NY6日目のマンハッタンの「ポジショニング競争」
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OICグループNY視察研修。
第2班がやってきて早くも3日目。
朝7時、セミナーのはじまり。
まず恒例のロピアの経営理念と7大用語の唱和。
髙木勇輔社長や福島道夫取締役に、
15年以上も前から講義した内容。
それを共有してもらう。
レース型競争とコンテスト型競争。
クリティカルマスと範囲の経済。
寡占・鼎占・複占。
そしてマーケットリーダーとチャレンジャー、
フォロワーとニッチャー。
最後は業種・業態、フォーマット。
コーネル大学のバナーの方程式。
そのポジショニング。
トレーダー・ジョーやウェグマンズと、
ロピアの店づくりの共通点。
実際に米国のとんがり店舗を見た後は、
抽象的な概念の理解が進む。
そしてそれがロピアのぶれない戦略に直結する。
講義が終わると、
9時に専用バスに乗り込んで、
ウェグマンズに向かう。
マンハッタン1号のアスタープレイス店。
地下1階の話題の売場。
「SAKANAYA(さかなや)」。
改装して広くなった。
今回も、店長のJAREDさんが登場。
立地の特性や顧客層について、
丁寧に話してくれた。
ウェグマンズのホスピタリティを強調した。
その理由はアソシエーツを大切にすること。
「マネジャーが仲間を大切にすれば、
彼らはカスタマーを大切にしてくれます」
さらに驚いたことに、
この店ではオンラインの売上構成比が、
なんと50%になっている。
さかなやでは日本の豊洲市場から週2回、
新鮮な魚を空輸する。
空輸された魚はその日のうちに、
カッティングして販売される。
団員の一人が質問した。
「魚のアラがでますが、
それはどうするのですか?」
エイドリアン。
「もちろんアラも販売します」
それがこれだ。
アメリカ人はアラを焼いたり、
スープにしたりする。
こんな魚屋、アメリカでは見たことがない。
1年ぶりに合ったエイドリアンは、
新たに魚のタトゥーを入れていた。
そして全員にサーモンの試食のプレゼント。
柴田昇団長が皆に、取り分けてくれる。
いつもながらのウェグマンズの誠意ある対応に感謝。
浅野秀二さんと4人で記念写真。
そのあとはマンハッタンの南端の公園で、
自由の女神を見た。
自由の女神を背景に写真撮影。
カメラマンを見て手を振っている。
貿易センターのツインタワーは9・11で崩壊した。
その跡地につくられた鎮魂のプール。
駅舎のオキュラスで全員撮影。
ショッピングセンター機能をもつ。
敬虔な気持ちになる。
ナビスコ工場跡の建物につくられた商業施設。
古いビルディングの良さを活かした空間。
専門店や飲食店が並んで、
人気の観光スポットとなった。
小売り機能と飲食機能、
そしてテイクアウト機能をもつ魚屋。
この店の在り方は勉強になる。
売る機能、食べる機能、持ち帰りの機能。
魚屋が内食、外食、中食に対応している。
ウェグマンズの「さかなや」と同じだ。
無印良品は入れ替えの激しいチェルシーマーケットで、
確かなポジショニングを構築している。
来るたびにテナントが変わっている。
どんどん飲食店の比率が増えている。
どんな商業施設も非食品から食品への移行が顕著だ。
「EATALY」は「EAT」と「ITALY」からの造語。
イタリアの食材を販売し、食べさせる。
その隣に生パスタを食べさせる店。
イータリーのコンセプトは、
We Sell What We Cook,
and, We Cook What We Sell.
調理して食べてもらったものを売り、
売っているもので調理して食ベてもらう。
団員がピザを購入。
なんでもトライする姿勢が実にいい。
ロピアの特長だ。
私たちも昼食用としてポルチーニ茸のピザを購入。
ここのイートインコーナーで昼食タイム。
ウェグマンズの握り寿司、
イータリーのピザ、
ホールフーズのスープでランチ。
贅沢なメニューは本当にうまかった。
ケーキ売場のサインは、
「LOVE IS SWEET」に変わった。
バレンタイン仕様だ。
スーパーボウルまでは「GAME TIME」と記されていた。
ホールフーズもチームメンバーが、
楽しんで売場をつくっている。
平ケースでは「LOVE AFFAIR(愛の出来事?)」のスイーツ。
青果売場にも「LOVE AFFAIR」の平ケース。
ディップやスライスサラミなど。
これがバレンタインデーに向けた、
ホールフーズの粋なテーマだ。
対面の精肉売場。
その前の平台でも「LOVE AFFAIR」。
二人で食べるステーキ肉の提案。
もちろん切り花コーナーではバレンタインブーケ。
ホールフーズは売場全体で、
徹底したプロモーションを展開する。
ランチの後は散策の視察タイム。
ブロードウェイに沿って
81ストリートから72ストリートまで南下する。
そのバックヤード。
夜のコミュニケーションタイムの食材を、
購入してくれたのは、
現地ガイドの富澤由紀子さん。
マンハッタンのスーパーマーケットの王者、
フェアウェイ・マーケット。
地下1階の導入部は切り花。
もちろんバレンタイン訴求。
フィアレスフライヤーに掲載されたアイテムを、
大々的にエンド展開する。
みそ・ジンジャー・ブロス。
ショーガ入りみそ汁の素。
もちろんPB。
午後3時過ぎにもう欠品が生じる。
マンハッタンの中でもこの店は大・大・大繁盛店だ。
だから周辺のスーパーマーケットに影響を与えた。
ウェストサイドスーパーマーケットは撤退した。
しかしゼイバーズとフェアウェイは、
マーケットニッチャーとして残った。
とんがり★こだわりをもっているからだ。
それぞれの際立つオリジナリティ。
ポジショニングは最大のサバイバル戦略なのだ。
(つづきます)
〈結城義晴〉
2 件のコメント
「マネジャーが仲間を大切にすれば、彼らはカスタマーを大切にしてくれます」
これは逆も言えて、マネージャーが仲間を手段として考えれば、彼らはカスタマーを手段として考えるということだと思います。暖かいメッセージであると同時に、怖いメッセージだとも思いました。
吉本さん、その通りですね。
組織の考え方が顧客に伝わってしまいます。
だから店主やマネジャーの考え方が大事になります。