結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2023年08月25日(金曜日)

石原靖曠先生との昼食会議と「サム・ウォルトンの標準化論」

暑い夏は続く。

横浜のあざみ野へ。
田園都市線の急行が停まる駅。

石原靖曠先生と待ち合わせ。
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スッペシャリティ研究所所長。
御年87歳。
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権八。
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経営は㈱グローバルダイニング。
あの長谷川耕造さんの会社。

「権八 西麻布」は、
「居酒屋会談」が行われて有名になった。
ブッシュ元大統領と小泉元首相の歴史的会食。

長谷川さんは
1950年、横浜市生まれ。
湘南高校から早稲田大学商学部へ。
中退してヨーロッパを放浪。
高田馬場の喫茶店「北欧館」から始めて、
六本木ゼスト、カフェ ラ・ボエム、
モンスーンカフェ、タブローズなどなど、
エンターテインメントレストランを出店。

その権八。

ランチミーティング。

石原靖一郎さんと山本恭広編集長。IMG_68493
9・12(火)
商人舎15周年記念セミナー。

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東京の大崎ブライトコアホール。
12時半開会。
17時40分終了。

そのトップに石原先生の講演がある。
島田陽介先生、86歳。
鈴木哲男先生、74歳。
結城義晴、70歳。

先日、商業界同友会で、
石原先生は90分の講演をした。

凄い。

9月12日は60分。

ずっと立って講演する。
楽しみだ。

私が商業界に入社した1977年。
46年前。
倉本長治先生が頂にいて、
その下に渥美俊一、川崎進一、奥住正道など、
第一世代の巨匠がいた。

石原先生はその次の世代で、
新進気鋭のコンサルタントだった。

ノンフード分野を中心に、
大局的なモノの捉え方をした。

渥美とは反対の考え方で、
ウォルマートを良く知るコンサルタントながら、
個店経営を標榜した。

私との対談の発言。
サム・ウォルトンが1980年代の半ばに、
“標準化”を説明している。

「標準化は70%しなくてはいけない」
標準化は「全店対応」だ。

「しかし、標準化だけすればいい、
というわけではない」

「必ず”地域対応”をしなくてはいけない。
その地域対応は20%くらいの割合になる」

「そうすると残りはあと10%で、
その半分くらいは”個店対応”になる」

「その先に何があるかというと、
それは”個人対応”だ」

素晴らしい。

標準化の全店対応。
それから地域対応、
さらに個店対応。
最後に個人対応。

すべてのチェーンストアが、
ウォルマートの比率を真似る必要はない。

それぞれの力のかけ方によって、
その企業のポジショニングが決まる。

しかしこの考え方そのものは、
全社・全店・全部門で共有され、
貫徹されねばならない。

私はそう考える。

石原先生の著書は多い。
その代表作。

「だから客が集まる小売業の鉄則」
―目指せ! ソリューションストア
(2004年、日本経済新聞社)
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「なにが小売業をダメにした」
―お客を「創る」企業を目指せ!
(2001年、日本経済新聞社)
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「サム・ウォルトンと倉本長治」
不朽の商人哲学、その実践者と提唱者
(2021年、ディスカヴァーebook選書)
〈この本はkindleで無料で読める〉
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「スーパードラッグストア開発戦略」
(1991年、商業界)
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アメリカの専門家。
ディスカウントストア、
ホームセンター、
ドラッグストアのオーソリティ。

日本のスーパーセンター開発は、
石原先生の指導で行われた。

そして商業界では長らく、
リテールマネジメントスクール校長を、
務めていただいた。

そんな商人舎15周年特別セミナー。

お待ちしております。

私はランチミーティングのあと、
一度、商人舎オフィスに戻って、
セルコレポートの連載の校正をした。

それから東京駅へ。
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丸の内北口。
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このレンガ造りはとてもいい。IMG_60423

大手町の産経ビル。
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そして大手町プレイスタワー。
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毎月恒例の血液と尿検査。
そして診察。

田嶼尚子先生から、
CKあるいはCPKの数値目標をいただいた。

CKはクレアチンキナーゼ(Creatine Kinase)
CPKはクレアチンホスホキナーゼ(Creatine PhosphoKinase)

筋肉収縮の際のエネルギー代謝に関与する酵素だ。

単位はIU/L。
IUは国際単位(International unit)、
Lはリットル。

正常値は男性が30~190 IU/L。
私はこの正常域に入っているが、
それでも低い。

1カ月間、100IU/Lを目標として生活する。

そのために必要なことは運動。
石原先生の年まで頑張ります。
よろしく。

〈結城義晴〉

2023年08月24日(木曜日)

結城義晴の単行本、一気にゲラを読んで校了した。

私の単行本。

午後から夕方まで、
一気にゲラを読んで、
すべての校正が終わった。

ただし「まえがき」が、
書き直し、打ち直して、
そっくり入れ替えることにした。IMG_6025 (002)3

ちょっと刺激的な文言を加えた。

そして私の手を離れた。
あとは編集者の二宮護さんと、
デザイナーの三宅秀典さんに任せる。

よろしくお願いします。

そして印刷所から出る白焼きを見るだけ。

奥付まで入れて、
240ページの本となります。

楽しみにしてください。

私としては全力を挙げて書いた。
評価は、読者の皆さんから下される。

粛々と受け止めるだけ。
それでもやった。

ご協力、ありがとう。IMG_6027 (002)3

午前中は、オンライン会議。
㈱True Dataの役員会。IMG_6023 (002)3

重要な議題があって、
議論が白熱。

2時間半もかかったけれど、
すべて前向きな議論で、
結論が出た。

役員の皆さんの顔ぶれも素晴らしい。
社長以下、執行役員の皆さんの技量も頼もしい。

いい意思決定をしていると思います。

世界情勢を見ると、
ロシアでまた異変が起こっている。
ワグネル創設者エフゲニー・プリゴジン。
自家用ジェット機が23日に墜落。

プリゴジンを含めた幹部が死亡したらしい。

ワグネルは6月23日・24日に武装蜂起した。
その報復のようだ。

ウラジーミル・プーチン。
こんなことを続けていて、
ロシア正教の神も許すはずはない。

一方、メジャーリーグ。
大谷翔平が右肘靱帯を痛めた。
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こちらは悲しいニュース。
大谷の必死さが痛ましい。

それでも今年は最高のシーズンだ。

ベースボールの神様のほうは、
大いに祝福したうえで、
なにか奇跡的な救済を考えてくれるに違いない。

そう信じたい。

今日のブログは、
「これでおしまい」
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篠田桃紅さん。
107年の人生。
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「二河白道」(にがびゃくどう)
「火の河と
荒ぶる水の河のあいだに
一筋、白い細い道がある。
それを見つけて生きるのが、
人生であるという比喩」

「ハイ」

〈結城義晴〉

2023年08月23日(水曜日)

マリンエコラベル(MEL)ワークショップに参加した。

慶應義塾高等学校、
夏の甲子園優勝。
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おめでとう。

午前中はZOOM会議。
㈱サ二ーマート社長の中村彰宏さん。
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Food Store Solutions Fair2023。
9月6日・7日、インテックス大阪で開催。

そのセミナーにご登壇いただく。
FSSFSS

私との対談方式。
タイトルは、
「スーパーマーケットは生活密着産業だ」

9月7日10時30分~11時30分。

サニーマートは高知県の
トップスーパーマーケットチェーン。

社長の中村さんは実に、
しっかりとした考え方をもつ経営者だ。

今日もそれを確認した。

凄くいい講座になる。
聴いておかねばならない講義内容だ。
是非、ご参加ください。

事前登録制。
FSSFS

オンライン会議のあとは、
東京ビッグサイトへ。
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第25回ジャパン・インターナショナル・シーフードショー。
主催は大日本水産会。
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今日から25日まで開催される。IMG_6001 (002)

MELワークショップが、
ビッグサイト会議棟8階で開催された。
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マリン・エコラベル・ジャパン協議会主催。
垣添直也さんが会長。

垣添さんは㈱ニッスイで、
社長、会長を歴任。
水産業界の重鎮。

垣添さんとは約30年の付き合いになる。
1994年、私の食品商業編集長時代。
初めて参加した「シアルドール」。
パリ国際食品見本市世界ヒット商品コンクール。
その冷凍食品部門で金賞を獲得した。
金賞受賞作品がニッスイの「えびの包み揚げ」だった。

当時、垣添さんは専務取締役で、
パリで行われた表彰式に来ていただいた。
受賞のスピーチもお願いした。

コーネル大学ジャパンでは講師をお願いした。

その垣添さんからお誘いをいただいて、
山本恭広編集長、鈴木綾子と参加した。

MELとはマリン・エコラベルのこと。
漁業協会、水産卸、加工会社など、
50社弱が加盟。

小売業では全国スーパーマーケット協会、
シジシージャパンが加盟している。

いま、水産資源の持続的利用に対して、
国際的な関心が高まっている。
そこで資源管理や環境配慮への取り組みを
客観的に証明する必要がある。

それが水産エコラベルだ。

わが国で使われている、
国際的な国際水準のエコラベルスキームは、
漁業活動に対するMSCと、
養殖を対象とするASC。

MELは両方を対象とする認証ラベルだ。
日本の水産産業の現状に適合させた、
日本発のスキームである。

ワークショップは2部構成。mel3

司会は舞田正志さん。
東京海洋大学理事・副学長の
GSSI事務局長リサ・ゴシエさんが、
最初のプレゼンテーション。
GrobalSustainableSeafoodInitiativeは、
世界水産物持続可能性イニシアチブ。

5年ぶりの来日で、
水産エコラベルの世界の情勢を語った。mel4
GSSIは水産物の安定供給のために、
パフォーマンス測定と促進を担う。

垣添さんはこの問題に対して、
核心をついた主張をした。

さすがに垣添さんだと思った。
「水産資源に恵まれている日本が
アジアのリーダーシップを取るべきだ」mel5

そのあとで高瀬美和子さん。
前水産庁資源管理部審議官。

それから菊地元宏さん。

小売業からは、
㈱イトーヨーカ堂の湯山一樹さんが、
店頭での取り組みを報告。
マルシェ部専業担当シニアスーパーバイザー。

第二部はパネルディスカッション。
とても重要な内容だった。
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急遽、月刊商人舎9月号に掲載することにした。

約3時間のプログラムのあと、
リサ・ゴシエさんに質問した。
鈴木綾子が通訳に入ってくれた。IMG_6016 (002)

その後、同じフロアの、
イタリアンレストラン「アルポルト」で、
レセプションパーティ。mel10

改めて垣添さんと久しぶりに意見交換。mel11

私の意見は商人舎誌上に書きます。
ありがとうございました。

〈結城義晴〉

2023年08月22日(火曜日)

米国老舗のウィンデキシーがアルディ傘下になる!

昨日、東京駅から高崎駅まで、
新幹線を利用した。

その東京駅ホーム。
NewDays×駅弁屋。IMG_59713

キャッシュレス専用セルフレジが入っている。IMG_59723
お弁当と酒は、
裏側の対面レジに回る。

どんどん増えていくだろう。
便利だ。

米国のアマゾン・ゴーは、
究極のショートタイム購買を実現した。
だがもう、モデルショップとなっていて、
そのシステムをお披露目する場でしかない。

しかしその利便性追求のコンセプトは、
こんな駅のホームにまで広がっている。

今日は商人舎オフィス。
昨日のクリニックは、
暑さもあって疲労困憊。

午後出社にしてもらったら、
単行本の本文のゲラが出そろった。

もう三校。
つまり三度目の校正。

これが最後の通し読みとなる。
その間に山本恭広編集長が、
人名と社名の索引をつくってくれた。
編集スタッフの鈴木綾子さんは、
参考文献の書店名、発行年度を、
丁寧にチェックしてくれた。
亀谷しづえGMは総チェックと、
外部編集者の二宮護さんと、
やり取りしてくれた。

商人舎総出の単行本の仕上げ。

感謝します。

良い本にしましょう。

そんな忙しい中でも、
商人舎流通スーパーニュースは公開される。
その海外ニュース。

アルディnews|
ウィン・ディキシーとハーヴィース約400店を買収

米国アルディは1979年に、
ドイツから進出してきた。

ドイツでは単体小売企業として最大。

米国でも2000店を超えて、
確かなポジショニングを獲得している。
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その米国アルディが、
一挙に約400店舗を買収する。

相手はサウスイースタン・グローサーズ。
2022年米国チェーンストア順位で第58位。
スーパーマーケットのランクでは12位。

店舗数は419店で年商は67億6000万ドル。
売上高は前年比で18%減と低迷していた。

売却するのは、
Winn-Dixie(ウィンディキシー)の
アラバマ州・フロリダ州・ジョージア州、
そしてミシシッピ州の店舗。

それからジョージア州のHarveys(ハーヴィーズ)。

どちらも米国アルディが出店していないエリアだ。

ノース・カロライナ州とサウス・カロライナ州に、
サウスイースタン傘下のBILO(バイ・ロー)がある。
それは残る。

とくにウィンデキシーは老舗だ。
2018年3月に連邦破産法11章を適用申請して、
一度、倒産している。

1970年段階、ウィン・デキシーは、
全米第15位の小売業、
スーパーマーケットでは全米第9位。
年商50億ドルだった。

2000年になると、
小売業第19位で年商159億ドル、
スーパーマーケット第5位を堅持していた。

そのウィンデキシーが、
アルディ傘下となる。

2024年上半期に取引完了。

米国アルディは2023年内に、
自力で120店舗を開設して、
店舗数を2400店舗に拡大する計画。

今回の買収で南東部に進出して、
2024年には3000店が視野に入る。

アルディUSのジェーソン・ハートCEOは語る。
当面、バナーはそのままにして、
商品や価格政策をアルディ型にする。

ああ、あのウィンデキシーが、
アルディになる。

栄枯盛衰は激しくなるばかりだ。

20年も前から言っているが、
アメリカと比べると日本はいまだに、
「スーパーマーケット天国」である。

〈結城義晴〉

2023年08月21日(月曜日)

高崎クリニックで1カ月後の「ベルクのクルベ」を視察した。

Everybody! Good Monday!
[2023vol㉞]

2023年第34週。
8月第4週。

子供たちの夏休みも終わりに近づいた。
それでも暑い。

最高気温が一番高かったのは、
新潟県東蒲原郡阿賀町津川の38.4℃。
二番目が兵庫県朝来市和田山の38.3℃。
三番目が大阪府枚方市枚方の38.2℃。

体温を完全に上回った。

暑さでは負けない、
群馬県高崎市。
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達磨が名物。
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高崎まつりは、
8月26日と27日。
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その暑い高崎にやってきました。IMG_68223

店舗クリニック。

目的は、
ベルクのクルベ。
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7月26日のこのブログに書いた。
猛暑最高記録日の「Beisia Foods Park」と「ベルクのクルベ」

店名は「CLBE(クルベ)」。
Challenging the Limits of Belc。
その頭文字をとってCLBE。

7月29日、ベルク江木店を、
リニューアルオープン。

新しいフォーマット。

旧店の営業時間は9:00~0:00だった。
それを10:00~20:00に短縮した。

ローコストオペレーションを志向。

「究極売価満載」。

ほぼ1カ月後の状態を観察。

どこまで限界に挑戦したか。
問題はそこにある。

月刊商人舎9月号で、
明らかにする。

道路を挟んで200mほどのところに、
ヤオコー高崎高関店。
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こちらはレギュラータイプ。

ほとんどパートタイマーで回していて、
いい状態だ。

クルベのオープンで、
確かに影響を受けただろう。

しかし特別な対応はしていない。
これがポジショニング競争だ。

それからベルクのレギュラー店舗。
福島道夫さんが一緒に来てくれた。IMG_68183

さらに角上魚類。
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野菜とグロサリーはヴェルジェ。
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肉は大久保。
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専門店の集積。

ヤオコー、ベルクと対峙している。
そこにクルベの登場。

実に面白いCaseStudyだ。

暑い暑い高崎。
私は疲れ切った。

甲子園では、
準決勝が行われた。

観ることはできなかった。

第1試合は仙台育英高校(宮城)が、
神村学園(鹿児島)を破った。
6対2。

2年連続決勝進出。

第2試合は慶応義塾高校(神奈川)が、
土浦日大高校(茨城)に2対0で勝利。

こちらは103年ぶりの決勝。

対照的だ。

私は当然、慶応を応援する。
商人舎GMの亀谷しづえは宮城出身なので、
当然、仙台育英を応援するのだろう。
しかし彼女はいま日吉に住んでいて、
慶応高校は家のすぐそばにある。

どちらを応援するか、
迷っているらしい。

ぜいたくな悩みだ。

ベルクのクルベ。
ヤオコーとの競争があったから生まれた。

それをつくり出そうと、
考えに考え抜いたはずだ。

競争は商人を磨く砥石だ。

㈱エコス会長の平富郎さんの言葉。

そのとおり。

磨かれて伸びる。
高校球児も。

では、みなさん、
今週も競争で磨かれよう。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2023年08月20日(日曜日)

柳井正さん登場「当社も大企業病に陥っている」!!!

暑い日曜日。
今日も完全休養。

日経新聞3面〈直言〉に、
柳井正さん登場。
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タイトルは、
「失敗で磨け、無二の価値」
もちろんファーストリテイリング会長兼社長。

決算は2023年8月期。
営業最高益を見込む。

今後10年で売上高10兆円の目標。
アパレルで世界首位を目指す。

現在はZARA、H&Mに次いで世界第三位。

「ユニクロ」の海外店舗数は5月末で1633店。
国内店舗数の2倍だ。

営業利益も海外事業が日本を超える。

「今でこそ海外で成功しているが、
進出後20年ほどは失敗の連続だった。
ロンドンに数十店も大量出店して、
最初は大成功すると思ったら
結果は大失敗だった」

1号店はナイツブリッジの店。
ハロッズ百貨店のそば。

私も取材に行った。

「北京や上海などでも、
商品が全く売れない時期があった。
米国もそうだ。
現地の事情を把握せず
出店したのが理由だ」

「現地のニーズや商習慣を
よく知っているのはその国の人。
だからこそ世界の人材と
日本人でチームをつくり、
それぞれの国や地域で
最適な運営体制をつくることが大事だ」

現地化だ。

「そのために
日本の繊維を製造する技術を
中国など海外に持って行き、
協力工場など現地の企業家や個人と
共同で事業を拡大してきた」

「失敗を繰り返し、
社員の実際の行動が今の時代に合うように
変わらなければダメだ」

「ファーストリテイリングも、
数々の失敗を経て各地の特徴を学び、
少しずつ成長の芽が出てきた」

課題。

「機能性の高い衣料など
世界で通用する品をつくることだ」

「自分の店の商品が、
ロンドン、ニューヨーク、パリの
目抜き通りにあっても
売れるかどうかだと
今、世界中で言っている。
売れる商品構成とサービスを
考えなくてはならない」

「売れるものは本来、世界中で売れる。
それを日本のローカルの基準だけでとらえて
“この程度でいい”と思って満足して
経営していると小売業は失敗する」

「海外に出る時には3つの問いがある」

第一。
“あなたは何者で
他の企業やブランドとどこが違うのか”

ポジショニングである。

第二。
“世界中でどんな良いことをしているのか”

SDGsだろう。

第三。
“その国でどんな良いことをしてくれるのか”

その国への貢献。

この三つの問いに答えなければ、
世界で成功はしない。

そのために、
「価格と価値のバランスをとることを
一番大事にしている」

「どの国も他にはない、
いい企業に来てもらいたい。
この3つに答えないと
新しい地域や国には出られない」

「海外事業を育てなければならない。
日本企業は成長する市場に挑む
“本気さ”が足りない。
もっと危機感を持って
世界に出て行かないと
“ゆでガエル”になってしまう」

セブン-イレブンの世界戦略も、
「本気さ」が問われている。

消費者の目。
「年々厳しくなっている。
安ければ安いほど
売れるというわけではない。
反対に質が良ければ、
値段は関係なく
売れるということもない」

トレード・オンである。

「機能性を高めて
価値ある商品に仕上がったのなら、
その分価格を上げる必要がある」

“服を変え、常識を変え、世界を変えていく”
ファーストリテイリングのモットー。
「当社も大企業病に陥っている。
変わらないと生き残れない」

自ら、変われ。

国内の年収を最大4割上げた。
キャリア採用では年俸最大10億円を掲げて、
国際人材の獲得に乗り出した。

「日本企業の報酬は安すぎる。
特に若い人が安い。
年収を引き上げたことで
幹部候補となる若者を採れる。
人材が厚くなれば
グローバルで幹部候補の人を
行き来もさせられる。
世界に出て行かないと、
実力は高まらず成長もできない」

「年収数億円の人は複数いる。
GAFAからも採りたいと思っていたが
必ずしもいい人材ではないことを勉強した」

「米国流がグローバル流ではない。
プレゼンテーションは上手だが
仕事はできない人がいる」

これは最近の人材採用のときのポイントだ。

「グローバルで優秀な人材といえば
みんな欧米を思い浮かべるが、
アジアにも優秀な人材はいくらでもいる。
ベトナムをはじめ東南アジア、
インド、中国の人たちはすごく優秀だ」

「外資の経営幹部は日本をとばして
シンガポールや上海などに行く」

「日本は人材鎖国の状態だ。
移民を受け入れやすくする必要がある。
“開国”しない限り昔の繁栄を取り戻すことはない」

賛成だ。

「知的好奇心があって
会社をよくしようと思ってくれる人、
自分の職責だけでなく
全体最適で考えて仕事を実行できる人がいい」

「会社の考えに共鳴してくれることも必要だ」

知識商人である。

「ただ、外部から人材を引っ張ってきても、
会社の文化と合わなかったら
力を発揮することはできない」

ビッグモーター問題に対して。
「経営者やオーナーが
正しい考え方を持たないといけない。
金のために何でもするのなら
事業をやる値打ちはない」

「次期経営体制の中で
創業家の柳井家には、
株主の代表として、
ガバナンス(企業統治)をやってほしい。
大株主として株主の権利を主張してもらいたい」

これはサム・ウォルトンの考え方と同じだ。
ファミリーはファウンダーになるということだ。

正しいと思う。

柳井さんは変わらない。
「当社も大企業病」

強いメッセージである。

〈結城義晴〉

2023年08月19日(土曜日)

イッセー尾形の「尽くした感」と林周二の「現代の商業」

完全休養。
久しぶり。

しかし抜け殻になったような感じはない。
まだまだ充実感でいっぱいだ。

それでも気は楽になった。

続編に向けて動き出そう。
次に向けて頑張ろう。

日経新聞夕刊のコラム。
「明日への話題」

イッセー尾形。
俳優というかコメディアンというか。
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タイトルは、
「ミステリー尽くし」

「ミステリーが好きだ」
同感だ。

今は、時間がないので、
私は読めないけれど。

尾形。
「特に殺人事件現場の見取り図が載ってるもの。
といえばエラリー・クイーンかヴァン・ダイン」

同感。

「でもあらかたみんな読んでしまった」
私も昔、ほとんど読んだ。

「最近のミステリーは
幼女誘拐とか残酷事件とか
歪んだ精神系がとかく多く、
楽しめないでいるのが悩みの種」

「まだ読んでいない彼等の作品も
いくつかはあるだろうけれど
問題はある意味飽和点に達した
今後をどうするかだ」

そうそう。

「これは何も
ミステリーに限った話ではなく
“尽くした感”は他にもある」

確かに、ある。

「我が人生の記憶すべては
その最たるものだ」

「尽くしたからこそ
今があるのだから。
尽くさないと私がいない」

「ミステリーの真逆だ」

「尽くした感」

今の私の心境に似ている。

しかしそればかりになってしまったら、
もう、おしまいだ。

会社経営でも、
社長さんを退任して、
会長さんになってしまうと、
この「尽くした感」が出てくるのかもしれない。

でも、それは駄目ですよ。

いくら年をとっても、
「尽くした感」を振り払って、
「Next One」を目指したい。

映画監督の黒澤明。
「ものを創る人間にとって完全が目標です。
完全に満足のいく作品なんてないから、
次の作品こそは完全無欠な作品を
と願うわけです」

「だから、僕に取って一番の作品は
ネクスト・ワンです」
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『流通革命』の著者・林周二先生。
2021年6月7日に逝去された。

1990年代の中ごろ、
食品商業の編集長だったが、
箱根の旅をご一緒した。

そのときに林先生は語っていた。
「今、書いているのは『商学大全』です」と、

それが1999年、
『現代の商学』として上梓された。
林周二、73歳のとき。
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このときの林の目も、
ネクスト・ワンに向かっていた。

さて夏の甲子園。
準決勝の顔ぶれが決まった。

東北からは3校が残っていたが、
前回優勝校の仙台育英(宮城)が勝ち進んだ。
大谷翔平の母校・花巻東高校(岩手)に9対4で快勝。

他の3校は、
慶応義塾高校(神奈川)は、
沖縄尚学高校に7対2の逆転勝利。
1920年大会以来103年ぶりのベスト4。

神村学園(鹿児島)は、
8回に一挙5点を奪って、
おかやま山陽高校(岡山)を零封。

土浦日大高校(茨城)は、
八戸学院光星(青森)を9対2で破った。

準決勝は仙台育英と神村学園、
慶応と土浦日大。
今年は原稿執筆に集中していて、
まったく見ていないけれど、
少しは覗いてみようかな。

高校球児には、
「尽くした感」は無縁だろう。

うらやましい。

〈結城義晴〉

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