結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年02月18日(日曜日)

Hudson Yard Edgeの絶景とスーパーボウルの「感性と思考」

帰国してから、
14時間眠った。

疲れていた。

久しぶりに、
朝日新聞「折々のことば」
第3002回。

感性は、
思考なしにはありえないのに、

考えないことが感じることだと
思っている人がたくさんいる。
〈多和田葉子〉

同感だ。

多和田さん。
「このことは、
女性の文芸評論家がほとんどいない
日本文学の『グロテスク』な環境と
無関係でない」

「自分の作品を
『受けとめて投げ返してくれる同性』
の存在が少なすぎる」

多和田葉子さんは1960年生まれ。

ドイツのベルリンに住んで、
日本語とドイツ語で、
小説や詩やエッセイを書く。

日本では『犬婿入り』で芥川賞、
ドイツではゲーテ・メダルを受賞。

二つの言語を習得し、
その間の表現やニュアンスの差異を考え、
国や文化の違いを見切る。

昨日のブログで、
マザー・テレサの言葉を引用した。

思考に気をつけなさい。
それはいつか言葉になるから。

思考なしには、
感性もあり得ない。

「思考もまたセンスや鮮度が問われる。
周囲の微細な変化を感知する
アンテナのような」

随想集『カタコトのうわごと』から。
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ニューヨーク・マンハッタン。
ロピア2024研修第3陣の自由研修時間。

私はホテルに帰って、
部屋で仕事をした。

それから夕方、ホテルから歩いて、
ハドソンヤードへ。

15分ほど。

再開発プロジェクトによって、
超高層ビル、商業施設、文化施設、学校、
マンションなどのビル群が立ち並ぶ。

開発エリアは広大な約11ヘクタール。
ミッドタウン・ウエストから、
チェルシー地区まで。
ロングアイランド鉄道の
ウエスト・サイド車庫の上に位置していて、
まだ開発の途中にある。
総工費は250億ドルに上る。

最新の観光地として、
連日にぎわっている。

ひときわ人目を引くのが、
「Vessel(ベッセル)」
階段と踊り場だけの、
蜂の巣のような巨大建造物。
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トーマス・ヘザーウィックの作品。
イギリス出身の建築家。

その前で記念写真。

左が浅野秀二さん。
私の右が3陣・4陣の団長の井上裕一さん。
ロピア九州営業本部長。
そして現地ガイドの富澤由紀子さん。IMG_3270

そしてエッジニューヨーク。
高さ1131フィート、約345mのビル。IMG_2333

そのてっぺんに、
三角形に飛び出た展望台がある。

Edgeは西半球随一の高さ。

野外スカイデッキ。
レストラン客は、
無料で展望台を利用できる。
だからレストランを予約した。
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レストラン専用の入り口。
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ここからエレベーターで100階に移動。

マンハッタンが360度ぐるりと見える。IMG_2340

コーン・ペダーセン・フォックスの設計。

イーストリバーの向こうに、
ブルックリンが見える。
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私たちが泊まっているホテルが真下に見える。
ザ・ニューヨーカー。
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夕暮れどきのハドソンリバー。
遠くに自由の女神。
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展望台の一番先のところに、
ガラス越しに真下が見える場所がある。IMG_2350

座って景色を楽しめる場所もある。IMG_2353

展望台はガラスで囲まれている。
けれど高所恐怖症の私は、
縁には近づかない。
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101階にあるレストラン&バーへ。
「ピーク(Peak )」
食事をしながら、
マンハッタンの絶景が楽しめる。

だから予約が取りにくい。
ところが今日はスーパーボウルの日。
ラッキーなことに空きがあった。IMG_2369

5時15分に予約した。
夕景から夜景までの絶景を楽しむためだ。

キャッツキル・ブルワリーの
ブラックラガーで乾杯。
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チコリのサラダ。
ちょっと苦みがあるチコリを、
甘いドレッシングで和えてある。
美味。
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カモのロースト。
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メインは35日間熟成させた、
ポーターハウスステーキ。
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真ん中にTボーン。
右がテンダーロイン、
左がサーロイン。

カベルネ・ソーヴィニオンの赤ワイン。
料理を堪能しているうちに、
外は夜景に変わっていった。
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赤いネオンのエンパイヤステートビル。IMG_2377

展望台の透明ガラス。
夕暮れどきよりも怖くはない。IMG_2381

マンハッタンを征服した気分になる。IMG_2383

食事を終えて部屋に帰ると、
第58回スーパーボウルの試合が続いていた。
ネバダ州ラスベガス、
アレジアント・スタジアム。

AFC王者のカンザスシティ・チーフスと、
NFC覇者のサンフランシスコ・49ers。
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第2クオーターまで10対3で、
サンフランシスコがリード。

その後、第3クオーターに、
カンザスシティが10点を入れて、
10対13。
第4クオーターは19対19で、
延長に入った。

その延長でも追いつ追われつ。
22対25でチーフスが勝利した。IMG_23984

アメリカ中が沸きに沸いた。IMG_23964

次々に喜びのコメント。 IMG_2401r5

MVPはパトリック・マホームズ。
決勝TDパスを決めたクオーターバック。
3度目の栄冠を得た28歳。IMG_24044

いい夜だった。

いい食事、いい景色、
いいゲーム。

感性は思考なしにはあり得ない。
その通り。

〈結城義晴〉

2024年02月17日(土曜日)

ニューヨークからの帰国講義の「思考に気をつけなさい」

帰国の朝。

ザ・ニューヨーカー・ウィンダム。 IMG_3352

9時にリムジンバスで出発。
ジョンFケネディ空港に向けて。

マンハッタンを出るまでは、
ガイドの富澤由紀子さんにマイクを渡して、
最後の観光案内。

摩天楼がうしろに見えるころ、
団長の井上裕一さんから、
最後のメッセージ。 IMG_37864

それから第4団リーダーの宋昌錫さんも一言。IMG_37924

そのあとは最後の結城義晴の講義。
今日も40分ほど。

第四部「商品が変わる」
商品問題を簡潔に言えば、
コモディティ化の進捗である。
ロピアのチーフたちにも、
それへの対応が求められる。

しかし世界史上でコモディティ化を、
逆手に取って成功した例がある。
ウォルマートのサム・ウォルトンである。

サムは1980年に、
モーターオイル1品目から、
エブリデーロープライスを始めた。

それこそコモディティ化を認識した、
優れたマーケティング感覚だった。
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最後の講義のもう一つのテーマは、
ロイヤルカスタマーとイノベーション。

小売業・サービス業の究極の仕事は、
ロイヤルカスタマーをつくることだ。

そのロイヤルカスタマーとは、
その店、その企業の商品やサービスに
心から満足し、繰り返し利用してくれるお客様。

顧客はきちんと対応すれば戻ってきてくれる。
商品はきちんと取り扱えば戻ってこない。

もう一つはイノベーション。
イノベーションの原理は、
焦点を絞り、単純なものにする。
そして小さくスタートする。

ウォルマートには、
「グリーター制度」があった。
すなわち店頭の挨拶係の制度だ。
ウォルマートには、
全店の入り口で挨拶する係がいた。
それがウォルマートのホスピタリティを、
象徴し、成果を上げていた。

これを考え出したのは、
一人のパートタイマーの女性だった。

イノベーションとは、
シンプルなものだ。
そして小さくスタートさせるものだ。

空港に近づくと、
マザー・テレサの言葉。

Be careful of your thoughts,
for your thoughts become your words;
思考に気をつけなさい、
それはいつか言葉になるから。

Be careful of your words,
for your words become your deeds;
言葉に気をつけなさい、
それはいつか行動になるから。

Be careful of your deeds,
for your deeds become your habits;
行動に気をつけなさい、
それはいつか習慣になるから。

Be careful of your habits,
for your habits become your character;
習慣に気をつけなさい、
それはいつか性格になるから。

Be careful of your character,
for your character becomes your destiny.
性格に気をつけなさい、
それはいつか運命になるから。

私の海外研修は、
多くの店を見せる。
多くの情報を知らせる。
そして考えさせる。
思考を深めさせる。

思考が言葉になり、
言葉が行動になり、
行動が性格になり、
性格が運命を決める。

良く考えよ、
深く思考せよ。

それが結城義晴の最後のメッセージだ。

空港に到着。
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空いていて、あっという間に、
チェックインの手続きが済んだ。

そして全員写真。
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いかがでしょう。
みんな成長したでしょう。

それから手荷物検査。
アメリカは入国検査は厳しいが、
出国検査は簡素だ。

私はラウンジで仕事。
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そして12時10分、乗り込む。
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日本航空は約20 年ぶりに、
国際線新フラッグシップを導入した。
エアバスA350-1000型機。
今回は往復ともにこのA350-1000に当たった。
Cクラス切り取り
お陰様で快適だった。

飛び上がると光る海。
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ニューヨーク湾。
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遠景の上のほうにマンハッタンが小さく見える。IMG_27324

二つの摩天楼群。
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また来るぞ。
そう呼びかける。
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ジェット機は回り込んで、
再びマンハッタンを見せてくれる。IMG_27464

碁盤の目のマンハッタン。
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ハドソン川が光っている。
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15時間のフライト。
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太平洋は雲に覆われていた。
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そして千葉県が見えた。
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東京湾。
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東京羽田国際空港。
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エアバスA350-1000。
お世話になりました。
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バッゲージクレイムで、
みんなと握手して別れた。

それからリムジンバスで横浜へ。
みなとみらいが見えてくると、
ホッとする。
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お疲れ様。

帰国しました。

すべての人に、
ありがとう。

〈結城義晴〉

2024年02月16日(金曜日)

ロピアNYC研修「とびきり4店」と「正義を貫く者が勝つ」

世界中が悪くなっている。
それが止まらない。

アレクセイ・ナワリヌイ氏が死んだ。
ロシアの反体制派活動家。
プーチンがもっとも恐れる男。
47歳だった。
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北極圏の刑務所に収監されていた。
ヤマロ・ネネツ自治管区にある。

3月には大統領選挙が控えている。

プーチン政権がそれへの影響を考えて、
排除に動いたとの疑念が強まっている。

しかしこういった理不尽なことが行われて、
その真相を突き止めることができない。
罰することもできない。

悪い世の中だ。

ナワリヌイ氏は、
刑務所内の仮設裁判所で発言している。
ロシアのウクライナ侵攻について、
「私はこの戦争に反対です」

「この戦争は、
ロシアの問題から注意をそらすように
設計されていると思う。
それは、より大きな貧困につながるだけだ」

正しいと信じることを言う。
そんな勇気のある人間が、
殺害される。

惜しいことだ。

ナワリヌイ氏を救えなかった。
世界は悪くなっている。

残念なことだ。

私はニューヨーク7日目。
ロピア2024年米国研修第4団。

ザ・ニューヨーカー・ウィンダム2階ホール。
朝7時からセミナー。 IMG_36494

いつものようにロピアの経営理念の唱和。
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続いて接客7大用語。IMG_36444

第3陣と第4陣の団長は、
井上裕一さん。
ロピア九州本部長、42歳。IMG_36474

何度もアメリカ研修に参加しているが、
そのたびに学ぶことがある。

先輩として本部長として、
団員たちにしっかり動機づけをしてくれた。

その後、2時間の熱血講義。
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これまでに視察し学習した企業や店を、
改めて総括しつつ、
業種・業態とフォーマット戦略。
そのためのポジショニングの考え方。

ロピアの若手に理解してもらいたいことを、
事例を盛り込んで語る。

何度も書くけれど、
日本で講義をするよりも、
何十倍、何百倍も理解が進む。

その実物を、
これでもかと見せているからだ。IMG_36604

みんな、真剣に聞いてくれる。IMG_36694

そうするとまた熱が入る。IMG_36644

ロピアは「肉の宝屋藤沢店」の業種から始まった。
それが「ユータカラヤ」の業態になり、
「ロピア」のフォーマットに変わってきた。

急速に変わりつつ、
急激な成長を遂げた。

講義が終わると出発。
今日はちょっとだけ観光もした。

まずバッテリーパークのそばから、
自由の女神を臨む。
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現地ガイドの富澤由紀子さんの説明を聞く。
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やはりニューヨークに来たら、
私も自由の女神像は見たい。
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それからワンワールドトレードセンターへ。
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9・11メモリアルの説明を受ける。
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鎮魂のプール。
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そしてオキュラスで記念写真。
全員が厳粛な気持ちになった。
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つかの間の観光。
バスはブルックリンへ。

ホールフーズの環境対策店舗。
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一丁目一番地に、
冷蔵平ケースをおいて、
青果以外の商品をアピールする。
今日は生チョコレート。
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これは全米第一のスーパーマーケットの手法だ。
クローガーは必ずこの重要な売場に、
売れ筋の精肉アイテムを配置する。

入り口の青果部門に変化をつけるためだ。
ホールフーズもそれに倣っている。

創意を尊びつつ良いことは真似よ。
倉本長治の商売十訓だ。

それから見事な青果部門。
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オーガニックスーパーマーケットとして、
最強の部門である。
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鮮魚部門が独立している。
その対面売場。
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そして精肉の対面売場へ。
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精肉の対面売場の隣に、
「ファイン・カッツ」のスペースがある。
精肉のカッティングを見ることができる。
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店舗右翼はチーズ売場から、
惣菜・ベーカリーまで。
中央にはセルフデリの平ケースが並ぶ。
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最後はベーカリーだ。
パンだけでなく、ケーキとクッキーを、
焼きたてで提供する。
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2階にはイートインスペースがある。
そこから駐車場を見下ろすことができる。

駐車スペースには屋根が設けられていて、
その屋根にはソーラーシステムが施されている。
この店で使う電力はこの太陽光発電で賄われる。
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ホールフーズのフォーマットに満足して、
今度はトレーダー・ジョー。
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銀行の支店跡の物件に出店した。
天井が高く、快適な空間の店だ。
それはポジショニング要件を、
十二分に満たしている。
フォーマットは基本業態に、
ポジショニングをプラスしたものである。

入り口わきに店内チラシの配布場所がある。
「フィアレスフライヤー」と呼ぶ。
1カ月に1回の発行で、
プライベートブランドの解説が、
面白おかしく綴られている。
値段をアピールするチラシではない。
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その「フィアレスフライヤー」アイテムを、
エンドでずらりとそろえて展開している。IMG_26064

このエンドの売り方は斬新だ。IMG_37144

ニューアイテムのコーナーは、
どの店にも必ず設けられている。IMG_37064

店の入り口側のエンドと、
高い高い天井と、
銀行方式のチェックスタンド。IMG_26114

店舗中央には冷凍食品売場が、
縦に配置されている。IMG_26094

いつも行列ができるトレジョは、
ニューヨークの大繁盛店では、
この銀行方式のレジを採用する。
公平なチェックスタンドは、
並ぶ顧客にストレスを強いることがない。IMG_26034

ホールフーズとトレーダー・ジョー。
堪能した後はマンハッタンに戻る。

大注目のウェグマンズ。
アスタープレイス店。
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もともとはワナメーカー百貨店の建物。
その1階と地下1階を使った。
1階は天井も高い。
シックで快適な売場をつくった。
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その1階は即食売場。
これはセオリー。
ウェグマンズではフードサービス部門と呼ぶ。

入り口のバレンタイン売場は、
カットフルーツに変わっていた。
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即食の中で際立つのが寿司売場。
ネタとシャリの味、鮮度、メニューの豊富さ。
どれをとってもマンハッタンのトップである。IMG_26294

サラダは即食の王者だ。
ウェグマンズの得意のメニューだ。
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アジアンフードも即食。
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1階のフードサービスコーナーには、
ウェグマンズのミールソリューションの、
エッセンスが凝縮されている。
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エスカレーターで地下1階に降りると、
ウェグマンズの最大の各売場が登場する。
市場のイメージの青果部門。IMG_26274
い天井を補うために、
スケルトンにした上にボードを設ける。

平台の真ん中に籠盛りを入れて、
狭い売場で多品目多SKUを実現させる。
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青果部門に続くのが鮮魚部門。
「魚屋」のステージに、
エイドリアンさんが立っていた。IMG_26254

エイドリアンさんはこの魚屋の責任者で、
解体ショーの主役を務める。

4度目のインタビューにも、
ポジティブに答えてくれた。
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「リブ・ウェル(Live Well)」と呼ばれる、
従業員のケア機能の話をしてくれた。
生活のケアから精神面のケアまで、
24時間で対応してくれる。

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ウェグマンズは、
シングルマザーの従業員を大切にする。
エイドリアンさんもそのことに賛同し、
そんなウェグマンズという会社を誇りにしている。

魚屋の解体ショーの売場のわきに、
前回訪れた時のプレゼントが飾られていた。
ロピアのロピタ君。
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私は今日も感動した。
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最後の訪問は、
イータリーNYC1号店。
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オスカー・ファリネッティは、
家電チェーンのオーナーだった。
イタリアのユニユーロ。
その会社を売却してから、
イタリア中を巡ってスローフードを研究し、
2007年にイータリーを創業した。

2010年にこのマンハッタンに出店した。
そして大成功を収めた。

ミールソリューションの極致にある。
市場であり、食堂であり、
学校である店。
それがイータリーだ。

入り口を入るとイタリアの八百屋。IMG_26614

イタリアのチーズ屋。IMG_26674

そして食堂。
チーズ屋のそばにはチーズの食堂。
野菜のそばには野菜の食堂。
肉屋、魚屋にはその食堂。IMG_26594

生パスタ屋も製造小売業だ。 IMG_26584

開業のときにはパン屋だったが、
今は売れ筋のピザ屋に変わった。
団員はここで買物。IMG_26524

そしてピザ屋の前のテーブルで食べる。
美味しそう。
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ガブリ。
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市場で買って、
そこで食べる。

これがイータリーの王道の楽しみ方です。
ここまでですべての視察研修が終わった。

そして団員はそれぞれに自由研修に入っていった。

私たちはホテルに戻った。
最後の最後は浅野先生を囲んで、
井上団長とスリーショット。  IMG_37804

実にいい研修でした。
ありがとうございました。

小売業は正義を貫ける。
そして正義を貫いた者が勝つ。

そこが私は大好きだ。
(つづきます)

〈結城義晴〉

2024年02月15日(木曜日)

大雪で遅れたロピア第4団の奇跡的な特別弾丸研修の成果

ロピアNY視察第4団。

大雪予報によって夕方羽田発の便に乗り、
8時間遅れでニューヨークに到着。

夜が明けて、早くも滞在2日目となった。
晴天のマンハッタン。
ザ・ニューヨーカー・ウィンダム。IMG_3352

初日の視察時間がほとんど消えた。
第1~3団までは3日の弾丸視察だった。
しかし第4団はさらに特急弾丸の2日間で、
すべての工程をこなさなければならない。

そこで視察時間を捻出するために、
セミナー開始を1時間早めた。

朝7時に会議室に集合。 IMG_3343

いつものように、
ロピアの理念と7大用語の唱和。
4団の唱和リーダー役は自薦。
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結城義晴の講義は2時間。
これは短縮できない。
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アメリカ小売業を学ぶための基本的態度。
さらにアメリカ経済と米国小売業の最新情報。
ニューヨーク市とニューアークの市場分析。
結城義晴の視点から徹底解説する。IMG_3346

興奮してくると、
ハンドマイクに変えて、
手振り身振り。
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ロピアはニューヨークから学んで、
独自の成長を見せた。

それを若いチーフたちに再体験してもらう。
そのことを念押しした。IMG_3359

2日目の視察先は、
ニューヨーク州の隣のニュージャージー州。

最初に訪問するのは、
ウォルマート・スーパーセンター。IMG_3363

2月14日、バレンタインデー当日。
入口のプロモーションコーナーのブーケ。IMG_3371

導入部は青果とインストアベーカリー。
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青果の平台は、
トマトとアボカド、ナスとライムなど
コントラストのある展開。
しかもそれぞれの商品の組み合わせが、
メニューを連想させる配置だ。IMG_3369

ミート売場からシーフード売場へ。
内装は以前の紺色から明るい青色に変わった。IMG_3379

この店はビジュアルマーチャンダイジングを強化。
ステージを設けて、スポット照明を当て、
マネキンでコーディネートを提案する。IMG_3386

寝具売場もご覧の通り。
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もちろんEDLPの価格政策は変わらない。
「ロールバック」は、
EDLP価格からさらに値下げする。IMG_3389

チェックアウトはセルフレジがメーン。IMG_3383

ターゲット。
ディスカウントストア。
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食品売場はコンパクト。
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ターゲットは、
百貨店のデイトンハドソンが祖業。
アパレルは強い。
太めのマネキンを使う。
実にリアル感がある。
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レジも壁面も什器も真っ赤。
天井を張って蛍光灯を配し、
明るい店内。
床はP タイル。
ウォルマートとの違いは明確だ。IMG_25144

バレンタインデー商品は、
入り口付近のシーゾナル売場で展開。
ハート形の菓子やチョコレート。IMG_25164

アルディ。
リミテッドアソートメントのボックスストア。IMG_3415

アメリカで2300店となった。
1号店は1978年、シカゴにオープン。
私はそれを取材して販売革新誌に書いた。

それから45年。

青果はずいぶん強化されている。

ロピアの青果チーフたちは、
「品質が悪い」とコメント。
それでも顧客は低価格のアルディにやってくる。IMG_3416

カラフルな段ボールケース陳列。
PB比率9割のアルディだからできる。IMG_3418

壁面のサインやパネルも洗練されてきた。IMG_3424

コカ・コーラとアルディのPBコーラ。
比較購買させる。
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PBコーラは12本パック3.0ドル。
コカ・コーラは7.64ドル。
半額以下の脅威の価格。
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お客も良く入っている。 IMG_3438

同じビジネスモデルのライバル、
リドル。
アルディと同じドイツの企業。 IMG_3564
2017年にアメリカ上陸、
もう170店に増えた。

売場導入部のパン売場。
独特のセルフ什器で販売する。IMG_25654

団員たちは試食のために、購入。
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安くてうまいから、
来店客のほとんどがパンを購入する。IMG_3567

青果部門は品ぞろえにおいて、
アルディを圧倒している。
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バナナの品質も良い。
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長い長い陳列線の青果部門。
段ボールケースのまま陳列して販売する。
リドルはアルディとの違いを出す。

生鮮三部門のアソートメント。
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そして非食品のポップアップセール。
毎週水曜日に売り切れ御免の新製品が到着する。IMG_25564

アルディとリドルがそろい踏みし、
しかも互いに競い合うと、
米国のコンベンショナルなスーパーマーケットは、
その過激さについていけない。

イギリスの競争がその前例となっている。

ウェグマンズ。
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ウォルマートにもターゲットにも、
コストコにも、
アルディ、リドルにも対策を打っている。

一丁目一番地は、
バレンタインの大々的なプロモーション。IMG_3448

入口の平ケースは、
先週のスーパーボウル向けから、
バレンタイン向けのメニュー提案に一変。IMG_3449

二人前の蟹爪や、魚の切り身のミールキット。
赤いハートをあしらっている。IMG_3451

クラブケーキは2個入り。
これをランチで食べた。
美味かった。
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青果部門の先頭には、
いつもはリンゴなど旬の果物を展開するが、
今日はブーケの展開。
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インストアベーカリーのスイーツ。
ハート形のパックにチョコレートがけのイチゴ。IMG_3457

そしてシーフード売場。
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丸魚をハート形に陳列して、
赤いバラを散らしている。
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チーズ売場のバレンタイン商品。IMG_3486

全米のバレンタイン商戦は、
クリスマス商戦に匹敵する。
だからウェグマンズは全店をあげて、
バレンタインプロモーションを仕掛ける。

酒売場は隣接した別棟になっている。IMG_3494

ここではインタビュー。
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ロゼのスパークリングワインを試飲。
最後はシャンパンまで開けて、大歓迎してくれた。IMG_25484

日本のお菓子をプレゼント。
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皆で記念撮影。
(逆光だったが、これもいい写真だ)IMG_3501

ショップライト。
ボランタリーチェーン。
その中でも秀逸の店。
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ウェグマンズを丁寧に真摯に学び、
そのうえでウェグマンズとの違いを出す。

売場に入る前の広い通路は、
プロモーションスペースだ。
もちろんバレンタイン商品の展開。
こちらもスーパーボウル販促から、
劇的な変化を見せている。
IMG_3505

売場に入るとバルーンと切り花。IMG_3508

イチゴのチョコレートタワーで実演販売。IMG_3514

1個ずつ丁寧につくられていく。
目を引くプレゼンテーションだ。
IMG_3517

この店のインストアベーカリーには、
力が入っている。
ケーキは対面販売だ。
バレンタインの今日は、
イチゴをメインにした商品化。
IMG_3518

天井高を活かした内装やサイン。
美しい店だ。
IMG_3519

デリブランドのボアーズヘッドを導入。
切り立てのハムやチーズを提供する。IMG_3522

レジ前では、ワインと切り花の関連販売。IMG_3529

レジにもバルーン。
バルーンは広い売場で目を引く。
プロモーションの仕掛けに効果がある。IMG_3561

ストップ&ショップ。
ニューヨーク&ニューアークで、
ショップライトに続いて、
2番目の市場シェアをもつ。
IMG_3409

入口のバレンタインプロモーション。

手づくりのミッキーマウスとミニーマウス。
よく見ると張りぼてで、やや粗雑。IMG_3413

常套手段の「Buy1 Get1Free」
1個買うと1個もらえる。
これをやるしかない。
IMG_3411

顧客のいない主通路を、
自動掃除機ロボットが動き回る。IMG_3410

コンベンショナルなスーパーマーケット。
全米4万5000店の中の4万店が、
こうしたとんがりのない店ばかりなのだ。

業態とフォーマットの違いがわかっていない。
フォーマットの実現のさせ方が身についていない。

そんな平均的な店は、
どんどん淘汰される。

何しろ競争は厳しい。
日本も同じだ。

ニュージャージー州の視察を終えて、
マンハッタンのアッパータウンへ。
そのブロードウェイを歩いて、
4店舗を視察する。

ゼイバース。
IMG_3578

たった1店舗の小売業だが、
ニューヨーカーから絶大な支持を得ている。IMG_E3582

主要部門が専門特化した品揃えである。
スモークフィッシュはこの店の売れ筋。IMG_3585

さっそく、井上裕一団長が、
夜の親睦のためのつまみとして購入。IMG_3586

惣菜の対面売場。
惣菜はこの店オリジナルの味付け。
その味にファンがついていて、
優良な固定客となっている。
IMG_3587

店頭には宅配用の専用バンがあった。
オンラインの売上げは全体の4分の1を占める。
そしてそれが伸びている。
IMG_3594
1店でも独自の特長を持つ店は生き残る。
マーケットニッチャーである。

特長をもたないマーケットフォロワーたちが、
ニューヨークの舞台から消え去っていく。

シタレラ。
IMG_3600

店内は真っ白で高級感のある造り。
IMG_3597

生鮮とデリは対面販売。
鮮魚コーナーの壁面には、
魚のしっぽのデザイン。
おもしろい。
IMG_3598
これだけの魚売場はあまりない。
そのうえでニューヨークデリに特徴がある。

シタレラの隣に、
フェアウェイマーケット。
八百屋出身のスーパーマーケット。IMG_3601

スーパーマーケットの多くが、
導入部に果物を配置するが、
フェアウェイは野菜を導入部に配する。IMG_3603

カラーコディネートされた見事な野菜の陳列。IMG_3605

売場の一角で、
ささやかなバレンタインプロモーション。IMG_3611

最後は、
トレーダー・ジョー。
地下1・2階の2層店舗。
IMG_3615

1階・2階には、
ドラッグストアのデュアンリードが入る。
IMG_3633

エスカレーターで地下1階に降りると、
壁面いっぱいの切り花や鉢植え。
もちろんバレンタイン仕様。IMG_3616

夕方は大混雑するこの店も、
今日は顧客が少ない。
恋人や家族、友人同士で、
バレンタインデーを祝う人が多いからだ。IMG_3619

冷凍食品は多くのアイテムが欠品している。
顧客の評価で「殿堂入り」した、
人気のマンダリンチキンも残りわずか。IMG_3627

トレーダー・ジョーにしかない、
品質の良いオリジナル商品を、
低価格で販売する。
トレーダー・ジョーは、
周辺のスーパーマーケットを視察すると、
抜きんでていることがよくわかる。
競争は強烈なポジショニングを、
浮き立たせる役割をもっている。IMG_E3624
特別弾丸視察の1日。

奇跡的なスケジュールは、
学習効果満点で終了した。

夜はステーキレストランでの会食。
団員は3つのレストランに分かれて会食する。
私は「スパークスステーキハウス」IMG_25734

OICグループ仕様のメニューで、
歓迎してくれた。
IMG_25763

食事をしながらの会話は弾んだ。
とても良い内容の話ばかりだった。IMG_3638
さまざまな企業から転職してきた、
若いチーフたちが、
よく考えて仕事をしている。

そのうえで真剣に意見を戦わせる。
それがロピアの強みになっていく。
(つづきます)

〈結城義晴〉

2024年02月14日(水曜日)

NYC大雪のロピア米国研修第4団到着と「みんなで学べ」

「ニューヨークに今夜半から大雪」

2月12 日正午ごろ米国国立気象局は、
ニューヨーク州とニュージャージー州に、
大雪警報および沿岸洪水警報を出した。

市内の学校は翌13日、
すべて休校の措置をとった。
ジョンFケネディ空港は、
どうなるのか。

これにいち早く反応したの日本航空。
ジョンFケネディ空港の大雪を警戒して、
13日の東京-ニューヨーク便の欠航を決めた。

ロピアNY研修第4団が、
12時40分羽田発JAL005便に乗る予定だった。
それがキャンセルになった。

12日14時過ぎには、この一報が届いた。

ウィンターストーム(大雪)?
このときのマンハッタンは晴天。
予報では雪は夜の11時過ぎから、
降り始めるらしい。

現地で待機する私たち事務局は大わらわ。

17時半になると、
JAL004便に振り替えて、
ニューヨークに到着することが判明。

けれど到着は13日の18時半になる。
1日の視察工程がほぼなくなる。

事務局は頭を悩ませた。

もちろん私もさまざまな状況を想定して、
いろいろな手段を考えた。

初日のスケジュールはすべて、
こなせなくなる。

ただでさえ3泊5日の弾丸ツアー。
もともと与えられた時間は多くはない。

2015年から何年も練りに練って、
つくり上げた行程だ。
そのクオリティを落としたくはない。

全員で知恵を絞って、
すべての研修ができるように、
完全にスケジュールを再構成し、
関係各所に手配した。

夜になると雨がみぞれに変わった。

そして13日に日付が変わるころ、
雪となった。
朝にはビル群は雪で霞み始めた。

IMG_3312

それでも路面に雪はない。

マジソンスクエアガーデンも全景が見える。
IMG_3313

そのあと、午前中は横殴りの雪が降った。
IMG_24134
しかしそれほど積もらなかった。
警報はやや空振りだった。

事務局は17時過ぎに、
ジョンFケネディ国際空港に向かった。

そのころマンハッタンは快晴。
夕日に照らされたアンパイヤステートビル。
IMG_2434

ペンシルベニア駅から地下鉄に乗り、
ジャマイカ駅でターミナル行きのエアトレインに乗り換えた。
IMG_2436

第4団の団員たちは、
元気に笑顔でやってきた。

到着して専用バスに乗り込み、
一路、マンハッタンへ。

ハドソンヤードのホールフーズに向かう。

ハイライン側の入口は、
電飾に飾られて美しい。
エンパイヤステートビルが見える。
IMG_2448

ホールフーズのマンハッタン最新店。
IMG_2450

明日はバレンタインデー。
入口には見事な花のプレゼンテーション。
IMG_2446

アメリカのバレンタインデーは、
家族や大切な人に、
感謝や好意の気持ちを表す大切な日だ。

男性も女性に対して、
チョコレートや花、ジュエリーなどを贈る。
家族や友人とはプレゼントを交換し合あう。
だから切り花や鉢花は大事なアイテムだ。

ホールフーズの青果売場。
20時30分を過ぎて、
さすがに顧客は少ない。IMG_2445

斬新なチーズ売場。

IMG_2444

団員たちは売場や商品を写真に収める。IMG_3315

シーフード売場からミート売場へは連続の対面コーナー。IMG_2452

事前講義はバスの中の29分ほど。
だから質問も多かった。
IMG_3316
第4団は意欲満々。

ミート売場では盛んに写真を撮っている。
IMG_2439

それがこれ。
ハート形にカットしたリブステーキ。IMG_2441

広大な惣菜売場。
しかし閉店1時間前で、
商品も少なくなっていた。IMG_2443

初日の夜はいつものように、
高級ステーキレストランを予約していた。

予定が変更となって、
ホールフーズのデリで、
夕食をとることにした。

キャッシュレスのセルフレジ。
一人一人会計をする。
IMG_2442

こちらはグロサリー売場の奥の、
現金対応もできる対面レジ。IMG_2451

広いフードコートで、
それぞれが買った惣菜を楽しむ。IMG_3318

長旅でも元気なピースマーク。IMG_3319

オーガニックのホットデリやサラダ。
残念ながらスープは片付けられていた。
IMG_3320

ビールも解禁にした。
IMG_3321

今夜はビールを飲んで、
ぐっすり眠るのが時差ボケ解消対策だ。IMG_3322

浅野秀二先生も、
団員たちと一緒にデリで夕食。IMG_3323

そしてホテルに到着。
ロビーで部屋の鍵などを配る。
IMG_2453

長い長い一日だった。

それでも全員の好奇心は、
逆に高まった。

学習する組織。

今、ロピアはそれを目指している。

2024年の商人舎標語。
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みんなで学べ。

「まなぶ」は「まねぶ」から生まれた。
学ぶことは真似ることから始まる。
創意を尊びつつ良いことは真似よ。

商人は商売と仕事から学ぶ。
会社と上司と仲間から学ぶ。
顧客と取引先と地域から学ぶ。

話を聞いて学ぶ。
本を読んで学ぶ。
体験して学ぶ。

みんなが学ぶ。
しかし優先されるべきは、
個人が学ぶことだ。

個人が人生をかけて学ぶ。
それが組織学習の基礎となる。
個人の学習なしに組織の学習はない。

「みんなで学ぶ」とは、
「チーム学習」とは、
学んだ者同士が対話することだ。

対話を通じて、
ビジョンを共有し、
成果を最大化させることだ。

ポストコロナの2024年。
学習する組織をつくろう。
みんなで学ぼう。

個人が人生をかけて学ぶ。
それが組織学習の力となる。
個人の学習なしに組織の学習はない。

〈結城義晴〉

2024年02月13日(火曜日)

ロピアNYC研修第3陣帰国/メイシーズ本店を散策

日本では2月12日は、
建国記念の日の祝日の振り替え休日。

13日の火曜日は三連休が終わって、
気分は春に向かう。

気温は20度を超えるとか。

ニューヨーク時間は、
2月12日月曜日。
ロピア2024NYC研修第3陣が、
大きな収穫を得て帰国した。

日本時間の2月9日に出発して、
2月13日に帰国する3泊5日の弾丸ツアー。
それでも元気いっぱいに視察の全工程を終えた。

車中で結城義晴の最後の講義。
IMG_3297
ロピアの米国研修ではいつも、
スイートルームを余分に1部屋借りる。
その部屋で参加社員たちがコミュニケーションを図る。

今回は朝5時過ぎまで団員たちが、
親睦を深めた。

だから眠そうな様子。
IMG_3301

それでもテキストを開いてもらって、
「第4部・商品が変わる」の残りの部分と、
「エピローグ」を講義した。

フリーウェイが渋滞していたので、
50分ほどの講義。
最後は「自ら、変われ!」

Behaviorから変えよう。
だれにでもすぐにでも、
Behaviorは変えることができる。

快晴のJFK空港に到着。
IMG_3302

空港は空いている。
IMG_24074

早速、JALカウンターでチェックイン。
IMG_3304

カウンターは空いていて、
すぐに全員が搭乗手続きを終了。
そして記念撮影のために集合する。
IMG_3305

研修の成果を各自持ち帰る、
笑顔の帰国。
IMG_3309
帰国してから成果を上げてほしい。
自ら、変わってほしい。

見送って、居残るのは4人。
ホテルに戻って、
それからすぐにランチ。

そして私はホテルから歩いて3分、
メイシーズ本店に行った。
IMG_24084

全米ナンバー1の百貨店。
2023年1月期で年商244億4200万ドル。
150円で換算すると3兆6663億円。
伸び率はマイナス0.1%。
つまり前年割れ。

純利益は11億7700万ドル。
1766億円。
こちらは17.7%のダウン。

店舗は全米43州と、
グアム、プエルトリコに783店。
バナーはメイシーズ566店、
ブルーミングデール57店。

全米のほとんどの百貨店を買収してきた。

一般的な百貨店がメイシーズ、
超高級百貨店がブルーミングデール。

私はこのバナーの統一は、
メイシーズをさらに衰退させたと思う。

本店は2012年に4億ドルをかけて改装した。
このときテリー・ラングレンCEOが、
「オムニ・チャネル宣言」を発した。

しかし今、ウォルマートが、
「オムニチャネルリテイラー宣言」をして、
メイシーズのコンセプトは奪われてしまった。

その本店は6番街と7番街大通りと、
34丁目と35丁目のストリートに囲まれた、
巨大な長方形のブロックすべてを占める。

19万8500㎡の店舗面積。
6万坪を超える。

2009年3月3日に韓国釜山市に、
新世界センタムシティ百貨店が開業して、
その世界最大の座は譲った。
IMG_24094
売場にも他を圧倒するものが薄れてきた。
ロンドンのハロッズにはかなわないだろう。

残念ながら。

マンハッタンは春のような陽気で、
街角を歩く足取りも軽かった。

第3陣を送り出して、
気分もよかった。

しかし、この夜、
大変なことが起ころうとしていた。
(つづきます)

〈結城義晴〉

2024年02月12日(月曜日)

ロピアNYC研修第3陣のWegmans/EATALY/Whole Foods

ロピア2024ニューヨーク研修第3陣。
視察も最終日。

朝8時から恒例の結城義晴の講義。
全員が集まったら時間前でも始める。

初めにロピアの理念と7大用語の唱和。
IMG_3135

リーダーが元気よく、皆をリードする。IMG_3133

講義の前に井上裕一団長のあいさつ。
ロピア九州営業本部長。
IMG_3141

井上さんは商人舎の海外視察にも、
何度も参加している。

ニューヨークで学んだことを、
一つでもいいから、
現場で実践してほしいとエール。

そして講義。
IMG_3143

はじめに「商人の本籍地と現住所」の話をした。IMG_3146

ロピアは中途採用者やスカウト組が多い。
つまり異なる本籍地をもつ者が多数在籍する。
「人材の多様性」が特長の組織である。

それぞれの本籍地で学んだことを大切にしつつ、
現住所のロピアで躍動してほしい。

2日目の講義は、
ロピアの経営戦略の根幹となっている理論を、
ロピアの事情に合わせて語る。

レース型競争とコンテスト型競争、
寡占・鼎占・複占と範囲の経済。
マーケットリーダーと、
マーケットチャレンジャー、
フォロワーとニッチャー。

そして業種・業態とフォーマット。
ポジショニング戦略。

アメリカの現物を見せた後で、
理論を説明すると、
日本で講義をするよりも、
はるかに理解が進む。

第3陣だから三度目の講義だ。
しかし同じ話を三回繰り返すわけではない。

それぞれにチームの理解度を測りながら、
強調するところ、繰り返すところなど、
ポイントを変えて講義をする。
IMG_3153

ホールフーズの元副社長ウォルター・ロブの言葉。
「私たちはマーケットシェアの概念の代わりに、
マインドシェアを使っています。
マインドシェアとは顧客の心の中に占める、
ホールフーズの占有率です」

これこそロピアの戦略だ。

最後の最後は、
ポジショニング戦略10の決め手。
その第1の決め手。
「変化が激しくなるほど、
変わらないものの価値は上がる」

講義が終わると、ちょっとだけ観光。IMG_3161

遠くに自由の女神が見える。 IMG_3158

9・11メモリアル。
ワンワールドトレードセンター。
IMG_2239

2001年の世界貿易センターの同時多発テロでは、
ツインタワーにいた3000人ほどの人が亡くなった。
グラウンドゼロの慰霊プールには、
犠牲になった一人ひとりの名前が刻まれている。
IMG_2240

そしてワールドトレードセンター駅のオキュラス。
IMG_2241

世界一美しい駅舎と言われる。
そこで静かに記念撮影。
IMG_3166

短い観光を終えて、
向かったのは、
ウェマンズ。
ワナメイカー百貨店跡地のビル。
1階と地下1階が売場の2層店舗。
IMG_3177

昨日はウェグマンズの郊外店を見た。
今日はマンハッタン進出1号店、
大都市型の店舗を学び。IMG_3174

真っ先に「SAKANAYA」責任者の、
エイドリアンさんにインタビュー。
日本の魚屋をマンハッタンで再現した。
IMG_3182

彼は本当に勉強熱心で、
ウェグマンズで働くことに、
強い使命感をもっている。
IMG_2243

いつも違ったエピソードを交えて、
面白く話してくれる。
団員の質問にも丁寧に答える好青年だ。

ロピアから彼に感謝の意を込めて、
ロピタ君をプレゼント。IMG_3203

マシュー店長と、
現地コーディネーターの浅野秀二さんと。
IMG_241024

そして早速、売場に飾ってくれた。
IMG_2258

休日の今日はマグロの解体ショーが行われる。
エイドリアンさん自ら包丁を握り、
ショー化されたプレゼンテーションを展開する。

みごとな完全養殖の本マグロが、
解体ショーを待っている。
IMG_2256

ロピアの面々も、
売場づくりや商品を丹念に観察する。IMG_3206

今夜は全米ナンバー1のイベント、
「スーパーボウル」が開催される。
食品を買って自宅でTV観賞する人、
スポーツバーで応援する人。
昼にもかかわらず、
自宅派の買い出し客でレジには長蛇の列。
IMG_3218

車中では店舗を見た後の解説講義をする。
これによって理解が深まるし、
見解が集約される。IMG_3220

次に向かったのは、
イータリー。
マンハッタン1号店。IMG_2306

美しいカゴ盛りの柑橘類。 IMG_3225

青果売場はイタリアの八百屋風で、
コンパクトだ。
白い什器使いで商品が映える。IMG_3227

EATALYは、EATとITALYを合わせた造語。
イタリア料理を食べさせ、
イタリア食材を売る店だ。

店内にはさまざまなレストランがある。IMG_3233

パスタとワインを提供する店。IMG_3235

テーブルの上で生パスタをつくっている、
その作業を鏡に反射させて、顧客に見せる。
IMG_3236

食べる、買う、学ぶ。
食堂であり、市場であり、学校である。
それがイータリーのコンセプトだ。

私はカフェで一休み。IMG_3250

カプチーノと小さなケーキをいただいた。IMG_3246

最後はハドソンヤードへ。IMG_2330

その一角のオフィスビルに、
ホールフーズが出店した。IMG_2308

1階のエスカレーターのところに、
美しいバナナとリンゴの陳列。
そしてバレンタインプロモーション。
IMG_2309

都市型店舗として、
全体に白を基調にして、
洗練されたデザインを施す。IMG_2316

バナナ売場もユニークだ。
ウェグマンズが市場風ならば、
ホールフーズはアーティスティック。
そんなプレゼンテーションの違いがある。IMG_2318

シーフード売場は対面方式の平冷蔵ケース。
これもウェグマンズの魚屋とは対比的だ。
IMG_2312

レジは完全セルフ。
アメリカのスーパーマーケットではもう、
当たり前になってきた。IMG_2328

ホールフーズには、
広いイートインコーナーがある。
これがウェグマンズ・アスタープレイス店と、
大きな違いとなっている。

団員たちはホールフーズで買ったスープやデリと、
持ち込んだウェグマンズの寿司やデリでランチ。
IMG_3254

大きな口でかぶりつく。
IMG_3258

おいしい顔をどうぞ。
IMG_3259

「おいしい?」IMG_3256

みんなポーズをとってくれた。IMG_3260

こうして最終日の視察は終了した。

ホテルに戻ると、
いよいよ自由研修時間。

トレーダー・ジョーや、
ホールフーズを巡るもよし。
メイシーズで買い物するもよし。
メトロポリタン美術館の鑑賞もよし、
五番街散策もよし。

大いにニューヨークを楽しんでほしい。
(つづきます)

〈結城義晴〉

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