結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年08月03日(土曜日)

「風邪は友達」と史上二番目の平均株価下落

昨夕から38℃の熱。
今日の日本各地の最高気温と同じ。
気温と体温が同期した。

医者に行った。

「コロナの検査、しますか?」
看護師に聞かれた。

「もちろん。」
マスク越しに答えた

そしてまず抗原検査をした。
しばらくして、
「陰性ですが、PCR検査もしますか?
「Of course!」

そして、診察。
金髪の医者は「どちらも陰性です」

「それでも70歳を超えて、
38度の熱が出るのは、
何か病気があるかもしれない」

脅かす。

「ヘモグロビンA1cは?」
即座に答えた。
「6.2です」

「ご立派です!」
褒められた。

「熱が下がらなかったら、
かかりつけの先生か総合病院で、
調べてもらってください」

診察代は4600円だった。

薬を処方してもらって、
薬局に寄ってから、
家に帰って食事をし、
薬を飲んだ。
そしてぐっすりと眠った。

熱は36.6℃まで下がった。
歌を思い出して、
口ずさんだ。
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「風邪は友達」

だれも相手に
してくれなくなったら
僕のところに
来ればいいさ
いつだって君の
相手をしてあげるよ

風邪は友達
風邪は友達

君にだって
命はあるんだものね
誰かが犠牲に
ならなきゃね
君は命をなくすことに
なるんだものね

風邪は友達
風邪は友達

僕の体の中で
静かにしてな
いつまでも君に
いさせてあげるからね
でもあんまり暴れると僕だって
君を殺してしまうかもしれないよ

風邪は友達
風邪は友達
〈作詞・作曲 山﨑眞幹〉

学生時代の、
敬愛する先輩・山﨑眞幹さんの曲。
東京・福生のハウスに居住し、
法学部の学生だったのに、
プロのミュージシャンになった。

風邪までも友達にする。
学生の頃は誰にでも、
そんな孤独と優しさがあった。

さて、
円の為替レート。
7月31日に瞬間的に、
1ドル149円台となったが、
1日の終値で149円というところまで来た。
まだまだ続きそうだ。
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日経新聞一面トップ記事。
2日の東京市場、
日経平均株価が、
前日比2216円63銭安。
3万5909円70銭。

この下げ幅は歴代2番目。
1番は1987年10月20日。
米国の「ブラックマンデー」の翌日の日本株価。
3836円安の急落だった。

ブラックマンデーの際の下落率は14.9%、
2日の下落率は5.8%だった。

日経平均株価の史上最高値がついたのは、
今年7月11日。
4万2224円02銭。

この水準と比べると6314円の下落。

日経のコメント。
「年始からの上昇分の7割強を
8月2日までに消した計算になる」

「それは一時1ドル=161円台に進んだ、
円安から修正する動きとも呼応している」

本来の円高とは言えないが、
ちょっとだけ円が高くなると、
ブラックマンデー以来の株安となる。

株価が1万円を割ったのは、
2011年7月12日。

その後、11月には、
史上最安値の8160円01銭。

この年には東日本大震災が起こった。
3月17日には史上最高の円高だった。
1ドル76.25円。

それ以前の大きな波は、
バブル崩壊後に発生している。

バブル絶頂期の1989年12月29日、
株価は3万8915円87銭。
それまでの最高値だった。

そして1989年にベルリンの壁が崩れ、
1991年にソビエト連邦が崩壊し、
1992年3月に日本の株価は、
2万円の大台を割った。
89年の最高値のほぼ半値になった。

さらに8月には1万4000円台まで下がる。

1995年には1ドル80円。
97年には山一証券の自主廃業など、
金融機関が相次いで破綻した。

それでも平均株価は1万4000円台だった。

1998年10月、
株価はバブル崩壊後の最安値を更新して、
1万2879円。

私は商業界の食品商業編集長だった。
雑誌のトップ記事で、
故渥美俊一先生に株価予想をしてもらった。

すると先生曰く。
「1万円を割る!」

雑誌が出るとすぐに、
読者の一人から激烈な反論の手紙が届いた。
当時の食品商業は、
業界の圧倒的一番誌で、
読者層が広かった。

「1万円を割るなんで、ド素人か?」

株価が下がり続けると、
よほど痛手を被る人だったのだろう。

しかし速水優日本銀行総裁の判断で、
大手銀行に対して大量の公的資金が投入された。

それで株価は底割れを免れた。
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けれどその後、21世紀に入っても、
日本経済の低迷は続いた。
失われた30年。

しかし2022年、
世界経済は「歴史的インフレ」に直面した。
2月にロシアがウクライナに侵攻。
世界の分断がさまざまな供給を遮断して、
食品やエネルギーなどが高騰した。

このインフレが円安を誘発した。
2022年3月には1ドル115円だった。
それが10月20日には150円となった。

平均株価は3万円を超えた。
2023年5月22日には、
3万1000円となった。

今年7月11日には、
史上最高の4万2224円。

そして史上2番目の株価下落。

しかし金融経済と実体経済の格差は、
広がるばかり。

こちらのほうが大きな問題だと、
私は思う。

実体経済は株価に比べると、
低迷している。

それは消費に表れてくるし、
小売業の現場でも、
現象化してくる。

日本経済と小売業は、
相関しないわけではないが、
同期はしない。

気温と体温の上昇に気を取られつつ、
ドル円レートと株価の高下に、
私の意識は移っていった。

風邪は友達。

風邪には悪いけれど、
今回は一刻も早く関係を解消して、
現場復帰をしなければならない。

〈結城義晴〉

2024年08月02日(金曜日)

「みんなが正しいと言い始めたら一回はそれを疑ってみる」

月刊商人舎8月号の最終責了日。

原稿執筆に勤しみつつ、
入稿した。

編集長の山本恭広さん。
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編集スタッフも鈴木綾子さん。
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ゼネラルマネジャーの亀谷しづえさん。
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そして結城義晴。
これは自撮りです。
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今月はこれまでやらなかった企画。
楽しみにしてください。

しかしこの後、
私は悪寒がして急に体調が悪くなった。
熱を測ったら38.1℃。

そこで仕事を中止して、
明日に持ち越すことにした。
あと私が書くのは2ページほど。

急いで帰宅して、
お粥を食べて葛根湯を飲んで、
ベッドにもぐりこんだ。

多分、冷房にやられた。
風邪でしょうか。

だからブログは短く。

朝日新聞「折々のことば」

第3163回。

みんなが正しいと
言いはじめたら、

一回はそれを
疑ってみること。

一度だけでいいから
左を見てみること。
(永田和宏)

永田は歌人で、細胞生物学者。

言っていることはよくわかる。
別にへそ曲がりなのではない。

「生命には行き過ぎを元に戻す
負のフィードバックもあれば、
血液凝固反応に見られるように、
行き着くところまで行く
正のフィードバックもある」

これは学問上の専門の話。

「人もまたみなが一斉に一方向に動きだせば、
置いてきぼりにならないか不安になり
闇雲(やみくも)にそれに靡(なび)く」

これが集団志向である。

「パニックに陥る前に一呼吸置くべし」

同感だ。

『知の体力』から。
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ピーター・ドラッカーは、
意思決定について書いている。

「マネジメントの意思決定は
全会一致でなされるようなものではない」

「意見の対立を見ない時には
決定を行わないこと」

みんなが正しいと
言いはじめたら、

一回はそれを
疑ってみること。

これは正しい。

きみに逢う以前のぼくに遭いたくて
海へのバスに揺られていたり

ありがとう。

〈結城義晴〉

2024年08月01日(木曜日)

「吾には吾の君には君の葉月かな」の岡新之助と野島廣司

8月に入った。

葉月(はづき)。

文月より葉月へ縷々(るる)と水流れ
〈森洋子〉

「縷々」は細く長く途切れることなく続くさま。

7月から8月へ縷々と水が流れる。
その水のごとく生きていきたい。

(あ)には吾の君には君の葉月かな
〈内野聖子〉

吾は私。

私には私の、君には君の8月がある。
それぞれの葉月。

さて8月。
パリ五輪は11日まで続く。
いや、11日に終わってしまう。

そのあとは五輪ロスとなるのだろう。

夏の甲子園は8月7日から始まって、
17日間。

3回戦が終わるのが17日。
準々決勝は1日空けて8月19日。
準決勝は1日空けて21日。
さらに決勝も1日空けて23日。

いいことだ。

さらに暑さ対策の一環として、
2部制が導入される。

ただし8月7日から8月9日の3日間だけ。
午前の部と夕方の部に分けて試合をする。

午前は8時、あるいは8時半と、
10時あるいは10時35分に試合開始。

夕方は16時と18時半、
あるいは17時のプレイボール。

これもいいことだが、
全日程を午前・夕方ではやれない。

それでも一歩も二歩も前進した。

23日頃、甲子園大会が終わると、
秋風が吹き始める。

今年のお盆休みは、
8月13日(火)から16日(金)。
12日(月)は山の日の祝日の振り替え休日。

11日(日)が山の日。

したがって10日(土)から18日(日)までの、
9連休がある。

私はこの期間を単行本集中執筆に充てる。

8月も充実した日々だと思う。

さて、パリ五輪。
男子個人総合で、
岡慎之助が優勝。

オリンピックはもちろん、
世界選手権にも出場したことのない新星。
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おかやまジュニア体操スクールで体操を始めて、
全国中学校体操競技選手権大会で、
個人総合優勝、鉄棒で1位。

その後、徳洲会体操クラブに入部。

これがよかった。
人とは異なる道を選んだ。

高校の体操部には入らず、
社会人クラブでエリート教育を受けた。

2022年の全日本選手権では、
予選を3位で通過。

しかし跳馬の演技で、
着地に失敗して右足の前十字靭帯断裂。
手術を受けて全治8カ月。

この艱難のときに、
上半身を徹底的に鍛えて、
苦手のつり輪演技を得意にした。

今年4月の全日本選手権では、
個人総合2位。

5月のNHK杯で個人総合優勝。
オリンピック代表に滑り込んだ。

そしてこの活躍。
「線」がきれいな体操選手だ。
これは真似られない。
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団体で金、個人で金。

まだ20歳。

私は小学校の5・6年で、
担任の太田清美先生から、
体操を仕込まれた。

鳥取大学で体操選手となった、
男性の先生だった。

クラスの男子は全員が、
バク転ができるようになった。
女子は全員がハンドスプリングをやった。

それで中学・高校と体操部に入った。
しかしへっぽこ体操選手で、
まるでものにならなかった。

だから岡新之助は、
私にとってあこがれの的だ。

日本の未来は明るい。

最後に商人舎流通スーパーニュース。

ノジマnews|
第1Q売上高1890億円10.1%増・経常利益50.2%増の増収増益

㈱ノジマが好調だ。
第1四半期決算は、
売上高1891億円、前年同期比10.1%増。
営業利益77億7900万円、49.8%増。
経常利益86億3500万円、50.2%増。

営業利益率4.1%、経常利益率4.6%。

中心のデジタル家電専門店運営事業が、
売上高681億円で10.0%増。

猛暑によってエアコンが売れた。

社長の野島廣司さんは、
私より一つ上で、
よく商業界ゼミナールに勉強に来ていた。

故川崎進一先生の弟子で、
経営の本質をつかんだ人だ。
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「コンサルティングセールスが特長。
メーカーなどからの派遣販売員を置かない。
自社従業員が店頭に立って、
売上金額を上げるのではなく、
質を売る。

野島さんは自ら、
「家電質販店」と名づける。

川崎先生も喜んでいらっしゃるに違いない。

私に言わせれば、
家電チェーンで際立つポジショニングだ。

暑いあついこの夏も、
ノジマにとってはうれしい季節だろう。

再び、
吾には吾の君には君の葉月かな

〈結城義晴〉

2024年07月31日(水曜日)

1ドル149円とオーケーの顧客満足度とOICのソラノイロ買収

7月最後の日。

暑い。

ニューヨーク外国為替市場で、
一瞬だが1ドル149円台後半になった。

150円を超えて円高が進むのは、
3月19日以来、4カ月ぶり。

一方、植田和男日本銀行総裁は、
金融政策決定会合を開催して、
政策金利を0.25%へ引き上げると決めた。

3月にマイナス金利政策を解除した。
しかし短期金利は0~0.1%だった。

それが0.25%になる。

アメリカは5%台の政策金利を続けている。

金利差はまだまだ大きい。
それが円安の主因だ。

さて、これからどうなるか。

一方、パリ五輪。
日本選手の活躍が目覚ましい。

男子バスケットボールは、
東京五輪銀メダルのフランスと対戦。
第4クオーターの最後の最後の残り10秒、
4点差でリードしていた。

3ポイントシュートを入れられても、
まだ1点上回る状態。

しかしそこでフランスにとって、
奇跡的なことが起こった。

なんと3ポイントシュートが入り、
そのうえそのシュートに対して、
河村勇輝が反則をしたとして、
ワンスローが与えられた。
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そのフリースローも入って、
84対84の同点になってしまった。

その日本の反則も、
審判のミス(?)という見方もあって、
世間は大混乱。

それでも判定は覆らず、
日本男子は大番狂わせを逸した。

延長の5分間には、
4点差をつけられて負けた。

94対90。

本当に惜しかった。

男子体操団体総合の大逆転があったと思ったら、
バスケットの悔しい、おしい敗戦。
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毎日毎日、一喜一憂。

夜も眠れない。

仕事に邁進しつつ、
ブログにはパリ五輪のことは書くまい、
と決めていた。

それができないほどに、
日本選手団の躍進が凄い。

書かずにいられない。

さて、
商人舎流通スーパーニュース。

オーケーnews|
2024JCSI顧客満足度のスーパーマーケットで1位獲得

JCSI(日本版顧客満足度指数)。
公益財団法人日本生産性本部の、
サービス産業生産性協議会が調査発表する。

2024年度第1回調査のスーパーマーケット業種で、
オーケー㈱が顧客満足度第1位を獲得。
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2011年度に調査対象となってから14年連続。

JCSIが定める6指標は、
⑴顧客期待、⑵知覚品質、⑶知覚価値、
⑷顧客満足、⑸推奨意向、⑹ロイヤルティ。

オーケーはこのうち、
知覚品質、知覚価値、顧客満足、ロイヤルティの、
4つの指標で1位の評価を得た。

ちなみに業種別の顧客満足1位は、
百貨店が阪急百貨店、
コンビニエンスストアがセイコーマート、
ドラッグストアがコスモス、
飲食がサイゼリヤ、
カフェがスターバックス。

推奨意向(おすすめ度)と感動指標は、
阪急百貨店、コストコ、
セイコーマート、コスモス、
そして木曽路とスターバックスが、
それぞれ1位。

阪急百貨店、セイコーマート、コスモス、
そしてスターバックスは三冠。

オーケーとコストコ、
そしてコスモスの評価が高い。

それがこの調査の特徴だが、
すべてにわたって低価格要件が、
大きなシェアを占めている印象だ。

一方、
OICnews|
3年連続ミシュラン掲載のラーメン店「ソラノイロ」グループ入り

㈱ロピアのホールディングカンパニーが、
㈱OICグループ。
社長は髙木勇輔さん。

子会社の㈱eatopiaホールディングスが、
㈱ソラノイロ(宮崎千尋代表)と、
株式譲渡契約を締結した。

ラーメン店「ソラノイロ」を展開する会社だ。
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2015年~2017年の3年連続で、
『ミシュランガイド』掲載。
人気ラーメン店。

ブランドは、
ソラノイロ ARTISAN NOODLES、
そらのいろ NIPPON、
家系ラーメン 革新家 TOKYO。

外食チェーン、コンビニエンスストア、
さらに国際線機内食のメニュー開発にも関与する。

外食は多角化していく。
そこには専門性がある。

そのソラノイロを傘下に入れて、
宮崎代表の企画・プロデュース力で、
どんどん開発行為を進めるのだろう。

OIC グループは今後、
日本食の代表「ラーメン」事業だけでなく、
チルド麺のPB商品開発なども展開する。

「世界に通じるラーメンブランド」の確立。
髙木さんと宮崎さんが意気投合したのだろう。

ソラノイロの参画によって、
OICグループの企業数は27社となった。

OICグループは2031年度に、
グループ会社100社、
国内外合わせて売上高2兆円を目指す。

特別なことをしない限り、
特別な結果は生まれない。

オリンピックの金メダルと同じだ。

〈結城義晴〉

2024年07月30日(火曜日)

パリ五輪メダリストの土壇場の逆転劇と「ゆとり教育世代」

気象庁と環境省の共同発表。

関東甲信の全域に、
「熱中症警戒アラート」

熱中症の危険性が極めて高い状態だ。
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横浜も暑い。

今日も1日、商人舎オフィス。
今週は月刊商人舎8月号の入稿。
みんなで原稿を書いて、入稿する。

オフィスのそばを流れる新田間川。IMG_5754 (002)

裏の遊歩道、緑が深い。
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入稿時期は髭を剃らない。
だから無精髭。
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夜までいい仕事をして、
帰りに魚寅食堂。
山本恭広編集長と一献。
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平櫛田中の言葉。
「今日もお仕事、
おまんまうまいよ」

平櫛はこのあとに続ける。
「びんぼうごくらく、
ながいきするよ」

さて、パリオリンピック。
メダルの数にはこだわらないけれど、
今、日本は一番多い。

それも金メダル獲得数がトップ。
嬉しくないわけはない。

柔道の二人。
女子48kg級の角田夏実、
男子66kg級の阿部一二三。

スケートボードの二人。
女子ストリートの吉沢恋(ここ)、
男子ストリートの堀米雄斗。

フェンシングは、
男子エペ個人の加納虹輝(こうき)

そして体操男子団体。

土壇場での逆転劇がすごい。
体操男子団体総合決勝。
中国に3点以上の大差で、
これはだめだと思った。
おそらく99%の人が。
中学高校と体操をやっていた私も。

しかし最終種目の鉄棒で、
中国選手が二度の落下。
日本選手は完ぺきな演技で、
大逆転した。

エース橋本太輝(22歳)は、
頼りになった。

リオ五輪以来2大会ぶり。
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堀米雄斗(25歳)は、
ベストトリックの最終5本目で大技を出した。
それが見事に決まって、
メダル圏外からトップに躍り出た。
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なんというか、苦境に強い。
奇跡の大逆転。

もちろん体操もスケボーも、
実力はナンバー1なのだが、
その精神力には驚かされる。

みんな20歳そこそこの若者ばかり。

頼もしい。

日本の未来は明るい。

私たちの世代は、
実力はあってもいざという時に、
それが発揮できなくて、
「惜しくも敗退」というのが多かった。

私自身、そんな人生だった。

だから今の2倍の実力をつけねば、
といつも頑張ってきた。

それでも惜しいところでの失敗ばかり。

ところが彼らは、何ということだろう。

前にもこのブログで書いたけれど、
ベースボールの大谷翔平、
ボクシングの井上尚弥、
アイススケートの羽生結弦。
そして将棋の藤井聡太。

雑誌『ナンバー』が、
将棋をスポーツと見立てて特集を組んで、
大ヒットさせたから、
将棋も囲碁もチェスもスポーツである。

大谷、井上、羽生、藤井。
みんな「ゆとり教育世代」だ。

1980年度から2011年度まで、
ゆとりある学校を目指した教育が施された。
それが「ゆとり教育」だ。

ゆとり教育を無条件で支持するものではないが、
この天才たちが登場した事実は重い。

大谷や井上、羽生、藤井に続く若者たちが、
パリ五輪で活躍する。

もちろん、
総合馬術団体の銅メダル獲得は、
40代によって成し遂げられた。

だからゆとり世代がいいとばかりは、
言っていられない。

それでも圧倒的なパワーは、
ゆとり世代のアスリートたちにある。

別の見方もできる。
㈱クラレの恒例のアンケート調査。
小学校を卒業した子どもを対象に、
「将来就きたい職業」を聞いた。

2024年版の男女総合は、
1位 スポーツ選手8.8
2位 医師 5.3
3位 教員 4.9

スポーツ選手は圧倒的なトップだ。
小学生が夢を実現させて、
オリンピックに出てくる。

医師や教員が上位にあるのも、
とてもいい。

4位 漫画家・イラストレーター 4.7
5位 研究者 3.8
6位は同率で、
薬剤師、動物園・遊園地、パティシエ・パン屋 3.0

9位 IT関係 2.9
10位  医療関係 2.7

薬剤師や医療関係は、
新型コロナ禍の影響もあるか。

2023年版には、
6位に建築家、8位にゲームクリエーター、
10位に看護師と会社員が入っていた。

会社員も10位というのが、
現実的だ。

商人という項目はないのだろうが、
パン屋が6位に入っている。

政治家や官僚も項目にはないのか。
ジャーナリストも。

それでも若い人たちが、
スポーツを目指し、その世界に行くのは、
悪くないと思う。

なによりもスポーツは、
それぞれに競いはするが、
平和をベースにしている。

医師も教員もみな、
平和な人類に貢献する職業だ。

そして夢が成就しない若者たちも、
オリンピック選手になれない若者たちも、
自分の土壇場に強いならば、
それでいい。

私たち詰め込み教育組よりも、
窮地になってもきっと、
自然体でいられるに違いない。
それでいい。

日本の未来は明るい。

それは私にとって、
何よりもうれしいことだ。

今日もお仕事、
おまんまうまいよ。

ありがとう。

〈結城義晴〉

2024年07月29日(月曜日)

円安/ドル高の潮目は変わるか? 「漁師」のごとく潮を見よ、考えよ!

Everyone, Good Monday!
[2024vol㉛]

2024年第31週。
7月最終週。

今週木曜日はもう8月。

パリ五輪は8月11日(日)まで。

最終日に、
チームゲームと女子マラソンがあり、
閉会式が行われる。

それまでちょうど2週間。

夏の甲子園は8月7日から17日間。
そしてパラリンピックは8月28日開幕。

世界中がパリ五輪の話題に湧き上がる。

それはそれでとてもいい。

今日は栃木県佐野市で今年最高気温。
41.0℃が観測された。
観測史上2番目の暑さ。
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横浜の街も道を歩いていると、
照り返しで40℃は超えている。

帽子や日傘がないと外は歩けないほどだ。

それでも元気に仕事仕事。
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私の今週は月刊商人舎8月号の入稿漬け。
毎日、原稿を手直しし、執筆する。

毎日新聞巻頭コラム「余録」

相場の世界の格言。
「漁師は潮を見る」

「潮の流れを読み取って
漁師が最適な漁場を探すように、
投資も相場の流れを把握しないと、
成果が上がらない」

そんな意味だとか。

円相場は今月上旬に、
約37年半ぶりの円安・ドル高水準をつけた。

しかし「足元で円高方向に大きく振れている」

「相場の潮目が変わった」との見方も広がる。

その背景にあるのは、
日米金利差が縮小に向かうとの思惑だ。

インフレの鈍化傾向を理由に、
米国の中央銀行が利下げに動く可能性が高まる。
一方で日銀の追加利上げの時期が近づいている。

「水と異なり、お金は、
低いところから高いところに
流れる」

コラム。
「日米の金利に変化の兆しが出てきたことで、
一方的な円売り・ドル買いに
ようやくブレーキがかかった格好だ」

「円安による燃料や食料品、原材料の高騰に
悩まされてきた家計や中小企業には、
ひとまず朗報だ」

本当か?

「ただ、今後の景気や物価動向次第では、
日米双方の金融政策変更が先送りされ、
円安がぶり返す懸念もある」

それはいつものこと。

11月には米国大統領選が控える。
円相場への影響も懸念される。

ドナルド・トランプ前大統領は、
もし政権に復帰するとしたら、
「自国の輸出産業に有利になるよう
ドル高是正策を推進する構え」だ。

「そうなれば、日本経済は一転して、
急激な円高リスクにさらされる恐れがある」

イオンの前身岡田屋の家訓。
「上げで儲けるな、
下げで儲けよ」

今、漁師のごとく潮を見るときだ。

もちろんそれによって金融経済で儲けよ、
と薦めているわけではない。

その動静を見定めて、
実体経済への影響を読み取ることは有益だ。

顧客やマーケットの動きを読み取る必要がある。

さて商人舎流通スーパーニュース。
True Data ニュース|
消費財メーカー向けSaaS型データ分析ツール提供開始

㈱True Dataの新しいサービス商品。
8月1日(木)からリリースする。

消費財メーカー向けSaaS型データ分析ツールの提供だ。
ネーミングは「Eagle Eye Dash Board」
食品スーパーマーケット版と
ドラッグストア版。

2種類がある。

食品・飲料、日用品、化粧品、OTC医薬品に関して、
統計化された購買データが閲覧できる。
データに基づいた意思決定に役立つし、
資料作成も簡単にできる。
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私は2008年から16年も、
このTrue Dataの社外取締役を担っている。

どうしても贔屓目になるだろうが、
客観性を担保しつつ見ても、
「Eagle Eye Dash Board」は、
いいツールだ。

この「Eagle Eye Dash Board」は、
考えるためのツールである。
考えるマーケターを養成する。

メーカーの営業担当も小売業のバイヤーも、
資料づくりに時間を取られている。

そのマンアワーは膨大なものだ。

「Eagle Eye Dash Board」はその時間を、
セービングする。

そして自分で考察し、分析する時間を保障する。

わかりやすいツールを使いこなして、
漁師の潮を見る目を養ってほしい。

では、みなさん、今週も、
よく考え、よく行動しよう。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2024年07月28日(日曜日)

パリ五輪女子柔道/角田夏美の「巴投げ」と阿部詩の「大号泣」

キバナコスモス。
IMG_5642 (002)
夏にはこのオレンジの花がよく似合う。

キク科コスモス属の多年草、
品種改良も進んで一年草もある。

コスモスは秋の花だが、
キバナコスモスは夏に咲く。

日曜日はすぐに夕暮れがやってくる。
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2024年パリオリンピック。
開会式が終わると、
すぐに競技が始まる。

ついつい見てしまう。

1964年の東京オリンピック。
評論家の亀井勝一郎が書いている。
開会式こそが「最も美しい瞬間であろう」
日経新聞の春秋が紹介した。

その通りだ。

「まだ勝者も敗者も決まっておらず、
希望だけを抱いて集っているからだ」

「その瞬間があるからこそ、
後に続く歓喜や涙が
私たちの胸をうつのかもしれない」

日本から生まれた柔道。

女子48キロ級、
角田(つのだ)夏実。
31歳にして五輪初出場。

大器晩成。

巴投げと寝技の変則柔道。
IMG_5730 (002)

それでも21年から世界選手権三連覇。
それもオール一本勝ち。

この五輪でも堂々たる戦いぶりで優勝。
日本最初の金メダルを獲った。
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試合場の畳から降りてくると、
今井優子コーチと抱き合って、泣いた。

これにつられて、私も泣いた。

表彰台に国歌が流れた。
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角田夏美は泣いた。
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かと思えば、
阿部詩(うた)。
3年前の東京五輪女子52キロ級で金メダル。

兄の阿部一二三とともに、
兄弟二連覇を期待されていた。

しかし2回戦で予想外の一本負け。
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相手は第1シード。
ウズベキスタンのケルディヨロワ。

負けて茫然自失。
体の力が抜けて立ち上がれない。
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畳から降りてきても、
その場に崩れ落ちる。
頭を抱えて絶叫。

平野幸秀コーチに付き添われて、
立ち上がるが号泣は止まらない。
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そして這うように退場。
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会場の隅に座り込んで、
また号泣。IMG_5703 (002)

それだけ思いを込めていたのだろう。

詩が敗れたのは2019年11月。
グランドスラム大阪大会決勝。
フランスのブシャールに負けた。

それ以来、5年ぶり。

五輪での慟哭は、
いつまでも会場に響き渡った。

しかし観客からは、
「UTA! UTA!」の大コール。

負けたことを忘れるくらい、
よく泣いた。
それは凄い。

亀井勝一郎が言う通り。
開会式の希望があるからこそ、
勝者の歓喜と敗者の涙が、
私たちの胸を打つ。

そして私は思う。

ウクライナでも、
パレスチナでも、
それ以外の地でも、
戦闘はやめたい。

角田夏実の巴投げは美しかった。
阿部詩の慟哭も美しかった。

何も言うことはない。

戦いというものは、
スポーツでやるのがいい。

殺し合いの戦争はやめよう。
ほんとうにそう思う。

商業も商売も、
平和の中で花開く産業だ。

だから私たち商人は平和主義者だ。
声高らかに言おう。

殺し合いはやめよう。

何歳になっても、
スポーツをやろう。
仕事もしよう。

美しく生きよう。

喜ぼう。
泣こう。

全力で。

〈結城義晴〉

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