ロピアNYC研修/Trader Joe’s・Wegmans・Stew Leonard’s
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トランプ・石破会談。
ワシントンDCのホワイトハウスで行われた。
その日米首脳共同声明。
「石破茂首相とドナルド・トランプ大統領は、
ワシントンDCで最初の公式会談を行い、
自由で開かれたインド太平洋を
堅持するとともに、
暴力の続く混乱した世界に
平和と繁栄をもたらす、
日米関係の新たな黄金時代を
追求する決意を確認した」
さまざまな言説が飛び交っているが、
共同声明は日米にとって確かな一歩だ。
トランプ大統領就任後、
正式に会談をした首脳は、
一人目がイスラエル首相、
ベンヤミン・ネタニヤフ。
二人目が日本の石破茂首相、
三人目がヨルダン国王のアブドゥッラー2世。
2月11日に予定されている、
イスラエルとヨルダンの首脳とは、
緊急の事態が待っている。
ガザ地区の戦闘終結に向けた和平工作だ。
石破首相とは差し迫ったアジェンダはない。
日本の総理大臣という「機関」との会談。
従来の方針が確認された。
さてニューヨークに来て2日目。
朝、7時から講義。
全員が集まると、
経営理念と7大用語の唱和。
ロピアとOICグループでは恒例。
OICグループは急速に成長している。
九州から北海道まで出店エリアも広がっている。
だから多くの中途採用者がいる。
この研修にもそういった人たちが参加している。
柴田さんとも初対面の参加者が多い。
柴田さん自身の自己紹介から始まって、
中部ロピアの出店戦略、店づくり戦略、
そしてOICグループのこれからの戦略などを、
改めて丁寧に説明した。
そして私の講義。
はじめに商人の本籍地と現住所。
社会人として初めに入った会社が本籍地、
そして現住所はロピアやOICグループ。
本籍地で経験したことを大事にしつつ、
ロピアで生かしてほしい。
それから到着初日に訪れた企業の解説をした。
ウォルマートとターゲット、
アルディとリドル。
それからホールフーズとストップ&ショップ。
とくにウォルマートとターゲットの、
対比的なポジショニングの話を丁寧にした。
それから米国スーパーマーケットを訪れて、
自分でその店を判断するとっておきの方法。
部門構成比で店の強み・弱みを推し量る。
その方法を伝授した。
これで全員がもうアメリカ通となることができる。
アメリカという国の理解の仕方、
米国流通業の潮流、
ニューヨークというエリアの特長。
実質3日間の学習効果を最大にするための、
前提となる知識を講義した。
そして2日目の視察はハドソン川を、
リンカーントンネルで渡って、
ニュージャージー州へ。
1967年、ジョー・コロームが1号店を開設。
顧客ターゲットを絞り込んだ。
すなわち高学歴で低所得の人たち。
このターゲティングから、
客層が飛躍的に広がっていった。
輸入ワインやグルメフードを提供し、
オーガニックフードとナチュラルフードを扱い、
いまや42州とワシントンDCに596店舗を展開する。
この店は2018年にオープンした。
その歴史が壁に描かれている。
クルーメンバーのロビンさん。
トレーダー・ジョーの考え方を説明した後、
「これから急速出店を行う」と表明。
ジョー・コロームは、
コロナ下の2020年に世を去った。
ロビンさんを囲んで、
全員で記念撮影。
トレーダー・ジョーのエッセンスを、
ほんとうによく学ぶことができた。
「アマゾン・ゴー」のスーパーマーケット版だ。
手に取ってそのまま出ていく仕組みを採用。
「ジャスト・ウォーク・アウト」システム。
しかし現在はそれをやめた。
代わりに「ダッシュボード」の仕組みを使う。
店づくりはアマゾンらしい。
ホールフーズのPB「365」も品揃えされている。
しかし全体に品揃えは薄いし、
在庫も少ない。
魅力のない店だ。
セルフレジとレギュラーレジ。
目的を失ったアマゾンフレッシュ。
全米に80店あるが、どうするのだろう。
店頭にはポリシーロック。
「アワー・ポリシー」が書かれている。
ディズニーランドのようなスーパーマーケット。
団員も楽しみながら商品を見ている。
この店はワイン売場が広げられている。
スチュー・レオナードに新趣向。
私は感心した。
帰国してから月刊商人舎で紹介し、
その新趣向を分析しよう。
いい店だ。
ウェグマンズ。
非上場企業のため業績は未公開。
ただし全米小売業界の調査によれば、
2023年1月期は1億2170万ドル。
100円換算で1兆2170億円。
青果の先頭の「HOT ZONE PRICES」。
和具マンズは2001年に、
「コンシスタント・ロープライス」を導入した。
一貫した低価格。
ウェグマンズ流のEDLPのことだ。
それを「ホットゾーン・プライス」と変えた。
売場の至る所にカラフルなサイン。
よく目立つ。
デリの売場はフードサービスゾーンと呼ばれる。
スープバーやサラダバー、
ホットデリなど味の良いメニューが並ぶ。
ウェグマンズ自慢のデリで昼食。
みんな大満足。
この店はショップライトグループの中で、
飛び切り良い店舗だ。
青果やデリ、ベーカリーは
屋号を付けてショップ形式で展開する。
もちろん対面コーナーを設ける。
「スモーキーハウス」と名付けられた
対面のバーベキューコーナー。
酒売場はラック陳列を基本にする。
このエリア最高の品揃えだ。
ショップライトのこの店は、
いつ行ってもよく管理された売場と、
フレンドリーなサービスが印象的。
ウェグマンズに学んで、
「創意を尊びつつ良いことは真似よ」
インディペンデントでも、
これだけの店をつくることができる。
勇気がわいてくる。
最後の視察は、
アメリカンドリーム。
スーパースーパーリージョナルSC。
28万㎡と全米ナンバー2の面積。
ミネアポリスのモール・オブ・アメリカに次ぐ規模だ。
コロナ前の2019年10月にオープン。
約450の専門店と、
エンターテイメント施設から成る。
遊園地。
子ども向けの施設が多い。
通路のオブジェは、
トランスフォーマー。
ほかにもボウリング場や映画館、水族館、
ボルダリング設備などがある。
しかしSCとしての成果は、
まだ出ていない。
最後の最後に少しだけ観光。
ハミルトン公園。
ハドソンリバーをはさんで、
向こうに摩天楼の絶景が見える。
2日目の最後を飾る全員写真。
とびきりのいい店、いい企業を訪問し、
2日目は凄い収穫だった。
団員の眼の色が変わった。
(つづきます)
〈結城義晴〉
2 件のコメント
「アマゾン・ゴー」の迷走は考えさせられます。
一時期でも繁盛したことがあったのかが知りたい所です。
つまり、新規客がとれなかったのか、既存客の離脱が止められなかったのか。
或いは、その両方なのか。
前者ならサインインのハードルが課題ですし、後者なら売場の魅力が課題です。
Amazonの担当者に話を聞いてみたいです(笑)
一度も1店も繁盛せず、
システム紹介の場となってしまいました。
キャッシャーレスのコンセプトは凄かった。
けれど誰が、何を買いに来るかという、
根本的なテーマに対する「解」がなかったのです。
この歴史の教訓は総括しなければならないと考えています。