結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年12月25日(水曜日)

政治改革三法の成立と「高邁な議論は危うい!」

商人舎オフィス裏の遊歩道。IMG_8310 (002)

クレーン車が入って、
立木の枝の剪定。IMG_8312 (002)

3時間くらい電動のこぎりの音が続いた。IMG_8313 (002)

それでも遊歩道はすっきりした。
来年は新しい芽が出て枝も育つ。
葉も茂る。

ランチのあとまいばすけっとに寄った。
そして買いました。IMG_8314 (002)

グリーンアイのアイテム。
オーガニックの「割れちゃったむき甘栗」
増量して980円。
いい商品です。
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月刊商人舎1月号、
特別企画を入稿した。

いい気分。

「政治改革3法」が成立。

参院本会議で自民、立憲民主両党など、
与野党の賛成多数で可決した。

(1)政策活動費の廃止
(2)政治資金を監視する第三者機関の設置
(3)外国人によるパーティー券購入の禁止など

⑴の政策活動費は2026年1月1日から廃止する。

政策活動費はこれまで、
政党が所属する政治家個人へ支給する政治資金。
「ブラックボックス」だったが、
例外なく廃止する案となった。

やっとか。

企業・団体献金を禁止するか否かは、
与野党で一致できなかった。
25年3月まで結論は先送りされた。

石破茂首相の企業・団体献金へのコメント。
「『禁止より公開』の方針の下、
24年度末までに結論を得る」
000163671

⑵の第三者機関の新設は、
国会に「政治資金監視委員会」を設置し、
政治資金収支報告書の虚偽の記載や記載漏れに、
訂正を求める権限を与える。
監視に必要な資料も要求できる。

⑶外国人のパーティー券購入禁止などは、
外国勢力が国政に影響を与えないようにするため、
外国人による寄付を禁止する。

まあ、一歩前進。

しかしまだまだこれからだ。

国民はクリーンな政治を求めている。

ただし日経新聞「大機小機」
「進歩派メディアはなぜ敗れるのか」
コラムニストは四つ葉さん。

面白いし、深い。

第2次トランプ米政権の発足。

これはニューヨーク・タイムズ(NYT)の敗北だ。
リベラル派の総本山。

今年1月6日付のNYT電子版。
「2024年への警鐘」と題して呼びかけた。
「トランプ氏再選はこの国と世界に危険をもたらす」

6月27日の大統領テレビ討論会のあとは、
バイデン大統領の失態に対して、
「国への奉仕のために
バイデン氏は身を引くべきだ」

その後はハリス副大統領を支持してきた。

ところがハリス氏は激戦7州全てで敗北し、
全米の総得票数でもトランプ氏を下回った。

NYTの論陣は完全に空回りした。

NYTは電子版を中心に、
購読者数1100万人を超えた。
新聞業界が斜陽化するなかで、
垂涎(すいぜん)の経営状況。
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ところが皮肉なことが起こった。
「進歩派読者の支持を得るために、
記事が左傾化してきた」

「トランプたたき」も多分にそのせいだった。

英誌エコノミストのジェームズ・ベネット氏。
元NYTの論説欄統括委員で批判されて辞任した人。

「NYTは米国の進歩的エリートが
実際には存在しない米国について
独り言を言う出版物になりつつある」

「意識高い系」はそうでない人たちと交わらず、
自分たちが世間から遊離していることに気づかない。

SNSにおける「エコーチェンバー」と同じ構図。

「Echo chamber」とは、
自分と似た意見や思想の人々が集まる空間内で、
コミュニケーションが繰り返され、
自分の意見や思想が肯定されることによって、
それらが世の中一般においても正しくて、
間違いないものだと信じ込んでしまう現象。

SNSで起こりやすい。

それが大新聞のなかで起こった。

エリートの「正しい議論」が、
「思い上がり」と見なされ拒絶される。

多くの民主主義国で見られる現象。

コラムニスト。
「わが国も近々そうなるのではないか」

そしてつぶやく。
「高邁(こうまい)な議論を見かけるたびに、
危ういものを感じている」

高邁な議論が危うい。

真理をついた言説だ。

ほんとうに気をつけねばならない。

ただしその反対の「嘘っぱちだらけ」の、
エコーチェンバーもある。

これはもっといけない。

政治の世界でも、産業や会社でも、
高邁なエコーチェンバーが生まれる。
そして反動のごとく、
その高邁を真っ向から否定する、
空論が頭をもたげてくる。

そのせめぎ合いが組織である。

そんなときには、
いつも現場に戻る。
顧客に戻る。

もどるところがあることが、
「商売」というものの優れたところだ。

現場や顧客まで否定する者は、
「空論」どころか「嘘つき」である。

今、世界的に反動のほうが強くなっている。
民主主義の否定であり、排除である。
それが不気味だ。

けれど忘れてはならない。
「高邁な議論」は危うい。

以て自戒とすべし。

〈結城義晴〉

2024年12月24日(火曜日)

ジョン・レノン「Happy Christmas」の夜に思ったこと

ジョン・レノンのクリスマスソング。
「ハッピー・クリスマス」
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Happy Xmas (War Is Over)

So this is Xmas
And what have you done?
Another year over
And a new one just begun

そう今日はクリスマス
君は何をした?
今年も終わってしまう
新しい年がいま始まる

And so this is Xmas
I hope you have fun
The near and the dear one
The old and the young

そう、今日はクリスマス
君が幸せでいるといいな
そばにいる人も、大切な人も
お年寄りも、若い人も

A very Merry Xmas
And a happy New Year
Let’s hope it’s a good one
Without any fear

メリークリスマス
そして新年おめでとう
良い年になることを願うよ
怖くなんかない年に

And so this is Xmas
For weak and for strong
For rich and the poor ones
The world is so wrong

そう、今日はクリスマス
弱い人にも、強い人にも
豊かな人にも、貧しい人にも
世界はひどくおかしい

And so happy Xmas
For black and for white
For yellow and red ones
Let’s stop all the fight

そして、幸せなクリスマス
黒い人も、白い人も
黄色い人も、赤い人も
すべての闘いをやめよう
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War is over! If you want it
War is over! Now!
Happy Christmas!
Happy Christmas!

君がそれを望むなら戦争は終わる
闘いはいま終わる
ハッピー・クリスマス!
ハッピー・クリスマス!
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1970年4月、ビートルズが解散。

翌1971年のこの曲は、
オノ・ヨーコとの共作。

1973年1月、米軍は、
ベトナム戦争から全面撤退した。

1975年4月30日、
南ベトナムの首都サイゴンが陥落。

ジョンは喜んだろうか。

それから5年、
1980年12月8日、
マンハッタンのダコタハウス前で、
銃撃に倒れた。

日経新聞夕刊一面の連載、
「あすへの話題」
6人の書き手が順番に半年間綴ってきた。
今週はその最終回。

だからみんな、
思い入れたっぷりのエッセイとなった。

今日は報道写真家の大石芳野さん。

「小さな石」 

「戦争は終わっても終わらない」
大石さんは戦地で写真を撮り続け、
写真集や著作などで主張し続けてきた。

「けれど現状は厳しく、
事態は深刻になり複雑化している」

「強国の攻撃を受けたら、
弱小国は他国の援助に頼るしかない。
人びとの人権と尊厳を護るのに必須だから」

「20世紀の日本人が体験した戦争、
その後のベトナム戦争などが再現される
今の悍(おぞ)ましさのなかで
わたしたちは生きている」
51Cw4U6qntL「いまだに傷痕に苛(さいな)まれる個人。
弾丸に苦しむパレスチナ、ウクライナ、
はたまた内紛に苦しむ
ミャンマーやスーダンの人びと」

「終わらない戦争という現実に
暗澹(あんたん)となる」

それはジョンの生きた時代よりも、
はるかに複雑で深刻だ。

大石さん。
「惟(おもいみ)ると、
小石を水面に投げれば波紋ができる。
一人の声は小さくても伝播(でんぱ)していく」

「個人の存在は小さな石でも、
集まれば広場にもなる」

いや、大石になる(!?)

「その力を信じながら
写真の道を歩いてきただけに、
微力だけれど諦めたくはない」

「小さな石を投げ続ければ、
何かが変わる可能性に期待したい」

ジョンの「Happy Christmas」も、
たった一つの短い歌だが、
何かを変える力をもっている。

今夜は世界中で歌いたい。
Let’s stop all the fight

考えてみると、
ジョン・レノンと、
ポール・マッカートニーは、
偉大な音楽商人でもあった。

だから長い音楽の歴史のなかで、
誰よりもマネーを稼いだ。

商人は何かを変える力をもっている。

ジョンはストイックな商人で、
ポールはエピキュリアンの商人だった。

ジョンは内向的で、
ポールは外向的だった。
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その二人が一緒になったからこそ、
レノン&マッカートニーは、
ベートーベンやモーツアルトと、
並び称される存在となった。
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あなたはどっち派の商人だろうか。
振り返ってみてほしい。

どちらも尊い。
どちらも素晴らしい。

できれば自分と反対の相棒をもちたい。

それがレノン&マッカートニーになる、
たった一つの条件だ。

そして同じ歌を一緒に歌いたい。
A very Merry Xmas
And a happy New Year
Let’s hope it’s a good one
Without any fear

ありがとう、
メリー・クリスマス。

〈結城義晴〉

2024年12月23日(月曜日)

年末商戦の「無呼吸泳法」と令和名人会の「得意平然・失意泰然」

Everyone, Good Monday!
[2024vol52]

2024年第52週。

1月1日の週を第1週と数えて、
今週は第52番目。

そして12月第4週。

あと1週間と2日。
押し詰まってきました。

日本列島に寒波が襲来して、
日本海側を中心に大雪。

お見舞い申し上げたい。

今年のクリスマス・イブは火曜日、
クリスマスは水曜日。

だから21日、22日の週末から、
世間はずっとクリスマス気分だ。

あるスーパーマーケットの社長。
「昔はこの時期から大みそかまで、
売って売って売りまくれ、とやってたが、
今は、きちんと休みを取らせる。
時代です」

しかし店長やチーフは、
心持ちとして年末まで、
無呼吸泳法のごときものだ。

毎年、私はそう言っている。
そしてこの時期の商売ほど、
楽しいものはない。

年始に休業するチェーンストアが増えている。

3が日を休業する会社は増えた。

関東では、
ライフ、ヤオコー、オーケー、
サミット、東急ストアなど。

関西では、
ライフ、万代、アプロ、マルヤスなど。

1日と2日の休業は、
関西スーパー、阪急オアシス、イズミヤ。
H2Oのグループ。
そしてバロー。

ロピアとエイヴイは、
4日まで休業する。

一方、イオンやイトーヨーカ堂、ハローズ、
そしてマックスバリュ各社は、
1日から営業する。

それぞれに、
正月休みに営業しない日を決めていて、
それはそれでいいと思う。

年末は無呼吸泳法で、
年始は休む。

それが小売業の潮流だ。

さて私たちは、
令和名人会2日目。

1年間、必死の思いで働いてきたので、
年末くらいは2日連続でラウンドして、
自分の体力を自覚する。

そして来年に臨む。

そんな趣旨で毎年、
拡大版を開催している。

2日目の舞台は、
ザ・カントリークラブ・ジャパン。IMG_8300 (002)

メンバーも入れ替わって2組8人。
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ブルーチップの重鎮、お二人が加わった。
昨晩の懇親会から参加の宮本洋一社長と、
中野茂常務取締役(左)。

そして松井康彦さん。
商業界時代は一番うまいゴルファーだった。

いいコースで、いい天気。

12月にしては最高のゴルフ日和だった。IMG_8293 (002)

ラウンドが終わって、
懇親会。

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新ぺリア方式による優勝者は、
ブルーチップの平野一郎さん。

残念ながらラウンド直後に仕事に戻って、
表彰式には出られず。

今年は、
表彰式に参加できない人が優勝する年だった。

準優勝は松井康彦さん、
三位は昨日も今日も結城義晴。

私は宮本さん、中野さん、新谷さんと回って、
楽しいラウンドだった。

少しだけまともなゴルフに戻ってきた。

ありがとうございました。

最後に7人で写真。IMG_8301 (002)

最後に再び格言。

ベン・ホーガンは、
励みになることを言っている。
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「ゴルフに年齢はない。
これを行う強い意志さえあれば、
何歳からでも上達する」

仕事も全く同じだ。

強い意志をもって、
仕事とゴルフに向き合いたい。

私はゴルフに関して、
自分で言うのも恐縮だが、
とてもまじめです。

仕事と同じ。

アーサー・バルフォア。
イギリスの政治哲学者。
「時間にルーズな者は、
ゴルフに近づいてはいけない」

これも仕事に通じる。

「得意平然、失意泰然」
いいプレーをしたときは平然とせよ。
大失敗をしたときは泰然とせよ。

平然の「平」はたいらであること。
泰然の「泰」はやすらかであること。

つまり、
うまくいっても、
うまくいかなくても、
心を動かさず、
落ち着いていなさい。

これこそ仕事の極意だ。

ゴルフは仕事に通じる。

荒井伸也さん。
サミット㈱の元社長、会長。
作家・安土敏。
その一番のゴルフ名言。
「利益を追い過ぎることを、
ヘッドアップと言う」

今年も来年も、
得意平然、失意泰然。

ではみなさん、今週も、
平然・泰然と無呼吸泳法、
利益を追い過ぎるな。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2024年12月22日(日曜日)

拡大令和名人会の「良い人柄と良いスイングしか役に立たない」

冬至のあとの日曜日。

毎年恒例の令和拡大名人会。
1989年にスタートして35年間。
結城義晴が食品商業編集長に就任したとき、
筆者の先生方がゴルフコンペを開いてくださった。
それをきっかけに恒常的なゴルフ会が発足した。

それが迷人会。

最初のメンバーは4人。
故小森勝さん、浅香健一さん、鈴木國朗さん、
そして結城義晴。
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小森さんが亡くなられて、
土井弘さんがメンバーに入ってくださった。
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その後、浅香さん、土井さんが、
順番に引退されて、
宮本洋一さんと新谷千里さんが、
参加してくださった。
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鈴木さんと私がずっと、
オリジナルメンバー。

いつの間にか迷う人たちの会は、
名人の会に名前を変えた。

そして年に2回は、
この4人にさらに参加を募って、
拡大版のゴルフコンペを開催するようになった。

今回は上総モナークカントリー倶楽部。IMG_8282 (002)

12月終盤ながらいい天気。IMG_8280 (002)

ジャック・ニクラウスが設計者。IMG_8281 (002)

朝のルール確認。IMG_8285 (002)

そして記念写真。
急な欠席者もあって、
7人となった。

新ぺリア方式で技術を競った。
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左からブルーチップの平野一郎さん、平野博宜さん。
鈴木さん、結城、新谷さん。
そして㈱白石の白石純一郎社長。

その白石さんが優勝。

白石さんはドラコン賞を3つ、
ニアピン賞を1つ、バーディー賞を1つ。
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急遽、初日だけの参加となったが、
ほんとうにおめでとう。

会場を移して、
ザ・カントリークラブ・ジャパン。IMG_8287 (002)

ここで夕食懇親会。
私が乾杯の音頭をとった。IMG_8289 (002)

宮本洋一さんと松井康彦さんが加わった。
宮本さんはブルーチップ社長、
松井さんは商人舎上級プロデューサー。IMG_8288 (002)

うまい食事といい酒。

そして最近の小売業界の情勢など、
大いに語り合った。

中締めの挨拶は鈴木國朗さん。IMG_8291 (002)

いつものようにユーモアたっぷりのスピーチ。IMG_8292 (002)
の後、私の部屋に集まって、
二次会を開催。

よく遊び、良く話した一日だった。

ありがとうございます。

最後に私の好きなゴルフの格言。

Let your club do the work.
あなたのクラブに仕事をさせよ。
(スコットランドに伝わることわざ)

セルフサービスのビジネスは、
「あなたの顧客に仕事をさせよ」である。

Slow back, Slow down.
ゆっくり上げて、ゆっくり下ろせ。
(これもスコットランドの言い伝え)

私が今日、実践したのはこれだ。
とくに「ゆっくり下ろせ」は、
意外なことだが最も大事なことだ。

これを忘れると、
球はどこに行くかわからない。

「ゴルフは素敵なゲームだ。
自分がうまくプレイできないことを悟るのに、
40年近くかかってしまった」
(テッド・レイ)

まさに結城義晴のことを言っている。

「ゴルフは恋愛のようだ。
真剣にしないと、つまらない。
真剣すぎると、がっくりすることになる」
(アーサー・デイリー)

同感だ。

Miss ‘em quick.
「早くミスせよ」
(ジョージ・ダンカン)

意外なようだが、
ミスをすることが、
最後に成果を上げるコツだ。

Play your own Golf.
「あなた自身のゴルフをプレーせよ」

ゴルフにもポジショニングが必要だ。

そして最後にジャック・ニクラウス。
「ゴルフでは、
良い人柄と良いスイングしか
役に立たない」

ゴルフは仕事や人生と同じだ。

ありがとう。
(明日も続きます)

〈結城義晴〉

2024年12月21日(土曜日)

幸田露伴の「あとみよそわか」と「商品マスター&商品コンテンツ」

2024年の冬至。

日一分一分ちゞまる冬至かな
〈正岡子規〉

少しずつ昼が縮まって、
今年も冬至。

これからだんだん、
陽が長くなる。

その微妙な変化が楽しい。

山陽新聞の巻頭コラム「滴一滴」

作家の幸田文の女学生のころのこと。
「豆腐の切り方や雑巾の絞り方を、
父の露伴から習った」

露伴は時の文豪とはいえ生家は貧しく、
何でも手伝いながら育った人。
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自分なりに合理的な手法を編み出した。

掃き掃除一つとっても、
その教えは奥が深い。

「ほうきは筆と心得て、
穂先が利くように
使いならさなければならない」

道具をどう扱い、動きに緩急を付けるか。
畳の目と縁ではどう違うか。

「やらせて見る。
やって見せる。
再度やらせる。
身に付くまで稽古した」

そこで面白いのは、
しまう前に必ず呪文を唱えるように指導したこと。
その呪文は、
「あとみよそわか」

「跡を見よ、つまり振り返って
いま一度確認しなさい」という意味。

「後工程はお客様」と同じ。

幸田露伴が幸田文に、
「あとみよそわか」と教えた。

師走に似合う、いい話だ。

月刊商人舎では、
2017年3月号で特集した。
商品情報Platform
「商品Master/商品Contents」の共有と競争
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もう8年前になる。

[Cover Message]
欧米ではワン・ワールド・シンク(1WorldSync)。日本では非食品のプラネット(Planet)と食品のジャパン・インフォレックス(JII)。商品マスタ(Product Master)が整備され、商品情報の交換と交流によって、数多の商品がつつがなく流通・供給される。そこでは情報をベースとした社会システムの標準化と効率化、合理化、最適化が推進される。製配販のサプライチェーン・マネジメントが貫徹される。さらに商品デジタルコンテンツが充実して、実店舗とElectronic Commerceが融合する時代がやってくる。結果として豊かで、多様で、低価で、オムニチャネルのライフスタイルが保障される。そのためのさまざまな社会インフラが構築される。それが近未来型の「商品情報プラットフォーム」である。この動きを推し進める者、阻む者、そして傍観する者。鍵を握るのは、Platform概念の産業レベルでの社会化と、その「共有と競争」の共通認識に他ならない。
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商品情報のPlatformに焦点を当てたが、
そのベースとなるのが商品マスターだ。
そして商品コンテンツは一元化されねばならない。

店頭での競争はそのあとの話だ。

私はニハット・アーカンさんと、
オンライン対談をした。
1WorldSync Global CEO。
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「もうTechnologyの問題ではない!
Approach&Processの競争時代だ!」

この特集はグローバルな視点だったが、
日本のチェーンストアには早すぎたか。

一部の読者以外にはあまり反応はなかった。

それでも問題意識は変わらない。
いや問題が向こうから近付いてきた。

特集のまえがきの最後に私は書いている。
「かくて、世界のプラットフォーム・ビジネスは、
参画せずにはいられない存在となってしまった。
ガラパゴス化した特殊な世界を除いて」

SM物流研究会はその序章である。

その時に必要なこと。

私が書いた「Message」

「標準化」の呪縛を解け!

これほど誤解されている概念はない。
「標準化」「standardization」
最も標準となる「広辞苑」で調べる。

すると「標準に合わせること」
または「標準に従って統一すること」
その結果、「互換性が高まる」

では合わせるべき「標準」とは何か。
What is the standard?
同じく広辞苑。

①判断のよりどころ。
②あるべき形。
③いちばん普通のあり方。

ところが小売りサービス業、
とりわけチェーンストアでは、
「例外行動をなくすこと」となる。

だから経営者や幹部は嘆く。
「わが社では標準化が進んでいない」
「もっと標準化しなければならない」

コンサルタントは叫ぶ。
「おたくは標準化ができていない。
だから効率が悪い、生産性が低い」

しかし、本当の標準化は、
わが社だけのものではない。
良いものに、全体に、合わせることだ。

その分野の規格に合わせる。
全体最適の基準に従う。
プラットフォームがあればそれに乗る。

そのうえで競争する。
標準化の上で個性を発揮させる。
だから本来、「標準化競争」はおかしい。

標準化の呪縛を解け。
標準化の誤解を正せ。
標準化の亡霊を拭い去れ。

活用できるものは大いに使え。
多くが参画すればコストは飛躍的に下がる。
合理化、効率化が進み、生産性は高まる。

標準化は人類の英知によってもたらされた。
その進化は信頼感と透明性に支えられる。
この標準化の共通認識こそ産業化の礎である。

そして標準化は総体的な経費を削減する。
人々の仕事を軽減させてくれる。
標準の上に展開される個性化は豊かさをもたらす。
〈結城義晴〉
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2017年3月号、もう一度読んでほしい。

物流にも商品マスターの共有にも、
「あとみよそわか」の精神がなければならない。

「公平で中立でわかりやすく」は、
世界共通の認識なのだ。

〈結城義晴〉

2024年12月20日(金曜日)

記者会見2本/関西SM物流研究会発足とヤオコーの来年の展望

あすの冬至を控えて今日は、
年末の記者会見が二つ。

一つは日本スーパーマーケット協会の会見。
ベルサール東京日本橋。IMG_9873 (002)

私はこちらに参加した。

11月のスーパーマーケット統計発表。
既存店の前年比は104.3%だった。

同じく11月の日本生活協同組合連合会の統計。
こちらは前年比102.6%。
店舗が101.8%、宅配が103.2%、
宅配のうちの個配が一番伸びていて104.9%。

それから岩崎高治会長の1年間の総括。
㈱ライフコーポレーション社長。
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「手ごたえのあった1年」と総括した。
首都圏SM物流研究会も参加企業が19社に増えた。

2025年年頭所感が発表されている。

「年収の壁」に関する提言も、
スーパーマーケット三団体会長の連名で、
3つの観点から公開されている。

これらの内容は解説を加えて、
月刊商人舎1月号に掲載する。

さらに、
「関西SM物流研究会発足」の発表。 

続いて岩崎会長が趣旨を説明した。

まず4社の参加によって、
初回研究会は2025年2月20日に開催される。
㈱平和堂、㈱万代、㈱オークワ、
そしてライフコーポレーション。

当面の課題は3つ。
⑴物流の効率化
⑵共同配送の検討
⑶荷待ち・荷役作業等時間の削減

加えて、
⑷参加企業トップのコミットメント

そのあとは3社からの決意表明。

平松正嗣平和堂社長。
「関西の2府7県で168店を展開している。
祖業は靴と鞄の店だったが、
現在は8割が食品となった。
だからこの研究会で問題を解決していく」IMG_9887 (002)

阿部秀行㈱万代社長。
「4社で関西のスーパーマーケットの、
31%のシェアを占める。
現在も競争はしているが、
互いにコストを下げる必要がある。
物流問題は2024年で終わるわけではない。
どんどん厳しくなっていく」IMG_9891 (002)

大桑弘嗣オークワ社長。
「最初に協会で研究会をやると聞いたとき、
4点は自分のところでやっていた。
しかしお盆商戦の前は、
計画を組んだ以上のことはやれなかった。
イレギュラーな場合の問題解決が必要だ」IMG_9898 (002)
その後、質疑応答。

この議論も月刊商人舎1月号で掲載する。

4人のハドルをカメラが囲んで撮影。IMG_9903 (002)

31%のシェアの4社だが、
もうすでに41%くらいの企業が参加するようだ。IMG_9909 (002)

物流研究会には裏方さんが大事だ。

時岡肯平日本加工食品卸協会専務理事。
國分出身のコーネル大学ジャパン1期生。IMG_9911 (002)

そして江口法生さん。
日本スーパーマーケット協会専務理事。IMG_9912 (002)

物流は協働・協調し、
店頭では競争する。 

岩崎さんが強調した。
「公平で中立でわかりやすく」

それがこの研究会の在り方だ。

この研究会に限らない。
イオンやセブン&アイも含めて、
日本全国で物流の協調・協働は必須だ。

中小チェーンだとか大チェーンだとか、
そんなことは問題ではない。

それから政府の補助金など求める必要はない。
あくまでも小売業・卸売業・製造業の、
現場が改革、改善され、
全体最適を目指す。

それには自分たちでやり切ることだ。

一方、埼玉県の川越では、
ヤオコー年末記者会見。

山本恭広商人舎編集長が取材。

テーマは、
本事業年度の進捗状況と次年度の展望。

川越駅から徒歩10分、
ヤオコーの「サポートセンター」。
チェーンストアの本部をヤオコーでは、
店舗をサポートするセンターと呼ぶ。
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会場には約30人の記者が集まった。IMG_4601

冒頭、川野澄人社長から営業の近況報告。IMG_4592

11月までの累計で既存店伸び率は106.1%。
客数103.5%、客単価102.7%、一品単価103.1%。
すべての項目で対前年増を記録する。

続いて、今期の進捗報告。
第11次中期経営計画の初年度。

重点施策は3つ。
第1は「南北政策」。
群馬、栃木、茨城の北エリアはシニア、
神奈川などの南エリアはヤングミドルを、
それぞれメインターゲットにする。

ヤオコーがKPIの一つにするのが、
1㎞圏内シェア。

現在は全体平均で17.18%。

南北では差が出る。
北は1㎞圏内シェア40%を超える店もある。
しかし、絶対的に商圏が薄いため、
3㎞圏内まで広げて占拠率を高める施策を打つ。

一方、南は商圏が高密度であるから、
10%程度でも成り立つ。

第2は「生鮮部門の強化」。
たとえば鮮魚の豊洲まつりは支持が定着した。
トマトはSKU拡大と鮮度管理の徹底で、
さらに売上げが伸びた。

第3は「運営の効率化」。
フルセルフレジと電子棚札の導入。
物流センターの運営改善。

着々と手を打った。

最後に川野社長が強調したこと。
「奇をてらったことはしない。強みを磨く」

納得。

さて私たちは記者会見のあとで田町へ。

札ノ辻スクエア。IMG_8254 (002)

箱根駅伝でも有名な札ノ辻の交差点。IMG_9921 (002)

その海側に開発されたのが札ノ辻スクエア。

2階にオーケーの新店がある。IMG_9923 (002)

商人舎流通SuperNews。
オーケーnews|
東京都港区・229坪の都市型店「オーケー札の辻店」5/10開設IMG_9922 (002)

オーケーの店は2階にある。
入り口は狭い。
売場面積も229坪と狭い。
駐車場は共用で有料の52台。
賃貸物件だ。IMG_9919 (002)

横長のフロアでコの字型のレイアウト。
両サイドがオープンケースのワンウェイ方式。
オーケーの定石。IMG_9914 (002)

青果から精肉へ。
ほとんど標準化された品揃え。IMG_9915 (002)

奥主通路を曲がると日配から惣菜へ。
これもいつものオーケーと変わらない。IMG_9917 (002)

中通路は2本で冷凍食品のリーチインケースが並ぶ。IMG_9918 (002)
うしてみるとオーケーは、
普通のコンビニエンスなスーパーマーケットだ。

都心小型店だから、
それが際立って見える。

エブリデーロープライスが最大の特徴だ。

札ノ辻の交差点から、
東京タワーが輝いて見えた。IMG_9920 (002)

物流は協働・協調し、
店頭では競争する。 

あくまでも、
「公平で中立でわかりやすく」

それが関西でも一歩前進した。

〈結城義晴〉

2024年12月19日(木曜日)

渡邉恒雄読売新聞主筆の逝去と中曽根康弘元総理の「憲法改正観」

月刊商人舎の新年号に向けて、
トップマネジメントの皆さんに、
アンケートをお願いしています。

もうすでに、
ご回答をくださった企業もあります。

よろしくお願いします。

さて今日は商人舎オフィス。
新年1月号の原稿を1本入稿した。

2025年の新たな年を迎えるから、
新進の経営学者に寄稿してもらった。
流通科学大学商学部の白鳥和生教授。

楽しみにしてください。

それから東京駅へ。
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大手町の銀杏は最後の紅葉。
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銀杏並木が美しい。
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その銀杏の中に桜の木が一本。
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早咲き。
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東京は今年一番の寒さだったが、
見事に開花した。
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良いものを見せてもらった。
ちょっと得した気分になった。

そして大手町プレイスタワーへ。
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その地下1階の大手松プレイス内科。IMG_8251 (002)
毎月の血液と尿の検査。
そして診察。

ヘモグロビンA1cは6.2。
今月も合格。
中性脂肪が少し高い。
尿酸値も4.7。

ただしCPKが60。
完全な運動不足。

検査は凄い。

体に関してあらゆることがわかる。

車やタクシーを減らして、
歩け、歩け。

それから毎日のスクワットを2倍にしよう。

それでもタニタの体重計では、
体内年齢が実年齢より15歳若い57歳だ。

田嶼尚子先生、
1年間ありがとうございました。

来年も頑張ります。
よろしくお願いします。

さて渡邉恒雄さんが亡くなった。
㈱読売新聞グループ本社代表取締役主筆。
大正15年生まれの98歳だった。

死ぬまで代表取締役で、
なおかつ主筆だった。

故渥美俊一先生と同年。
読売新聞記者としては、
ナベツネさんが1年先輩だった。

渥美先生は商業担当記者、
渡邉さんは政治担当。
2011年に亡くなった氏家齊一郎さんは経済担当。
日本テレビ放送網の社長・会長。

みんな大正15年生まれの東大卒。

渡邉さんが学生時代に共産党に入党して、
氏家さんを誘った。

その氏家さんはセゾンの堤清二さんとも親しく、
同じく共産党員だった。

彼らの「先輩格」だったのが、
西友の実質的な創業者・上野光平さんだった。
共産党の東大細胞の理論的支柱だった。

渡邉さんは文学部を卒業、
氏家さんは経済学部、
渥美先生は法学部出身。

ナベツネさんは、
ジャーナリストとしても一流だったが、
政界の中に入り込んで、
とくに故中曽根康弘元首相と昵懇の仲だった。
読売ジャイアンツのオーナーにも就任して、
日本の野球界に君臨した。

しかし本質的には、
ジャーナリストではなかったのだと私は思う。

日経新聞「私の履歴書」
今月はジェラルド・カーティスさん。
コロンビア大学名誉教授。
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日本語に堪能の日本政治の専門家。

履歴書では日本の政治家との交流が面白い。
そのなかで秀逸なのは、
第16回の「中曽根康弘氏」

カーティス教授は1966年に再来日して、
中曽根さんと出会う。

そして旧大分2区の選挙区を舞台にして、
『代議士の誕生』という博士論文を執筆する。
それが出世作となった。
「選挙のお手本」とまで言われる名著だ。
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そのきっかけを中曽根さんがつくってくれた。

交流は中曽根さんが亡くなるまで続いた。

出会いから16年後の82年に、
中曽根総理が誕生し、
5年にわたりその座にとどまった。

国内では国鉄や電電公社の民営化を進めた。
日米同盟の重要性を唱えて、
ロナルド・レーガン大統領と、
「ロン・ヤス」と呼び合う親密な関係を築いた。

カーティス教授。
「日米の首脳がファスト・ネームで呼び合う習慣は
その後も続いたが『ロン・ヤス』は本物だったと思う」

米国の影響下で起草された憲法の改正を主張し、
首相になっても『戦後の総決算』を訴えた。

右派のナショナリストとの印象がある。
カーティス教授は、
「私は『国際的なナショナリスト』という表現が
正しいと思う」

「偏屈な日本中心の視点ではなく、
世界における日本の立ち位置を常に考えつつ、
洗練された目で外交・国際問題を観察していて
学ぶことが多かった」

「教養があり、哲学的に深い人物だった」

カーティス教授の印象に強く残っているのが、
憲法改正をめぐる中曽根さんの考え方の変化だ。

変わったあとの2013年2月のインタビュー。

「憲法の改正はだんだん遠ざかる。
一般の人たちはそれほど改正の必要を感じない。
憲法の独自性とか、誕生の秘密性とか、
そういう問題は我々の時代には非常に強かったが、
時間がたってみたら、
そのような意識はほとんどなくなって、
中身が良いか悪いか、
そう悪くないじゃないかと、
そういう過程に入ってきている」

この中曽根元総理の見方は正しいと思う。

カーティス教授。
「日本は歴史上、外のものを多く輸入、消化し、
自分のものとしてきた」

「憲法も誕生の過程はともかく、
時を経て日本国民に受け入れられたのだから
全面改正の必要はなく、
不都合な部分に手を入れればいい。
そういう思いなのだと私は受け止めた」

同感だ。

最後に会ったのは100歳の時。
「国際情勢への関心をいささかも
失っていなかった」

翌年、101歳で大往生した。
「少し前にほほ笑みながら読んでくれた
自作の詩を思い出した」

「夢見るのは飽きた。
今は寝るだけだ」

渡邉恒雄さんも、
同じ気持ちなのだろうと思う。

ご冥福を祈りたい。

〈結城義晴〉

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