當仲寛哲 VS 玉生弘昌 [対談]第1回
當仲寛哲(USP研究所)VS玉生弘昌(プラネット) 対談
私たちコンピュータ・リテラシー研究会は、
商業者と情報技術の関わりを考える勉強会を開催しています。
その勉強会の様子を、抜粋してお伝えしていきたいと考えております。
これから数回にわたり、2008年に行われました、当研究会座長當仲と、
株式会社プラネット玉生弘昌社長の対談の様子をお届けします。
第1回 —————————————————————————————-
なぜ今、コンピュータリテラシーなのか?
當仲: なぜ、私たちはコンピュータ・リテラシーを、
身につける必要があるのでしょうか?
簡単におさらいをしておきましょう。
これは流通業に限った話ではありませんが、企業によって、
情報システムに対するリテラシーがまったく違うという問題が挙げられます。
社員にコンピュータ教育を行い、
自社のシステムのハンドリングをさせるという企業がある一方で、
コンピュータについてはベンダーに任せきりの企業もある。
その情報システムに対する知識、意識の底上げは、
私たち流通小売業に携わる者にとっても、喫緊の課題です。
■情報システムによる「業務の隠蔽」■
當仲: 情報システムというと、その適用範囲は多岐にわたります。
受発注、決済、POSレジ、本部情報システム、人事、会計……
それぞれにどのような技術や仕組みを適用するべきなのか、
こういう議論は常々ありますが、
本当に良いものというのは、何十年も変わりません。
コンピュータにできることは限られていますが、
何ができて、何ができないのかを見極め、
その道具としてのコンピュータをどこに適用するかという、
「リテラシー」を、私たちは身につける必要があります。
企業におけるコンピュータのシステムは、
経理の仕事をコンピュータに置き換えるところからスタートしましたが、
そのうち、全ての仕事にコンピュータが介在するようになりました。
いかに企業を経営していくかという仕事は、人間にしかできないはずですが、
仕事はどんどんコンピュータに置き換えられてしまい、
人間は考えることを忘れてしまいつつあります。
そして、単なる「便利な道具」であるはずのコンピューターが原因となり、
今、仕事の現場で様々な問題が起きています。
朝から晩までエクセルをいじっているようなスタッフや、
メールを投げればそれだけで仕事が終わったつもりになっている人…。
単なる道具に、人間が振り回されてしまっているのです。
■どうすればコンピュータに振り回されないのか?■
當仲: では、企業の次世代を担う人々は、
コンピュータに振り回されないために、
どのような知識を身につける必要があるのでしょうか?
まず、コンピュータの基本となる原理と技術を身につけなければなりません。
複数の業務を知るために、ジョブローテーションを行うことも必須です。
「仕事がコンピュータ化される以前の状況は、どのようなものだったのだろうか?」
ということに想像力を働かせることができる人こそが、
次世代のリーダーたりうるのです。
コンピュータというものは、歴史がさほど長くないため、
さまざまな文化・技術が錯綜しています。
その整理や編集もできていません。
さらに、コンピュータの基礎教育が日本では行われていないことも、
状況を悪化させる原因となっています。
「OS」や、「プログラミング言語」、「コマンド」というものを、
誰もが若いうちに学び・体験しておいたほうがいいのではないかと、
私は考えています。
第2回へ続きます