結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年11月07日(木曜日)

日本スーパーマーケット協会の「年金制度改正の考え方」

二十四節気の立冬。

東京で「木枯らし1号」が吹いた。

気象庁の発表。
午前10時54分の東京。
最大瞬間風速13.7mが観測された。

10月半ばから11月末までに、
冬型の気圧配置のなかで吹く、
最大風速8m以上の北寄りの風。

それが「木枯らし1号」

嬉しいのか、寂しいのか。
どう表現したらいいか。

それでも冬が立った。

商人舎オフィスに、
「セルコレポート」が届けられた。IMG_7426 (002)

私の連載は「艱難は商人を鍛える」
第31回。
IMG_7424 (002)

艱難の商人の姿を書いてきた。
自分の艱難まで披露してしまった。

今月はあまり知られていないエピソード。

ご愛読をお願いします。

それから小冊子が送られてきた。
[JSA2024特別対談]
「年金制度改正に対する
私どもの考え方」IMG_7431 (002)

岩崎高治さんと高橋俊之さんの対談。
岩崎さんはもちろん、
日本スーパーマーケット協会会長で、
㈱ライフコーポレーション社長。
高橋さんは㈱日本総合研究所特任研究員。
年金制度のスペシャリスト。IMG_7427 (002)

送付レターには協会の加藤貴文さんから、
メッセージが書かれていた。

私の11月2日のブログで、
「10万円の壁問題」を取り上げた。

「年収の壁」への「部分連合」と
岩崎高治・川野澄人の発言

国民民主党と自民党・公明党が、
「103万円の壁」に関して、
協議を始める。

岩崎さんが日経新聞にコメントし、
川野澄人さんはJSA25周年記念の、
副会長パネルディスカッションで発言した。

「税と社会保険をセットで変えて、
シンプルにする」
それが協会の考え方だ。

私は賛意を示した。
それをブログに書いた。

そのことへのお礼として、
わざわざ冊子をお送りいただいた。
嬉しいことだ。

この冊子はよくできている。IMG_7429 (002)

協会のホームページに、
PDFで掲載されている。

是非、読んでほしい。
各社で検討してほしい。

この対談の最後に書かれている。
それが私の考えと一致していた。

すぐにはできないだろうけれど、
よく話し合って納得したうえで、
社会的にも了解を得てから、
「配偶者手当」を廃止する。
「子にかかわる扶養手当」は増額する。

是非とも進めてほしいと思う。

女性が男性に、妻が夫に、
扶養されているという考え方が、
解消されない限り、
税と保険の問題は解決しない。

本当の意味での男女同権にはならない。

それが実現されれば、
小売業にも女性本来の力が発揮される。

やる気があって能力も高い女性たちが続々と、
経営幹部に登用されることになるだろう。

私はそう思う。

「年金の壁問題」の根はここにある。

選択的夫婦別姓の問題にも、
絡んでいるのだろう。

日本スーパーマーケット協会は、
国際的で正当な考え方をもっていると感心した。

アメリカ大統領選挙では、
ドナルド・トランプが二度も、
女性候補に勝った。

8年前はヒラリー・クリントン。
今回はカマラ・ハリス。

ことさらにマッチョな「男」を強調して。

だから今回の選挙応援には、
プロレスラーのハルク・ホーガンが登場した。

そして大統領の直接選挙では、
まだまだ男性が強い。

テレビ朝日のモーニングショーで、
玉川徹コメンテーターが言っていた。
先進国首脳会議「G7」の国で、
女性が大統領に選ばれたことはない。

議会の多数派の党首として、
首相になった女性政治家はいる。
そしていい政治をした。

イギリスのマーガレット・サッチャー、
ドイツのアンゲラ・メルケル。

イタリアのジョルジャ・メローニは、
ちょっと危険だけれど、
彼女も直接選挙では選ばれていない。

なるほど。

先進国の直接民主制度では、
まだ女性大統領は生まれていない。

日本の高市早苗さんも、
直接選挙ではなく、
自民党の党内総裁選挙である。
だから可能性は高かった。

まだまだガラスの天井はある。

まずは配偶者手当から始める。
それがやがて本当の男女同権につながる。

私は女性の能力を高く買っている。
前にも書いたけれど、
PTA活動のときにそれを実感した。

㈱商業界の時代にも、
私が採用した新入社員は、
圧倒的に女性が多かった。

ジャーナリストの候補生としても、
優れていた。

そしてわが㈱商人舎も、
女性たちの力がなければ成り立たない。

日本社会の未来も、
女性にかかっている。

ほんとうにそう思う。
みなさんは、どう考えるだろうか。

〈結城義晴〉

2024年11月06日(水曜日)

「離島振興地方創生協会」への参画と「トランプ大統領復帰」の考察

有楽町駅前のマリオン。
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右がルミネ、
左が阪急メンズ東京。IMG_7415 (002)

11階の窓から東京駅が見える。IMG_7413 (002)

叙々苑の「游玄亭」
ランチはリーズナブルだ。IMG_7414 (002)

千野和利さんとランチミーティング。
一般社団法人離島振興地方創生協会理事長。
元阪急オアシス社長。IMG_7411 (002)
離島振興地方創生協会は、
略して「離創協」と呼ばれる。

千野さんはその理想郷に向かって、
全力で走り続けている。

協会設立は2020年4月。

すると世界中が、
新型コロナパンデミックに襲われた。

しかし千野さんはその中で、
⾷品産業の振興を通じて、
離島や地⽅の⼈⼝減を⾷い⽌める活動を続けた。
「⾷料⾃給率を向上させ、
⽇本に豊かさと元気を取り戻す」

この⽬標を掲げて動き続けた。

この4年間で⻑崎県の離島を軸に、
100回以上も離島を訪問した。
40回を超えるフェアを開催し、
16回、展⽰会に出展した。

現在、正会員は74社、賛助会員は91社。
まだまだ増え続けている。

離島や地⽅の⽣産者と、
都市部の消費者を仲⽴ちする。

その事業にスーパーマーケットが機能する。

離創協は3つのフォーマットを策定する。
第1はバリューチェーンの構築、
第2は⽣産基盤整備、
第3は⽣活基盤整備。

参集した正会員、賛助会員の、
知⾒や能⼒、技術、ノウハウなどは、
離島や地⽅へと展開されていく。

現在は離島の産品を都市に送るだけでなく、
長崎県全域の生産基盤整備事業に乗り出している。

大石賢吾長崎県知事は、
千野さんのビジョンと行動力に感銘を受け、
今や離創協と一体となって、
長崎県の食品産業の振興に突き進む。
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この協会の目標を達成するためには、
何よりも第1のバリューチェーンの構築が必要だ。

第2の生産基盤の整備は、
驚くほどのスピードで進んでいる。

気候変動で日本の水産業や農業は、
大きな変化を求められている。

それへの対応の一部を離創協が担う。

その話を聞かせてもらった。

私も感動した。
そして微力ながら、
少しだけ協力させていただくことにした。

このブログを読む皆さんの、
離創協への参画をお願いしたい。

離島から地方へ。

離創協の活動は広がっている。

さて、
アメリカ大統領選挙。
ドナルド・トランプ前大統領が勝利した。
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あっけないほどの決着だった。

日本経済新聞ワシントン支局長が、
すぐに電子版に記事を書いた。
「世界揺さぶる大国の放縦」
大越匡洋(まさひろ)さん。

まったくこの記事の通りだと、感心した。

1995年、早稲田大学政治経済学部を卒業、
日経新聞に入って経済・金融政策の取材記者となり、
2005年から2年間、自民党、民主党を担当。
2012年から4年間、北京に赴任。
発足したばかりの習近平政権下の中国を取材、
重慶支局長を兼務。
2021年4月にワシントン赴任、
2022年4月からワシントン支局長。

「民主主義は、
1人の独裁者が終わらせることも、
1人の英雄が救うこともできない。
有権者全員がその命運を握る」

「大統領選の投票数は過去20年で
3割増の1億6千万票程度となる見通しだ。
米国は今も成長する民主主義国である」

大越さんはアメリカに希望をもっている。
私と同じだ。

「ところが二大政党はいずれも
相手を圧倒する多数派を作れず、
全人口の18%ほどの激戦州が全体を決した」

「共和は移民対策、民主は人工中絶の権利を重視したが、
政策論争は乏しい」

「トランプ氏の『人格への疑問』と、
ハリス氏の『能力への疑問』の争いに終始した」

その通りだ。

「トランプ氏は政敵を
『中国やロシアより危険な内なる敵』と呼び、
『軍隊が対処できる』とうそぶいた」

「社会の分断を自身の政治力の糧とする人物が
再び権力を握る」

これが正確な見方だと思う。

「2年後の建国250年を前に米有権者は
『冷たい内戦』の終結ではなく、
常態化する道を選んだ」

「ロシアのウクライナ侵略、
中東での報復の応酬と、
過去4年で世界は『戦時』に入った」

これも私の認識と同じだ。
今、世界は「戦時」にある。

「だが選挙戦は憎悪と中傷に明け暮れ、
世界における米国の役割を示す責任は棚上げされた」

ほんとうに残念なことだった。

米議会選出の超党派専門家集団「米国防戦略委員会」が、
今年の夏に報告書で警告した。

「米国が直面している脅威は1945年以来、
最も深刻かつ困難」

「近い将来の大規模な戦争の可能性をはらんでいる」
第3次世界大戦である。

「中国、ロシア、イラン、北朝鮮が枢軸を作り、
米主導の国際秩序を弱体化させようと動く」

ジョンズ・ホプキンス大学のハル・ブランズ教授。
「第2次大戦前の時代と不気味なほど似ている」

「各地域の危機が融合し、
頂点に達したとき大戦は始まった」

大越さん。
「内向きに傾く米国自身が危機を増幅する」

「トランプ主義は『超大国』の内側で、
報われない思いを抱く人々の怒りを燃料に、
孤立主義や大衆迎合主義の火をたき付ける」

「反米の枢軸は米国の疲労回復を待ちはしない」

政治学者のヤシャ・モンク氏。
「『自然は真空を嫌う』ように、
米国が国際秩序を形作る役割から手を引けば
中ロが代わりに出てくる」

アジアもヨーロッパも。

「世界の不安から米国だけ
無縁でいることはできず、
世界の現実と関わる以外に
米国に選択肢はない」

この認識が正しい。
すべてのアメリカ人が、
「世界の現実」と関わるしかない。

「再選を気にする必要のないトランプ氏が
1期目より放縦になれば、
米自身が危機の引き金に指をかけることになる」

「内憂の癒えぬ盟主を抱え、
秩序の『真空』を防ぐことが
日本など同盟国の共通の試練となる」

最後の言葉。
「長い4年が始まる」

ワシントン支局長の見解、
同感だ。

ドナルド・トランプ新大統領が、
ウクライナとパレスチナの、
二つの戦争を終わらせて、
世界に平和をもたらすのか。

それを熱望するものだが、
米国が国際秩序を守護する役割から手を引けば、
中国とロシアが代わりに出てくる。

私も長い4年だと思う。

〈結城義晴〉

2024年11月05日(火曜日)

月刊商人舎11月号の「責了」と米国大統領選の「亡霊の徘徊」

Everyone, Good Tuesday!
[2024vol㊺]

2024年第45週。
11月第2週。

月刊商人舎11月号の責了の日。

朝から原稿執筆。
特集の「まえがき」と「あとがき」。
これは結城義晴が書くから、
月刊商人舎らしさが出る。

特集がまとまる。

それから表紙のCover Message、
最後にMessage of November。

これらを一気に書き上げて、
責了した。

11月号も、いい雑誌です。
表紙のデザインも斬新です。
デザイナーの七海真理さんのセンス全開。

今の小売産業、チェーンストア産業に、
極めて重要なテーマを特集にした。

それから特別企画は中間決算の総括。
これは大胆な仕掛けをした。
ご批判を仰ぎたい。

それから特別研究。
これも実に面白い。
役に立つ。

必読の記事となった。

お疲れ様、
ありがとう。
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今月の広告は伊藤園です。

さて、
アメリカ合衆国大統領選挙。

私は自分の国では、
とくに支持する政党がない。

というよりも、
支持政党をもてない。

しかしアメリカに関しては、
選挙権もないのに、
ずっと民主党を支持している。

トーマス・ジェファーソンが創始したのが、
民主共和党(Democratic-Republican Party)。

アンドリュー・ジャクソンが大統領となって、
民主党(Democratic Party)と名前を変えた。

私も民主主義を信じる者のひとりだ。

民主党はどちらかと言えば、
「大きな政府」を志向する。
大都市圏の東海岸と西海岸が支持基盤。

戦前のフランクリン・ルーズベルト、

戦後はハリー・トルーマン。
そしてあのジョン・F・ケネディ。

それからジミー・カーター。
ビル・クリントン。

最近ではバラク・オバマ。

そして今の大統領候補は、
カマラ・ハリス。

日経新聞「Deep Insight」
「歌を忘れたアメリカ」
国際報道センター長の吉野直也さん。

大正時代につくられた童謡、
「歌を忘れたカナリア」。

「歌を忘れたカナリアは
後ろの山に捨てましょか
いえいえそれはなりませぬ♪」

「歌を歌う」本分を忘れてしまったカナリアに、
戒めを込めた童謡だ。

「民主主義」は米国にとって本分である。
つまりアメリカの歌はデモクラシーだ。

米国はその伝道師を自任してきたし、
大統領選はそのお手本と称されてきた。

「対立候補への悪口雑言や噓をいとわない、
3度目の共和党大統領候補、
トランプ前大統領は民主主義のお手本ではない」

「悪口は慎みなさい」
「噓をついてはいけません」

「大人が子供に教えてきた道徳的な価値と、
トランプ氏の発言は相反する」

道徳的な価値は、
民主主義を支える根幹だ。

「トランプの誹謗中傷や噓に鈍感になるのは、
信じてきた道徳的な価値の倒錯を
受け入れることになる」

「社会はやがて規律と秩序を失い、
混乱を深める」

米国での民主主義の揺らぎは、
大統領選の候補選びにも表れた。
共和党は終始「トランプ1強」、
民主党はハリス氏が予備選を経なかった。

米国際政治学者ケント・カルダー、
ジョンズ・ホプキンス大学教授の総括。
「両党とも民主主義の本質である競争に欠けていた。
民主主義の機能が衰えた」

元青山学院大教授の会田弘継氏の近著、
「それでもなぜ、
トランプは支持されるのか」
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日経新聞の書評。

ゴジラはなぜ、何度も何度も、
日本に戻ってくるのか――。
米大統領選のトランプ支持の背景を、
映画「ゴジラ」を用いて説明した。

ゴジラは核実験で放射能を浴び、
突然変異を起こした
古代恐竜の一種と特徴付けられ、
南方で無念の死を遂げた「亡霊」ととらえられた。

熱狂的なまでに支持される、
あるいは恐れられるトランプは、
何の亡霊なのか。

民主主義が壊れたからか、
米国主導の国際秩序が行き詰まったからか。

著者。
「幸福な国は、
トランプを大統領に選んだりしない。
絶望している国だから選んだのだ」

納得。

トランプ支持者として知られ、
主流メディアから袋だたきにされる、
元FOXニュースの政治コメンテーター。
タッカー・カールソン。
その著書『愚者の船』(Ship of Fools)
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「人々の絶望は民主、共和の二大政党が
『共犯』になってもたらした結果だろう」

「トランプが絶望の国、米国の亡霊だとしたら、
大統領選の勝敗に関係なく徘徊する」

「トランプは病因ではない、
病状なのだ」

納得。

私も長らく続けてきた民主党支持を、
改めねばならないかもしれない。

かといって「亡霊」を支持する気は、
毛頭ない。

私はそれでも民主主義を信じる。

そしてことチェーンストアに関して、
幸いにアメリカは「絶望の国」ではない。

2024年の大統領予備選には、
実質的な競争はなかった。
けれど米国小売業にはそれがある。

だから「絶望の小売業」とはならないのだ。

では、みなさん、今週も、
競争は健全な社会をつくる。

Good Tuesday!

〈結城義晴〉

2024年11月04日(月曜日)

セブン&アイの「愛ではなく、金に生きる人は病む人である」

11月4日。
「文化の日」の振り替え休日。

ユネスコ憲章発効の日だ。
ユネスコは国連教育科学文化機関。
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毎日新聞「余録」が取り上げた。

「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、
人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」

憲章の前文の一節。

設立は第二次世界大戦終結の翌年、1946年。

前文の草案を書いたのは、
米国の詩人アーチボルド・マクリーシュ。

戦場には世界遺産も多い。
ウクライナ南部オデッサの歴史地区、
ガザの聖ヒラリオン修道院。

ユネスコはこれらを「危機遺産」に登録して、
保護を呼び掛けた。

マクリーシュ。
「愛ではなく
憎しみによって生きる人は
病む人である」

コラムニスト。
「胸に手を当て自らに問いたい。
異なる意見に耳を傾け、
心に平和のとりでを築けているだろうかと」

さて日経新聞「経営の視点」
田中陽編集委員が指摘する。
「セブン&アイ、主体性はどこに」

カナダのアリマンタシォン・クシュタール(ACT)が、
1株14.86ドルで買収提案をした。
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それを受けたセブン&アイ・ホールディングス。
「著しく過小評価している」
極めて厳しい表現で拒否した。

田中さん。
「セブン&アイは、
ACT社が待ち構えるリングに自ら上がり、
ファイティングポーズをとった」

クシュタールは、
「待ってましたとばかりに
価格を18.19ドルに引き上げて再提案した」

M&Aを巡り、経済産業省は昨年、
「企業買収における行動指針」を公表し、
当事者にベストプラクティスの提示を求めた。
最終的な落としどころは誰もが納得する株価に違いない。

セブン&アイは、
独立社外取締役を長とする特別委員会を設置し、
慎重かつ網羅的に検討した。

「セブン&アイの現体制は、
2016年の経営の混乱により生まれた」
鈴木敏文会長の退陣である。

それが意思決定の頭脳の喪失になったと、
私は思う。

そして内外の有識者からなる社外取締役たちが、
代わりに頭脳の役割を担った。

その結果、
「投資家などとの真摯な対話を通じ、
価値創造に取り組む姿勢を示し続ける」

結果はどうか。

「経営効率の悪さを、
ファンドなどから鋭く突かれるや、
社外取締役からの”ご託宣”もあり、
不採算事業の切り離しなど
模範演技のような善後策を連打した」

「だが、労働集約的で
地域経済とも密接な小売業は
教科書以前に
相手の気持ちを解きほぐす必要もあり、
対応を怠って社会問題化することもあった」

「主体性が乏しい優等生になった結果、
いつしか革新性や経営のスピード感が薄まった」

同感だ。

「頼みの日米コンビニ事業は
変化に対応できず変調をきたし始めている」

「著しく過小評価」の表現は、
「早々に買収の焦点を株価にしてしまった」

その通りだ。
相手の土俵に乗ってしまった。

「1日終値でドル換算した足元の株価は14.21ドルで
当初の買収価格にも及んでいない。皮肉だ」

ここからが田中さんの見解。
「そもそも、回答では、
コンビニ経営の質が違うことを訴える案もあるはずだ」

その通りだ。

「両社は母国市場での成長過程が全く異なる」

「M&Aが軸で直営店を中心に
ガソリンやたばこが有力商材のACT社。
フランチャイズ契約の店を積み上げ、
弁当やおにぎりなど食品が主力のセブン-イレブン」
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「セブンは中小商店の店主が
コンビニの可能性に賭けて成長してきた業態だ」

「共存共栄を図る商人の集団。
企業価値の源泉はそこにある」

まさにその通り。同感だ。

「株価の議論よりも、
社風、理念を擦り合わせるリングに
誘い込むべきではなかったか」

「そんな機微を高名な社外取締役は
どこまで理解しているだろうか」

「具体的には書かれていないが、
回答で『本源的価値』の文言があったのは救いだ」

「もう結果を伴わない
模範演技・回答はいらない」

日経新聞らしい、筋の通った論調だ。

商人の論理と株価の議論。

会社は株主のためだけにあるのではない。
顧客のためであり、従業員のためであり、
フランチャイズならば加盟店のためでもある。

今、求められているのは、
セブン&アイが依って立つものを、
思い起こし、強く自覚することだ。

まだまだ遅くはないと思う。

「アイではなく、
金によって生きる人は、
病む人である」

〈結城義晴〉

2024年11月03日(日曜日)

横浜ベイスターズ日本一の筒香嘉智と柳井正の「成功は復讐する」

文化の日。

戦前の「明治節」。
明治天皇の誕生日。

明治天皇在位のころは、
「天長節」だった。

昭和天皇の誕生日4月29日も、
「みどりの日」の祝日となり、
その後、「昭和の日」となっている。

どちらも同じ趣旨だ。

明治節は太平洋戦争敗戦の翌年に、
日本国憲法の「公布」の日に当てられ、
その新憲法が平和と文化を尊重しているから、
明治節の日は「文化の日」となった。

もちろんGHQがそのことを了解していた。

アメリカは象徴天皇制を敷いて、
日本を治めようとした。

日本国憲法も、
その考え方で制定された。

文化の日も同じだ。

それでも私は象徴天皇制を可とするし、
文化の日もその趣旨も認めている。

昨日は雨模様で、
夜には激しい雨が降った。

11月3日は「晴れの特異日」とされるが、
日が明けるとやはり快晴だった。

夜には、
プロ野球の日本シリーズ。
横浜ベイスターズと福岡ホークスの第6戦。

私は福岡生まれの横浜育ち。

どちらにも縁がある。
どちらもそれとなく応援している。

米国メジャーリーグが、
ワールドシリーズを終了させて、
やっと日本シリーズの番がやってきた。

横浜スタジアムのゲームは、
DeNA横浜ベイスターズが、
11-2でソフトバンク福岡ホークスを破って、
2024年の日本一の座に就いた。
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26年ぶり3度目の快挙だ。

しかし今年のベイスターズは、
レギュラーシーズンの「ペナントレース」では、
読売ジャイアンツ、阪神タイガースに次いで、
第3位だった。

レギュラーシーズンの勝率は5割7厘。
つまり勝率はほぼ半分。

それでいて日本一。

なんとも了解しがたい気分だが、
これが現在の制度だから仕方がない。

可としよう。

ベイスターズでは、
三浦大輔監督が手堅くリーダーシップを発揮した。
それが優勝の最大の要因だ。

「ハマの番長」と呼ばれたかつてのエース。

それから筒香嘉智(よしとも)が、
メジャーリーグを断念し、失意の帰国をして、
古巣に復帰した。

そして日本シリーズでも活躍。
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筒香は和歌山県橋本市出身だ。
関西のボーイズリーグで頭角を現し、
横浜高校では1年から4番を打って、
2年次には甲子園に出場、ベスト4。

2009年のドラフト会議で、
ベイスターズから1位指名を受けて入団。

2016年にはホームラン王と打点王の二冠を獲得。
ベストナインにも3回選出された。

2019年に米国MLBに移籍。
2020年、タンパベイ・レイズ、
2021年、ロサンゼルス・ドジャースから、
ピッツバーグ・パイレーツと渡り歩いて、
その後はマイナーリーグへ。

そして今年、ベイスターズに戻った。

横浜は筒香に相性がいいチームだ。
来年はペナントレースの首位を目指す。

米国ではMLB名門の名門ドジャース。
日本ではローカル球団のベイスターズ。

日経新聞電子版[Think]に、
柳井正さん登場。
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「後継者、カリスマはいらない」

売上高3兆円を突破し、
10兆円を目標に掲げる。

「私はよく『成功は復讐する』と言っている」

「成功体験に縛られてはさらに先には進めない。
今は我々は3兆円を達成した。
でも3兆円の前提条件のままでは
10兆円にはいけない。
だからこれまでの前提条件を
疑わなければならない」

成功は復讐する。

「神は滅ぼしたいと思う者に、
四十年の繁栄を与える」
〈アリストテレス〉

「私の経営に対しての基本的な考え方だが、
経営の原理原則は変わらない。
人間が集団でチームを作って努力して
一つの成果を出すのが経営だ。
人間自体は変わらないから、
基本的なものは変わりはない」

これはベースボールも同じだ。

「一番大事なのは、
世界に出ていく覚悟があるかどうかだ。
簡単ではないが、それでも
出なければ自滅が待っている。
相対的に成長しないということは、
その後は衰退が待っている」

ベイスターズの筒香も世界に出て行った。
その覚悟を持っていた。

「経営は経営しない限りはわからない。
水泳と一緒で畳の上で泳ぎ方を研究しても、
泳げるようにならない。
畳の上で経営の勉強をしても、
実際に経営してみないとわからない」

日本の野球とアメリカのベースボール。
経験してみないとわからない。

「現在は世界にユニクロが約2500店舗ある。
それが自発的な経営をしないといけないので、
社員にも、労働者っていうよりも、
経営者の一員になったつもりで
仕事をやってくれっていうふうに言っている」

質問者が柳井さんを「カリスマ」と呼ぶと……。

「私はカリスマでもなんでもない。
普通の人間だと思う」

「普通の人間なのに、
そういうものをカリスマに祭り上げて、
『自分たちと違う』みたいに
思っていること自体がおかしい。
『あなたでもできる』ってことです」

それでも質問者は聞く。
――後継にはカリスマ性は必要ですか。

「全然いらない。
むしろカリスマになったら危険。
全然駄目だ。無理でしょう」

「私は創業者でCEOでオーナー。
フルカードですよね。
フルカードで持ってるような個人はいません。
目指すのはチーム経営以外ないんですよ」

柳井節、健在。
筒香嘉智も復活。

誰もが自分の領域で、
世界を目指さねばならない時代だ。

成功しようとも失敗しようとも。

〈結城義晴〉

2024年11月02日(土曜日)

「年収の壁」への「部分連合」と岩崎高治・川野澄人の発言

経新聞「ニュース一言」
岩崎高治さんが登場。
㈱ライフコーポレーション代表取締役社長。
日本スーパーマーケット協会会長。
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「103万円の壁」問題に一言。

その意識がパートタイマーに根づいている。
現行制度が維持されながら、
最低賃金が大幅に引き上げられると、
人手不足に一層拍車がかかる。

1年の最後に年末調整をしなければならない。

時給が上がれば上がるほど、
パートタイム従業員の人たちは、
就労時間を調整する時期が早まる。

その結果、年末に人手確保が難しくなる。

「103万円の壁」問題に関して、
足元で見直しの動きが出ている。

「パートの収入増や消費喚起にもつながる」
岩崎さんは早期の制度改正を訴えた。

その足元の政治情勢。

衆議院総選挙で自民党と公明党が大敗した。
立憲民主党と国民民主党が躍進した。

このままでは少数与党となる。

そこで国民民主党へ秋波を送る。

新聞各紙が報じた。
とくに毎日新聞が熱心に取り上げる。

しかし日経新聞がこの問題に対しては、
産業寄りで公平だ。

「公明党、国民民主党と
年収の壁協議へ」

公明党の西田実仁幹事長。
国民民主党の榛葉賀津也幹事長と会談した。

「税や社会保険料の支払いを避けるために、
働き控えをする『年収の壁』の解消など、
案件ごとに政策を協議すると申し合わせた」

小売産業やサービス産業などは、
パートタイマーによって成り立っている。

この年収の壁問題は、
散々言われたにもかかわらず、
なかなか進まなかった。

しかし皮肉なことに、
少数与党になって急に進み始めた。

国民民主党の公約は、
所得税の非課税枠103万円を、
178万円に引き上げようというものだ。

公明党の西田幹事長は、
「103万円の壁」に加えて、
手取りが減る「社会保険料壁」も指摘した。
106万円と130万円の壁がある。

そしてこれらの問題に取り組むために、
「年収の壁突破チーム」の設置を提起した。

西田さん、わかってるねぇ。

自民党と公明党の与党に、
国民民主党が「部分連合」で是々非々で加わる。

そうすれば過半数を超える。

しかし国民民主党は11日の首相指名選挙で、
決戦投票になっても玉木雄一郎代表に投票する。
自公連立政権には加わらない。

野党のままの立場で、
経済対策や予算編成、税制改正で、
与党と協議する。

つまり衆議院で、
「キャスチングボート」を握る作戦だ。

公明党は衆院選で8議席減らして24議席。
国民民主党は4倍増で28議席。
自民党は復党組6人が加わって197議席。

国民民主と公明は微妙なバランスだし、
三党合わせれば過半数を超える。

1990年代初頭に「パーシャル連合」が生まれた。
自民党が公明、民社両党と連携した自公民路線だ。
自民党は小沢一郎幹事長、
公明党は市川雄一書記長、
民社党は米沢隆書記長。
個人的な関係がベースとなった。

「一強」時代には強い産業が優遇された。
票のまとまりやすい業種や金を出す組織が、
族議員を擁して利得を得た。

少数与党という状況は目の付け所によって、
一強時代よりも民意が反映されるのかもしれない。

月刊商人舎7月号。

[日本スーパーマーケット協会25周年記念]
正副会長パネルディスカッション誌上公開。
202407_JSA (1)

川野澄人副会長は発言した。
㈱ヤオコー代表取締役社長。
スクリーンショット_2-11-2024_235848_magazine.shoninsha.co.jp

「ヤオコーでは、
パート社員の勤務形態は大きく分けて、
1日8時間の5日間、週40時間の勤務と、
1日4時間で5日間、週20時間の勤務という
2つが基本の形でした」

「現在は、週40時間勤務者が全体の35%、
1日6時間勤務という人もいますので
週20~40時間勤務者が20%です。
20時間勤務者は5%、そして、
20時間未満が40%となっています」

「5年前は20時間勤務の契約者が20%でしたが、
現在は5%です」

「この5年間で15%の人が、
勤務時間の調整をしているということになります」

「パートナーさんに対してアンケートしてみると、
時間を調整している人が40%います。
20時間未満で働いている人の40%とほぼ同数です」

「そのうち年収の壁には、
103万円の壁と社会保険の106万円の壁がありますが、
ほとんどの人は103万円以内に調整しています」

「税の問題と社会保険の問題が、
きちんと理解されていないのだろうと思います」

「ヤオコーでも、
税の壁、社会保険の壁の制度について、
店長の理解を促していくことを進めている状況です」

「政府の壁対策は利用していませんが、
社会保険の壁を越えたくないと思う人が多いので、
勤務時間のコントロールを
会社としてもしっかり行っていこうと考えています」

そして言う。
「税と社会保険がセットで変わって
シンプルにならないと
解消は難しいと思っています」

「社会保険を変えても、
パートナーさんの頭の中から
103万円の壁が消えません」

素晴らしい。
そうなってきた。

税と社会保険をセットで変えて、
シンプルにする。

「部分連合」よりも、
全会一致のほうがいいだろうが、
このシンプル化を進めてほしい。

衆議院与党敗北の、
最大の成果となるかもしれない。

〈結城義晴〉

2024年11月01日(金曜日)

霜月のワールドシリーズ・ロスと「運」を掴むための項目

11月がやってきた。

霜月、しもつき。

文字通り霜が降りはじめる月。

霜月の朔(ついたち)何かありさうで
〈佐藤鬼房(おにふさ)〉

「朔」は「ついたち」と読む。
「朔日」と書くほうが多いが。

その月の最初の日のこと、
あるいは、ある一日のこと。

鬼房の句の意味は、
霜月の一日は何かありそうな予感がする。

しかし11月1日は何かが起こりそうだ、
と解釈してもいい。

どちらもいい。

佐藤鬼房は1919年、岩手県釜石市生まれ。
2002年、82歳で没した。

11月には多くの呼び方があるが、
私は「雪待月」が好きだ。
「ゆきまちづき」。

大学生のころ、
「雪虫」という題の歌をつくった。
同年の女流詩人が作詞を担当し、
私は旋律をつくった。

とくに2番が好きだ。

雪虫が
(むらさき)小山に
帰ってゆくと
里には雪が
降りてくる
しずかにしずかに
降りてくる♪

いい歌だと、今でも思う。

さて、ワールドシリーズ・ロスだ。
スクリーンショット_2-11-2024_104557_www.instagram.com

一方で日本シリーズも佳境を迎えている。
そちらにスイッチして、
この気分を紛らわそうか。

11月は結構、忙しい。

今年は国民の祝日が、
日曜日に重なることが多い。

秋分の日が9月22日の日曜だった。
翌23日の月曜が振替休日となった。

敬老の日が9月16日の月曜日だった。
ハッピーマンデー制度。

そこで9月は三連休が2回あった。

10月も16日の月曜日がスポーツの日で、
三連休だった。

11月は3日の文化の日が日曜で、
4日が振替休日となって三連休。

三連休の商売のやり方、組み立て方。
それぞれの企業、それぞれの店で、
特徴があるに違いないし、
それへの対応の仕方ができているのだろう。

シフトの組み方も確立されているだろう。

それは店長にとって、
重要な案件だ。

私たち商人舎編集部は、
11月5日が責了の日。

だから三連休も、
私は原稿を抱えて過ごす。
最後の原稿や表紙、メッセージが残っている。

11月7日の木曜日はもう立冬。

そして11月15日(金)が七五三。
その祝いは翌16日と17日の土日になるのか。
それとも前週の土日の9日・10日になるのか。

私は11月19日から21日まで大阪。
万代知識商人大学の講義がある。

今年の勤労感謝の日の23日は、
残念ながら土曜日になる。

連休が一つ消えた。

そしてスーパーマーケット業界の話題としては、
11月26日の火曜日に、
オーケーの関西進出1号店が開業。
ライフと万代が迎え撃つ。

ここでも競争のセオリーが働く。
それは月刊商人舎12月号で書こう。

カレンダーを見ながら、
1カ月の出来事を考えると、
11月もあっという間に終わってしまう。

そして師走の12月がやってくる。
私はずっと懸案の重い荷物を背負っている。

ああ。

それは年末年始まで持ち越されそうだ。

ああ。

さて毎日新聞巻頭コラム「余録」

「人間は目標を追い求める動物」
アリストテレスの名言。

「目標に向かって努力することによってのみ、
人生が意味あるものとなる」

ソクラテスの弟子がプラトンで、
そのプラトンの弟子がアリストテレス。

「努力は必ず報われる。
報われない努力があるなら
それはまだ努力と呼べない」
こちらは巨人軍の王貞治。

そして大谷翔平。

「64項目の目標がびっしり書かれた
マンダラのような表」

見たことのある人も多いだろう。

実際は81項目だ。
(Twitterからと記してネット上に載っている)
スクリーンショット_2-11-2024_10162_www.bing.com

とても高校一年生とは思えない内容が、
びっしりと書き込まれている。

真ん中に「ドラ1 8球団」
大項目は、
「スピード160キロ」「変化球」、
「キレ」「コントロール」「体づくり」、
「メンタル」「人間性」、
そして「運」。

「運」の周りには、
「あいさつ」、「ゴミ拾い」、「部屋そうじ」から、
「本を読む」まで。

この高校時代の翔平の目標は英訳され、
米メディアも報じた。

この指導法を考案したのが、
原田隆史さん。

商業界時代、雑誌にインタビューを載せたことがある。
原田さんがカリスマ体育教師の時代。
仕掛け人は工藤澄人編集長だった。

その「ハラダ・メソッド」には注目が集まって、
選手指導に取り入れるスポーツ指導者も多い。

コラムニスト。
「『大谷の作り方』に
全米の関心が集まるのも無理はない」

しかしメソッド使って、
目標を書き込むだけでは、
それは実現しない。

メソッドを使いつつ、
成長していった大谷翔平にこそ、
関心が向けられるべきだろう。
スクリーンショット_31-10-2024_155857_www.instagram.com

「運」を掴むための、
「あいさつ」、「ゴミ拾い」、「部屋そうじ」から、
「本を読む」まで。

それを行動にした。
それを習慣にした。
性格にした。
そして運命にした。

目標を決めて、
それに向かって努力する。
そこに人生の意味が生じる。

アリストテレスは、
当たり前のようなことを言いながら、
真理を突いた。

真理に向かって進む者が、
感動を与えてくれるのだ。

〈結城義晴〉

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