結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2025年02月11日(火曜日)

ロピア米国研修2班2日目の「とんがり★こだわり」と「やってる感」

今月の商人舎標語。
月刊商人舎2月号の[Message of February]

「やってる感」を払拭せよ。

倉本長治は厳しい。
「この一瞬の積み重ねこそ、
君という商人の全生涯」

一瞬たりとも、
気を抜くな、手を抜くな。
その積み重ねが君の人生に意味を与える。

対して52週MDは優しい。
1年間は52週、四半期は13週。
まずはその基礎単位の1週間を充実させよ。

52週マーチャンダイジングと言うけれど、
中身はウィークリーマネジメントである。
週単位のオペレーションとプロモーションである。

商品部の「商品調達と商品開発計画」。
店舗の「売り方と運営と販売計画」。
マーケティングセクションの「販促計画」。

商品部の「作」、
店舗の「演」、
販促部の「調」。

それらが一体となった商品。
それらが融合した売場。
それらが衝突しつつ爆発する店。

しかしここに「やってる感」が忍び込む。
成果の有無や大小を問わず、
頑張る姿勢だけ見せる。

悪しき組織風土。
悪しき官僚化。
悪しき大企業病。

それを払いのけるには、
「本気」の行動が必須である。
そして行動の成果をこそ評価すべきだ。

「やってる感」は外面(そとづら)である。
「本気」は内面(うちづら)の問題だ。
内面が外面に抑え込まれる。

そうすると「やってる感」が生まれてくる。
「やってる感」で仕事し、
「やってる感」で生活してしまう。

「この一瞬の積み重ねこそ、
君という商人の全生涯」
倉本長治はやはり正しい。

自分の人生を深く考えるとき、
外面の生き方には意味がない。
いつだって自分には内面がわかるからだ。

「やってる感」を払拭せよ。
それは自分自身を見つめることだ。
あくまでも自分を高めることだ。〈結城義晴〉

OICグループのニューヨーク研修会。
第2班の2日目の朝。

漣崇之班長がリードしながら、
ロピアの経営理念と7大用語の唱和。IMG_1295

中途採用で経験の少ない者もいる。
アキダイやユーラス、
利恵産業からの参加者もいる。

「同じ商品ならより安く」
「同じ価格ならより良いものを」

ロピアの経営理念を聞きながら、
感慨深いものがあった。IMG_1297

柴田昇団長の自己紹介とロピアの経営戦略解説。
取締役中部営業本部長。IMG_1303

そして私の講義。
座学は2日間で計4時間。
IMG_1308

はじめに語るのは、
「商人の本籍地と現住所」。
OICグループにはさまざまな会社から
転職してきた人がいる。

だから本籍地(最初に入った会社)で学んだことを
現住所(OICグループ)で活かしてほしい。IMG_1307

ウォルマートの戦略、
それに対抗するターゲットの戦略。
そしてドイツのアルディとリドル、
さらにストップ&ショップ。

アメリカの代表的企業の戦略から、
多くのことを学ぶ。IMG_1310

それから商品問題を丁寧にレクチャー。
プライベートブランドの項目では、
ウォルマートの「グレートバリュー」と、
NBの「オレオ」を食べてもらった。

PBは「ツイスト&シャウト」。
オレオとそっくりの味を実現させて、
オレオより3割安い。
だから顧客にとって価値がある。IMG_1316

2日目の視察地は
ハドソン川を隔てたニュージャージー州。
とんがり★こだわりのスーパーマーケットを視察。

トレーダー・ジョー。IMG_9469

1斑のメンバーたちが、
エコバッグをたくさん購入した。
今回はわれわれのために新カラーを用意してくれた。IMG_1321

さらに新製品の小さなトートバッグ。
これが可愛い。
土産に購入した。
IMG_1334

ファーストメイトのインタビュー。
通訳は浅野秀二さん。
IMG_1336

ダンさん(左)とマークさん。
商圏と客層、フレンドリーサービスなど、
トレーダー・ジョーの特徴を話してくれた。IMG_1344

私も質問。
二人で顔を見合わせて答えてくれた。IMG_1349

二人を囲んで、記念撮影。
IMG_1358

次に近隣にある、
「アマゾンフレッシュ」。
アマゾン・ゴーの自動決済システム、
「ジャスト・ウォークアウト」で営業していた。
つまりチェッカーレスシステム。

しかし現在は、
「ダッシュカート」と有人レジでの決済。IMG_1361

そのダッシュカートの実演。IMG_1365

現地ガイドの富澤由紀子さんが、
使い方を説明してくれた。
皆、興味津々。
IMG_1367

カメラを取り付けていたこともあって、
天井の高い倉庫型店舗。
しかし顧客は少ない。
IMG_9480

アマゾンフレッシュでは、
ネットスーパーの配送サービスを行っている。
つまりピッキングのための店舗でもある。IMG_9476

静かで無機質な店舗といった感じが強い。
トレーダー・ジョーの、
フレンドリーな接客とは対比的だ。

スチュー・レオナード。
2024年4月にオープンした。
ニュージャージー州では初めての出店だ。
IMG_1383

店頭に置かれた有名な「ポリシーロック」。

Rule1 The Customer is Always Right!
原則1 顧客はいつも正しい。

Rule2 If the Customer is Ever Wrong, Reread Rule1.
原則2 たとえ、顧客が間違っていると思っても、
原則1を読み返せ。
IMG_1385

ワンウェイコントロールの店で、
さまざまな仕掛けが施されている。
IMG_1400

最終コーナーはデリ。
対面売場でBBQ肉やピザを販売する。IMG_1454
高く評価したい店だ。
久しぶりにスチュー・レオナードのイノベーションを見た。

青空の下の記念撮影。
IMG_1472

ニューヨーク視察の目玉は、
ウェグマンズ。
IMG_1480

市場感あふれる見事な青果部門。IMG_1483

鮮魚売場は改装されて、
広さは2倍になった。
IMG_1506

デアリー売場の上を汽車の模型が走る。
これをロピアが取り入れた。
IMG_1532

「HOT ZONE PRIⅭES(ホットゾーンプライス)」。
ウェグマンズのEDLPを表す新しい言葉だ。IMG_1533

レジ前の平台。
価格訴求のアイテム。
価格の末尾は「9」。
IMG_1543

またまた記念撮影。
IMG_1569

2日目最後の視察店舗は、
ショップライト。
IMG_1572

ショップライトはボランタリーチェーンだ。
その中でも秀逸の店。
IMG_1579

青果売場のこのカラーコントロール。IMG_1585

チーズの対面売場。
IMG_1590

イタリアンメニューが揃う対面売場。
ピザやパスタ、コーヒーなどを提供する。IMG_1600
肉、魚、ベーカリー、デリは
対面売場を設けて人手を掛ける。

一方で、デアリーやグロサリー、酒は、
ラック什器でローコスト運営をする。

電子棚札が採用されている。
グロサリーからチルド商品や冷凍食品に至るまで、
すべての商品に電子棚札が付いている。IMG_1614

さらにプロモーションアイテムは、
電子棚札と価格訴求のPOP。
パッと見には、何が何やらわかりづらいが。IMG_1615

それでも頑張っている。
大チェーンと比べると、
無駄なこともしている。

しかしそんな無駄を支持する顧客もいる。
商売は面白い。

最後はハドソン川の対岸から望む摩天楼。
前日の雪が残っていて、
ハミルトン公園は閉鎖されていたが、
それでも絶景を堪能した。
IMG_1625

とんがり★こだわりの店々。

ポジショニング戦略を学ぶ。
それに十二分に応えてくれた米国企業には、
「やってる感」など微塵もない。
(つづきます)

〈結城義晴〉


2 件のコメント

  • 「デアリー売場の上を汽車の模型が走る。これをロピアが取り入れた。」については、正直、商品が主役であるべき売場において、オーバースペックではと思っていました。
    ただ、もしかすると、汽車の模型が、お客の視線を上に引き上げる効果があるのではと思い直しました。視線が上に引き上げられると、お客の視界が売場全体に広がります。それがお客の導線を広げることにもつながるのではと思いました。

    • 吉本さん、汽車の模型は確かに顧客の視線を上向きにしますね。
      ウェグマンズはそれも狙ったのでしょう。

      巨大な店舗投資の中の様々な装飾はオーバースペックではありません。
      それがポジショニング構築に大きなインパクトを与えるならば。

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