結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2025年01月16日(木曜日)

ガザの「停戦合意」とライフコーポレーションの「顧客=株主」

パレスチナ・ガザ、停戦合意。
イスラエルとハマス。

まずは6週間だが、
段階的な人質の解放を始める。

希望が見えてきた。
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ブレーズ・パスカルの『パンセ』から。
「人間というのは概して、
自分の頭で見つけた理由のほうが、
他人の頭の中で発見された理由よりも、
深く納得するものだ」
(断章10)

トランプが、バイデンがと言い合うよりも、
イスラエルもハマスも、
それぞれが自分たちで停戦を選んだことを、
強調するのがいい。

深く納得してもらうほうがいい。

セルコレポート1月号。IMG_8689 (002)

全国セルコグループトップ会で、
お土産として参加者全員に配られた。

是非、読んでください。
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私の連載は「艱難は商人を鍛える」
もう3年目に入って第33回。
「続柳井正の艱難ー永田農法の失敗」
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さて商人舎流通SuperNews。

ライフnews|
株式分割と株主優待制度新設/投資家層の拡大狙う

㈱ライフコーポレーションが、
株式分割と株主優待制度の新設を決議した。

株式分割は投資単位当たりの金額を引き下げる。
つまり手軽に株を買うことができる。

投資家がより投資しやすい環境となる。
投資家層の拡大を図ることができる。

現在でもライフの株は、
100株単位で買うことができる。
株価が3450円ならば、
34万5000円で株主になることができる。

2月28日からそれを、
株主の所有する普通株式1株につき、
2株の割合で分割する。

したがって、
現在の発行済株式総数4945万0800株は、
株式分割後には9890万1600株となる。

株式分割後の発行可能株式総数は、
2億4000万株となる。

ライフはさらに個人株主を増やそうとしている。

また株式分割に伴って、
株主優待制度を新設する。

これが今回の目玉だ。

ライフでの買物を通じて、
事業に対する理解をより一層深めてもらう。
さらにロイヤルティの高い顧客になってもらう。

保有株式数と継続保有期間に応じて、
三つの特典を選択できる。
⑴ライフ商品券
⑵ライフプライベートブランド商品詰合せセット
⑶社会貢献活動団体へ寄付

顧客=株主。

それを目指そうとしている。

月刊商人舎2024年11月号は、
特集「会社は誰のためにあるのか」
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特集のあとがきで書いた。
「会社を従業員と顧客のためとするには。」
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株主の大衆化。

ライフはもともとそれを目指していた。

それに株主優待制度を設けることで、
「株主=顧客」を実現させようとしている。

「会社は誰のものか。
誰のためにあるのか。
ステークホルダーのためのものである。
すべての利害関係者のためにある」

「物言う株主だけのものでも、
それに言いなりになる
経営者のためのものでもない。
断じて。」

〈結城義晴〉

2025年01月15日(水曜日)

ヤオコーの「持株会社移行」と新春全国セルコグループトップ会

商人舎流通SuperNews。

ヤオコーnews|
10/1持株会社に移行/社名は「ブルーゾーンホールディングス」

㈱ヤオコーもとうとう持株会社体制に移行する。
「自然、必然、当然」
武者小路実篤のことば。

今年10月1日に、
㈱ブルーゾーンホールディングスを設立。

ヤオコーは上場廃止して、その完全子会社となる。
新会社は東証プライム市場に上場申請予定。

持株会社の目的は2つ。

第1にグループとしての商圏シェアアップ。
現在は小商圏高頻度来店のヤオコー、
「広域まとめ買い」ニーズ対応のエイビイとフーコット。
前者がライフスタイルアソートメントフォーマット、
後者がディスカウントフォーマット。

それに㈱せんどうが加わる。

2つのフォーマットを深化させて、
地域のシェアアップを図る。

同時にグループ各社が独立運営を確立して、
独自の「強み」を磨く。

持株会社体制への移行に伴って、
グループ各社は名実ともに「親子関係」ではなく、
「兄弟関係」となる。

そして各々が自律的な成長を図る。

さらに今後はグループの考えに共鳴する企業と、
スーパーマーケットの連合体の形成を目指す。

第2がグループのガバナンスの強化。
グループの経営管理機能と業務執行機能を分離する。
そのうえで各事業会社における権限と責任を明確にする。
意思決定の迅速化、事業責任の明確化を図って、
グループ全体の競争力を強化する。

ブルーゾーンホールディングスは、
「グループ売上高1兆円」をビジョンとする。

商人舎1月号の「2030Vision」と重なる。

それにしても、
「ブルーゾーン」のネーミング。

ジャスコはイオンになった。
イトーヨーカ堂とセブンーイレブンは、
セブン&アイに変わった。

ユニクロはファーストリテイリングに、
ドン・キホーテはPPIHに。

ラルズの八ヶ岳連峰はアークスに、
原信ナルスとフレッセイは、
アクシアルリテイリングに。

万代は万代リテールホールディングスに、
ロピアはOICグループに。

ヤオコーは想像を超えて意外だったが、
川野澄人さんにとっては、
「自然、必然、当然」なのだろう。
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さて今日は東京の明治記念館。meijikinen

1947年、憲法記念館から、
明治記念館に名称が変わった。IMG_8676 (002)

名物の松は樹齢150年を超える。IMG_8677 (002)

新春全国セルコグループトップ会。

特別講演会と賀詞交歓会の2部構成。meiji_event

40社以上の会員企業トップと、
業界団体、約160社の賛助会員、
省庁、マスコミ関係者が集まる。

スタートは2階の蓬莱の間で特別講演会。seminar_

講師は山川龍雄さん。
テレビ東京ワールドビジネスサテライトのキャスター。
テーマは「2025年国際情勢と日本経済・景気のゆくえ」yamakawa
トランプ政権発足を控えた世界情勢の見方、
流通についてのM&Aの動向など。

その後、会場を1階の曙の間に移して、
賀詞交歓会。
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井原實協同組合セルコチェーン理事長の挨拶。
㈱与野フードセンター名誉会長。ihara

続いて祝辞。
経産省、農水省、商工中金。

その後、恒例の主要卸売業トップの挨拶。
まずは国分グループ本社㈱会長兼CEOの國分勘兵衛さん。kokubu

㈱日本アクセス会長の佐々木淳一さん。nihonaccese_sasaki
佐々木さんは、
スーパーマーケットが向き合う経営課題を、
簡潔に語って協同の取り組みを提案した。

続いて三井物産流通グループ㈱社長の柴田幸介さん。mitsui_shibata

そのあと三菱食品㈱の川上修常務、
伊藤忠食品㈱の魚住直之常務と、
大手卸売業トップが短いスピーチ。

祝辞の後はセルコチェーン役員全員が登壇。
一人ずつ紹介される。selco_top

乾杯の音頭は平邦雄さん。
セルコチェーン理事で㈱エコス社長。tairakunio
邦雄さんらしく元気よく発声。

このところのエコスの経営を、
私は高く評価している。
頑張ってほしい。

ここまで恒例の1時間。
それから懇親。

まずは何といっても、
㈱エコス名誉会長の平富郎さん。
富士登山の話で盛り上がった。taira

國分勘兵衛さんとはもう40年のお付き合い。kokubu (2)
國分さん。
「私たちは縁の下の力持ちです。
小売業の皆さんを支えたい」

日本アクセス会長の佐々木淳一さんとは、
最近の情勢や近い将来の流通業界のことなど、
ずいぶん話し込んだ。
続きは月刊商人舎誌上でお願いします。sasaki

そこに並木利昭さんが加わった。
㈱ライフコーポレーション顧問。namiki

特別講演を務めた山川龍雄さん。
逆に質問された。
「今年の流通業はどうなりますか?」
私の答えは内緒。
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日本ボランタリーチェーン協会名誉会長の泉田幸雄さん。
ドラッグストア産業のことも話した。
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最後に井原理事長とも懇談。
日本ボランタリーチェーン協会会長も務める。ihara (2)

中締めは平典子さん。
㈱たいらや社長でセルコチェーン副理事長。tairanoriko
典子さんも歯切れよくお礼を言って、
関東一本締め。

きれいに決まった。

金屏風の前にセルコチェーン幹部の方々が並ぶ。
平さんや井原さんに挨拶してから、
邦雄さんと握手した。nakajime

ずいぶん日が長くなった。
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例年よりも多くの人が集まった。
今年に対する危機感が強いのかもしれない。
いい会だったと思った。

持株会社の下で、
自律的に協業する。

全国セルコチェーンにも、
増えていくだろう。

〈結城義晴〉

2025年01月14日(火曜日)

ロピア福島道夫さんとの専門店巡りと神田明神参拝

ロピアの福島道夫さんが、
商人舎オフィスを訪問してくれた。
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昨2024年の暮れに一緒に店を回った。
その時に専門店を見ようと話し合っていた。

東京・亀戸。
はせがわ酒店。IMG_0065 (002)

知る人ぞ知る清酒の専門店。
全国の蔵を巡って、
蔵元と信頼関係を築いている。

本店以外に5店舗を出していて、
2024年年商は35億円。IMG_0067 (002)

今週の人気商品が黒板に書かれている。
1 天美
2 今西
3 光栄菊
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その売場がこれ。IMG_0071 (002)

店の奥に清酒セラーがある。IMG_0073 (002)

鉄パイプのラックに陳列されている。IMG_0074 (002)

獺祭もご覧のように並ぶ。IMG_0075 (002)

久保田は萬壽。
それが蔵元価格で販売される。
驚くほど安い。
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磯自慢、2万3650円。
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福島さんとツーショット。IMG_0078 (002)

佐野味噌醬油店本店。IMG_0081 (002)

昭和9年創業の味噌と醤油の専門店。
製造元との信頼関係が厚い。

現社長は三代目の佐野正明さん。
2009年に社長に就任。
銀座店、アトレ亀戸店、松戸店と店を増やした。

この本店の品揃えやプレゼンテーションが素晴らしい。
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重量を言って注文すると味噌を掬い取って、
計りで計ってくれる。 IMG_0084 (002)

店の奥にはイートインスペースがあって、
おにぎりとみそ汁のセットメニューなどを、
食べることができる。IMG_0088 (002)

味噌の香りに囲まれて満足。IMG_0090 (002)

それから神田明神。IMG_8565 (002)

神田祭を行う神社。
神田、日本橋、秋葉原、大手町、丸の内、
そして旧神田市場・築地魚市場など、
108の町会の総氏神だ。
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大黒様は商売繁盛の神様。
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二礼二拍手一礼。
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ここでもツーショット。IMG_0096 (002)

夕方から、会食。

すき焼きの名店「いし橋」。

神田明神からすぐ近くの妻恋橋交差点にある。IMG_0102

明治5年に肉屋を創業し、
その隣に明治12年からすき焼き店を開業。
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「ミシュランガイド」でも紹介されているし、
今年の「芸能人格付けチェック」で、
すき焼きの最上格付けの店として登場した。

席は座敷のみ。
古風な佇まいにも味がある。

新春らしい先付。
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「五代目は和牛の産地にこだわらず、
サシや赤身の質を見て選ぶ」。
これは三人前。
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みごとなサシが入った和牛を手切りする。
追加の肉も合わせるとこの量。
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まず肉そのものを味わう。
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さらに野菜と一緒に味わう。
すべて仲居さんが調理してくれる。IMG_0116

締めは名物の「ふっくら玉子のおじや」。
蓋をとると玉子が盛り上がっている。
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それを少し押し付けながら、
丁寧に切り分けてくれる。IMG_0120

鉄鍋に残った牛肉の汁を吸った
おこげが美味。

堪能した。満足した。

帰りにはおかみが火打石を打って、
送り出してくれた。
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神田明神下の銭形平次の気分。

福島さんとの一日。
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充実していた。
ありがとうございました。

スーパーマーケットは、
食の専門店でもある。

そのために専門店を学び、
その味を知り、
さらにうまいものを食べる。

日経新聞社説。
「日本の酒」への追い風生かせ

日本酒や焼酎、泡盛などの「伝統的酒造り」が、
ユネスコ無形文化遺産に登録された。

「各地の酒蔵などがつくるこれらの酒は、
日本の風土や文化の厚みと多様性を表す。
今回の登録を輸出や観光への追い風に生かしたい」

農林水産省のアルコール飲料国内出荷量。
日本酒は50年前がピークだった。
2023年には4分の1以下まで減った。

一方で輸出額はここ10年間で約4倍に増えている。

「ユネスコの評価はもう一段の飛躍の好機となる。
日本の酒の良さをより多くの人に知ってもらい、
ブランド価値を高め、
日常的に楽しむ流れを世界に広げたい」

日本酒に限らない。
味噌も醬油も、
和牛をはじめとした日本の肉も。

社説。
「伝統を守るのと並行し、
新しい試みも応援していきたい」

スーパーマーケットもチェーンストアも、
専門性を突き詰めていかねば、
ただの安売り競争に陥る。

ロピアも福島さんも、
ロピアらしさづくりのなかに、
専門性を位置づけている。

〈結城義晴〉

2025年01月13日(月曜日)

伊藤忠・岡藤正広の「水の商人」と荒井伸也の「理の商人」

Everyone, Good Monday!
[2025vol②]

2025年第3週。

ハッピーマンデーの成人の日。

109万人。
この人たちが将来の世界を担う。
日本を支えるし、地域をリードする。

しかし彼らの未来は、
決して安穏ではない。

日経新聞「私の履歴書」
今月は岡藤正広さん。
伊藤忠商事会長CEO。
[伊藤忠商事ホームページより]
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1949年生まれ。
私の3つ上の団塊の世代。

二浪して東京大学経済学部に入り、
伊藤忠商事に入社する。

繊維畑に配属されるが、
「岡藤は使えない」と酷評される。

ここで師匠が登場する。

連載第10回。
「 営業の師『水のような商人』が手本」

岡藤さんの指導役になったのは、
峠一さんという人だ。

伊藤忠商事の社員ではない。
英国産毛織物のエージェントの人。
つまり、社外の人から教育を受けた。

私にもそういう人がいた。

まずプリマートの八木さんという人が、
流通業界のいろいろなことを教えてくれた。

プリマートはその後、
マルエツに吸収されてしまった。

そのあとは荒井伸也さん。
ご存知、サミット㈱社長・会長。
作家安土敏さん。

社外の人から教わることは、
実は多い。

岡藤さんの師匠の峠さんは、
高校を出てしばらくぶらぶらしているところを、
拾われるようにして繊維業界に飛び込んだ。

年齢は岡藤さんより3つ上だが、
峠さんはやり手の営業マンだった。

「見た目はずんぐりむっくりで目がギョロリ。
いかにも愛嬌がある。
商談にのぞんでも
相手をなだめすかすのがとにかくうまい」

「ちょっともめ事があって相手が怒っていても
かわいげのある言い方でやり過ごし、
怒りが冷めるのを待つ」

すると絶妙なタイミングで反物の見本を取り出し、
「こんなんもあるんですけど、どうでっしゃろ」

相手は「まったく、あんたにはかなわんな」と
話に乗ってくる。

「なるほど、これはうまい」

「言い回し、間の取り方、
勝負をしかけるタイミング、
それになんと言っても
相手の心をつかむなんとも言えないしぐさ――」

岡藤さんはそのどれにも、
毎度、感心させられた。

岡藤さんはよく言う。
「商人は水であれ」

お客さんの要望にあわせて
水のようにどんな形にでも
姿を変えてみせる。

「それが商人のあるべき姿だ」と、
岡藤さんは学んだ。

峠さんはまさに「水の商人」だった。

それに、とにかくお客さんが欲しいと思うものを
先回りして用意する人だった。

「私は経営者になってから、
口を酸っぱくしてマーケット・インの発想を持てと
社内で説いてきたが、
その範を示してくれていたのが峠さんだったのだ」

「単に話の持っていき方がうまいだけではない。
峠さんはとにかくしつこい人だった。
一度や二度、断られたくらいで引き下がらない」

「何ごともなかったかのように
何度でも客先に出向くのだ。
これは後々に私も実践したことだ」

「こうして私は社外の営業の師から
商売のイロハを教えられた」

岡藤さんの「水の商人」
マーケット・インの発想。

岡藤さんは繊維畑を歩んで、
伊藤忠の社長、会長となった。

総合商社は「水の商売」なのだろうか。

「水の商人」に対しては、
「火の商人」が考えられる。

その代表はダイエーの中内功さんだろう。

壮大なロマンに向かって、
火の玉のように突き進む。

松下幸之助さんとさえも喧嘩する。

一方、私の師・荒井伸也さんは、
住友商事出身だ。

そして「理の商人」だ。

岡藤さんとはまったく違う。

だからだろう、
荒井さんはサミットという赤字の子会社に、
手を挙げて出向した。

総合商社を離れて、
チェーンストアに来た。

そして完全に理論で立て直した。

対してヤオコーの川野幸夫さんは、
自ら「情の商人」と言った。

情に厚いのが商人である、と。

水の商人、
火の商人。

理の商人、
情の商人。

いずれも魅力的だ。
そしてそれに徹して成功を収めた。

私は商人の魂をもったジャーナリストを標榜している。

このときの商人は、
師匠譲りの「理の商人」であろうか。
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では、みなさん、今週も、
それぞれ、自分らしい商人であってほしい。

Good Monday! 

〈結城義晴〉

2025年01月12日(日曜日)

バルザック・グールド・シューベルトの[仕事]への向き合い方

2025年最初の三連休。
最後は成人の日。

今年は三連休が8回ある。
昨年は11回だった。

三連休のシナリオは、
それぞれの企業、それぞれの店ごとに、
きちんとできていなければならない。

ホップ、ステップ、ジャンプなのか。
ジャンプ、ステイ、ジャンプなのか。
ステイ、ジャンプ、ステイなのか。
それともアベレージ型なのか。

それにしても今年の新成人。
109万人。

成人たちには是非とも、
仕事に生きがいを見つけてほしいものだ。

再びみたび、
『天才たちの日課』から。
メイソン・カリー著。817U1Sy9vfL._SL1500_
オノレ・ド・バルザック。
19世紀のフランスを代表する小説家。

イギリスの作家サマセット・モームは、
バルザックを評している。
「確実に天才とよぶにふさわしい人物」

そのバルザックの仕事のスケジュールは、
過酷なものだった。

午後六時に軽い夕食をとったあと、
ベッドに入って寝る。
午前一時に起きて書きもの机の前にすわると、
7時間ぶっとおしで書く。

午前8時から1時間半仮眠して、
午前9時半から午後4時まで仕事。

その間、ブラックコーヒーを何杯も飲む。

午後4時に散歩に出て、風呂に入り、
6時まで客に応対する。

そのあとまた同じスケジュールの繰り返し。

「一日一日が私の手のなかで、
日なたに置いた氷のように解けていく」
バルザックはそう書いている。
「私は生きているのではない。
自分自身を、恐ろしいやり方で消耗させている
──だが、どうせ死ぬなら、
仕事で死のうとほかのことで死のうと同じだ」

バルザックの決意。
仕事にはこのくらいの意気ごみで取り組みたい。

スティーヴン・ジェイ・グールド。
進化生物学者で作家。

「私はつねに仕事をしている」

「私は毎日仕事をする。週末も、夜も……
それをはたから見ると、
“仕事中毒”という現代的な言葉で
表現できるかもしれないし、
“強迫観念にとりつかれている”とか
“破滅的”といえるかもしれない」。

「だが、私にとって、仕事は仕事じゃない。
単に日々やっていることで、
それが私の生活なんだ」

「家族ともじゅうぶんな時間をいっしょに過ごし、
歌も歌うし、野球の試合もみにいく」

「だが、基本的には、始終仕事をしている」

それは私にとって、
「仕事じゃなくて、生活だ。
毎日やっていることで、
やりたいことなんだ」

仕事が生活となる。

グールドのあり方を、
私も目指している。

フランツ・シューベルト。
オーストリアの作曲家。
毎朝6時に書きもの机の前にすわって、
午後1時までぶっとおしで作曲し、
そのあいだによくパイプを吸っていた。

午後になると、朝ほど勤勉ではなくなる。
午後はまったく作曲しなかった。
昼食のあとコーヒーハウスへ行き、
ブラックコーヒーを少し飲んで、
パイプを吸いながら、1、2時間、
新聞を読んで過ごす。

夏の午後にはよくウィーンの郊外の田園地帯へ
長い散歩に出かけた。
そのあとビールかワインを一杯、
友人といっしょに楽しむ。

ピアノの個人教授をするのは避けていて、
いつも金に困り、しょっちゅう友人に
経済的な援助を頼まなければならなかった。

友人の一人。
「彼は作曲においては並はずれて勤勉で
創造性にあふれていたが、
それ以外の仕事と名のつくものに関しては、
まったくの役立たずだった」

音楽以外まったくの役立たずでも、
シューベルトは多くの名曲を残した。
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もちろん彼らとは違う人生もある。
すべての成人が天才になる必要はない。

けれどバルザックやグールド、
さらにシューベルトのような生き方がある。

それは知っておいていいだろうと思う。

〈結城義晴〉

2025年01月11日(土曜日)

イオン・ライフ・ベルク第3四半期の「増収減益」と「商人は正人たれ」

チェーンストアの第3四半期決算が発表されている。

商人舎流通Supernewsの画面の上段。
[決算]のボタンを押してください。
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するとこの画面が出てくる。
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その一番上は今、

イオンnews|
第3Q営業収益7兆4706億円6.3%増・経常利益23.3%減

イオン㈱の2025年2月期第3四半期決算。

連結業績は営業収益7兆4706億円、
前年同期比6.3%増。

なるほど増収。

営業利益1175億6900万円(17.7%減)、
経常利益1020億6300万円(23.3%減)。

減益。

四半期純利益156億6700万円の純損失。

赤字。

営業利益率1.6%、経常利益率1.4%。

日本の小売業を代表する企業として、
まだまだ。

小売事業が減益となった。
GMS(総合スーパー)事業、
SM(スーパーマーケット)事業、
DS(ディスカウントストア)事業、
ヘルス&ウエルネス事業、
国際事業。

イオンリテール㈱は、
食品売場へのセルフレジの導入がほぼ完了。
「レジゴー」展開店舗は6月に300店舗を突破。

「AIカカク」は最適な値引き率を提示する仕組み。
「AIオーダー」は商品発注を最適化する仕組み。

これらによって人時を創出し、
顧客満足に直結する業務に充てる。

しかしこちらの成果を上げるには、
時間がかかる。

今、その過程にある。

プライベートブランド(PB)「トップバリュ」は、
価格訴求型の「ベストプライス」で、
厳選品目を値下げし、あるいは増量した。

2025年度までにPB全体で売上高2兆円を目指す。

それでも増収減益・純損失。

図体の大きな会社が、
すべての現場で意思統一して、
利益にストイックになる体質をつくれば、
増収したら必ず増益になる。

増収なのに減益。
減収になったら増益。

このサイクルを断ち切らねばならない。

増収したら増益。

単純なように見えて、
それが難しい。

すべての店が、すべての部門が、
増収したら増益となれば、
会社はいい循環になる。

ライフnews|
第3Q営業収益6329億円5.1%増・経常利益183億円7.6%減

㈱ライフコーポレーション。
営業収益6329億円、前年同期比5.1%増。
営業利益176億8800万円(8.0%減)、
経常利益183億4000万円(7.6%減)、
純利益128億1300万円(3.4%減)。

営業利益率2.8%、経常利益率2.9%。

日本のスーパーマーケットを代表する企業。

こちらも増収減益。

ベルクnews|
第3Q営業収益2858億円10.7%増・経常利益129億円0.5%減

㈱ベルクの2025年2月期第3四半期決算。
営業収益2858億円、
前年同期比10.7%増。

二けた増収。

営業利益126億3000万円(100.1%)、
経常利益128億9900万円(99.5%)、
四半期純利益86億2400万円(92.8%)。

営業利益、経常利益はトントン。

環境が悪くても、
このくらいにしたい。

営業利益率4.4%、経常利益率4.5%。

これが業界を代表する収益企業の第3四半期。

2024年度は第3四半期まで、
チェーンストア全体で増収減益。

増収の理由には青果の高騰やインフレもある。
減収には賃上げトレンドがある。

しかし増収減益の傾向が顕著だった。

だからこそ、
増収したら増益になる体質が、
求められる。

無理に増収すれば、
必ず減益となる。

無理せず、自然体で増収すれば、
間違いなく増益となる。

そうならねばいけない。
経営者はそれをみんなに説得しなければならない。

イオンは6.3%の増収、
ライフは5.1%の増収、
ベルクは10.7%の増収。

ここから無駄な増収分を厳密に禁欲し、節制して、
全体の増益にもっていく。

第3四半期の総括はこんなところか。

㈱平和堂は、
「売上高」を『ご奉仕高』という。
「粗利益高」を『創造高』と呼ぶ。

創業者の夏原平次郎さんが考えた。
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営業減益は、
粗利益高が足りなかったから生じる。
あるいは経費が増えたから生まれる。

夏原平次郎流に考えると、
減益は創造が足りなかったからだと、
自己分析することになる。

夏原平次郎は、
「商人は正人たれ」の信念を貫いた。

私も「商人舎」をつくるとき、
「正人舎」にしようかと、
本気で悩んだ。

「商人は正人たれ」でありたい。

無理せず、自然体で増収すれば、
間違いなく増益となる。

本当に厳しいことだが、
これが正人である。

〈結城義晴〉

2025年01月10日(金曜日)

商人舎1月号特集は「2030Vision」と「2025年の提言」の二本立て

月刊商人舎1月号、
本日発刊。
202501_shoninsha-cover
新年1月号は2本の特集を組んだ。

[第1特集]
2030Vision
日本チェーンストアの「あしたはどっちだ」

[Cover Message]

2025年1月、「2030Vision」を描きたい。しかし5年後には「2030年問題」が待ち受ける。プレ・シンギュラリティに当たる年度でもある。地球温暖化による気候変動と天候異常はさらに過激化し、農産物、水産物の生産と漁獲の体系は大きく崩れて、食糧問題は深刻になる。実体経済と金融経済の乖離はさらに拡大し、一方で戦火も絶えない。戦争や紛争は人々のマインドを内向きにし、消費を停滞させる。「複合危機」は抜き差しならないレベルに陥る。だからこそ「Vision」が求められる。Visionなしに、この局面を切り抜けることはできない。日本チェーンストアの「2030Vision」を体系的に総括し、その力量を推し量る。未来は与えられるものではなく、自ら選んで、自らつくっていくものである。日本チェーンストアの「あしたはどっちだ」。
202501_hyoushi
緊急アンケートに応じていただいた10社。
それから編集部が調査した17社。

主要チェーンストアそれぞれの
2030年Visionが披露されている。

[第2特集]
2025年の提言
必須の5大テーマとその考え方・解決策

[人の問題]
嘘のない会社をつくれ!〈結城義晴〉
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[物流問題]
「2024年問題」のこの指に止まれ!〈編集部〉

[景況問題]
多岐にわたる課題と持続可能な成長〈白鳥和生〉

[デジタル問題]
DXとAIの勘所を解き明かそう。〈當仲寛哲〉

[商品問題]
アパレルMDの変化対応とOMO〈小島健輔〉

5年後のビジョンと今年のアクション。
それが2大特集となりました。

目次。
202501_shoninsha-contents

さらに特別企画は、
林廣美の`25惣菜30選
スクリーンショット 2025-01-10 184231
必須の定番メニュー10選
利益を稼ぐ売り込みメニュー10選
差をつける育成メニュー10選

この道60年、目から鱗のノウハウの数々。
たとえば惣菜部門のパスタ。
「パスタが売れない原因は、パスタにソースを絡めて陳列しておくと、おいしいソースが消えてなくなり、パスタが団子になって食べられなくなるからです」

「そのために第1にパスタは茹でる時に水ではなく、おいしいコンソメスープで茹でます。茹で過ぎるくらい、20分以上茹でます。アルデンテにこだわらずに、柔らかく茹でます」

これがスーパーマーケットの惣菜部門の、
パスタのつくり方のコツです。
こういったノウハウは、
一般の料理人からは出てきません。

料理に興味のある方、
是非、熟読してみてください。

いい雑誌となりました。
ありがとうございます。

編集後記もお披露目しましょう。
みんな、新年のあいさつをしています。

一陽来復。新年号は「2030Vision」と「2025年の提言」。そして「林廣美の惣菜30選」。5年後には「2030年問題」や「プレ・シンギュラリティ」が待ち受けています。それには「Vision」しかない。「Vision」で突き抜けた会社になる。ユニークで力強い「Vision」をもつチェーンストアになる。それしかないのです。本年もよろしくお願いします。(義)
「2030年のビジョン」緊急アンケートにご協力いただいた企業各社に深く感謝します。掲載した各社の資料を読み込むことで「利益を出し続ける」だけでなく、「持続可能な社会づくり」がゴーイングコンサーンの要件であることを再認識する機会になりました。(恭)
明けましておめでとうございます。2013年創刊の月刊商人舎も13年目に突入です。ティーンエイジャーです。(綾)
新年号の「林廣美の’25惣菜30選」は業務用の惣菜のつくり方だが、家庭の料理にも大変参考になる。「パスタはおいしいスープで茹ですぎくらいに茹でる」は目から鱗だった。(磯)
林廣美先生は米寿を迎えられても意気盛ん。毎週発信の「林廣美の今週のお惣菜」から30メニューを掲載するとお話ししたところ、「100メニューを選んで本をつくるのもいいね」と意欲的。年を重ねるごとに少しずつ腰が引けてきた身としては、(大いに?)反省。今年も頑張ろう!(かな) (亀)

最後に[Message of January]
嘘をつく店

倉本長治は言い放った。
「この店は滅びる」

よほど腹が立ったのか、
それともひどく悲しかったのか。
お客を無視する店。
失礼な店。

買いたい品が見つかりにくい店。
欲しいものが品切れしている店。
買った商品が傷んでいる店。
きたない店。

一番いけないのは、
嘘をつく店だ。
正直を謳っていながら、
小さな嘘を潜ませている店である。

「安い」と「良い」とは、
突き詰めると同じことだ。
品質が同等で価格が低い状態を「安い」といい、
価格が一定で品質が高い状態を「良い」という。

品質と価格の天秤で測ると、
「安い」と「良い」とは同じ価値なのである。
ただし、「安い」も「良い」も、
嘘をつかない店でのことだ。

「安いよ、安いよ」と、
大声を張り上げている者にかぎって、
嘘つきの店がある。
不実の店が多い。

こんな店には、
一瞬の「買物の得」はあっても、
一生付き合う「生活の得」はない。
そして人々はそれを瞬時に見抜くのだ。

競争はますます激しくなる。
情報は素早く広く還流する。
そして賢い消費者たちを誕生させる。
逆に、競争者たちは淘汰されていく。

それは現代社会の宿命である。
競争は進化を促す。
見えざる手がそれを後押しする。
だから私もこう言い切ろう。

嘘をつく店など、滅びてしまえ。
永遠に、この地上から消え失せろ。
〈結城義晴〉
(かつてのMessageを書き直しました)202501_message

結城義晴の提言から、
Messageのテーマを選びました。

嘘のない会社、嘘のない組織。
嘘のない店、嘘のない商品。

それが今年1年のテーマです。

嘘のないところにしか、
人は集まらないのです。

〈結城義晴〉

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