだけの店をつくることができる。
勇気がわいてくる。

最後の視察は、
アメリカンドリーム。

スーパースーパーリージョナルSC。
28万㎡と全米ナンバー2の面積。
ミネアポリスのモール・オブ・アメリカに次ぐ規模だ。
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コロナ前の2019年10月にオープン。
約450の専門店と、
エンターテイメント施設から成る。

スケートリンク。
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ウォーターパーク。IMG_9263

遊園地。
IMG_0830

子ども向けの施設が多い。
通路のオブジェは、
トランスフォーマー。IMG_0832

ロピアの若い女子2人と写真。IMG_0834

そして圧巻は屋内スキー場。
IMG_0836

ほかにもボウリング場や映画館、水族館、
ボルダリング設備などがある。

しかしSCとしての成果は、
まだ出ていない。

最後の最後に少しだけ観光。

ハミルトン公園。
ハドソンリバーをはさんで、
向こうに摩天楼の絶景が見える。IMG_0839

2日目の最後を飾る全員写真。IMG_0844
とびきりのいい店、いい企業を訪問し、
2日目は凄い収穫だった。

団員の眼の色が変わった。
(つづきます)

〈結城義晴〉


2 件のコメント

  • 「アマゾン・ゴー」の迷走は考えさせられます。
    一時期でも繁盛したことがあったのかが知りたい所です。
    つまり、新規客がとれなかったのか、既存客の離脱が止められなかったのか。
    或いは、その両方なのか。
    前者ならサインインのハードルが課題ですし、後者なら売場の魅力が課題です。
    Amazonの担当者に話を聞いてみたいです(笑)

    • 一度も1店も繁盛せず、
      システム紹介の場となってしまいました。

      キャッシャーレスのコンセプトは凄かった。
      けれど誰が、何を買いに来るかという、
      根本的なテーマに対する「解」がなかったのです。

      この歴史の教訓は総括しなければならないと考えています。

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