Everyone, Good Monday!
[2024vol⑰]
2024年第17週。
4月第4週。
来週からゴールデンウィーク。
4月29日の昭和の日が月曜で、
三連休スタートだが、
そのあとは3日間平日。
それから、
5月3日憲法記念日、
5月4日みどりの日、
5月5日こどもの日、
5月6日振替休日で、
4連休。
飛び石連休が懐かしい。
4月30日と5月1日、2日に休暇を取る人は、
最長10連休となる。
小売業、サービス業は、
後半が書き入れ時だ。
月刊商人舎編集部は、
この3日間が最終入稿と責了の日々。
原稿を「書き上げ時」である。
自分で自分に座布団一枚。
今日は午前中に新横浜の労災病院。
都会的なビルディングの中に、
緑が配置されていて、
気分がいい。
歩きながら思い出すのは、
「人生劇場」二番の前口上。
「滔々たる荒川のほとり、
万緑の河畔あくまで緑。
その緑の中に
一点紅を点ずる者あり。
その名をお袖といふ」
大手町プレイス内科で、
毎月の血液検査・尿検査と診察。
中性脂肪の値が少し高かった。
あとはすべて良好。
万緑の中や吾子の歯生え初むる
〈中村草田男〉
草田男は高濱虚子の弟子で、
「ホトトギス」の中心俳人。
万緑と吾子の歯。
この新鮮な取り合わせがとてもいい。
会社に戻ってからは、
原稿の手直しをして入稿。
みんなで夜食を食べて、
「書き上げ時」。
頑張ります。
いい雑誌をつくります。
新聞の朝刊の短いエッセイ。
たいてい看板コラムだ。
全国紙と地方紙の2紙で、
「パン屋さん」の話題が重なった。
一つは毎日新聞一面コラム、
「余録」
「オランダ人常食に
パンというものを食するよし。
何をもて作れるものにや」
「小麦の粉に甘酒を入れ、
練り合わせて蒸焼にしたるもの也」
江戸時代の蘭学者・大槻玄沢(おおつきげんたく)。
その「パン問答」
それを学んだのが江川英龍(えがわひでたつ)。
伊豆韮山の代官で軍学者。
1842年4月12日に初めて、
兵糧用パンを焼き上げた。
そこから毎月12日が、
「パンの日」となった。
以来180年余り。
日本人の主食の世帯当たり年間消費額。
コメは約2万円。
パンは約3万2000円。
へえ~っと、驚く。
だが昨年度のパン屋の倒産は、
過去最多を記録した。
小麦価格の高騰が痛い。
燃料費も上がった。
経営環境が悪化。
もともと業種店は減り続けている。
小学校の女の子が、
大人になったらなりたい仕事。
パン屋さんと花屋さん。
スーパーマーケットやコンビニ、
ドラッグストアまでが、
パンを目玉に使う。
街のパン屋さんは減っていく。
もう一つは山陽新聞、
「滴一滴」
東京都内に、夕方になると店を開く、
ちょっと変わったパン店がある。
「夜のパン屋さん」
売っているのは、主に街のパン屋で
その日売れ残った商品。
スタッフたちが街を回って集めてくる。
日が暮れたオフィス街の路地の一角。
テーブルにあんパンやクリームパン、
マフィンといった多彩な品々が並ぶ。
スタッフの中には雇い止めなどで職を失い、
困窮した経験がある人も多い。
こちらはパンを焼かない、つくらない。
けれど食品ロスを減らすし、
雇用を増やす。
2021年度の国内食品ロスは523万トンに上る。
国民1人が毎日、おにぎり一つを捨てている計算。
料理研究家・枝元なほみさん。
「夜のパン屋さん」を立ち上げた。
「都合よく捨てられるのは
パンも人も同じです」
私もパン屋さんの一員だ。
工場でつくるパン屋の社外取締役。
それでも小学生の女の子たちが、
大人になったらなりたい職業に、
かつてはパン屋と花屋があった。
第一生命のアンケート調査。
第35回「大人になったらなりたいもの」
最新の2024年3月発表では、
今も第1位はパティシエだ。
洋菓子職人。
第2位は会社員となっているが。
私は「ベーカリー」の商品は、
パンとケーキとクッキーだと言い続けている。
これはひとくくりのカテゴリーだから、
パティシエの仕事も含んでいる。
この仕事に、人気がないはずはない。
それに街のパン屋さんは減って、
夜のパン屋さんなどできているけれど、
スーパーマーケットのパン売場は人気がある。
関西では「明日のパン」は、
なくてはならない家庭の必需品だ。
お母ちゃんがお父ちゃんに言う。
「明日のパン、買うてきて!」
それが多くの家で交わされる会話である。
新聞2紙が言うほど、
パンは落ち込んではいない。
「明日のパン」も欠かせないけれど、
スーパーマーケットで、
女の子たちが憧れるような、
パン売場ができないものか。
女の子たちがうっとりするような、
ブーランジェ(パン職人)やパティシエが、
仕事をしているところを見せられないか。
それをいつも思う。
では、みなさん、今週も。
ゴールデンウィークに向けて、
かっこいい仕事ぶりを見せたい。
Good Monday!
〈結城義晴〉