2012年の大晦日。
しかし、月曜日。
Everybody! Good Monday!
[2012vol53だが明日から2013vol1となる]
昨夜、第54回日本レコード大賞が決定。
わがAKB48が大賞を二連覇。
春先からのにわかファンだけれど、
それでも、うれしい。
2年連続大賞受賞が、実は6組もある。
細川たかし、中森明菜、安室奈美恵。
そして浜崎あゆみとEXILEは三連覇だとか。
「組」とするのはEXILEが入っていたからだが、
AKB48によって、「組」が胸を張れる。
思えば、ずっとずっと「個人プレーの時代」だった。
しかし、だんだん「チームプレー時代」になってきた。
EXILEとAKBと、
何だかわからないローマ字名のチームが、
人々から好まれ、評価される。
その意味で、「組織の時代」だ。
ピーター・ドラッカーや上田惇生先生が言うとおり。
AKBのレコード大賞の楽曲は、
「真夏のSounds good!」
〈作詞・秋元 康 作曲&編曲・井上ヨシマサ〉
私は歌えないけれど、
聴いて、見ていると、全員に元気がある。
あんな店員ばかりの店なら、
何を売っても売れるだろうな。
そんな、気分がしてくる。
しかし、歌手やアーティストも、
結局は人気商売。
ともかくもあなたまかせの年の暮
〈小林一茶〉
いかにも一茶らしい。
重たいことを軽くつぶやく。
これはオクシモロン、撞着語法。
松尾芭蕉にも年の瀬の句は多い。
月雪とのさばりけらし年の暮
今年も、月だ雪だと言っては、
のさばってきたものだ。
年の暮にはなおさらそのことが思い返される。
私もフォーマットだ、ポジショニングだと、
「のさばりけらし年の暮」。
さて年末際の商戦。
集まるところには集まり、
そうでないところはそうでない。
なりにけりなりにけりまで年の暮
これも芭蕉。
今日、安倍晋三首相が、
「原発新設」を明言した。
就任5日目である。
芭蕉は静かに、しつこい。
しつこくなければ、
巨匠にはなれない。
安倍は性急過ぎるし、
どうも淡泊過ぎるようだ。
そして芭蕉は高齢化社会を実感していた。
めでたき人の数にも入らん老の暮
最後は、稲畑汀子。高浜虚子の孫。
人生を語るも年の暮らしく
重いことを軽く語ることができれば、
それをしつこくしつこくできれば、
一茶となり、芭蕉となれる。
日経新聞の『オピニオン』に、
論説委員長芹川洋一さんが力強く書く。
「核心 1931年からの警鐘」
東大名誉教授の経済学者・中村隆英著『昭和史』(東洋経済新報社)。
「日本の社会が平面の上に乗っていて、そのなかで、
左翼から右翼まで座標軸上に位置づけられているとしたとき、
その平面自体が右方に地すべりを起こしたとしよう」
「ある個人のこの平面の原点からの距離は不変であっても、
平面が右方に動いたために右よりの考え方になじんでしまう結果になる」
そこでタイトルにかかわってくる。
「一九三一(昭和六)年秋からの一、二年の間に、
日本社会はなだれを打って右側に移動したのである」
日中戦争から太平洋戦争へと、
大日本帝国が追いつめられてゆく満州事変のはじまり、
柳条湖事件。
芹沢さんは、2012年暮れが、
1931年にどこか似ていないかと警鐘を鳴らす。
「より傾いているのを右、そうでないのを左とすれば、
日本社会の平面はやはり
右に地すべりをおこしているような気がする」
ここで、「気がする」と書いたのは、
日経の論説委員長の立場だからだろうが、
私なら言い切る。
「日本社会の平面は右に地滑りを起こしている」と。
日本政治外交史の井上寿一学習院大教授、
31~32年と現在との「3つの共通点」を指摘した。
「第1は景気と雇用への判断」
「有権者は、32年が『犬養景気』、
今回がデフレ脱却とインフレ目標を設定する『安倍リフレ』にかけた」
「第2は政党が党利党略で動き、
有権者に二大政党制への懐疑の念が強まっていること」
「第3は格差社会の問題だ。
今や一億総中流がくずれ、
戦前と同じように格差が拡大している」
その後、日本は、1932年の五・一五事件、
1936年の二・二六事件を経過して、
「二大政党の解党、敗戦への道を突き進んでいく」
昭和史を彩る大事件が頻発。
だから、「2012年に平面が右に移動したとして、
その中で国を立て直していくのが
13年の最大の課題だ」
国の立て直し、
企業の立て直し、
組織の立て直し、
チームの立て直し。
東日本大震災も、
福島原発も、
まだまだ立て直し。
「立て直し」て、
「自立」し「自律」するのが、
2013年だと、私は確信している。
最後に、みたびよたび、松尾芭蕉。
分別の底たたきけり年の暮
今年の1月元旦に、
6度目の[毎日更新宣言]を発した。
おかげさまで、なんとか、
今日も書き上げて、
閏年の366回連続更新を果たした。
今年も新聞各紙にはお世話になった。
特に日経新聞には感謝しておきたい。
小売流通サービス業に関しては、
他の追随を許さない。
これには異論がでようはずがない。
しかし政治も社会も、
文化もスポーツも、
もちろん経済も国際も、
日経の「自前の見識」は、
日本企業と日本国民のためになった。
私も日経を基調として、
それに評論を加える形でブログを書いた。
感謝しておきたい。
そして今年1年、
この言葉には助けられた。
朝に希望、
昼に努力、
夕に感謝。
2012年の366回分まとめた感謝を、
今、この時に、心から表明しよう。
もちろん、来年の希望と努力は、
今年の366回分をまとめて、
2倍3倍にして、高め、掘り下げよう。
1年間のご愛読、
心から感謝するものだ。
これにて、[毎日更新宣言]、
閉幕とする次第である。
〈結城義晴〉