2011スマホがパソコンを逆転、「ネット安息日」と「ミニスカ・サンタ」
4月中旬の気温の18度あたり。
関東地方一円に雨。
風も強かった。
今日の天気。
しかし明日はまた、
冬型の気候。
平年並みの寒さ。
一方、日本海側は、
大雪。
こんなことが起りつつ、
春を迎える。
「笛を吹く男」
一人の男が
笛を吹く
誰も来ないが
笛を吹く
一人が来たが
笛を吹く
二人が来たが
笛を吹く
十人来たが
笛を吹く
百人来たが
笛を吹く
何も知らずに
笛を吹く。
[『武者小路実篤詩集』より<新潮社刊>]
私は中学から高校の頃、
白樺派に凝った。
そして武者小路のこういった詩など真似して、
書いていた。
糸井重里さんの『ほぼ日』。
巻頭言は「今日のダーリン」。
「うれしい気持ちになろう」という歌があるとする。
いや、そんなメッセージの歌が、いっぱいある。
「前を向いていこう」でも「明るくいこう」でもいい。
どういうふうになりましょう、という歌は、
いくらでも歌われているのだけれど、
「うれしい気持ちにさせてくれる歌」は、少ない。
「うれしい気持ちになろう」という歌と、
「うれしい気持ちにさせてくれる」歌とは、ちがう。
糸井重里の真骨頂。
私も「うれしい気持ちにさせてくれる」歌を歌いたい。
そういう笛を吹きたい。
そういうものを書きたい。
そういう話をしたい。
糸井さんは続ける。
去年のクリスマスイヴの日に、
ボランティアの学生さん(女性ね)が、
寒いのに「ミニスカ・サンタ」の扮装をして、
仮設住宅の慰問に向ったのだそうです。
それがね、おじいさんたちにウケてウケて、
ほんとニッコニコのデーレデレだったんだそうです。
いや、ぼくにそれを伝えてくれた人の、
とても主観的な感想かもしれませんけどね。
でも、ぼくは、きっとほんとにウケたんだと思う。
ぼくが、同じような立場のおじいさんだったら、
きっとうれしくてしょうがないだろうと想像できる。
「来年も来てくれるかなぁ」と思ってるだろうよ。
「ミニスカ・サンタ」は、うれしい気持ちにさせたんだ。
おじいさんや、たくさんの人たちやこれを読んだ人たち
そしてぼくは、そういうのっていいねと、思った。
「ミニスカ・サンタになろう」という歌じゃなくて、
「ミニスカ・サンタ」が、人をよろこばせた。
そうかぁ‥‥、と、思ったんだよね。
「うれしい気持ち」にさせるもの。
そういうの、ぼくもつくろうと思うし、みんなもつくれ。
どうですか?
私も、うれしい気持ちにさせるもの、
つくりたい。
みなさんは、いかがですか?
「うれしい気持ちにさせる店」つくりたいですか。
本部の人も、社長も専務も、
「ミニスカ・サンタ」になろうと歌うのではだめだ。
この話、ほんとうに書くのが難しい。
糸井さんの才能に、心から脱帽。
さて、第46回スーパーマーケットトレードショー。
先週3日間にわたって開催された。
出店者数は1295社・団体2522小間、
来場者数は8万4360人。
昨年より939人増えた。
トレード向け食品フェアとしては国内最大。
今年も盛況理に無事終了。
関係各位のご尽力を祝福賛美しよう。
「ミニスカ・サンタ」になろうではなく、
「ミニスカ・サンタ」になった。
「笛吹き男」になった。
エキジビターも、ビジターも。
ともに。
さて、昨日は、横浜市北幸地区隣組の
エバラ食品工業㈱の取締役お二人が来訪。
横井秀則さんと、宮崎遵さん(右)。
5月の商人舎USA研修会Basicコースに社員2名を派遣してくれる。
この2名は、「価値の創造」をテーマに行われた社内プレゼンで
優秀だった若手社員。
私、こういったメーカーの活きのいい若手社員、
大好きだ。
今から、会うのが楽しみ。
コーネル・ジャパンにも、
ずいぶんたくさん登場した。
伝説をつくった江崎グリコ㈱の渡邊武くんなど、
その代表。
渡邊くんも「ミニスカ・サンタ」になった。
誰でも、
「ミニスカ・サンタ」になれる。
「笛吹き男」になれる。
さてさて今日の日経新聞夕刊。
「スマートフォン、パソコン抜く」の一面囲み記事。
アメリカの調査会社IDCの報告。
2011年のスマートフォンの世界出荷台数は、
4億9140万台。
なんと前年比61.3%のプラス。
一方、パソコンの世界出荷台数は、
3億5239万台。
こちらは、前年比1.6%増。
2011年の通年で初めて、
スマホがパソコンを上回った。
インターネットに接続できるIT機器の主役は、
スマホになりつつある。
恐ろしいことだ。
ちなみに2011年のメーカー別シェアは、
韓国サムスン電子が19.1%で初の首位。
アップルが19%と僅差。
これも恐ろしい。
どちらもクリティカル・マスを超えていて、
追随は許されそうもない。
1990年代中盤から、
パソコンがインターネット接続機器の主役だったが、
2011年、スマホが世紀の逆転。
しかし、同じ日経新聞朝刊の一面コラム『春秋』。
「金曜夜の就寝時から月曜朝まで、
自宅のパソコンをネット接続から切り離す」実験のことを紹介。
「実験初日。
ネット経由の映像や音楽などを欠いた我が家は、
他人の家のようによそよそしかった」
だが「数週間後、変化が訪れる。
パソコンに「へばりついていた心」が引きはがされ、
家族水入らずの時間がよみがえる」
「ネットとは自分で適切な距離を取らなくてはいけない
との結論に至る」
これを「ネット安息日」といいつつ、
「ネット先進国ならではの知恵、か」と結ぶ。
スマホがパソコンを逆転し、
ますます手近で便利になった。
だから「ネット安息日」が生まれる。
このバランス感覚、
「ミニスカ・サンタ」や「笛吹き男」になることと同じくらい、
大事です。
私にとっても、
みなさんにとっても。
<結城義晴>