結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年10月09日(水曜日)

イオン中間決算「最高営業収益/減益」とセブン&アイの社名変更

日本国国会。

党首討論をしたあと、
衆議院解散。

総選挙に突入する。

10月15日公示、27日投開票。

イオンの第2四半期決算説明会。

東京の大手町サンケイプラザ。IMG_6924 (002)

リアル決算説明会には、
ジャーナリスト、アナリストが集まった。
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山本恭広編集長が現地に行った。

私は横浜商人舎オフィスでオンライン参加した。IMG_6914 (002)

壇上に三人の幹部が並ぶ。
江川敬明執行役財務・経営管理担当(左)、
吉田昭夫代表執行役社長(中)、
四方基之執行役戦略担当(右)。IMG_6906 (002)

江川さんが四半期決算の結果を説明した。
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吉田さんが今後の戦略を語った。IMG_6927 (002)

商人舎流通Supernews。

イオンnews|
第2Q営業収益4兆9994億円6.1%増/売上高過去最高も減益

営業収益4兆9994億円、前年同期比6.1%増。
これが4期連続の過去最高。
全事業で増収を記録。

営業利益986億円(16.2%減)。
過去最高を記録した前期に次ぐ水準。
売上総利益率の低下と販管費増により減益。

経常利益898億円(19.7%減)。
四半期純利益54億8800万円(76.5%減)。

つまり増収減益。

吉田昭夫社長。
「前年同時期に業績をけん引した小売事業が、
価格強化戦略をとったため、
売上高と客数を伸ばすことができたが、
人件費など販管費増加分を吸収できなかった」
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江川さんも吉田さんも、
実に丁寧に正直に実情を語った。

その後、質疑応答となった。

吉田さんと江川さんがすでに話したことを、
「また聞くのか?」といった質問が多かった。

それにも丁寧に言葉を変えつつ話してくれた。

気になること。
質問者がいろいろ聞いた後で最後に、
「教えてください」と言う。

へりくだった印象を出したいのだろうが、
ジャーナリストは教えを乞うものではない。

対等な関係で質問をするのがいい。

逆にある証券会社の人間の質問は、
一貫して高みに立っている印象で、
コンサル指導するような物言いだった。

しかも知ったかぶりの自説を披歴して、
全員の時間を奪った。

それも専門家ならば当たり前のような、
どうでもいい持論展開。

勝手に書いてろ!
勝手に喋ってろ!

そんな気になった。

酷かった。

それでも吉田さんは、
辛抱強く答えていた。
お疲れ様。
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最後に噂の真相のような合併話の質問が出た。
それも固有名詞を出して。

そんなことは決算説明会で聞くもんではない。
答えるはずはないし、答えられることではない。

私も年をとったのか、
小言幸兵衛のようになってきた。
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イオンの中間決算に対しては、
次の商人舎11月号で書かねばならない。

イオン全社員がもう少しだけ、
利益にストイックになるといい。

一方、
セブン&アイ・ホールディングス。

例によって日経新聞に、
上期決算の事前リーク記事が載った。

それは実際に決算説明会で聞こう。
明日の夕方、オンラインで行われる。

それとは別に日経新聞電子版に載ったのが、
「セブン&アイ、社名変更を検討」の記事。

日経系テレビ東京の夜の報道番組でも、
トップの話題になった。

イトーヨーカ堂を売却する検討をしている。

このこと自体もまだ明快ではない。
難題が残っている。

しかし売却が決まったら、
主力のコンビニ事業に経営資源は集中される。
そこで社名を変えるらしい。

社名変更の前にやることが山ほどある。
手順前後だ。

セブン&アイの社名は、
鈴木敏文前会長が決めた。

2005年9月、持ち株会社を設立したときに、
「新・総合生活産業」を目指して、
7つの主要な事業領域をもつ会社となる。
そのうえでイノベーションを進めるとか、
「愛」を表すだとか言われた。

7つのステークホルダー・エンゲージメントもある。
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「セブン」は鈴木敏文創業のセブン-イレブン、
「アイ」は伊藤雅俊創業のイトーヨーカ堂の頭文字。
大方の見方はそんなものだった。

そのセブン&アイの「i」をとって、
セブン-イレブン・ホールディングスにするか、
あるいはセブン・ホールディングスにするか。

いずれにしても「アイ」を削るらしい。

私の印象を先に言っておこう。

まず予測であろうとなかろうと、
日経新聞から出たのはよろしくない。

いつも言うけれど、
とくにイトーヨーカ堂の社員・従業員は、
いい気持ちはしない。

会社から事前に説明があって、
それが新聞や報道機関に載るのが順序だ。

もちろん社内に知らせたら、漏れる。
それが新聞に載る。

それはいい。

だが会社の名称変更は、
幹部や社員に一番最初に知らせるべきだ。

役員の誰かがマスコミにリークして、
そのあとで社員が新聞やネットで知るのはいけない。

それから余計なことだが、
「セブン-イレブン」という名称は、
アメリカのサウスランド社がつくったものだ。

とてもいいネーミングだとは思うけれど、
日本の企業の社名にするには、
何というかオリジナリティが不足している。
そこはよく考えなければならない。
時間をかければいい。

今のままでも悪いことはない。

思いついたら、
すぐ言いたがる。
黙っていられない。

子供じみている。
そんな印象だ。

また小言幸兵衛になってしまったが、
許せ。

〈結城義晴〉

2024年10月08日(火曜日)

寒露の日の「カスタマーハラスメント条例」と「攻撃的対策」

寒露です。

今日の関東地方は雨で、
余計に寒露を実感させてくれます。

膝の痛み訴へて来し寒露かな
〈村越化石〉

村越化石(むらこし かせき)は、
「魂の俳人」と称された。
1922年生まれ、2014年没。
ハンセン病と闘いながら句作を続けた。

寒露は膝の痛みが出てくるころだ。

東京新聞の一面コラム「筆洗」

「子どもがまだ
食っている途中でしょうが!」

ドラマ『北の国から』シリーズの一場面。
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子ども二人がラーメンを食べている。
ラーメン店の女性店員が閉店時間だからと、
器を下げようとする。

これに田中邦衛さん演じる父親が声を荒らげる。

邦衛さんを応援したくなるシーンだが、
コラムは「店員さんの方も気になる」

「閉店時間とはいえ、どうして
あんなに店を閉めたがったか」

「ひょっとして、この人にも夜、
一人で帰りを待っている子どもが、
いたりして…」

店員と顧客の関係。

全国初の条例が東京都議会で、
全会一致で可決、成立した。
カスタマーハラスメント防止条例。

この条例はカスハラを定義した。
「客から就業者に対し
その業務に関して行われる著しい迷惑行為で、
就業環境を害するもの」

そして規定する。
「何人もカスハラを行ってはならない」

運用にあたっては、
客の権利を不当に侵害しないよう
留意しなければいけないとしている。

ただし条例に罰則はない。
来年4月1日から施行される。

コラムは人をなるべく怒らない方法を教えてくれる。
「相手の生活や家族を空想すること」だそうだ。

「たとえば目の前の従業員が
どんなお正月を過ごすかを頭に浮かべる。
家族で笑っている光景か。
あるいは仕事で正月どころではないかも…。
なるほど、ちょっとは優しくなれるか」

顧客も従業員も対等。
それが本質だ。

リッツカールトンのクレド。
We are Ladies and Gentlemen Serving Ladies and Gentlemen.
私たちは、紳士淑女にご奉仕する紳士淑女です。

互いに紳士淑女であればいいのだが、
客の側が紳士淑女でないから困る。

月刊商人舎8月号特集。
「’24商売のヒント」
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「カスハラ」に対する基本方針を掲げよ!
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厚生労働省もカスタマーハラスメントを定義する。
「顧客や取引先などからのクレーム・言動のうち
社会通念上不相当なものであり、
その手段・態様により、
労働者の就業環境が害されるもの」

労働組合のUAゼンセンは、
「悪質クレームの定義と
その対応に関するガイドライン」を、
具体的に発表している。

(ア)社長をだせ、責任者を呼べ、上の者をだせのリピート
(イ)対応の悪さを執拗に指摘
(ウ)不快感を晴らすために、
叶いそうにない要求をあえてストレートに主張
(エ)文章をよこせ、一筆入れろとの請求
(オ)長時間の監禁
(カ)普通の顧客なら受け入れる対応を拒絶しつづける
(キ)店頭・事務所に居座り、大声で非難し、帰らない

UAゼンセンは、
「以上のような行為があれば、
悪質クレームの可能性が高い」としている。

このUAゼンセンのガイドラインをもとに、
小売企業が「カスハラに対する基本方針」を、
掲げる例も増えた。

東京都の条例には罰則はないが、
こういった小売業、サービス業側の、
カスハラ方針には味方をしてくれる。

月刊商人舎は最後に言い切る。
「カスハラ頻発と悪質化の時代には、
防御的政策では足りない」

「攻撃的対策が必須である」

「それが働く人たちの
人格と尊厳を守ることに
直結するからだ」

わが商人舎は、いつも力強い。

〈結城義晴〉

2024年10月07日(月曜日)

「スーパー総選挙」はヤオコーが首位/中間決算続々発表

Everyone, Good Monday!
[2024vol㊶]

2024年第41週。
10月第2週。

急に涼しくなりました。
明日は二十四節気の寒露。
「露が冷気によって凍りそうになるころ」

商人舎流通Supernews。

スーパー総選挙news|
第5回は1位ヤオコー/オーケー5連覇ならず

TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」が、
第5回「スーパー総選挙」を実施した。

私は聞いたことがないが、
作詞家でコラムニストのジェーン・スーが、
パーソナリティを務める番組。

リスナーが最高と思うスーパーマーケットに投票する。
第5回の投票総数は3万7155票。
tbs_sm_sousenkyo2024
ヤオコーが1位を獲得した。
6581票。

2位はオーケーで5589票。
この企画が始まってから、
オーケーは四連覇していた。

ヤオコーが五連覇を阻止したことになる。
今後はマッチレースか。

3位はスーパーベルクスで、3752票。
頑張った。

4位がライフ(2793票)、
5位がロピア(1830票)。

6位に広島のフレスタが入って1645票、
7位は兵庫のスーパーマルハチ(1419票)。

このあたりは地元の人しか知らないだろう。

8位が神奈川のsanwa(1096票)、
9位は東京の文化堂(1066票)、
10位がこれも東京のコモディイイダ(948票)。

まあ、ラジオ番組の人気投票だから、
それなりのものだが、
ヤオコー、おめでとう。

[上場企業の中間決算]
続々と発表されている。

スーパーマーケット業態のチェーン。

ライフnews|
第2Q営業収益4219億円5.4%増・経常利益127億円1.1%減

ライフは増収減益。
営業利益率は2.9%と踏みとどまった。

ハローズnews|
第2Q増収増益/1033億円8.2%増・経常利益14.3%増

絶好調の増収増益。
営業利益も14.0%増で、
営業利益率5.6%と健闘。

総合スーパー業態の企業。

フジnews|
第2Q営業収益4017億円0.7%増・経常利益61億円12.7%減

今年の3月1日に㈱フジが存続会社となった。
㈱フジ・リテイリングとマックスバリュ西日本㈱を、
吸収合併した。

2024-2026年度の中期経営計画を策定、
2030年度の営業収益目標を1兆円と定め、
3つの基本戦略に取り組む。
⑴企業文化の確立
⑵既存事業の改革
⑶事業インフラの統合とシナジー創出

そのうえでESG経営を推進する。

フジも1兆円を視野に入れる。

平和堂news|
第2Q営業収益2080億円4.2%増・経常利益2.2%増の好決算

増収増益だが、
営業利益だけ減じた。

客数増加により売上高が増加。
戦略的価格設定で値入率が下がり、
粗利益率が低下した。

オークワnews|
第2Q営業収益1225億円0.9%増/経常利益61.8%減

何とか増収を果たしたが、
大幅減益。

全社を挙げて利益にストイックになるときだ。

サンエーnews|
第2Q営業収益1207億円5.1%増・経常利益94億円9.2%増

営業収益5.1%増、営業利益8.6%増、
経常利益9.2%増、四半期純利益5.8%増。

営業利益率7.6%も業界随一。
その調子だ。

一方、ドラッグストア業態の企業。

ウエルシアnews|
第2Q売上高6306億円3.2%増も経常利益22.2%減

増収減益で、
営業利益率3.0%。

タバコを取扱い中止して、
その分、売上げは減じたが、
営業収益は前期比3.2%増。

医薬品2.4%減、調剤8.4%増。
化粧品3.7%増、家庭用雑貨4.4%増、
そして食品が6.4%増。

8月末時点のグループ店舗数は2867店。

ツルハnews|
第1Q売上高2734億円5.2%増・経常利益151億円6.3%増

こちらは増収増益。
営業利益率5.5%。

8月末のグループ店舗数は2643店舗。
うち調剤薬局が940店舗。

スギnews|
第2Q売上高4138億円12.9%・経常利益18.4%の増収増益

スギホールディングス㈱は二ケタの増収増益。
絶好調。

営業利益率は4.9%。

ホームセンター業態の2社。

DCMnews|
第2Q営業収益2878億円16.5%増・経常利益12.6%増

二ケタ増収増益で絶好調。
営業収益16.5%増、営業利益18.3%増、
経常利益12.6%増。

営業利益率7.3%。

今年1月9日付で㈱ケーヨーを完全子会社化。
その分が第2四半期決算に寄与した。

9月1日にDCM㈱を存続会社、
ケーヨーを消滅会社として吸収合併した。

アークランズnews|
第2Q営業収益1592億円0.6%増だが経常減益

売上高は微増の0.6%増。
営業利益は14.7%増で経常利益が26.9%減だが、
額はそれぞれ101億円。

営業利益率も経常利益率のともに6.4%。

2022年9月1日にビバホームを完全子会社にして、
社名をアークランズに変更した。

社内調整も済んだようで、
営業利益と経常利益が歩調を合わせてきた。

最後に、
しまむらnews|
第2Q売上高3306億円4.3%増・経常利益4.1%増

増収増益の好決算だった。
営業利益率9.5%。

2024年度のテーマは、
「当たり前を改める」。

すべての「当たり前」という考え方を、
改めていく。

商品のつくり方や売場の見せ方、
組織や人材育成、システムや用地開発など、
すべての部署でそれに挑戦する。

2024年度の中間決算、
おおむね好調のようだ。

今週は水曜日にイオンの決算説明会が、
リアルとネットで行われる。

木曜日にセブン&アイがオンラインで行うが、
こちらは荒れ模様が予想される。

では、皆さん、今週も、
利益にストイックでありたい。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2024年10月06日(日曜日)

「よき習慣」ほどよいものはない。

空もすっかり秋らしくなった。IMG_6868 (002)

道路脇の花壇に、
ニチニチソウが咲いていた。
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初夏から晩秋まで次々に花が咲く。
そこで「日々草」と名づけられた。
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色とりどり、グラデーション。IMG_6879 (002)

しかしニチニチソウには毒性がある。
「ビンカアルカロイド」。
10種以上のアルカロイド。

その10種類のうち、
ビンクリスチンとビンブラスチンに、
細胞分裂阻害作用がある。

食べてはいけない。IMG_6880 (002)

赤い日日草にはカメラの焦点が合いにくい。IMG_6877 (002)

夕方、いつものように自由が丘へ。
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パリの花屋、モンソーフルール。
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今はハッピー・ハロウィン。
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店の入り口。
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メインの売場はいつも華やか。
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テーブルに小物を陳列する。
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きちんとした店には、
いつも安心させられる。

基礎的な業務を自律的にやっているからだ。

糸井重里さん。
10月の初めごろの「今日のダーリン」

「よき習慣」ほど
よいものはない。

よいことが
習慣になっている人は、

ほんとうに強いよ。

同感だ。

「よい習慣」。
やりたいことができたら、
迷わず、それを習慣にしてしまおう。

なにか向上したいとか、
実現したいとか思ったら、
その練習を
「よき習慣」にすることだ。

習慣とは何度もなんども繰り返すうちに、
無意識のうちにできるようになること。

前野隆司さんの本に、
『幸せに働くための30の習慣』がある。
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その第1章は、
「幸せに生きるために必要な10の習慣」

小見出しだけ並べても面白い。

⑴「ご機嫌そうな人」を装う
⑵通勤時に公園を通る
⑶嫌な出来事をポジティブに変換する
⑷職場の飲み会ではしゃいでみる
⑸「ありがとう」に感謝の理由を添える
⑹「一人じゃない」と思える時間を持つ
⑺隣のデスクを拭く・時々サボる
⑻仕事と自宅以外で過ごす時間を持つ
⑼「面白そう」を気軽に試す
⑽習慣1〜9のうち、まず一つを試す

⑵「通勤時に公園を通る」はすぐにやったらいい。
有名な広い公園でなくとも、
街の中の小さな公園でいい。

私が好きなのは、
⑸「ありがとう」に感謝の理由を添える

それを習慣にする。

いいなあ。

近江商人の「十訓」というのがある。
そのひとつ。

「今日の損益を常に考えよ、
今日の損益を明らかにしないでは、
寝につかぬ習慣にせよ」

社長や店長は、
今日の損益を明らかにすることを、
習慣にするといい。

私はブログを書くことを習慣にしている。

ヘンリー・ミンツバーグは教える。
「義務的な仕事を習慣にせよ」

そして大事なことを、
義務にしてしまう。

すると大事なことが達成できる。

「よき習慣」は、
とても、いい。

〈結城義晴〉

2024年10月05日(土曜日)

イオン「ESGブランド調査」の首位とKKRクラビス会長の「履歴書」

「第5回ESGブランド調査」
イオンが初の首位。

日経BPの調査。

ESGは「環境・社会・企業統治」
その活動に対する企業イメージ。

2020年の調査開始。
昨2023年まで4年連続で、
トヨタ自動車がトップだった。

今回は6位だった。

このESGブランド調査は4部門で評価される。
⑴環境(Environment)
⑵社会(Society)
⑶ガバナンス(Governance)
⑷インテグリティ(誠実さ)

ブランド名を含む主要560社名を対象に、
2024年5月30日〜6月28日の期間に、
インターネット調査を実施して、
約2万1000人から回答を得た。

イオンは環境部門で1位だった。
イオン環境財団の活動は高く評価された。
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岡田卓也名誉会長の卓見だと思う。
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個別項目では、
リサイクル、廃棄物削減に力を入れている、
プラスチックの使用削減など
資源の有効利用に努めている、
などで高い評価を得た。

イオンは全部門で10位以内に入って、
総合1位となった。

小売商業全体にとっても、
誇らしいことだ。

総合2位はソニー。
さすが。

昨年の20位から躍進した。
イオン同様に全部門で10位以内。

6位に下がったトヨタは、
型式指定の認証不正があって、
ガバナンス部門の評価が大きく下がった。
環境と社会、インテグリティの3部門では、
依然、ブランドの強さは健在だった。

日本最大企業にして、
世界最大の自動車メーカー。

イオンの今回の首位は、
トヨタから恵んでもらったようなものか。

それでも「いい会社」という評価は、
とてもうれしい。

さて日経新聞「私の履歴書」
今月はヘンリー・クラビス
KKR共同創業者兼会長。
Key Speakers At The Year Ahead: 2014 Conference

1944年、ニューヨーク生まれ。
名門コロンビア大学でMBAを取得後、
投資銀行ベア・スターンズに入行。

1976年、親友のジョージ・ロバーツ、
ジェローム・コールバーグと、
3人で投資会社を興した。
コールバーグ・クラビス・ロバーツである。
頭文字をとってKKR。

株式の公開買い付けで大胆な買収戦略を展開。
レバレッジド・バイアウト(LBO)と呼ばれる。

1980年代には、
ウォールストリートを象徴する企業となった。

1989年、RJRナビスコを買収。
これは史上最大のLBOとして知られる。

西友の筆頭株主は今、KKRである。
西友はウォルマートに買収され、
2021年に今度は楽天とKKRが、
ウォルマートから西友株を取得。

その後、楽天はその持ち株をKKRに売却した。

今、KKRが85%、ウォルマートが15%。
つまり日本の小売業とも深い関係をもつ。

そのクラビスは言う。
「私たちは資本主義の力を信じている。
資本が自由に動くことで
企業も人々も繁栄する」

「企業は世の中を変える力を持っており、
そんな企業への投資は
世界が対応を迫られている
脅威をも解決できる」

KKRは買収ファンドの草分けだ。
現在はプライベート・エクイティ(PE)とか、
「代替投資」と呼ばれる。

セブン&アイがイトーヨーカ堂を売却する際、
エクイティファンドに声をかけた。

そこから今回の件が漏れた。

「企業を買収、改革して価値を高める。
幹部も社員も自社株を持ち、
投資が成功すれば誰もが豊かになれる」

創業期の企業ならばそれもできる。
しかし超巨大な企業となると、
社員は自社株を持てなくなる。

それでもクラビスは強調する。

「ファンドにお金を出すのは、
公的年金基金や財団、近年は個人に及ぶ。
私たち自身個人的に、
あるいは会社の自己資金で投資している」

アメリカ人には年金制度がない。
だから株式投資が年金の機能を果たす。
個人の責任において。

「共に所有する」が、
KKRの哲学の核心にある。

クラビスとロバーツは共同創業者であり、
いとこ同士である。

どちらも祖父たちが、
ロシア帝国下の国々から移民してきた。
クラビスの祖父はベラルーシ、
ロバーツの祖父はラトビア。

クラビス家は小売業を、
ロバーツ家はホテル経営をした。

そしてどちらにも共通する哲学があった。

「自分がしてもらいたいように、
人にもしてあげなさい」

JCペニーと同じ「ゴールデン・ルール」である。
これがKKRの風土の根幹をなす。

KKRが人を採用するとき、
どこを見るか。

採用される候補者が、
夕食でウエーターにどんな態度を取るのか。
タクシーの中で運転手にどう接するのか。

ウエーターや運転手は、
二度と会わない人かもしれない。
だがそのような人にどう向き合うのかが大切だ。
日々の行動にこそ、人間の本当の性格は表れる。
クラビスはそう言う。

「ハゲタカファンド」などと揶揄されるが、
だからこそクラビスたちは、
「ゴールデンルール」を大切にする。

日経の「私の履歴書」の連載に登場する狙いは、
ここにあるのかもしれない。

〈結城義晴〉

2024年10月04日(金曜日)

セブン&アイのイトーヨーカ堂売却と「工業の論理×商人の論理」

イトーヨーカ堂の売却。
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セブン&アイ・ホールディングスが、
スーパーストア事業を中心に、
一部株式売却の検討に乗り出した。

米国のブルームバーグの報道が一番早かった。

未公開株式の投資会社などに、
初期段階の打診をした。

日経新聞電子版は、
13時30分に配信した。

日経は追加取材をしたようだ。
それによると、
年内にも売却手続きを始める。
過半数の株式を売却する方針で、
入札を受け付ける。

4月にはスーパーストア事業を再上場する、
なんて決議していた。

2026年2月期までに2年間で、
構造改革で利益体質を改善させた上で
一部株式を売却する方針だった。

EBITDAを550億円とする目標を立てた。
EBITDAは税引前当期純利益から、
償却費と支払利息と税金を足し戻した利益だ。

この指標は通常の会社経営では使わない。
使う必要もない。

EBITDAはM&A実務に頻繁に使われる。
とくに買収側は「EBITDA」を基準にする。

それを幹部や従業員に示しても、
構造改革や体質改善には、
つながらない。

実際にセブン&アイは、
それに本気で取り組んではいない。

自主アパレルをやめることと、
不採算店の売却、閉鎖しかやっていない。
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それでは企業組織の構造改革にはならない。
目先の「利益」に関しては、
改善のように見えるかもしれない。

しかしイトーヨーカ堂やヨークベニマルの、
幹部や現場の人たちはどう感じるだろう。

会社はだれのものか。
顧客のためのものであり、
社員・従業員のためのものでもある。
その視点がまったくない。

構造改革と体質改善には、
時間がかかる。

トップマネジメントが現場に入って、
全社一丸とならねば絶対にできない。

ヨークベニマルは別にして、
イトーヨーカ堂では残念ながら、
それがなされてはいない。

イトーヨーカ堂社内では、
井阪隆一セブン&アイ社長は、
ひどく評判が悪い。

いずれにせよ、セブン&アイは
コンビニエンスストア事業に集中する。

カナダのアリマンタシォン・クシュタールから、
相変わらず買収提案を迫られている。

だからコンビニ事業に集中して、
急いで企業価値を高める必要がある。

セブン&アイは、
イトーヨーカ堂とヨークベニマルの「スーパー事業」を、
中間持ち株会社を設立して束ねる計画をもつ。

しかし構造改革と体質改善を、
本気で実現させようとしたら、
そんな中間持ち株会社は「害」にしかならない。

どちらも自主独立にすべきだ。
インディペンデントな組織にすべきだ。

とくにヨークベニマルはずっと、
日本有数のスーパーマーケットチェーンである。
今のままでもIPOは可能だ。

問題はイトーヨーカ堂。

そしてセブン-イレブンしかやったことのない、
井阪社長にはどうやら、
これがわからないらしい。

ずらりと揃う社外取締役の面々にも、
当然、わからないようだ。

つまりセブン&アイのトップたちには、
「業態」の概念がない。

確立された業態よりも、
合計して規模が大きいほうが、
売りやすいと思っているようだ。

コンビニエンスストアと、
総合スーパーと、
スーパーマーケット。

それぞれに経営は異なる。

コンビニ経営の知見だけでは、
総合スーパーも食品スーパーマーケットも、
改革をすることはできない。

来週10月10日には、
セブン&アイの中堅決算発表がある。
その席上できっと発表するのだろう。
「持ち分法適用会社にすることを含め、
戦略的パートナーとの連携を検討する」と。

株式売却後もセブン&アイは、
イトーヨーカ堂の株式は一部保有し続け、
一定の関与を続ける考えのようだ。

経営権は外部企業に委ねられる。

商人舎2023年4月号。
202304_coverpage (1)

私が力を込めて書いたのが、
「工業論理」×「商人論理」で考えを改めよ
?????????????????????

今でもこの論述の通りだと確信している。
読める人は読んでほしい。

「総合スーパーの現場も知らない
井阪隆一セブン&アイ社長や新しい社外取締役たちが、
数字だけ見て下した判断は、
イトーヨーカ堂の現場の人間たちに響きはしない」

伊藤雅俊の100周年の言葉を思い出そう。

「信用は一朝一夕では生まれません。
あらゆるステークホルダーの皆様と
誠実に向き合い、
一歩ずつ信頼関係を積み重ねることで
信用は生まれます」
202307_ito
「ステークホルダーとは、
第1に顧客であり、
第2に社員、従業員である。
労働組合でもある。
第3に取引先であり、第4に株主となる。
そして第5に社会である」

私はセブン&アイのビジョンを描いている。
コンビニエンスストアは、
「工業の論理で、
セブン-イレブンをスピンアウトさせる。
どこまでも突っ走る世界的なチェーンストアにする」

「一方、商業と商人の論理で、
イトーヨーカ堂、ヨークベニマルを
セブン-イレブンから分離、独立させる」

このとき業態概念を無視してはいけない。

「そう、コンビニ事業以外は、
伊藤雅俊の思想を受け継ぐ企業であることを
思い出すべきである」

「ヨークベニマル創業者の大髙善雄の
『野越え山越えの精神』を貫徹するべきである」

「そしてセブン-イレブンは、
鈴木敏文のDNAを継承するのである」

私の結論。
「工業の論理と商人の論理で、
シンプルに考える」

「それがわからない経営者は去るしかない」

今でもそれを確信している。

イトーヨーカ堂の社員・従業員の気持ち、
ヨークベニマルの幹部と社員の感情。
考えると胸が痛む。

〈結城義晴〉

2024年10月03日(木曜日)

戦争における「人間の愚かさ」と学ぶことに対する「人間の賢さ」

イスラエルと中東のイスラム諸国。
完全に戦争状態にある。

イスラエルは、
パレスチナのガザ独立区を弾圧し、
レバノンにも侵攻し、
イランと交戦する。

イランがまたミサイルで報復する。

現代の戦争は世界の人々に、
それを強く意識させない。

不思議な戦争だ。
しかしそれが現実だ。

世界は間違った方向に進んでいる。

ユダヤ人歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリ。

「ネタニヤフが、
2022年12月に樹立した連立政権は、
最低であり最悪だ」

「それは、
救世主メシア信仰の狂信者たちと、
厚顔無恥な日和見主義者たちの同盟であり、
彼らは、治安状況の悪化をはじめ、
イスラエルが抱える問題の数々を顧みず、
際限なく権力を我が物にすることしか
眼中になかった」

手厳しい。

「ポピュリズムが、
イスラエルという国家を蝕(むしば)んだことを、
世界中の他の民主主義国家は
教訓として受け止めるべきだ」

ハラリは『21Lessons』に書いている。
IMG_6550-0023

「イスラエルも、アメリカや中国、
ドイツ、日本、イランと同じで、
21世紀には、中立の立場を守り、
他の人々に代わりに戦ってもらうのが、
最善の策であることを理解しているようだ」

皮肉な言い回しだ。

しかしそのうえで言い切る。
「人間の愚かさをけっして、
過小評価してはならない」

ここは万能の、
「ナマンダブ、ナマンダブ」の出番か。

私の伯父・結城信行、99歳。
IMG_E54402-448x607

大東亜戦争に負けたあと、
伯父はシベリアに抑留された。

厳しい寒さと飢えに耐えて、
何とか生きて帰ってきた。

抑留が終わるころ、
珍しく缶詰が支給された。

若い兵士が、
その缶詰を開けようとした。

しかし手がぶるぶる震えて、
開けられない。

寒さと喜びと緊張が、
缶切りで缶詰を開ける行為さえ、
阻んでしまったのだ。

伯父が代わって、
「ナマンダブ、ナマンダブ」と唱えながら、
缶切りを動かすと、
すんなりと缶詰が開いた。

前にもこのブログに書いた。

伯父の「ナマンダブ」は万能だ。

今、私たちにも、
そんな万能の呪文が必要だと思う。

私の家のそばの妙蓮寺。IMG_6857 (002)

東門の表札の青さが、きれいな色だ。IMG_6858 (002)

1日中、原稿を執筆し、
夜中に責了の寸前まで仕上げた。IMG_6862 (002)

商人舎10月号もいい雑誌です。IMG_6863 (002)
ご期待ください。

商人舎流通Supernews。

ベルクnews|
学生対象の実践型ビジネス講座「ベルクアカデミー」開講

㈱ベルクは今、面白い。

学生を対象にして、
オリジナル実践型ビジネス講座を始める。
参加費無料の「ベルクアカデミー」。
202401002_belc-academy

募集対象は大学1年生~3年生、
専門学校・短大1年生。
総人数40名。

時間は17時~20時の「イブニング講座」で、
合計4回、12時間。
202401002_belc-academy2

講座の内容は、
原島一誠社長のビジネス講話、
スキルアップLesson、
グループディスカッション、
パネルトーク、
ベルク教育ツール体験など。
202401002_belc-academy1
ビジネス現場で必要となるスキルや思考法を、
ベルクの社長や幹部、現役社員がサポートしつつ、
実践的形式で学んでもらう。

講座の最終回には、
「Belc Academy Award」を開催する。
商品アイデアコンテストの優秀者、
アカデミー優秀修了者を特別表彰する。

さらに海外商品開発研修などの、
「SPECIAL特典」も用意している。

海外商品開発研修は、
学生にとって魅力的だ。

ベルクをよく理解した学生を、
採用することにつながる。

さらに原島社長自身も、
この講座にかかわる幹部や社員も、
勉強することができる。
成長する。

教える者こそ学ぶことができる。

私は学生ではないが、
参加して聴講してみたい。

お願いできないだろうか。

それにしてもベルクの最近の動きは、
他と一線を画している。

マネジメントにおけるポジショニングを追究している。

学ぶことに関しては、
人間の賢さをいくら、
過大評価しても構わない。

〈結城義晴〉

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