結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2025年02月12日(水曜日)

NY6日目のマンハッタンの「ポジショニング競争」

OICグループNY視察研修。
第2班がやってきて早くも3日目。

朝7時、セミナーのはじまり。
まず恒例のロピアの経営理念と7大用語の唱和。IMG_9542

そして結城義晴の講義。IMG_1626

2日目は理論を中心にレクチャーする。IMG_1630

髙木勇輔社長や福島道夫取締役に、
15年以上も前から講義した内容。
それを共有してもらう。

レース型競争とコンテスト型競争。
クリティカルマスと範囲の経済。
寡占・鼎占・複占。
そしてマーケットリーダーとチャレンジャー、
フォロワーとニッチャー。

これらをロピアはどう考えて、
どう成長の理論にしているか。IMG_1650

最後は業種・業態、フォーマット。
コーネル大学のバナーの方程式。

そのポジショニング。

トレーダー・ジョーやウェグマンズと、
ロピアの店づくりの共通点。IMG_1643
実際に米国のとんがり店舗を見た後は、
抽象的な概念の理解が進む。

そしてそれがロピアのぶれない戦略に直結する。

講義が終わると、
9時に専用バスに乗り込んで、
ウェグマンズに向かう。
マンハッタン1号のアスタープレイス店。IMG_1731

地下1階の話題の売場。
「SAKANAYA(さかなや)」。
改装して広くなった。IMG_1727

今回も、店長のJAREDさんが登場。
立地の特性や顧客層について、
丁寧に話してくれた。

ウェグマンズのホスピタリティを強調した。
その理由はアソシエーツを大切にすること。
「マネジャーが仲間を大切にすれば、
彼らはカスタマーを大切にしてくれます」

さらに驚いたことに、
この店ではオンラインの売上構成比が、
なんと50%になっている。
IMG_1655

ナイスガイだ。
IMG_1681

魚部門の責任者リチャードさん(左)と、
エイドリアンさん。
IMG_1695

さかなやでは日本の豊洲市場から週2回、
新鮮な魚を空輸する。
空輸された魚はその日のうちに、
カッティングして販売される。

団員の一人が質問した。
「魚のアラがでますが、
それはどうするのですか?」
エイドリアン。
「もちろんアラも販売します」
それがこれだ。
IMG_1722

アメリカ人はアラを焼いたり、
スープにしたりする。
こんな魚屋、アメリカでは見たことがない。
IMG_1723

1年ぶりに合ったエイドリアンは、
新たに魚のタトゥーを入れていた。IMG_1705

嬉しそうに見せてくれた。
IMG_1706

そして全員にサーモンの試食のプレゼント。
柴田昇団長が皆に、取り分けてくれる。IMG_1715

団員全員と記念撮影。
IMG_1686

いつもながらのウェグマンズの誠意ある対応に感謝。
浅野秀二さんと4人で記念写真。IMG_1711

そのあとはマンハッタンの南端の公園で、
自由の女神を見た。

自由の女神を背景に写真撮影。
カメラマンを見て手を振っている。
IMG_1743

そしてワンワールドトレードセンターへ。IMG_1746

貿易センターのツインタワーは9・11で崩壊した。
その跡地につくられた鎮魂のプール。IMG_1747

駅舎のオキュラスで全員撮影。
ショッピングセンター機能をもつ。
敬虔な気持ちになる。
IMG_1749

柴田団長の提案で急遽、
チェルシーマーケットへ。IMG_9569 (002)

ナビスコ工場跡の建物につくられた商業施設。
IMG_1754
古いビルディングの良さを活かした空間。
専門店や飲食店が並んで、
人気の観光スポットとなった。
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変わらない人気の「ロブスター・プレイス」。
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小売り機能と飲食機能、
そしてテイクアウト機能をもつ魚屋。

カウンターで食べるオイスターや寿司はうまい。
IMG_9577 (002)

とくに、注文を受けてゆで上げるロブスターは最高だ。
IMG_9576 (002)

この店の在り方は勉強になる。
売る機能、食べる機能、持ち帰りの機能。
魚屋が内食、外食、中食に対応している。

ウェグマンズの「さかなや」と同じだ。

無印良品が2008年11月に出店している。
IMG_9582 (002)

無印良品は入れ替えの激しいチェルシーマーケットで、
確かなポジショニングを構築している。
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MUJIのシンプルな商品は、
マンハッタンでも人気だ。
IMG_1762

カウンターサービスで飲食も提供。
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来るたびにテナントが変わっている。
どんどん飲食店の比率が増えている。

どんな商業施設も非食品から食品への移行が顕著だ。 IMG_1771

イータリー1号店。IMG_1773

「EATALY」は「EAT」と「ITALY」からの造語。
IMG_9595 (002)

イタリアの食材を販売し、食べさせる。

ここはイタリアの八百屋。
IMG_1784

イタリア風の魚売場。
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生パスタの店。
IMG_1779

その隣に生パスタを食べさせる店。IMG_1776

イータリーのコンセプトは、
We Sell What We Cook,
and, We Cook What We Sell.
調理して食べてもらったものを売り、
売っているもので調理して食ベてもらう。

「市場」であり、「食堂」であり、「学校」である。IMG_1781

ピザの店。
IMG_1778

団員がピザを購入。
なんでもトライする姿勢が実にいい。
ロピアの特長だ。
IMG_1789
私たちも昼食用としてポルチーニ茸のピザを購入。

ホールフーズ。
ハドソンヤードに登場した繁盛店。
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ここのイートインコーナーで昼食タイム。
ウェグマンズの握り寿司、
イータリーのピザ、
ホールフーズのスープでランチ。
贅沢なメニューは本当にうまかった。IMG_1790

ケーキ売場のサインは、
「LOVE IS SWEET」に変わった。
バレンタイン仕様だ。
IMG_1800

スーパーボウルまでは「GAME TIME」と記されていた。
ホールフーズもチームメンバーが、
楽しんで売場をつくっている。

平ケースでは「LOVE AFFAIR(愛の出来事?)」のスイーツ。IMG_1804

青果売場の見事なカラーコントロール。
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青果売場にも「LOVE AFFAIR」の平ケース。
ディップやスライスサラミなど。
これがバレンタインデーに向けた、
ホールフーズの粋なテーマだ。
IMG_1808

対面の精肉売場。
IMG_1793

その前の平台でも「LOVE AFFAIR」。
二人で食べるステーキ肉の提案。IMG_1809

もちろん切り花コーナーではバレンタインブーケ。IMG_1810

ホールフーズは売場全体で、
徹底したプロモーションを展開する。

ランチの後は散策の視察タイム。
ブロードウェイに沿って
81ストリートから72ストリートまで南下する。

始まりはゼイバーズIMG_1828

ニューヨークデリの売場も独特だ。
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ゼイバースで人気の魚の燻製売場。
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そのバックヤード。
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そのスモークサーモン。
絶品。
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夜のコミュニケーションタイムの食材を、
購入してくれたのは、
現地ガイドの富澤由紀子さん。
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ニューヨーク・デリの店シタレラ。
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対面方式で氷を敷き詰めた魚売場も圧巻。
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マンハッタンのスーパーマーケットの王者、
フェアウェイ・マーケット。
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外売場では青果のお買得品を展開。
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特長は何と言っても青果部門。
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終点はトレーダー・ジョー。
地下1・2階の2層店舗。
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地下1階の導入部は切り花。
もちろんバレンタイン訴求。
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フィアレスフライヤーに掲載されたアイテムを、
大々的にエンド展開する。
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みそ・ジンジャー・ブロス。
ショーガ入りみそ汁の素。
もちろんPB。
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午後3時過ぎにもう欠品が生じる。
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そして長い行列の最後尾には人が立つ。
これが平日の状態だ。
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マンハッタンの中でもこの店は大・大・大繁盛店だ。
だから周辺のスーパーマーケットに影響を与えた。

ウェストサイドスーパーマーケットは撤退した。
しかしゼイバーズとフェアウェイは、
マーケットニッチャーとして残った。

とんがり★こだわりをもっているからだ。
それぞれの際立つオリジナリティ。

ポジショニングは最大のサバイバル戦略なのだ。
(つづきます)

〈結城義晴〉

 

 


2 件のコメント

  • 「マネジャーが仲間を大切にすれば、彼らはカスタマーを大切にしてくれます」
    これは逆も言えて、マネージャーが仲間を手段として考えれば、彼らはカスタマーを手段として考えるということだと思います。暖かいメッセージであると同時に、怖いメッセージだとも思いました。

    • 吉本さん、その通りですね。

      組織の考え方が顧客に伝わってしまいます。
      だから店主やマネジャーの考え方が大事になります。

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